住宅ローン当初10年固定金利とは?メリット・デメリットを解説

住宅ローン当初10年固定金利とは、いわゆる「固定金利選択型」や「期間選択型固定金利」などとも呼ばれる金利になります。

ただ、初めて住宅ローンを借入する人にとって、具体的にどのようなタイプの金利なのかがわからないはずです。

金利選びは、住宅ローンの返済金額や総返済金額に、大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。

本記事では、固定金利期間が10年の固定金利選択型の金利について、メリットやデメリットについて解説をしていきます。金利タイプの選択で迷っている場合、この当初固定金利の特徴を学んだ上で、最適な住宅ローン選びにお役立ていただければ幸いです。

1.住宅ローン当初10年固定金利とは

期間選択型固定金利のイメージ

住宅ローン当初10年固定金利とは、文字通り、借入してからの固定金利期間が「10年間」ということです。11年目以降からの金利は、その時点で適用されている基準の金利から、固定金利か変動金利かを再度選ぶタイプの金利になります。

固定金利期間が3年や5年のように短い期間もあらかじめ選択できるほか、基本的な金利の仕組みは同じです。

この金利の特徴について詳しく知りたい場合、以下のコンテンツを参考にしてください。

住宅ローンの3年・5年などから選ぶ当初固定金利期間選択型とは

2017.06.05

2.住宅ローン当初10年固定金利の特徴

この項では、住宅ローン当初10年固定金利の特徴について、詳しく解説させていただきます。

あなたに向いている金利の特徴であるかどうかを、見極められるかがポイントになります。

2-1.10年間の固定金利期間内は返済額が一定であるため、返済計画が立てやすい

10年間の固定金利期間内は返済額が一定であるため、住宅ローンの返済計画が10年間の期間限定で立てやすいことがあげられます。

ただ、全期間固定金利と比べると、劣ってしまうのはたしかです。

住宅ローンの融資を受けてから、10年間で大きくお金が支出するライフイベントが終了することが、あらかじめ明確な場合などには適した金利と言えるでしょう。

たとえば、子供が進学してお金がかかる場合などです。

出費が大きくなる期間のローン返済を一定にできるため、養育費などの大きくお金が支出するライフイベントに集中できるのが魅力です。

期間終了後は、住宅ローン返済に注力できます。

2-2.全期間固定金利よりも金利は安いが、変動金利よりも金利が高い

住宅ローン当初10年固定金利は、全期間固定金利よりも金利は安いが、変動金利よりも金利が高い特徴があります。

当然、固定金利期間が終了する10年後の金利が、どのような推移をしているのか予測できません。

そのため、「合理的」な返済計画は立てにくい金利であると言えます。

2-3.10年間の固定期間が終了後、再度固定金利を選ぶこともできる

先に解説した通り、住宅ローン当初10年固定金利は10年の固定金利期間が終了後、変動金利か固定金利を選ぶことになります。

このとき、引き続き、固定金利を選ぶことができる特徴があります。

これは、当初の固定金利が何年であったとしても「固定金利選択型金利」だけにある大きな特徴と言えます。この特性をいかに、自分にとって有意義に活用することができるのか、否かによって、この金利を選ぶ意義が変わってくると言っても決して過言ではないでしょう。

3.住宅ローン当初10年固定金利のメリット

住宅ローン当初10年固定金利のメリットは、以下の通りです。

すでに解説した金利の特徴と重複している部分がありますが、おさらいの意味も含めて再度確認してみて下さい。

3-1.10年間金利が一定であるため、期間内は金利上昇に伴う返済額増加のリスクがない

住宅ローン当初10年固定金利を選んだ場合、固定金利期間にあたる10年間は、返済金額が一定で上下変動することはありません。

つまり、お金の管理がしやすくなり返済計画が立てやすくなります。

ちなみに、2年固定金利は2年間、5年固定金利は5年間といったように、固定期間が最初から自分で選ぶことが可能です。この固定金利期間は、金融機関によって選択肢の幅が異なるほか、固定金利期間が短いほど、低金利である特徴があります。

3-2.全期間固定金利よりも金利が低い

住宅ローン当初10年固定金利は、全期間固定金利に比べて金利が低いです。そのため、固定金利期間10年のみ比較した場合、返済する金額が少なくてあうむメリットが得られます。

返済金額を優先するのか、安定返済を優先するのかによって選び方が大きく左右されることになります。

4.住宅ローン当初10年固定金利のデメリット

住宅ローン当初10年固定金利は、メリットよりもデメリットの方を重視して考える必要があります。特殊な金利であるため、深く知らなければ支払いが困難になるリスクが潜んでいるからです。

主なデメリットは、以下の通りです。

4-1.固定金利期間終了後、経済情勢に合わさった金利を選ばなければならない

あくまでも結果論の話になってしまいますが、固定金利期間終了後は、経済情勢に合わさった金利を選ばなければならないデメリットがあります。

たとえば、住宅ローン当初10年固定金利を選んで、10年後までに世の中の金利が大きく上がってしまったとします。

この場合、10年後以降の金利は、大きく上がった金利の中から「変動金利」もしくは「固定金利」のいずれかを選ばなければならないことになります。

大まかなイメージは以下の通りです。

4-1-1.10年固定金利期間終了までのシミュレーション結果

現在、10年固定金利0.58%で返済している方が、経済情勢における金利の上昇によって11年目からは、固定金利2.0%で返済しなければならなくなった場合を想定しています。

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  • 借入金額:3,000万円
  • 金利:10年固定金利0.58%
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス払い無し)
1ヶ月の返済金額10年後の住宅ローン残高10年間の総返済金額
78,940円21,218,661円9,472,800円

4-1-2.10年固定金利期間終了後のシミュレーション結果

  • 住宅ローン残高:21,218,661円
  • 金利:固定金利2.00%
  • 返済期間:25年
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス払い無し)
1ヶ月の返済金額25年間の総返済金額完済までの総返済金額
89,936円26,980,864円36,453,664円

10年後の金利推移はどのようになっているのか、合理的に予測することは難しいです。それだけでなく、世界の情勢によって金利の値動きも大きく上下変動する影響を与えることになります。

そのため、予測もしなかった出来事が起こると当然に、そのしわ寄せは自分達にも被ってくることになってしまう懸念も生じます。

このように考えますと、「金利が低い」といった目に見えることだけで住宅ローンの金利選びをするのは、軽率かつリスクが高いといえます。

4-2.変動金利のような救済ルールがないため、大幅な金利上昇リスクがある

変動金利は、低金利であることが最大のメリットになります。

それと同時に、急激な金利上昇に対応するための「救済ルール」として5年ルールや125%ルール(1.25倍ルール)があります。

変動金利の5年ルール

住宅ローン変動金利のリスクや推移をまとめた5つのルール

2016.04.29

一方、住宅ローン当初10年固定金利のような、いわゆる固定金利選択型金利は、このようなルールが適用されません。

そのため、前項でシミュレーション解説したような大きな負担増になってしまうリスクが生じてしまうのです。

選択した固定金利期間が長いほど、このようなリスクが大きくなることになります。

4-3.当初10年の金利の引き下げ幅は大きいが、11年目以降の優遇が少ない

先に解説した通り、期間選択型固定金利は、当初の金利引き下げ幅は大きいです。

しかし、固定金利期間終了後の優遇が少ない場合や、無くなってしまう可能性がある点は大きなデメリットであると言えます。

実際のところ、多くの銀行では、固定金利期間選択型に優遇金利を適用しています。

ただ、固定金利期間終了後の優遇金利は、借入当初の優遇金利よりも小さい場合がほとんどです。

そのため、結果として固定期間終了後に返済金額が増加してしまうといった「大きな落とし穴」が実は潜んでおり、これは、当初選んだ固定金利の長短に関わらず共通しています。

4-4.固定金利期間が終わり、金利を見直す際に別途手数料がかかる可能性がある

何度も解説している通り、期間選択型固定金利は、あらかじめ選択した固定金利期間が終わり、金利を見直す際に「変動金利」か「固定金利」を再び選ぶことになります。

このとき、仮に住宅ローンの融資を受けている金融機関に対して、どちらの金利を選ぶか連絡しない場合は、「変動金利」を選んだものとみなす場合が多いです。

この取り扱いは「約款へ記載されております」ので、できる限り一度目通ししてみることをおすすめ致します。

そして、固定金利期間が終わり、再び「固定金利」を選んだ場合は、別途手数料がかかることも約款などへ記載されています。

この辺を踏まえた金利選びを、あらかじめすることが大切だと言えるでしょう。

5.期間選択型固定金利が向いている人とは

期間選択型固定金利が向いている人は、変動金利が向いている人と同じように「金利上昇リスクに耐えることができる人」で「返済資金に余裕がある人」と言えるでしょう。

たとえば、会社員や公務員などのように、固定金利期間が終了するまでに給与のベースアップなどで収入が増える見込みのある人です。大まかな分類として、固定金利期間選択型を選んでも問題がない人と言えます。

逆に、自営業者など事業の収支が不安定であり、「返済金額の増加をできる限り避けたい」と考えている人には、おすすめできない金利とも言えます。

そのため、ケース・バイ・ケースであるといえるでしょう。

まとめ:当初10年固定金利期間選択型はオススメできないのか?

本記事では、固定金利期間が10年の固定金利選択型金利についてのメリットやデメリットについて解説をしてきました。

当初10年固定金利期間選択型のような金利は、変動金利のような金利が低いメリットがあります。

その一方で、逆に全期間固定金利のように安定した返済が約束されているといったメリットがない金利になります。

変動金利は、低金利かつ救済ルールがあり、固定金利は安定した返済が約束されています。

一方、10年固定のような固定金利選択型金利は、これといった「強力な強み」がない金利であると言えます。中途半端な金利であることから、残念ながら多くの皆さんが考えている住宅ローンの意向に反映し、辛い金利と言わざるを得ません。

専門的な難しい話になってしまいますが、仮に国税庁が認めている「住宅借入金等特別控除=住宅ローン控除」のことを考えた対策ということで、この金利を選んだといったことであれば、一応納得できる部分もあります。

しかし、住宅ローンの返済を長い目で考えたときに、両極端ではありますが、変動金利や固定金利のような「メリットが明らかな金利」をできる限り選ぶようにした方が、ご自身の住宅ローン返済の意向がはっきりして良いと考えます。

このような理由とこれまでの解説から、個人的な主観の強い解説となってしまいましたが、当初10年固定金利期間選択型はあまりオススメできません。

住宅ローンの金融機関選びや金利選びなどは、良くも悪くも最終的に「自己責任」となります。

そのため、当サイト内で公開されている情報内容を多く吸収し、あなたに合った住宅ローンや理想としている金利をじっくりと探してみることをおすすめ致します。