住宅ローン借り換えの条件:金融機関が重視している審査基準を公開

住宅ローンの借り換えは、ざっくり一言で申し上げるとするならば、「住宅ローンの審査と申し込みを再度行うこと」を意味します。

そのため、住宅ローンを新規で申し込みをする場合に比べて、一般に融資の条件や審査が厳しめの傾向にあると言われます。

当然のことながら、住宅ローンの借り換えを行うにおいて、金融機関から問題がないと判断されることによって、住宅ローンの借り換えができることになるのですが、本記事では、住宅ローンの借り換えを行うにあたって金融機関が重視している審査基準について解説を進めていきたいと思います。

1.住宅ローン借り換えによるメリットがなければ審査をするだけ無駄です

はじめに、住宅ローンの借り換えにおける大前提をあらかじめ知っておかなければなりません。

それは、住宅ローンを借り換えすることによってメリットが得られなければ、そもそも借り換えをすること自体における時間やお金が無駄であるということです。

具体的には、以下、3つの条件すべてにあてはまっている場合に、住宅ローンの借り換え効果があるとされます。

  1. 住宅ローン残高:1,000万円以上
  2. 住宅ローン返済期間:残りが10年以上
  3. 住宅ローン金利差:1.0%以上

参考:

住宅ローン最適な借り換え検討のタイミング・金利の考え方

2017.06.08

住宅ローンの借り換えを行うということは、冒頭でも触れましたように、「住宅ローンの審査と申し込みを再度行うこと」を意味しますので、事務手数料、保証料、登記費用などといった多くの諸費用が再び発生することになります。

そのため、3つの借り換え条件にあっているだけでは足りず、住宅ローンの借り換えにかかる諸費用を考慮して総合的にメリットが得られるのかどうかを判断しなければなりません。

このような理由から、できる限り、専門家にあたるFPや住宅ローンアドバイザーといった第三者からの意見を求めて、確実に得策になるといった根拠を得てから住宅ローンの借り換え行動に移されることを強くおすすめ致します。

2.住宅ローンの借り換えは、新規借り入れに比べて条件(審査)が厳しい理由

住宅ローンの借り換えは、新規借り入れに比べて条件(審査)が厳しいとされますが、その理由について解説を進めていきます。

2-1.物件の資産価値が下がってしまう

住宅ローンの借り換えを行うということは、住宅ローンを新規で借入してから年数が経過していることになります。

一般に、購入した住宅(建物)は、年数が経過することによって価値が下がることになりますので、住宅ローンの担保として提供することになる建物の資産価値も下がってしまうことを意味します。

新築住宅や長期認定優良住宅などのように、年数が経過したとしても建物の資産価値がいくらか維持できている可能性もあるものの、たとえば、住宅ローンを新規で借入した際に、中古住宅や中古マンションを購入した場合などは、住宅ローンの借り換えを行うにあたって、十分な担保価値が確保できないといった懸念が生じる可能性も否めません。

こちらは参考情報となりますが、たとえば、金利1.34%、返済期間35年、元利均等返済(ボーナス払いなし)といった融資条件で3,000万円の住宅ローンをフラット35で融資を受けた場合の10年後の債務残高は、22,810,390円となります。

金利参考:住信SBIネット銀行(平成29年12月現在借り換え金利)

いわば、取得した土地や建物などの不動産や収入やその他の状況を考慮した際に、22,810,390円を担保として補填できるといった与信判断がされなければ、住宅ローンの借り換えが難しいと考えることができるわけです。

2-2.新規借り入れの時と状況が変わっていると、借り換え審査に通りづらくなる

住宅ローンの借り換え時期は、個々によって異なりますが、少なくとも年数が経過していることには変わりないため、住宅ローンの審査項目において、新規借り入れの時と状況が変わっていることが十分に考えられます。

金融機関によって住宅ローンの借り換え基準は異なりますが、一例として、以下のような場合は、住宅ローンの借り換えが難しくなる可能性があります。

2-2-1.著しい返済遅延(個人信用情報の傷)が生じていた場合

住宅ローンの借り換えを申し込まれた金融機関は、申込者の個人信用情報を必ず確認します。

個人信用情報とは、申込者が現在抱えている様々な借入金残高や割賦払いの履歴などが、個人信用情報機関というところで管理されており、それを確認することで信用取引に懸念がないかを確認するための重要な情報となります。

住宅ローンの返済が何ヶ月かに渡って遅延している場合やその他の支払いが遅延している場合などが、一定期間に渡ってすべて明確に記されており、個人信用情報に問題があった時点ですべての金融機関で住宅ローンの借り換えが不能となります。

2-2-2.団体信用生命保険に入れないほど健康状態が悪くなった場合

住宅ローンの借り換えまでの間に、がんやその他の大病などで、団体信用生命保険に入れないほど健康状態が悪くなっている場合は、住宅ローンの借り換えをすることができない可能性が高まります。

ただし、引受基準緩和型の団体信用生命保険に加入することやフラット35といったそもそも団体信用生命保険への加入が任意のもので対応ができる場合もあります。

2-2-3.転職や独立開業などで勤続年数が短い場合

住宅ローンの借り換えをするには、言うまでもなく「安定した収入があること」が求められるため、どちらかといえば、収入の高低よりも勤続年数が長く、安定して収入が得られている状態であることが優先的に求められます。

そのため、住宅ローンの借り換えの申し込みにおいて、転職や独立開業などで勤続年数が短い場合は、住宅ローンの借り換えがなされない場合も十分に考えられます。

金融機関によって基準の違いはあるものの、2年や3年程度の勤続年数は最低限の基準として備えておきたいものです。

住宅ローンの借り入れ・借り換え審査は勤続年数1年未満でもOK?

2017.06.02

2-2-4.住宅ローン以外の借り入れが増加している場合

住宅ローンの借り換えをすることによって、完済までの総支払金額や毎月の返済金額を少なくさせられるメリットが得られるのが一般的ですが、住宅ローン以外の借り入れが増加し、返済負担が重くなっていると判断された場合は、住宅ローンの借り換えが難しくなります。

いわゆる「返済負担率」の問題が、住宅ローンの借り換えに大きな影響を及ぼすことになるのですが、こちらにつきましては、「3-2.返済負担率」を参照してみて下さい。

3.住宅ローンの借り換えに重要な4つの審査条件

住宅ローンの借り換えも住宅ローンの新規借入と同様に総合的に判断され与信審査がなされることになりますが、本項では、主だったものとして、住宅ローンの借り換えに重要な4つの審査条件について解説を進めていきます。

3-1.年収

住宅ローンの借り換え審査にあたり、年収における審査が疎かにされることはありませんが、住宅ローンの新規の借り入れから年数が経過していることを踏まえますと、余程の理由がない限り、収入が減少していることはあまりないと思われます。

転職や独立開業などといった特殊な事情がなく、引き続き、これまでの職場に勤務している場合は、特に大きな懸念要素になることはないでしょう。

参考:住宅ローン審査に関わる年収情報まとめ

3-2.返済負担率

返済負担率とは、年収に占める年間返済金額の割合のことをいいます。

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たとえば、年収500万円で返済負担率が30%であった場合、返済金額は以下のような計算式で求めることができます。

500万円 × 30% = 150万円
150万円 ÷ 12ヶ月 = 125,000円

年収500万円の人が返済負担率30%以内に抑えるには、1ヶ月あたり125,000円以内の返済に留めておく必要があるといった見方になります。

住宅ローンの毎月々の返済金額平均と年収に見合う返済負担率とは

2017.02.22

住宅ローンの借り換えにおいて、金利差が1%以上などのような条件をしっかりと満たしていなければ、返済負担率を下げることが難しくなってしまう場合があります。

また、返済負担率が高すぎるということは、金融機関側からしますと将来において返済が滞ってしまう懸念が生じることを意味するため、できる限りこの数値は、低いことが望ましいとされます。

3-3.勤続年数

勤続年数は、すでに解説をさせていただきましたように、長ければ長い程、懸念要素が低くなる一方で、1年未満などの場合は、申し込みをする前に金融機関へ相談するなどの対策が必要になる時もあるでしょう。

3-4.健康状態

団体信用生命保険に加入できる健康状態でなければ、金融機関としては、債務者が死亡や高度障害に陥ってしまった場合の担保を確保できなくなってしまいます。

そのため、特に民間の金融機関で住宅ローンを借り換えする場合におきましては、債務者の健康状態が大きく借り換えの可否に大きな影響を及ぼすことに繋がります。

住宅ローンの審査基準:団信に加入できる健康状態であること

2017.05.19

住宅ローンの借り換えは、住宅ローンを新規に申し込む場合と同じような審査がなされることには変わりありませんので、更に詳しく審査基準を把握しておきたい方は、以下の記事を参考にされることをおすすめ致します。

住宅ローンを借りるには?事前・仮審査と本審査の審査基準10項目

2016.05.26

4.住宅ローンの借り換え失敗例から学ぼう

これまでの解説を振り返りながら、住宅ローンの借り換えに失敗した事例から、どこに問題があるのか学んでいきましょう。

住宅ローンの借り換え審査に落ちました。主人は49歳で、2年前にリストラされ再就職して1年です。

収入は激減。年収300万。妻130万。ローン残高約2160万です。

現在金利3.75%で月々155000円支払って、残年数は17年。

現在借り入れの銀行(地方銀行)に借り換えの申請をしましたが、通りませんでした。
延滞はしていません。

クレジットローンもなく、夫婦2人の貯蓄1300万円も開示しました。

理由がわかりませんが、保証会社で通らなかった1番の理由は転職してまだ1年と言うことでしょうか?それとも、年収が低いのですか?

借り換えすると、金利が低くなるので、銀行側が損するからとか・・もあるのでしょうか?

別の銀行に相談しても同じ結果でしょうか?

通りやすい銀行とか、保証会社とかあるのでしょうか? 銀行に知り合いがいたほうが有利ですか?

無知ですので、わかりやすく教えていただけませんか?よろしくお願いいたします。

出典:ヤフー知恵袋・住宅ローンの借り換え審査に落ちましたより引用

質問内容が多すぎて、質問者様の余裕のなさがひしひしと感じられますが、それぞれの質問に対して考えられる見解を紹介していきます。

Q.理由がわかりませんが、保証会社で通らなかった1番の理由は転職してまだ1年と言うことでしょうか?それとも、年収が低いのですか?

A.勤続年数および年収は、いずれも関係していると推測されますが、やはり勤続年数1年はどうしても借り換えが難しい大きな懸念要素と思われます。夫婦共に収入があることから、いずれかの審査項目であれば、勤続年数に問題があったと推測されます。

Q.借り換えすると、金利が低くなるので、銀行側が損するからとか・・もあるのでしょうか?別の銀行に相談しても同じ結果でしょうか?

A.住宅ローンの借り換えを検討することも、もちろん大切ですが、現在、融資を受けている金融機関に対して金利の引き下げ交渉をするのが最初にやるべきことであったと思います。

質問者様の状況をここでは加味しませんが、一般的に他行からしますと、借り換えの申し込みがあった方が良いわけですから、必ず同じ結果になるとは言い難いと思われます。

Q.通りやすい銀行とか、保証会社とかあるのでしょうか?銀行に知り合いがいたほうが有利ですか?

A.通りやすい銀行や保証会社といったものは、一般的にありませんが、住宅金融支援機構が提供しているフラット35は、民間金融機関の住宅ローンよりも審査基準がやさしく、比較的、融資がなされやすい特徴がある住宅ローンと言えるでしょう。

保証料も無料であることから、基本的に保証会社の審査もありません。

なお、銀行に知り合いがいたからといって根回しをしてあげられる程、余裕がないのが多くの金融機関の現状ですので、そのようなことを考える前に、合理的に駄目な部分を見つけ、改善することが大切です。

5.住宅ローン借り換えに対する審査は、ますます厳しくなる傾向へ

住宅ローンの借り換え失敗例から、学ぶべきポイントは多かったのではないでしょうか。

日本銀行が行ったマイナス金利政策の影響によって、住宅ローンを取り扱っている多くの金融機関では、収益が大きく縮小したことは、すでに多くの皆さまがご存知の通りですが、昨今、大手銀行(メガバンク)では、地方にある支店の住宅ローン融資事業を廃止する動きがニュースとして取り上げられ、その厳しさがますます広がるのではと予測されています。

このようなことが起こるということは、住宅ローンの借り換えを希望している方々に対しても、そのしわ寄せが来ることに繋がり、今まで以上に住宅ローンの借り換えが難しくなると言わざるを得ない部分もあると思われます。

すでに解説をしました建物などの担保価値をはじめ、個人の信用に対する審査が甘くなるということは、金融機関における貸し倒れリスクが高くなることを意味することから、今まで以上の借り換え対策が必要になることは言うまでもありません。

まとめ

住宅ローンの借り換えは、新規で借入するよりも審査基準が厳しくなることは確かです。

住宅ローンの借り換えに失敗した事例から、借り換えを行うことで大きな効果を得られると思われる方々もたくさんおられる一方で、予備知識が不足している場合や専門家に相談しないなどといった大きな損失を被っている方々が多いのもまた現状だと思います。

昨今では、融資金利が低金利であることから、住宅ローンの借り換え効果は、融資条件が今と比べて非常に厳しい方こそ効果が得られるのにも関わらず、行動をせずに、お金に余裕がなくなってから始めて動かれる方もいる印象を受けます。

住宅ローンの借り換えは専門性が問われることも多いことから、まずは、借り換えの行動に移す前に、せめて金利の引き下げ交渉など、最低限できるところから始めてみることをおすすめ致します。

借り換えシミュレーションを誤ってしまいますと、かえって無駄な時間とお金が流出してしまう危険性があるほか、金融機関は親切心で教えてくれるわけではないことも肝に銘じておく必要があるでしょう。

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