フラット35sとは?メリットやデメリットをわかりやすく解説

フラット35sとは

フラット35は、「借入当初から完済までに渡ってずっと金利が変わらない住宅ローン」です。

ただ、平成31年1月現在において、以下のように様々な種類の住宅ローンがあるため、わかりづらいですよね。

  • フラット35
  • フラット35s
  • フラット20
  • フラット35リフォーム一体型
  • フラット35リノベ
  • フラット50

実は、これらの種類の住宅ローンは、すべての金融機関で申し込みをすることができません。取り扱いをしている金融機関と取り扱いをしていない金融機関が存在しているからです。

自分に合致した種類の住宅ローンを見つけることのほかに、取り扱いをしている金融機関も見つけなければならない手間が生じます。

一方で、フラット35は多くの金融機関で取り扱いがなされています。

そのため、比較的、金融機関選びに難儀をすることはありませ。

この際、「フラット35s」と呼ばれる種類の住宅ローンについてあらかじめ知っておくことは、時に、非常に自分たちのためになると推測されます。

この理由の解説も踏まえまして、本記事では、様々な種類の住宅ローンがある内、フラット35sに焦点をあてて、基本的な部分からメリットおよびデメリットについてまでわかりやすく解説を進めていきます。

注意

平成31年1月現在、平成31年3月31日までに申し込みをされた方が適用となっておりますが、フラット35sは予算が無くなり次第終了になります。借入予定がある人はお早めに審査を通しておきましょう。

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1.フラット35sとは、フラット35の金利が優遇された住宅ローンです

フラット35sとは、「フラット35の金利が優遇された住宅ローン」です。

たとえば、本来、フラット35の金利が年1.5%だったと仮定します。

このとき、フラット35sの基準に適合した住宅を購入した場合、一定年数、金利の優遇が受けられて、年1.25%に金利が低くなるといったイメージです。

1-1.フラット35との違いとは

フラット35とフラット35sの違いとは、「金利の優遇部分」です。

フラット35が「通常の長期固定金利の住宅ローン」です。

一方フラット35sは、「特別金利が適用された長期固定金利の住宅ローン」といった違いとなります。

  • フラット35|通常の長期固定金利の住宅ローン
  • フラット35s|特別金利が適用された長期固定金利の住宅ローン

フラット35と35sのより詳しい違いについて知りたい場合、以下のコンテンツをあわせて読んでおきましょう。

フラット35とフラット35sの違い

フラット35とフラット35sの特徴の違いを徹底比較

2017年11月17日

1-2.フラット35sで適用される金利Aプランと金利Bプランの違いを知ろう

フラット35sは、特別金利が適用された長期固定金利の住宅ローンである旨を解説させていただきました。

具体的には、「金利Aプラン」と「金利Bプラン」という2つの特別金利プランがあります。

2つの特別金利プランの違いは、以下のイメージ図の通りです。

フラット35sの申し込み期限

フラット35ホームページ:【フラット35】Sより引用

  1. 金利Aプラン|当初10年間
  2. 金利Bプラン|当初五年間

フラット35sは、予算の関係があることから、上記の金利プランは平成31年1月現在で適用されます。

ただし、金利の引き下げ期間や金利の引き下げ幅は、毎年同じであるとは限らない点に注意が必要です。これまで、実際に金利引き下げ幅が、年0.30%から年0.25%に引き下げられた事実などがあるからです。

また、フラット35sは、特別金利プランであることから、フラット35で住宅を購入したすべての方が適用されるものではない点も併せて押さえておかなければなりません。

このことを踏まえまして、次項では、特別金利プランのフラット35sが適用されるための条件について引き続き解説を進めていきます。

1-3.フラット35sは誰でも借りられるわけではない! 借り入れ条件の4分野の住宅性能と注意点

前述の通り、フラット35sはフラット35で住宅を購入したすべての方が適用されるものではありません。

具体的には、購入した住宅が新築および中古を問わず、以下の4つの住宅性能の内いずれかの性能を満たしている必要があるからです。

  1. 「フラット35の技術基準」と「省エネルギー性」
  2. 耐震性
  3. バリアフリー性
  4. 耐久性・可変性

なお、中古住宅を購入してフラット35sを適用する場合には、「新築住宅・中古住宅共通の基準(金利Aプランおよび金利Bプランで内容が異なります)」または「中古タイプ基準」のいずれかを満たす必要があります。

参考:フラット35・フラット35sの対象となる住宅

1-3-1.フラット35sの適用を受けるための条件を一覧表にまとめて紹介します

フラット35sの適用を受けるためには、フラット35で住宅ローンを申し込んだ方の購入した住宅が、新築住宅、中古住宅といったことを問わず、以下の表のいずれかの内容に合致した場合に適用が可能となります。

内容フラット35s
金利Aプラン
(当初10年間)
フラット35s
金利Bプラン
(当初5年間)
フラット35s
中古タイプ基準
省エネルギー性(1)認定低炭素住宅

(2)一次エネルギー消費量等級5の住宅

(3)性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法)
(1)断熱等性能等級4の住宅

(2)一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
(1)二重サッシ又は複層ガラスを使用した住宅

(2)建設住宅性能評価書の交付を受けた住宅(省エネルギー対策等級2以上または断熱等性能等級2以上)または中古マンションらくらくフラット35のうち、【フラット35】S(省エネルギー性(外壁等断熱)に適合するもの)として登録した住宅
耐震性(4)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅(3)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅

(4)免震建築物
バリアフリー性(5)高齢者等配慮対策等級4以上の住宅
(共同住宅の専用部分は等級3でも可)
(5)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅(3)浴室および階段に手すりを設置した住宅4)屋内の段差を解消した住宅
耐久性・可変性(6)長期優良住宅(6)劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同住宅等については、一定の更新対策が必要)

出典:フラット35・【フラット35】Sの対象となる住宅より

なお、あなたが押さえておくべき要点とは、上記一覧表の内容ではありません。

「購入する住宅が、金利Aプラン、金利Bプラン、中古タイプ基準のどれにあてはまるのか、不動産業者に必ず確認しておくこと」だからです。

その際、フラット35で住宅ローンを申し込む予定である旨を伝え、なぜ、そのプランに該当するのかといった理由についてまで細かく確認しておくことが望ましいでしょう。

1-3-2.注意! 適合証明書がなければフラット35sは適用されない

フラット35で住宅ローンの融資を受けるためには、「適合証明書」と呼ばれるフラット35の融資基準に合致した住宅であるかどうかの検査が必要になります。

これは、フラット35およびフラット35sのいずれの場合も必要な共通事項です。

そのため、極めて押さえておきたい注意事項であるとは言えませんが、新築・中古によって異なった検査費用が発生することを参考情報として押さえておくことで足りるでしょう。

なお、検査にかかる金額が気になる方は、不動産業者や適合証明検査機関へ尋ねることをおすすめ致します。

1-4.フラット35とフラット35sで借りた場合の差額シミュレーション

フラット35sは、特別金利が適用された長期固定金利の住宅ローンであることが、すでにご理解できたと思いますが、通常のフラット35で融資を受けた場合とフラット35sでは、どの程度の金額の違いがあるのか気になる方も多いと思います。

そこで本項では、フラット35とフラット35sで借りた場合の差額シミュレーションを紹介し、両方について比較したものを表にまとめて紹介します。

シミュレーション条件は以下の通りです。

  • 住宅ローン借入額:2,000万円
  • 金利:以下、比較表を参照(平成29年11月現在におけるARUHI実行金利
  • 返済期間:35年
  • 返済方式:元利均等返済
  • ボーナス返済:なし
  • その他:金利Aプランおよび金利Bプラン共に団体信用生命保険に加入し、借り入れ金額は、融資金額の9割以下、頭金を1割用意しているものとします。
比較内容フラット35フラット35s
(金利Aプラン)
フラット35s
(金利Bプラン)
借入金利年1.370%当初10年間
年1.120%
11年目以降
年1.370%
当初5年間
年1.120%
6年目以降
年1.370%
毎月の
返済金額
59,971円57,582円59,318円57,582円59,647円
総返済金額25,187,938円24,705,240円24,927,840円
差額▲482,698円▲260,098円

仮に、フラット35ではなくフラット35sが適用された場合の軽減効果は、「確実に見込まれる」のは確かです。

一方で、金利Aプランと金利Bプランによる適用の違いや、住宅ローンの借入条件によって効果の大きさに違いが生じることも間違いありません。

あくまでも住宅ローンは、毎月の返済金額が無理のない範囲内で申し込むのが鉄則です。

この辺の返済金額をしっかりと確認した上で、フラット35とフラット35sについて検討をしたいものです。

1-5.平成29年度のフラット35sは、平成31年3月31日申込受付分までの期間限定

フラット35sは、フラット35の融資希望者に対して適用される特別金利であることから、あらかじめ予算が設けられており、この予算に達する見込みとなった場合、その年のフラット35sの受付は終了となります。

平成29年度のフラット35sは、平成30年3月31日申込受付分までの期間限定

出典:フラット35ホームページ・フラット35sより抜粋

また、「1-2.フラット35sで適用される金利Aプランと金利Bプランの違いを知ろう」で紹介したイメージ図の適用条件は、平成31年度におけるフラット35sの適用内容です。

平成31年3月31日申込受付分までの期間限定であることも併せて注意しておきたいポイントです。

2.フラット35sのメリット

フラット35sのメリットは、フラット35では受けられない金利優遇が受けられることです。この結果として、総返済金額が少なくて済むところにあります。

また、金利Aタイプおよび金利Bタイプにおける金利優遇が終了した後も、極端に1ヶ月の返済金額が増加するわけではありません。

そのため、長期固定金利のメリットである完済までの返済計画が立てやすいといった部分が保てるところも魅力です。

併せて、フラット35sの金利Bプランは、適用ハードルが低い特徴も把握しておきたいですね。

購入する予定の住宅が一般住宅や中古住宅を購入してリフォームやリノベーションする場合におきましても、少なくとも5年間の優遇金利が受けやすいところもポイントと言えるでしょう。

なお、新築住宅(建設して間もない建売住宅を含みます)には、一般住宅と長期優良住宅に分けられる特徴がありますが、長期優良住宅の場合、フラット35sの金利Aプランが適用となります。

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ポイント

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特 徴

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3.フラット35sのデメリット

フラット35sは、元々フラット35を希望している方に対する金利優遇です。

そのため、フラット35s自体のデメリットというものはないと考えるのが自然です。

ただし、フラット35sには、予算金額が設けられている事だけは抑えておきましょう。

たとえば、予算金額に達する見込みとなった場合は、フラット35sの受付が終了となることから、必ずしもすべての方がフラット35sの適用を受けられるわけではありません。

そのため、購入した住宅がフラット35s基準を満たしていたとしても、予算金額の関係で適用外となる場合もあることを知っておく必要があります。

なお、フラット35におけるメリットおよびデメリットにつきましては、同サイト内で公開している以下の記事を参考にされてみることをおすすめ致します。

フラット35とは?金利や仕組みメリット・デメリットをわかりやすく解説

2016年4月7日

3-1.金利Aプランの適用を受けるためには、建築費用が高くなることが予測される

これまで、フラット35sにおける金利Aプランおよび金利Bプランの適用条件について一覧表で紹介させていただきました。

金利Bプランは、フラット35を希望される多くの皆さまが適用されると予測されるます。

一方、金利Aプランの適用を受けるためには、より高性能な住宅であることが求められます。

そのため、金利Aプランの適用を受けるためには、住宅購入における建築費用などが高くなることが十分予測されます。

4.フラット35sの注意点

フラット35sの注意点は、すでに解説をさせていただいた「予算の関係上、必ずしも適用されるとは限らない」ことがあげられます。

実際のところ、フラット35sの受付終了日は、受付が終了する約3週間前までにフラット35のホームページで公開されることになっています。

そのため、フラット35sが募集開始となる最初の時期に合わせて住宅購入計画を立てておくことも一策です。

具体的には、年初(4月)頃から、フラット35sの募集が始まることから、春や夏頃に申し込みができれば大きな懸念を抱えることがなくフラット35sの適用が可能だと予測されます。

こちらは余談となりますが、現在の住宅ローンをフラット35に借り換えする場合や現在フラット35で住宅ローンを借りていて、フラット35sに変更するなどといったことはできませんので注意が必要と言えるでしょう。

4-1.フラット35の申し込みをしていた場合であったとしてもフラット35sの変更が可能

すでに、フラット35の申し込みをしていた場合であったとしても、以下の1から3のすべてにあてはまる場合は、フラット35sを利用することができます。

  1. 当初の申込受付時期が、フラット35sの受付期間内(翌年3月31日)であること
  2. 資金受取前であること
  3. フラット35sの基準に適合していること

フラット35からフラット35sへ変更する場合、その内容によってはいったん申込みを辞退し、再度申込みをするといった手間がかかる場合があります。

住宅の引き渡しまで時間を要する場合があると考えられることから、注意が必要と言えるでしょう。

なお、フラット35の 資金をすでに受け取ってしまっていた場合、フラット35sへの変更はできないため、たとえば、融資担当者の知識レベルなどが低いことやその他の事情で自分が損失を被らないための予備知識として知っておくことが大切だと考えられます。

参考:フラット35・よくある質問・フラット35sについてより

まとめ

本記事では、フラット35の様々な種類の内、フラット35sに焦点をあてて、基本的な部分からメリットおよびデメリットについてまでわかりやすく解説を進めさせていただきました。

フラット35sは、フラット35の金利優遇が受けられるタイプの住宅ローンです。

金利優遇が金利Aプランおよび金利Bプラン共に適用期間があらかじめ決まっておりますが、フラット35を希望されている多くの方のプラスになるのは確かです。

購入する住宅が、フラット35sに合致するのか、不動産業者などに尋ねることが最も重要と言っても決して過言ではありません。

不動産業者が知識不足などで明確かつ正確な回答が得られない場合は、FPや建築士など、質問内容に適切な専門家へ尋ねてみることを強く推奨致します。

審査が甘いフラット35を選ぶなら超低金利の今がチャンス

全期間固定金利であるフラット35を選ぶなら、間違いなく今がチャンスです。歴史的な超低金利が今も続いているものの、一生続くことは考えられないからです。

今後、少しずつ金利は上がっていくことが予想されるため、固定金利(当初10年など)や変動金利は金利上昇のリスクがあります。

その点、フラット35であれば契約とともに総支払額が確定します。

仮に金利が急激に上がっても、安定した支払いが可能です。

金利の変動で住宅ローンの支払いで破産する人は多いですが、フラット35なら家賃と同じように支出が見えるので家計のやりくりが簡単になります。

また、審査が緩いため、「年収が低い」「転職したばかりで勤続年数が少ない」などでも融資してもらえる可能性が高いです。

これらは融資条件に含まれていないからです。また、「自営業の方」や「派遣社員(パート・アルバイトを含む)」であっても審査が通りやすいのはフラット35だけになります。

「低金利のまま、最後まで安定した支払いを希望される方」や「審査に不安があるという方」はフラット35を選ぶようにしましょう。

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