住宅ローン借り換えの費用や時期などの全てが分かる8項目

日本銀行のマイナス金利政策が行われたことによって、住宅ローンの貸出金利は、「史上最低」と呼ばれる程、低い金利となっております。

このようなことから、すでに住宅ローンの返済を行っている方は、今、住宅ローンの借り換えをすることで大きな「得」をすることができる可能性があります。

本記事では、住宅ローンの借り換えに特化した内容を紹介することで、今抱えている多くの住宅ローンの軽減と効率的な返済計画を立ててもらうことを目的としております。難しい解説は省略し、重要な部分のみわかりやすく網羅してあるため、じっくりと熟読していただくことで、得をする借り換え方法が手に取るように分かるはずです。

目次

1.住宅ローンの借り換えの最大のメリット

住宅ローンの借り換えを行う目的と最大のメリットは、「総返済金額を少なくする」といったところにあります。一般に、住宅ローンの借り換え効果が認められる方は、以下の3つの条件「すべて」に該当している方です。

  •  住宅ローンの残高が1000万円以上残っている方
  •  住宅ローンの返済期間が10年以上である方
  •  現在、借り入れている金利と借り換え予定の金利差が0.5%以上ある方

上記の「すべて」に該当しなければ効果が認められないと言われる理由は、後述する住宅ローンの借り換え費用を考慮しなければならないためです。

住宅ローンの借り換えを行うためには、大きな借り換え諸費用が必要となります。そのため、それらの費用を差し引いたとしても、総返済金額が少なくなる効果が認められなければ、そもそも借り換えをする意味がなくなってしまいます。総合的に判断することが、住宅ローンの借り換えに求められるわけです。

2.住宅ローンの借り換えを行う理由を明確にする

住宅ローンの借り換えを行う理由は、人それぞれだと思いますが、主に以下のような理由が考えられるでしょう。

2-1.返済総額を減らしたい場合

住宅ローンの借り換え効果が認められれば、金融機関に支払う利息が大幅に軽減されることになります。これは、結果として総返済金額を少なくすることができることにつながります。

2-2.現在の毎月の返済額を減らしたい場合

住宅ローンの借り換えによって必ずしも現在の返済額を減らせるとは限りませんが、借り換えする条件によっては、毎月の返済額を少なくする効果が期待できます。毎月の返済額を減らすことができれば、家計のお金に余裕が生じることにつながります。

2-3.金利の変動に影響されたくない場合

こちらは現在、変動金利を選択している方が対象になります。昨今では、変動金利よりも金利が高いものの、安定している「固定金利」の需要も高くなっております。

住宅ローンの借り換えによって固定金利がどの程度になるかも大きく関係しますが、月々の返済額と総返済金額の両方をしっかりと考慮する必要があるでしょう。

2-4.繰り上げ返済の利便性を改善したい場合

住宅ローンには繰り上げ返済といった利息を軽減させるための返済手段がありますが、金融機関によって繰り上げ返済手数料がかかるのが一般的です。借り換えをすることによって、繰り上げ返済手数料がないものを選ぶことができ、その利便性の改善が期待できます。

3.住宅ローンの借り換えをする際のポイント

住宅ローンの借り換えは、総返済金額を低く抑えることが目的です。以下で紹介するポイントを、1つずつじっくり吟味、検討することが住宅ローンの借り換えを成功させるための大きなポイントになります。

3-1.保証料について

住宅ローンの借り換え種類によって違いは生じますが、住宅ローンの保証料は、借り換え諸費用の中でも大きな割合を占めると言っても過言ではありません。金融機関や借り換え金額によって大きな違いが生じるところだけに、必ずチェックするべきポイントになります。

3-2.団体信用生命保険料について

団体信用生命保険料は、住宅ローンの金利に上乗せされるのが一般的です。金融機関が取り扱う団体信用生命保険は、後述する「3-4.疾病保証について」の方に大きな違いがありますので、そちらを参照することをおすすめします。

3-3.繰り上げ返済の料金について

住宅ローンの繰り上げ返済は、借り換えする金融機関によって「有料」「無料」が異なります。借り換えを検討する際は、あくまでも「金利」や「返済条件」を優先して考えることが重要なポイントになります。

3-4.疾病保証について

住宅ローンの借り換えにおいて、金融機関が独自に取り扱っている団体信用生命保険には8大疾病や3大疾病といった大きな病気に対する保障が充実したものもあります。金利上乗せの必要がない金融機関もあるため、住宅ローンの借り換えにおいて欠かすことのできないポイントです。

3-5.その他手数料にも注目

住宅ローンの借り換えには、融資事務手数料や司法書士に支払う登記手続きの報酬なども必要になります。これらは、金融機関や依頼する司法書士によって異なるため、比較検討する必要があります。

4.住宅ローンを組む(借り換え)なら今がチャンス

平成28年6月現在、住宅ローンの金利水準は相変わらず低金利の状態が続いております。住宅ローンの借り換えタイミングとしては、申し分ないと言える時期かもしれません。

4-1.日銀のマイナス金利の導入で史上最低金利

日本銀行が行ったマイナス金利政策の影響は、住宅ローンを検討している方に対して低金利という意味で好影響を及ぼしております。

その一方で、融資に慎重にならざるを得ない金融機関側にとってみますと、厳しい状況に立たされていると言えそうです。

4-1-1.金融政策により今すぐに、金利の上昇の可能性は低い

あくまでも不確定要素ですが、マイナス金利が実行されている現在、極端な金利上昇リスクの可能性は低いと判断致します。とはいえ、偶発的な出来事に対して敏感な金利、経済情勢だけに、今後の金利動向を予測するのは難しいと言えるでしょう。

4-2.10年以内なら住宅ローン減税も適用される

住宅ローンを組んでから10年以内の借り換えであれば、引き続き住宅ローン減税の適用が可能になります。総返済金額と住宅ローン減税による影響を総合的に比較判断して借り換えの有無を決定する必要があると考えることができます。

5.借り換えができない人もいる

住宅ローンの借り換えは、いわば、もう一度住宅ローンを新規で借入するのと同じようなものです。

つまり、借り換え申し込み時の状況が、借り換え可否に大きな影響を及ぼします。ここでは、借り換えができない人の典型を紹介します。

5-1.勤務先や収入などが重要視される

公務員や上場企業に勤めている場合、信用は高く評価してもらうことができます。その他、安定した収入や長期の勤続年数などが重要視されることになります。

5-1-1.転職・独立した場合

転職や独立した時期が、住宅ローンの借り換え申し込み時においてどのくらい経過しているのかといった点につきましては、借り換えの可否に大きな影響を与えます。

公務員や上場企業への転職であれば逆に高く評価されるものの、直近の転職や独立して3年未満の場合は、借り換えがかなり厳しくなる可能性があります。

5-1-2.収入が下がった場合

住宅ローンの借り換え申し込み時に、その人の収入や所得を見られることになります。

そのため、基準となる期間においてたまたま収入が下がった場合などは、希望の金額について借り換えできない可能性があります。

5-1-3.車のローンなど、住宅ローン以外のローンを返済中の場合

住宅ローンの借り換え時に、自動車ローンなど他のローンを抱えている場合、住宅ローンを含めた「返済負担率」が大きく関係してきます。返済負担率とは、収入に対する借金返済における割合を示しています。

この返済負担率が高い場合、住宅ローンの返済が滞ってしまう可能性が高く見られるため、結果として住宅ローンの借り換えができないことにつながります。

5-1-4.夫婦などで連帯債務をしている場合も同様

住宅ローンを借り換えする場合において、夫婦での連帯債務で借り入れを行っている時は、借り換え申し込み時においても、夫婦2人の状況が大きく関係してきます。

たとえば、どちらか一方に融資に対する問題がある場合は、借り換えが難しくなるといった具合です。

5-2.その他の理由

収入や債務状況といったことの他に、住宅ローンの借り換えができない可能性がある条件に以下のようなものがあげられます。

5-2-1.賃貸として貸し出している場合

建物を賃貸として貸し出している場合、住宅ローンの目的が「居住用の住宅」ではなく「賃貸用の住宅」という異なったものであると判断されます。

そのため、貸し出しが事業用といった括りになることも考えられます。このような場合、貸し出し金利がかなり高くなるため、借り換えの目的(総返済額を減らす)をはたすことが難しくなります。

5-2-2.病気をしたり入院したりして生命保険に加入できない場合

住宅ローンの借り換え時において、過去に大病で入院歴がある場合や、特殊な病気を抱えているといった問題が生じている人は、金融機関が原則として求めている団体信用生命保険の加入ができません。

そのため、必然的に住宅ローンの申し込みが断られてしまう原因になります。

6.借り換え時の金利について

住宅ローンの借り換えを検討している方は、すでに金利の特徴を熟知していることと思われますが、ここでは変動金利や固定金利、期間選択型固定金利の特徴について要点を紹介していきます。

6-1.変動金利について

変動金利のイメージ

変動金利は、住宅ローン金利の中で最も低い金利といった特徴があります。金利が変動するリスクを、金融会社ではなく、借り入れする人が取るからです。

現在のような低金利情勢が継続した場合、固定金利に比べて総返済金額が少なくて済む結果となります。

金利上昇変動によって利息の支払いが多くなったり、返済金額が安定しなかったりすることも十分予測できるため、これらのデメリットと低金利のメリットを総合的に判断して意思決定する必要があるでしょう。

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変動金利についてさらに詳しく知りたい場合、「住宅ローン変動金利のリスクや推移をまとめた5つのルール」を確認すればそのすべてを理解できます。

6-1-1.残りの返済額が少なかったり、返済年数が短かったりすれば変動金利はお勧め

変動金利は低金利であることから、住宅ローンの残りの返済額が少なかったり、返済年数が短かったりすれば変動金利は有利に働く可能性があり、おすすめと言えるでしょう。

6-2.期間選択型固定金利について

期間選択型固定金利のイメージ

変動金利と固定金利を掛け合わせたのが期間選択型固定金利です。その時々の経済情勢に合わせた柔軟な金利を選ぶことができる反面、金融機関の優遇が途中で切れてしまう恐れもあるため、特に慎重に選ばなければならない金利と言えます。

6-3.固定金利について

全期間固定金利のイメージ

固定金利は、変動金利に比べて金利が高いものの、経済情勢によって金利変動することがない特徴があります。金利が変動しないため、毎月の返済において確実に元金が減っていくといったメリットは、固定金利の中でも忘れてはならない大きな特徴といえます。

固定金利と変動金利の違いを明白にしたい場合、「図解で分かる!住宅ローンで悩む固定金利と変動金利の選び方」を確認しておきましょう。

6-3-1.住宅ローンの返済経験から、金利が変動しない固定金利に切り替える人は多い

先の解説で、「日銀のマイナス金利の導入で、金利の上昇の可能性は低い」と書いたものの、金利が低い変動金利よりも金利が安定している固定金利に切り替える人が多いです。やはり不景気といわれる昨今、金利が多少高くても確実かつ安定した返済を求めている人が多い表れなのかもしれません。

7.借り換え時にかかる諸経費

住宅ローンの借り換えにかかる諸経費は、さまざまなものがありますが、主だったものとしては、以下の通りです。

7-1.契約書に貼付する印紙税・保証料

住宅ローン借り換えには、金融機関と金銭消費貸借契約書を交わすことになるため、それにかかる印紙税をはじめ、金融機関によっては所定の保証料が必要になります。この保証料は、金融機関によって無いところもあるため、借り換えの申し込み前に確認しておくことが重要です。

7-2.事務手数料

住宅ローンの借り換えには、「融資事務手数料」といった手数料が必要になります。いわば金融機関の手間賃みたいなものと考えるべきでしょう。

7-3.抵当権設定費用

住宅ローンの借り換えが決定した場合、以前借りていた住宅ローンの抵当権を抹消し、新たな金融機関から借り入れした住宅ローンについて抵当権設定を行う必要があります。これは、司法書士が一般に行い報酬のほか、登記するための登録免許税が必要です。

7-4.諸経費用を預貯金で準備できない場合

住宅ローンの借り換え費用が預貯金などの自己資産から準備できない場合、住宅ローンの諸費用分も上乗せして借り入れることができます。

そのため、もし諸経費分を多く借り入れを検討する場合、総返済金額を計算する時は、上乗せ分も加味した再計算と比較が求められます。

7-4-1.諸経費分を余分に借入するため、残高が増えるので注意

住宅ローンの借り換え諸費用について上乗せ借入することは、当然に住宅ローンの債務残高が増加することになります。前項で解説したように、上乗せ借入しても得かどうかを確実に把握しておく必要性があると言えるでしょう。

8.住宅ローンの借り換えの手続き

この項では、住宅ローンの借り換え手続きの流れについて、以下へ簡単に紹介していきます。住宅ローンの借り換えも融資実行までに数ヶ月の時間を要することになるため、現在のような低金利情勢では、まさにタイミングが重要と言えます。

8-1. 借り換えの目的にある住宅ローンを探し、検討・決定

住宅ローンの借り換え情報サイトや、金融機関のホームページなどで比較検討し、自分の条件にあった住宅ローンを探します。比較・検討は最も重要な部分になるため、ここで失敗すると後述するすべてが思い通りにいかない結果となってしまう可能性があります。

わからない場合は、相談料を支払ってでもファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーといった専門家へ確認しておくことが望ましいでしょう。

8-2. 借り換え先の金融機関に審査に必要な書類を提出して借入の申し込みをする

いわゆる仮審査の申し込み手続きを行い、審査結果を待ちます。仮審査においては、あまり書類の提出を求められない場合が一般的です。ここで不可の場合、以後のステップに進むことはできません。

8-3. 審査が通り次第、本申し込みを行う

仮審査が通ると次は、本審査になります。この時、指定されたさまざまな書類を準備し提出することになります。

8-4. 現在借り入れしている金融機関に一括返済の申し入れを行う

本審査に通過し、無事、住宅ローンの借り換えができるようになった場合、融資実行の今後の流れを確認し、現在借り入れしている金融機関に一括返済の申し入れを行います。

8-5. 金銭消費賃借契約(ローン契約)の締結、融資実行

住宅ローンの借り換えをする金融機関と、金銭消費賃借契約(ローン契約)の締結を行います。

8-6. 従前の金融機関の住宅ローンを完済

新たな金融機関は、従前の金融機関の住宅ローンを完済する手続きを行います。

8-7. 従前の金融機関の抵当権を抹消し、借り換えた金融機関の抵当権を設定

依頼された司法書士は、従前の金融機関の抵当権を抹消し、借り換えた金融機関の抵当権を設定する登記手続きを行います。

8-9・借り換えに必要な書類

住宅ローンの借り換えに必要な書類を以下の表にまとめて掲載しております。あくまでも表の内容は目安としていただき、金融機関が提示依頼したものについて用意、提出するようにしてください。

用途書類入手先
金融機関からの書類住宅ローン申込書
団体信用保険申込書兼告知書
本人確認のためのもの健康保険証
運転免許証など
本人に関するもの住民票
印鑑証明書
市区町村
市区町村
収入を証明するもの【会社員(給与所得者)の場合】
源泉徴収票
住民税課税証明書
住民税決定通知書
【個人事業主の場合】
確定申告書(直近3年分)
納税証明書(直近3年分)
【会社代表者の場合】
追加で法人決算書

勤務先
市区町村
勤務先

税務署
物件に関するもの登記簿謄本
売買契約書
重要事項説明書
工事請負契約書
法務局
住宅ローンに関するもの住宅ローン返済予定表
返済口座の通帳の写し

8-10.各銀行の借り換えシミュレーションをして比較する

住宅ローンの借り換え前にどのくらいの効果があるのか、以下のリンクからシミュレーションして比較してみるのも良いでしょう。

住宅ローンの借り換えシミュレーションについて、やり方がよくわからなかったり、住宅ローンの知識に乏しいと感じたりしている方は、ファイナンシャルプランナーといった専門家へ相談することを強くお勧めします。

あるいは、金融機関へ直接相談に行って、シミュレーションしてもらう方がより確実です。わからないまま自己判断のもとでシミュレーションを行うことは、かえって逆効果になる危険性が高くなります。

8-10-1.モゲチェックなら、諸経費込みで比較できる

住宅ローンの借り換え情報がインターネットやスマートフォンのアプリなどで容易に取得できる時代ですが、参考までに「モゲチェック」なら、諸経費込みで比較できます。

住宅ローンの借り換えにおいて、直接、最寄りの銀行で面談する場合やインターネットやスマートフォンを利用したネット銀行などで借り換えする場合など、それぞれ一長一短があります。

自分自身で判断をして、自己責任が取れる場合は、ネット銀行などの利用も良いでしょう。しかし、自分一人での判断が難しい場合や確実な借り換えを実行したい方は、直接面談がやはりおすすめです。

まとめ

本記事では、住宅ローン借り換え簡易マニュアルとして、本当に大切な部分を凝縮した内容を紹介しております。住宅ローンの借り換えにおいて重要なのは、借り換えの効果をしっかりと得るといったことになりますが、そもそも最初から選び方を間違えると住宅ローンの借り換えの意味が無くなってしまいます。

文中でも軽く触れましたが、わからない場合は、相談料を支払ってでも独立系ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーなど、業者や金融機関に属さない中立的な専門家を探すべきでしょう。

住宅ローンの借り換えは、相談相手や金融機関といった最初の選び方からすでに結果が決まっているといっても過言ではありません。住宅ローンの借り換えで失敗しないために、ぜひ、この住宅ローン借り換え簡易マニュアルを最大限に活かしてもらいたいと心から思います。