住宅ローンの借り換えには限度回数はなく、何度でもできる

住宅ローンの低金利は、新規で住宅を購入する場合に限らず、既存の住宅ローンの借り換えにおきましても良い影響を与えます。

ただ、住宅ローンの借り換えにおけるメリットやデメリットを理解しておかなければ、良い効果が得られることは当然にありません。

また、住宅ローンの借り換えを条件が良いものへ都度何度も変更することも、総合的に考えるとマイナスに作用する場合も十分に考えられます。

これらのことを踏まえた上で、本記事では、住宅ローンの借り換えにおけるメリットやデメリットについて、住宅ローンの借り換え回数の関係性と絡めて解説していきます。

1.住宅ローンの借り換えに限度回数はあるのか?

結論から申し上げますと、住宅ローンの借り換えは、ご自身の考えの下、いつでも自由に申し込むことができます。したがいまして、住宅ローンの借り換えに限度回数というものはそもそも存在しません。

ただし、住宅ローンの借り換えについて、すべての方が手続きを進められるわけではありません。あくまでも、新規の住宅ローンと同じように、様々な借り換え条件を満たしていることで、借り換えを認めてもらえるべきものであることを念頭においておく必要があります。

また、住宅ローンの借り換えは、申し込み時の状況で再度、審査されることになります。そのため、新規の住宅ローンの審査に比べて、時に不利になる場合もあります。具体的な一例として「完済年齢」や「健康状態」などが分かりやすいものとしてあげられるでしょう。

ただし、年齢を重ねることによって収入も上がっていることを考えると、安定した収入といった面では有利になります。このことから、やはりケース・バイ・ケースと言えそうです。

1-1.住宅ローンを借り換えするメリットを考える

既存の住宅ローンを借り換えすることによって得られるメリットは、総合的にシミュレーション計算をして判断しなければなりません。

本項では、住宅ローンの借り換えが成功した場合に得られると思われるメリットについて以下、3つ解説していきます。

1-1-1.総返済金額を減らすことができる

住宅ローンの借り換えをするメリットの1つ目は、元金と支払利息を合わせた「総返済金額」を減らせることがあげられます。

ただし、これはあくまでも住宅ローンの借り換えによって既存の住宅ローンより「低金利」で融資が受けられることが前提になります。

たとえば、十数年前の金利が高い時期に借りた住宅ローンの場合や、固定金利から借り換えによって変動金利に変更した場合などです。通常、既存の住宅ローンの金利よりも低金利になると推測できることから、このようなメリットが受けられると思われます。

1-1-2.将来的な金利上昇リスクに備えることができる

金利が上がる前に借り換えを行うことで、返済金額の増加リスクを回避できます。

たとえば、金利上昇に備えて、変動金利から長期の固定金利で住宅ローンの借り換えを行ったとします。この場合、仮に将来、金利が上昇したとしても引き続き比較的低金利の状態で住宅ローンの返済を行うことができるということです。

つまり、住宅ローンの借り換えによって将来的な金利上昇リスクに備えることができるメリットも得られることになります。

1-1-3.月々の返済金額を抑えることができる場合もある

住宅ローンの借り換えによって、月々の返済金額を抑えることができる場合もあります。

ただし、毎月の返済金額を抑えるためには、既存の住宅ローンと借り換えする住宅ローンとの金利差が大きくなければ、効果は期待できません。その辺には、注意が必要です。

1-2.住宅ローンを借り換えするデメリットも知っておこう

住宅ローンを借り換えする主なデメリットとして以下、4つをあげて解説していきます。

本記事におきましては、メリットよりもデメリットの方を多く解説することになります。これらを総合的に加味した上で、良し悪しが決定されるべきものであることを、念頭に入れておくようにして下さい。

1-2-1.借り換え手続きに手間がかかって面倒

住宅ローンの借り換え手続きとは、いわば住宅ローンの新規の手続きをもう一度やるようなものです。

おそらく、本記事をお読みになって下さっているあなたは、すでに住宅ローンを抱えているはずです。そのため、言うまでもなく住宅ローンの申し込みから融資実行までの時間と手間は、十分ご存知だと思います。

住宅ローンの借り換えを申し込むということは、「あの体験」をもう一度しなければならないことになります。住宅ローンの借り換え手続きに手間がかかって面倒なことはデメリットの1つと言えます。

1-2-2.諸経費を再度支払わなければならない

住宅ローンの借り換えにかかる諸経費を、再度支払わなければならないデメリットも詳しい解説は不要であるように思えます。

たとえば、住宅ローンの借り換えが無事行われることが決定した場合、現在借りている住宅ローンをすべて完済し、新たな金融機関から資金を借りることになります。

このとき、登記手続き関係につきましても、再度、様々な手続きが必要となるほか、借り換えにかかる事務手数料や保証料などの諸費用も別途必要になります。このことから、それなりにまとまったお金を支払わなければならないデメリットが生じます。

1-2-3.金利だけを見て借り換えをすると将来的なリスクが増す可能性がある

通常、変動金利の方が固定金利に比べて低金利です。

しかし、これだけを見て金利を選んでしまいますと、将来、金利が上昇するリスクを抱えてしまい、結果として負担するべき支払利息が多くなってしまう可能性も否めません。

住宅ローンの金利が徐々に上がり始めると、「低金利と将来金利が上昇するリスクを取る」のか、「少し金利が高くとも一定の金利が保てる安定」を取るのか、どちらの選択を取るのかはあなた自身ということになります。

目先のことだけにとらわれずに、長期的な視点を持ち、無理のない返済計画が必須であることを認識してください。金利選びに関しては、当サイト内「借りるなら固定金利と変動金利どっちがお得?住宅ローンの選び方」を参考に金利を選択してください。新規も借り入れも考え方は同じです。

1-2-4.月々の返済金額が増えてしまう懸念が生じる

大前提として、住宅ローンの借り換えができたとしても、返済期間が延長されるわけではありません。

たとえば、35年ローンで既存の住宅ローンを組んだと仮定し15年後に住宅ローンの借り換えをしたとします。このとき、住宅ローンの借り換えにおける最長返済期間は20年(35年-15年)となり、借り換えをしたことによって、再度、35年ローンを組むといったことはできません。

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この例の場合は、20年を超える返済期間を設定することはできないということです。

一般に、返済期間が短くなることで、1ヶ月の返済金額が多くなります。そのため、住宅ローンの借り換えによる金利差が大きくなければ、かえって月々の返済金額が増えることによって負担増になる懸念が生じてしまいます。

2.住宅ローンの借り換えは「メリット」がなければ無意味

住宅ローンの借り換えには、メリットとデメリットの双方があるということをご理解できたと思います。住宅ローンの借り換えを実際に行う前には、あらかじめメリットが確実に得られるかどうかを確認しておく必要があります。

具体的には、借り換え前の総返済金額よりも借り換え後の残債が少なくならなければ、そもそも借り換えを実行するメリットが得られないということになります。このとき、「住宅ローンの借り換えにかかる諸費用」と「借り換え後の総返済金額」を加えた金額であることはいうまでもありません。

メリットが得られない状態で借り換えを行うということは、結果として損をしてしまうこととイコールです。

そのため、借り換えを行う前に、まずは正確かつ確実なシミュレーションが求められます。

言うまでもなく、専門家のFPや住宅ローンアドバイザーといった第三者へ委託した上で検討することが得策であることは明白です。

2-1.住宅ローンの借り換えの際に確認したい4つのポイント

本項では、住宅ローンの借り換えを申し込む前にあらかじめ確認しておくべきポイントを、4つに分けて解説していきます。

これらは、住宅ローンの借り換え効果を左右するだけでなく、借り換え後の返済負担にも大きな影響を与えることになります。これらを参考に、借り換えの検討に役立てていただけると幸いです。

2-1-1.金利差はどれだけあるのか

現在の住宅ローンの金利と借り換え後の金利差は、借り換え効果および借り換え後の返済負担にも大きな影響を与える要因になります。

借り換え後の金利が、現在の金利よりも低い程、借り換え後の良い効果が得られることになります。

2-1-2.借り換え前と借り換え後の金利タイプの違い

住宅ローンの金利には、変動金利や固定金利、期間選択型固定金利など、様々な金利タイプがあります。それぞれの金利には、メリットおよびデメリットがあります。

一般に住宅ローンの借り換えをするということは、少なからず現在の住宅ローンの返済において、何かしら不満な部分があると考えることができます。

そのため、このような不満を解消できる金利タイプを選択することが望ましいと思われます。くどいようですが、選択した金利タイプのメリットおよびデメリットを理解した上で総合的に判断しなければいけません。

詳しくは、当サイト内「住宅ローン商品と銀行の選び方:金利で選択する際のポイント」を熟読しておくようにしましょう。新規借入の時よりも、あなたにあった金利を選択できるようになっているはずです。

2-1-3.残り返済期間

住宅ローンの借り換えは、残っている住宅ローンの返済期間が長い程、効果があります。

後述する「諸経費」の金額負担が大きいことから、住宅ローンの借り換えで総合的な効果を得るためには、返済期間ができる限り長いことが望ましいです。

逆に、短い場合は効果が期待できない可能性もあるため、注意が必要です。

2-1-4.諸費用(事務手数料・保証料など)

住宅ローンの借り換えには、事務手数料や保証料、登記費用、印紙代などといった諸費用がかかります。

これらの費用負担をすべて合算すると、100万円単位の費用になることは、よくあります。そのため、住宅ローンの借り換え効果を正確かつ確実に行っておかなければ、大きなロスになってしまうことは言うまでもありません。

2-2.住宅ローンの借り換えよりも繰上げ返済の方が得策な場合もある

あくまでもシミュレーションしなければなりませんが、時として住宅ローンの借り換えよりも現在の住宅ローンを繰上げ返済することで十分な効果を得られる場合もあります。

前項で解説した住宅ローンの借り換え費用を繰上げ返済に充てることで、求めている効果が期待できる可能性があります。このことから、どちらの方法が得策なのか、借り換え前に事前シミュレーションしておくことが望ましいでしょう。

3.住宅ローンの借り換えの絶好のタイミングはあるのか?

住宅ローンの借り換えにおける絶好のタイミングとは、借り換えをシミュレーションした結果、効果(返済額の減少)が認められる場合と考えることができます。

一般的には、次項で解説する借り換えの目安にすべてあてはまっている場合、借り換えの効果があるとされています。

3-1.住宅ローンを借り換えする際の目安

住宅ローンを借り換えする際に効果が期待できる目安は、以下の通りです。

  • 住宅ローン残高:1,000万円以上
  • 住宅ローン返済期間:残りが10年以上
  • 住宅ローン金利差:1.0%以上

あくまでも、借り換え諸費用を含めた詳細なシミュレーションを行うことで、判定されるべきものです。そのため、上記すべてにあてはまっていなければならないといったことではないため、注意するようにして下さい。

まとめ:住宅ローンの借り換え回数と注意点について

住宅ローンの借り換えの回数につきましては、すでに解説しました通り、制限というものは設けられておりません。

しかし、これまで解説させていただきました内容から、住宅ローンの借り換えには、主に「審査」と「諸費用」が大きく関係することがご理解できたと思います。

つまり、住宅ローンの借り換えは、あくまでも金融機関等の審査の可否によって決定されるものであるため、通常、何度も借り換えができるものではないと考えることができます。

さらに、諸費用も高額であることを加味すると尚更です。

住宅ローンの借り換えで最も大切なことは、借り換えの申し込みを行う前の「比較シミュレーション」になります。

当然のことながら、金融機関などで無料のシミュレーションをするのではなく、FPや住宅ローンアドバイザーなど第三者の中立的な立場の方へ依頼されることで「本質」が明確になることは間違いありません。

住宅ローンの借り換え効果というものは、総合的・長期的に表れるものです。そのため、目先のお金だけに捉われず、幅広い視野を持てる方が住宅ローンの借り換えを実行されて効果を得る人であると考えることができそうです。