住宅ローンの毎月々の返済金額平均と年収に見合う返済負担率とは

住宅ローンは、数十年という長期間に渡って返済し続けなければいけません。言い方を変えれば、「借金」です。おそらく、住宅ローンを借り入れするほぼ全員が、「毎月々に渡り、余裕を持って返済していきたい」と考えているはずです。

しかし、実際は多くの方が住宅ローンの返済で苦しみ、悩んでいます。目先のことしか考えずに、将来安定して返済していけるかどうかがわからない状態のまま、住宅ローンを組んでしまうことが最大の原因です。

実は、実際に無理のない返済を続けていくためには、「返済負担率」や「返済可能額」といったものを特に注意して確認する必要があります。

現在では、住宅ローンに関する書籍や情報サイトはさまざま飛び交っております。極論を申し上げるならば、「返済負担率」「返済可能額」をしっかりと理解し守った人は、余裕を持った住宅ローンの返済ができます。

ただ、これらについて正しい知識を持ち合わせている人は少ないです。だからこそ、多くの方が住宅ローンの返済で苦しんでいます。

そこでこのページでは、「返済負担率」「返済可能額」はもちろん、無理のない住宅ローンの返済方法や考え方までを網羅して紹介します。この内容を実践するだけで、あなたは住宅ローンの返済で一生、悩むことはなくなるでしょう。

完璧に理解できるまで、何度も読み返していただくことをオススメ致します。

0.住宅ローンを借り入れする際の大前提

住宅ローンの融資を決定するのは、申し込みを受けた金融機関です。このとき、借り入れする場所によって住宅ローンの融資基準は異なります。

ただ、ここでは話を統一するために、住宅ローンを借り入れするための主な大前提について箇条書きで紹介していきます。

  • 安定した収入がある
  • 健康状態に問題がない
  • 住宅ローンの完済時や借入時の年齢に問題がない
  • 勤続年数に問題がない
  • 借入可能額に問題がない
  • 返済負担率に問題がない
  • 不動産の担保評価に問題がない
  • 債務超過に陥っていない
  • 金融事故歴がない

これらの大前提は、あくまでも住宅ローンの申し込みを受けた金融機関によって判断が異なります。

とはいえ、「上記項目のすべてが住宅ローンの融資を受けるために必要なことと」言っても決して過言ではありません。

できることならば、無駄な時間と労力を費やさないためにも、これらの項目に問題がないことを確認してから、住宅ローンの申し込みを行うようにしたいものです。もし、住宅ローンの審査基準についてさらに詳しく知りたい場合、以下の記事(コンテンツ)をご覧ください。

住宅ローンを借りるには?事前・仮審査と本審査の審査基準10項目

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2016.05.18

0-1.住宅ローンは建物(家)や土地のお金だけではない

住宅購入にかかるお金は、建物や土地といった不動産価格だけではありません。実は、「住宅購入諸費用」というものがかかります。以下、主な住宅購入諸費用とその内容について紹介します。

諸費用の項目内容
仲介手数料土地や建物といった不動産を「仲介」で売買する場合に必要となる手数料
事務手数料住宅ローンの融資実行などにかかる手数料で金融機関に支払うもの
保証料保証会社に支払う保証料
抵当権設定登記費用住宅ローンの抵当権を設定する登記費用
所有権移転登記費用土地や建物の所有者を変更するために必要となる登記費用
建物表題登記・
所有権保存登記費用
注文住宅を購入する場合に必要となる登記費用
印紙税売買契約書や金銭消費貸借契約書などに貼付する収入印紙代。注文住宅の場合は、工事請負契約書にも収入印紙代が必要
登録免許税抵当権設定登記や所有権移転登記などの登記手続きに必要な税金。注文住宅の場合は、所有権保存登記にも必要

ただし、住宅購入諸費用は、注文住宅や建売住宅のように、買う家の種類や取引する相手によって違いが生じます。そのため、必ずしもすべてのものが必要になるわけではありません。

実際のところ、住宅購入諸費用だけで100万円以上かかるのが一般的です。そのため、住宅ローンの金額を決める際は、不動産価格にプラスして、諸費用やその他にかかる金額も足して考慮することで「住宅購入の総額」を知る必要があります。

住宅購入諸費用を支払う方法としては、よく聞く「頭金」を住宅購入諸費用として充てるのが一般的です。その他に、住宅購入諸費用も含めて住宅ローンを申し込む方法などがあります。

重要なポイントは、家計の「収入」と「支出」を考慮したベストな選択です。

このとき、住宅購入に「頭金」があることは望ましいことです。

しかし、頭金がないからといって、住宅購入をしてはいけないわけではありません。

家計の懐具合と将来的なお金の流れ、いわゆる「家計のキャッシュフロー」に十分な見通しが立つのであれば、たとえ頭金がなかったとしても、住宅購入が正しい選択肢であると考えることができます。

住宅購入を「合理的」に考えていくと、住宅ローンの借入金額が大きくなるということは、土地や建物の不動産価格も上がっていくのが一般的です。

仮にこれらの不動産を「仲介」で購入した場合、不動産業者に支払う仲介手数料は高額になります。

また、ケース・バイ・ケースではあるものの、不動産の価格が大きいということは、維持費も高くなります。たとえば、土地や建物にかかる固定資産税を含めたものです。

このように、現時点で「目に見える金額」のみを着目して住宅購入をすることは危険すぎます。たとえ今は良いとしても、将来において毎月々の住宅ローンの返済に苦しむことは火を見るよりも明らかだからです。

これらの理由から、住宅購入には、次項から詳しく解説する「返済負担率」や「返済可能額」といったものを考えることが重要になると考えてください。現段階で、住宅諸費用について理解していない場合、以下のコンテンツをあわせて読んでおくことをオススメ致します。

新築の家・注文住宅購入時のローン以外の諸費用・手数料はいくら?

2017.02.10

0-2.住宅ローンの「借入可能額」と「返済可能額」は全く意味が違う

住宅ローンには、「借入可能額」と「返済可能額」という2つの種類の金額があります。どちらも似たような名前ですが、その意味は全く異なります。

借入可能額とは、年収などを基準にして金融機関が融資することができるお金のことです。

一方、返済可能額とは、無理をしないで住宅ローンの返済ができる金額を指します。

つまり、借入可能額は「お金を貸す側の基準」であり、返済可能額は、「お金を返す側の基準」であると考えてください。

  • 借入可能額:お金を貸す側の基準
  • 返済可能額:お金を返す側の基準

私たちは、お金を返す側にあたるため、返済可能額がいくらになるのかをしっかりと確認してから住宅購入計画や住宅ローンの申し込みを行う必要があります。

これを考えずに満額に近い金額で借り入れをしてしまうと、返済で苦しんだり返せなくなって破産したりすることになりかねないため、十分に注意してください。

1.住宅ローンは年収に対してどの程度の割合で組めば良いのか

前項では、返済可能額がいくらになるのかをしっかりと確認しなければならないと解説させていただきました。本項では、この返済可能額をどのように導き出していくのかについて「返済負担率」を利用した計算方法を紹介していきます。

1-1.返済負担率とは

返済負担率とは、年収に占める年間返済金額の割合のことをいいます。

たとえば、年収500万円で返済負担率が30%であった場合、返済金額は以下のような計算式で求めることができます。

500万円×30%=150万円
150万円÷12ヶ月=125,000円

年収500万円の人が返済負担率30%以内に抑えるには、1ヶ月あたり125,000円以内の返済に留めておく必要があるといった見方になります。

1-2.住宅ローンの返済可能額を最も合理的な方法で導き出す方法

返済負担率を利用して計算する方法は、簡易な手法です。いわば目安金額にすぎません。

ただ、中には「もっとしっかりとした返済可能額を知りたい」という方もおられるでしょう。そこで、ここでは住宅ローンの返済可能額を最も合理的な方法で導き出す方法を紹介します。

項目金額
夫婦の手取金額400,000
収入合計400,000
食費・生活費70,000
水道光熱費20,000
支払家賃100,000
保険料30,000
通信費25,000
教育費10,000
医療費5,000
交際費30,000
おこづかい40,000
支出合計330,000
貯蓄金額(うち住宅用貯蓄)70,000(20,000)
住宅購入後の概算費用(ランニングコスト)30,000

支払家賃+住宅用貯蓄-ランニングコスト=返済可能額
100,000+20,000-30,000=90,000

項目は、あなたの家計に合わせて適宜変更してあてはめて計算してみて下さい。返済可能額の計算ポイントは、現在の支払家賃からランニングコストを差し引いて、正味の住宅ローン返済額を導き出すところにあります。

仮に住宅用の貯蓄をしていない場合の返済可能額は、70,000円になります。当てはめるだけで計算ができるため、ぜひ、お試しください。

1-3.年収から考える一般的な返済負担率の関係

年収から考える一般的な返済負担率は、「年収の25%程度」と言われております。

ただ、一般的な返済負担率「25%程度」とは、あくまでも目安の割合にすぎません。正しいかどうかは一概に申し上げることはできませんが、一般的な家計の収支から計算し導き出すと「25%以下」が妥当な割合といえます。

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ちなみに、この返済負担率には、たとえば、現在抱えている「自動車ローン」や「その他の借入」のほか、これから融資を受ける予定の住宅ローンの返済金額を含めた割合であることに注意して下さい。

なお、こちらは余談ですが、返済負担率が30%を超える借入は「絶対に避ける」ことを強くおすすめします。返済が大変になり、苦しんだ挙句、破産せざるを得なくなる可能性が高いからです。

事例を見てみましょう。

1-3-1.年収300万円の場合における返済負担率と返済可能額の関係

たとえば、3,000万円の住宅を「変動金利0.70%」と「固定金利1.30%」で借りた場合の返済負担率と返済可能額の関係は、以下の表の通りです。

返済期間は「35年」、返済方法は「元利均等返済」とし、その他の事情は加味しません。後述する年収400万円、500万円、600万円につきましても条件は同様とします。
返済負担率返済可能額(目安)
20%(安全)50,000
25%(標準)62,500
30%(危険)75,000
項目変動金利0.70%固定金利1.30%
1ヶ月の返済金額80,55688,944
返済負担率32.22%35.57%
判定××

年収300万円の人が、3,000万円の住宅を返済期間「35年」、返済方法「元利均等返済」で申し込んだ場合、返済負担率が危険水域を超えています。そのため、これでは安全な返済を行うことは難しいという見方になります。

この場合、住宅ローンの申し込みをしたとしても、仮審査の時点で振るい落とされてしまう可能性が極めて高いと予測されます。

以下、すべて同じですので説明文は割愛させていただきます。

1-3-2.年収400万円の人の住宅ローンの返済可能額と実際の目安額

返済負担率返済可能額(目安)
20%(安全)66,666
25%(標準)83,333
30%(危険)100,000
項目変動金利0.70%固定金利1.30%
1ヶ月の返済金額80,556固定金利1.30%
返済負担率24.16%26.68%
判定

1-3-3.年収500万円の人の住宅ローンの借入可能額と実際の目安額

返済負担率返済可能額(目安)
20%(安全)83,333
25%(標準)104,166
30%(危険)125,000
項目変動金利0.70%固定金利1.30%
1ヶ月の返済金額80,55688,944
返済負担率19.33%21.34%
判定

1-3-4.年収600万円の人の住宅ローンの借入可能額と実際の目安額

返済負担率返済可能額(目安)
20%(安全)100,000
25%(標準)125,000
30%(危険)150,000
項目変動金利0.70%固定金利1.30%
1ヶ月の返済金額80,55688,944
返済負担率16.11%17.78%
判定

1-4.住宅ローンの年間返済額と全国平均の関係

住宅ローンの年間返済額と全国平均の関係

単位 百万円
参考 国土交通省 平成27年度住宅経済関連データ<6>2.(5)より

上記の数値は、年間返済金額の平均です。そのため、12ヶ月で割ることによって、1ヶ月あたりの平均返済金額を導き出すことができます。

あくまでも、ご自身の返済可能額が平均返済金額と比較して、高い・低いといった程度のものとしてお役立て下さい。余裕を持った住宅ローンの返済に平均金額は全く関係ないからです。

1-5.住宅ローンの金利は「変動」「固定」「期間選択型」どれを選ぶべきか

住宅ローンの金利には、「変動金利」「固定金利」「期間選択型金利」など、さまざまな金利の種類が存在します。これらには、それぞれにメリットおよびデメリットがあります。

そのため、一概にどの金利を選べばよいのかにつきましては、たとえば以下のことを考慮した上で適した金利を選ぶ必要があります。

  • それぞれが想っている希望
  • 家計の収支状況
  • 年収
  • 返済負担率
  • 返済可能額

平成28年2月、日本銀行がマイナス金利政策を施行したことに伴って、住宅ローンの金利は、歴史的低金利の時代が到来しました。

しかし、平成29年に入ってからは、その金利が徐々に上がってきています。

これは、歴史的低金利の状態から、少しずつ「元に戻ってきている」と考えることもできるわけです。このとき、「低金利の恩恵を住宅ローンの完済までずっと継続して受けたい」と考えている人には、「全期間固定金利」がよいかもしれません。

将来、低金利から元の金利に戻った場合、変動金利や期間選択型金利を選択した人は返済に苦しむ可能性が高いです。

ただし、その金利の上昇影響を受けることになる一方、固定金利よりも金利が低いため、返済金額が少なくて済むメリットがあります。双方の良い点と悪い点を理解して見極め、あなたに合っているものを選ぶようにしましょう。

さらに詳しく知りたい場合、以下のコンテンツをご覧ください。固定金利と変動金利の違いがわかり、あなたに適した金利の選び方がわかります。

借りるなら固定金利と変動金利どっちがお得?住宅ローンの選び方

2016.04.13

2.住宅ローンの具体的な返済可能額を導き出すには、お金を出してfpに相談するのも一策

フリーペーパーや広告、不動産業者が提示する住宅ローンの返済例は、「返済金額を少なく見せかけるための常套手段」です。

つまり、最も低い金利で計算した返済額になります。

これまで解説した「返済可能額」は、住宅ローンの返済が始まった当初から数年間はクリアできたとしても、将来的に考えた際に返済期間の途中で「返済金額が増加する」場合がほとんどです。

このような思いもよらない落とし穴にはまってしまうと、家計の収支に大きな影響を及ぼしてしまうことは言うまでもありません。

そこで、あくまでも一例ではありますが、あなたに合った具体的な返済可能額を導き出すには、お金を支払ってfp(ファイナンシャルプランナー)に相談するのも一策です。

希望に沿った返済計画や希望に合致した住宅ローンの紹介なども受けられ、お金を支払った以上のプラスの効果が期待できます。

その一方で、無料で相談に乗ってくれるfpもいますが、おすすめできません。ライフプランの構築を専門として稼いでいるのではなく、関連する保険などの金融商品を売りつけられる可能性が高いからです。

一見すると、親身になって悩みを聞いてくれそうですが、保険の見直しを口実に必要のない保険に加入させられたら本末転倒です。言われるままに従ってしまうと、有料で相談に乗ってくれるfpよりも高くつく可能性があります。

むしろ、適切な資金計画をしてもらうことができるため、圧倒的に特をできるのは有料のfpだけです。そのため、ここは出し惜しみをせずにお金を支払ってでもfpに相談することをオススメします。

具体的な理由は、以下の記事をご覧ください。fpの必要性に気づき、住宅購入で大きく特をできるようになります。

現役FPが解説!FPへ相談する前に抑えておきたい4つのこと

2016.04.04

まとめ

本記事では、住宅ローンの毎月々の返済金額の平均や年収に見合う返済負担率などについて解説させていただきました。以下、要点を箇条書きで掲載していきます。

  • 住宅ローンの余裕を持った返済は、「返済負担率」と「返済可能額」が重要
  • 住宅ローンの申し込み前に、前提条件を確認
  • 住宅ローンの申し込み前に、住宅購入諸費用をどのように支払うか検討
  • 住宅ローンの月々の返済が返済可能額に合致しているか必ず確認
  • 住宅ローンの返済に平均金額は関係ない。あくまでも自分たち中心で
  • 自分たちに合った住宅ローンの返済を実行するためにfpに相談をするのも一策

住宅ローンの返済は、長期に渡って行わなければなりません。

ただ、返済中にどのようなことがあるのか未来を予測することもできません。

しかし、本記事で解説した「返済可能額」と「返済負担率」をしっかりと守ることができたとすれば、少なからず住宅ローンの返済に大きな支障をきたす可能性は少ないと考えられます。

そのため、決して目に見える金額に騙されずに、このページの内容が、自分たちに最適な返済金額をしっかりと導き出してください。本記事が参考になり、最高の住宅購入ができるきっかけになっていただければ幸いです。