住宅ローンを固定金利で20年借りるならフラット20?期間選択型?

「住宅ローンを20年固定金利で借り入れ・返済をしたい」と考えたとき、「金利タイプ」で迷いますよね。固定金利には、長期固定金利(フラット35)と期間選択型の2種類があるからです。

中には、「フラット35」は35年でないと借入できないと思っている人もいるほどです。

しかし、フラット35は「長期固定金利」であるだけであり、必ずしも返済期間が「35年間」と決まっているわけではありません。返済期間が「15年以上35年まで」であれば、希望に合わせて返済期間を選べる特徴があるのです。

つまり、住宅ローンを固定金利で20年間、借りる方法には「フラット20」と「期間選択型固定金利」という2つの方法があるのです。

このような特徴を踏まえまして、本記事では、住宅ローンを固定金利で20年借りる場合を想定した上で「フラット20」と「期間選択型固定金利」の2つの金利と、その特徴について分かりやすく解説していきます。

あなたの今の状況に置き換えて、最適なものを選んでいきましょう。

1.フラット20の特徴を知ろう!

「フラット20」は、返済期間が「15年以上20年以下の借入期間」を選択した場合のことを言います。

つまり、住宅ローンの返済期間が「最長で20年」ということになりますが、以下、フラット20の特徴について個別に4つ解説していきます。

1-1.フラット35よりも低い金利で借入できる

フラット20で住宅ローンの申し込みをした場合、フラット35で申し込みをした場合に比べて低い金利で借入することができます。

なお、フラット35のホームページでは、フラット35などを取り扱っている金融機関の金利情報を無料で検索することができます。

都道府県や金融機関名で検索がかけられるほか、金利の低い順に並べ変えて検索でき、非常に便利な検索システムとなっています。

借入先の参考に、活用してみましょう。

1-2.全期間固定金利であるため、返済額が確定してライフプランが立てやすい

フラット20に限ったことではありませんが、この金利プランは全期間固定金利です。そのため、返済額が確定してライフプランが立てやすい特徴があります。

たとえば、「定年退職をするまで」や「公的年金が支給開始になるまで」といった大きなライフイベントを迎えるまでに完済期間を設定したい場合に有効です。

また、完済時年齢などで融資条件を満たさない場合などに利用できる特徴もあります。

1-3.返済期間が短くなるぶん、毎月の支払い金額が大きくなる

フラット20のように返済期間が最長で20年の場合、毎月の支払金額が大きくなってしまうことが特徴としてあげられます。

たとえば、借入金額2,000万円を20年で返済する場合と25年で返済する場合における違いは以下の通りです。シミュレーションは、いずれもボーナス払いなし、元利均等返済とします。

内容返済期間20年返済期間25年
平成29年5月 最低金利
新規借入 全国対応
融資率9割以下
0.98%1.06%
1ヶ月の返済金額91,800円75,918円
総返済金額22,032,125円22,775,685円

仮に、2,000万円を25年返済で借りようとしている人が、フラット20で融資を受けたとします。

この場合、1ヶ月あたり91,800円の返済が必要であることが分かります。

一方で返済期間を当初の予定通り25年返済で行う場合、毎月の返済額が75,918円となり、20年返済に比べて1ヶ月あたり15,882円の余裕が生じます。

当然ながら、返済期間が長くなればなるほど、支払うべき利息が多くなってしまいます。

結果として、総返済金額は返済期間25年の方が多くなります。

ただし、ここで重要なポイントは、これからのライフプランを考えた時、「1ヶ月の返済金額」が問題なく返済していける金額であるのかどうかになります。

この返済金額に問題が無い方であれば良いのですが、何かしらの懸念が生じる方は、専門家であるFPや住宅ローンアドバイザーへまずは相談してみることをおすすめします。

1-4.借入期間を短くすることは簡単だが、延ばすことは難しい

フラット20を選んだ場合、原則として住宅ローンの返済途中で借入期間を21年以上に変更できません。

参考:フラット20注意事項より

返済期間の注意点につきましては、「3-1.フラット20がオススメな人」でまとめて解説しておりますのでそちらを参考にしてみて下さい。

2.当初20年固定期間選択型の特徴を知ろう!

期間選択型固定金利のイメージ

当初20年固定期間選択型とは、上記図の「固定金利期間が20年」となっている金利タイプのことです。

固定金利期間が終了した後に、再度、固定金利か変動金利を選ぶといった特徴を持った金利になります。その他の特徴は以下の通りです。

2-1.フラット20よりも金利は低い

一般に、当初20年固定期間選択型の金利は、フラット20よりも低い特徴があります。固定金利終了後の金利変動のリスクを、あなたが負わなければいけないからです。

全期間固定金利の場合、金利が上がったとしても、そのリスクを金融機関がとるため、フラット35の方が金利が高いのです。

そのため、フラット20の方が金利が安いという理由だけで判断するのではなく、「無理なく返済できるか?」をよく考えてから決めるようにしましょう。

2-1-1.固定期間終了後は金利の優遇幅が変動する

固定期間選択型の金利を選んだ場合、多くの金融機関では、住宅ローン申し込み当初の適用金利を「大幅に優遇」する場合がほとんどです。

一方、あらかじめ選択した固定期間が終了した後の金利優遇は変動し、その多くは金利の優遇が小さくなる場合や金利の優遇そのものが無くなってしまう場合もあり得ます。

ざっくり解説しますと、固定金利期間が終了した後の適用金利は上がってしまう可能性が極めて高く、同時に返済金額も今までよりも多くなってしまう可能性が高くなることをあらかじめ知っておく必要があります。

2-1-2.21年目以降は再度金利を選択する

当初20年固定期間選択型の金利を選んだ場合、固定金利期間が終了した21年目以降に再度、変動金利か固定金利を選択する流れとなります。

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この際の金利は、選ぶときの金利情勢によります。そのため、仮に20年後の金利が上昇しているとすれば、上昇している金利の中で変動金利もしくは固定金利のいずれかを選択しなければなりません。

逆を言えば、金利変動のリスクが直接影響するため、金利情勢が低い傾向にあれば、私たち債務者側が有利になります。

一方、金利情勢が高い傾向にあれば、今まで以上に大きな住宅ローンの返済を迫られる危険性があるのです。

また、当初20年固定期間選択型の場合、そもそも、返済期間が20年で終わるわけではありません。

そのため、同じ返済期間ではないフラット20と比較するのではなく、「あなたにとってどちらの方法が適している返済方法なのか?」を判断することが重要です。

なお、期間選択型固定金利についてさらに詳しく知りたい場合、以下のコンテンツもあわせて読んでおきましょう。

住宅ローンの3年・5年などから選ぶ当初固定金利期間選択型とは

2017.06.05

3.フラット20がオススメな人と当初20年固定金利期間選択型がオススメな人とは?

住宅ローンの選び方は、現在の状況をしっかりと確認した上で、将来のことを考慮しながら検討するべきものです。

これを踏まえた上で、本項では、フラット20がオススメな人と当初20年固定金利期間選択型がオススメな人を一般的な解釈で紹介していきます。

3-1.フラット20がオススメな人

まず、フラット20がオススメな人を解説する前に、そもそも住宅ローンの返済金額は、どのように決定されるのかについてざっくり解説する必要があります。

住宅ローンの1ヶ月の返済金額は、「適用金利」「返済期間」「返済方法」の3つで決定します。

そして、適用金利は低ければ低い程、返済期間は長ければ長い程、1ヶ月の返済金額が少なくなります。

これを踏まえて、「1-4.借入期間を短くすることは簡単だが、延ばすことは難しい」で解説した内容について再度振り返ってみます。

フラット20を選んだ場合、原則として住宅ローンの返済途中で借入期間を21年以上に変更できません。

参考:フラット20 注意事項より

つまり、フラット20の最長返済期間は「20年」ということです。

たとえば、返済期間を「35年」に設定した場合に比べると、1ヶ月の返済金額が必然的に大きく増加してしまいます。

そのため、本来、住宅ローンを申し込む場合は「返済期間を最長にしておくことが鉄則」です。

フラット20が40代から50代に多い理由は、フラット35の場合、そもそも年齢による条件によって融資がなされないといったことがあるためです。

その結果、「年齢条件に引っかからないフラット20を選ばざるを得ない」といった事情が実は含まれていることを理解しておく必要があります。

仮にフラット35で定年前や年金支給前に完済したいのであれば、計画的にお金を貯めて返済したり、繰上返済を利用したりするなど工夫はいくらでも考えられます。

そのため、わざわざ返済期間を短くして返済金額を多くする必要がないのです。

これまでの解説より、フラット20がオススメの人とは、「40代や50代で住宅ローンの新規借り入れを検討している方(フラット35がNGの方)」や「住宅ローンの借り換えをする場合で残りの返済期間が20年前後、かつ、金利差が大きい方」と言えます。

そのため、「住宅ローンの早期返済を目標としている方」や「毎月無理のない返済をしたい」と考えている方にはオススメできません。

この場合、フラット35のように返済期間を長く設定しながら効果的な返済計画を立てることが大切になります。

まとめると、以下に該当する人は、フラット20がオススメです。

  • 早期返済を目的としている人
  • 返済期間が20年でも毎月無理なく返済できる人
  • 40、50代で新規借り入れを検討している方
  • 借り換えの場合、残りの返済期間が20年前後の人

上記に該当しない場合、返済が苦しくなるだけです。

それでも「早く返済したい」と考えている場合、次に解説する当初20年固定金利期間選択型を検討してみましょう。

3-2.当初20年固定金利期間選択型がオススメな人

当初20年固定金利期間選択型がオススメな人とは、「将来のライフプランを考慮した際に、子どもの教育費などといった出費が大きくなることが予測できる期間まで、確実に安定した返済を続けていきたい」と考えている人向けと言えます。

また収入があり、固定金利期間が終了する20年で、住宅ローンの完済がほぼ確実に行うことができる人にもオススメです。住宅ローンの申し込み前から、容易に返済できることが予測できるのであれば、安定した返済ができるはずです。

20年という短い期間でも返済できる人であれば、低金利の当初20年固定金利期間選択型がオススメと言えるでしょう。

4.金利の低さだけを指標として住宅ローンを選ぶと、返済に苦しむことに

金利の低さだけを指標として住宅ローンを選ぶことは、追々住宅ローンの返済に苦しむことになってしまう可能性が極めて高くなります。

こちらは、全ての住宅ローンの選びで言えることです。

先に解説した通り、住宅ローンの1ヶ月の返済金額は、「適用金利」「返済期間」「返済方法」の3つで決定する必要があります。

具体的には、「適用金利は低い程、返済期間は長い程、1ヶ月の返済金額が少なくなる」といった特徴をあらかじめしっかりと理解しておく必要があります。

たしかに、金利や総返済金額といった目に見える損益を考えることはもちろん大切です。

ただし、将来抱えてしまうかもしれないリスクを考慮して選ぶことが重要と言えます。

まとめ:FPが20年固定金利を借りる際のポイントをアドバイス

本記事では、住宅ローンを固定金利で20年借りる場合を想定した上で「フラット20」と「期間選択型固定金利」の2つの金利とその特徴について分かりやすく解説させていただきました。

住宅ローンを「20年で完済する」ことを考えた時、以下、いずれの方法も20年で完済できる方法になります。

  • フラット20で20年後に完済する
  • 当初20年固定金利期間選択型で固定期間が終了後に残りの残債を完済する
  • フラット35で20年後に残りの残債を完済する

しかし、住宅ローンの返済において重要なことは、「余裕を持った返済」と「無理のない返済」です。

そのためには、基本的に延ばすことのできない返済期間を最長に設定しながら、時間をかけて自分たちが有利になる工夫を1つずつ確実にこなしていくのが得策です。

そのため、できる限り住宅ローンの申し込み当初から「返済期間を20年」に設定するのは避けるべきです。やむを得ない場合は、FPや住宅ローンアドバイザーなどの専門家へ相談してから意思決定することを強くおすすめ致します。