注文住宅の家を建てる際に気になるマイホームの平均予算の決め方

注文住宅とは、マイホームを建てるための土地を購入し、その土地の上に家を建築するといった流れで行われます。そのため、基本的に注文住宅の購入にかかるお金は比較的高めになってしまう特徴があります。

注文住宅に限ったことではありませんが、マイホームを建てるためには、予算をしっかりと立てることが重要です。

ただ、実際のところ「マイホームを建てるための予算は、どのように立てたらよいのかわからない」「業者に予算を立ててもらったけれども本当に大丈夫なのか心配」という方は多いです。

そこでこのページでは、マイホームを注文住宅で建てたいと検討している方を対象に、家の購入予算の決め方について解説していきます。ここで紹介するノウハウをマスターするだけで、無理なく返済できる予算組みができるようになります。

1.マイホームの予算の決め方で失敗する人の3つの共通点プラスα

マイホームの予算の決め方で失敗する原因は、実にさまざまあります。

ここでは、特に気を付けていただきたい3つのポイントにプラスαで要点を解説していきます。

1-1.よくある「今払っている家賃で家を買えますよ」には要注意

不動産業者のチラシやCMなどで、以下のような売り文句をいたるところで見聞きするのではないでしょうか。

  • 今払っている家賃で家を買えますよ
  • 月々〇万円のお支払いであこがれのマイホームが手に入ります

たしかに、これらの売り文句は、「本当」か「うそ」かの二者択一で選ぶとすれば「本当」です。

ただし、これには、私たちの目に見えない重要なメッセージが隠されていることに気が付かなければなりません。たとえば、先にあげた売り文句の裏には、以下のような内容が隠されています。

  • ずっと月々の返済金額が変わらない訳ではありません
  • 住宅購入諸費用は考えていません
  • 適用金利だけで試算した返済金額です

たとえば、フラット35のように、「全期間固定金利(住宅ローンを返し終わるまで金利が変わらないもの)」で提案してくれているのであれば、返済金額は変わりません。そのため、「今払っている家賃で家を買えますよ」といった明示であったとしても、何も問題がありません。

しかし、実際のところ、フラット35で返済金額を試算すると、不動産業者が意図する「安い返済金額」で顧客に提示することができなくなってしまいます。そのため、「安い返済金額」を見せるために、金融機関が取り扱っている「最も低い金利」で試算している「からくり」が実は隠されているわけです。

一番安い金利で住宅ローンを申し込んだ場合、返済当初は少ない返済金額で済みます。

ただ、ある年を境に、返済金額が増加します。この「ある年」とは、住宅ローンの契約によって異なりますが、不動産業者が例示している返済金額が「完済までずっと変わらないことは住宅ローンの仕組み上、基本的にありえない」のです。

そのため、ここで例を挙げたような売り文句を聞いたときは、必ず金利の種類を確かめるようよにしてください。

1-2.「これくらいなら払っていけそう」という机上の空論では破たんする

住宅ローンの仕組みや前述した「からくり」がわからない場合、不動産業者が提示した返済例を見て「これくらいなら払っていけそう」とマイホーム購入に心が躍ってしまうことでしょう。

しかし、残念なことに、これが「不動産業者の狙い」であることは、言うまでもありません。

そのため、今だけではなく、10年後、20年後、30年後という先々で返済が滞る心配がないかを確認した上でマイホームの購入を決定する必要があります。

1-3.住宅会社に決められた予算組(資金計画)には要注意

住宅会社が作成した予算(資金計画)は、あくまでも「今、マイホームを安い返済金額で支払っていくためのもの」です。そのため、あなたの10年後、20年後、30年後といった将来をプランニングしている予算ではありません。

将来の家計に問題が生じる場合や、その可能性が高くなる場合に気が付くことができない予算であることを、しっかりと理解しておく必要があるのです。

1-4.その他、マイホームの予算決めの失敗事例

ここでは、マイホームの予算決めの失敗事例について、同サイト内で公開しているものをそのまま引用して紹介していきます。なお、この事例は「実話」になります。

Aさん一家は、パートをしている妻と共働きをしながら3人の子どもを育てる仲睦まじい家庭です。Aさんは、妻と悩みに悩んで、平成22年6月に念願のマイホームを新築で購入しました。

当時、不動産会社からの資金計画を受け、マイホーム購入をしたAさんは、結果として不動産会社から背中を押される形となりました。

それから6年の月日が経過したある日、Aさんは体調不良が原因で急きょ入院することに。幸いにも命に別状はありませんでしたが、職場に復帰するのは難しい状態に陥ってしまいました。

妻のパート代だけでは、住宅ローンの返済をしていくのが困難だったこともあり、結果、6年後の平成28年11月にマイホームを手離し引っ越しした家族5人は、現在、新たにアパートを借りて生活をしています。

参考:住まい館:家づくり・マイホームの購入前に住宅ローンの資金計画をしましょう

Aさんの資金計画の問題点は、正に「未来予測ができていなかった」ところにあります。

つまり、10年後、20年後、30年後といった将来、どのようなことが起こるかわかりませんが、「受け皿 = リスク回避策」を講じていなかったことが一番の要因だったと推測されます。

厳しい申し上げ方をすると、不動産業者の資金計画もAさんの考え方もどちらにも落ち度があったことになるわけです。この実例から、いかにしっかりとした予算を立てることが重要なのか改めてご理解できたのではないでしょうか。

2.マイホームの理想的な予算の決め方

いよいよここからは、マイホームを購入するための理想的な予算の決め方について解説していきます。

この予算の決め方におきましては、「余裕を持った住宅ローンの返済」を最優先で考えた方法であり、自分自身で意思決定する方法であることをあらかじめご留意下さい。

2-1. 注文住宅を建てる場合は、不動産業者をたくさん見て回ろう

注文住宅の醍醐味は、「希望に沿った理想のマイホームを建てられる」ことです。

そして、不動産業者によって注文住宅を建てるための「個性」や「費用」は「全く異なる」特徴があります。

実際の家は、工務店などが建築したモデルハウスや注文住宅を見学会などで、確認することができます。このとき、何度か足を運んでいる内に、「この不動産業者は、こんな感じの家を建てるのが得意なんだな」といったことに気が付けると思います。

基本的に顧客側の希望に沿った家を建てるのが注文住宅ですが、内装や外装の雰囲気などは、「業者独特の個性」が顕著に表れることになります。そのため、自ずとそこに気が付けることでしょう。

つまり、自分好みのマイホームを建ててくれそうな業者が、足を運んでたくさん見ることによって自然と絞り込むことができるわけです。

そのため、面倒臭がらずに、資料請求だけではなく実際の建物を見て回ることをオススメします。

2-2.水回り関係のメーカーなどもたくさん見て回ろう

キッチンやトイレ、洗面所、お風呂など、水回り設備もメーカーによって特徴や価格がさまざまです。不動産業者選びと同じように水回り関係のメーカーショールームなどもたくさん見て回ることをおすすめします。

なお、絞り込んだ不動産業者が、特にる水回り関係に力を入れているメーカーがある場合、同じ会社の商品に統一することをオススメします。一式揃えることで、値引き交渉ができるため、価格を抑えることができるからです。

2-3.理想のマイホームを建てるには大まかにいくらくらい必要なのか確認しよう

不動産業者や水回りのメーカーをいくつか絞りこむことができたら、いよいよ大まかな見積書を作成してもらいましょう。水回りのメーカーを見に行くと、ほとんどの場合、施工予定の不動産業者を聞かれ、その業者に対して見積書が郵送で送られる流れになります。

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ここまでの流れが完了すると、施工予定の不動産業者では、大まかな見積書を作成することができます。これにより、私たちも理想の注文住宅を建てるための大まかな金額を把握することができるようになります。

多くの場合、注文住宅にかかる諸費用も見積書に含まれていることが多いため、価格の調整があるにせよ大まかな必要資金が目に見える形となります。

2-4.無理のない返済が実現できるのか確認しよう

理想のマイホームを購入するための大まかな必要資金を知ることができたら、無理のない住宅ローンを組んで返済していけるのかどうかについて確認していきます。

ただ、住宅ローンの借入条件、頭金の有無などによって返済金額が全く異なってきます。そのため、可能であれば専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)や住宅ローンアドバイザーといった、「第三者」にシミュレーションしてもらうことをおすすめします。

なお、理想のマイホームを建てるのではなく、とにかく身の丈に合ったマイホームの購入を余裕がある資金計画で行いたいと考えている方であれば、先に余裕を持って返済できる金額を決めてから、業者等に相談する方が効率的です。

ここは、マイホームに対する各々の価値観によって左右される部分と言えます。

3.マイホームの予算決めは、余裕を持って返済できる金額で決まる

マイホームの予算決めは、余裕を持って返済できる金額で決める必要があります。満額で借りたり、毎月の支払いで無理をしたりすると、資金繰りが苦しくなって破綻してしまうからです。

そのため、理想のマイホームを購入するために資金不足の場合は、不足している資金をどのように確保するのかじっくりと検討しておく必要があります。

  1. 家計の無駄な支出がないか
  2. 家計の収入を増やすことはできないか
  3. 住宅ローンの返済条件は適切か
  4. 両親や祖父母などから資金援助や一時的な借入を受けられないか

上記は、ほんの一例ですが、これら4つの項目をじっくりと検討することで、理想のマイホームの購入にぐっと近づく場合が多々あります。

3-1.マイホーム購入で必要となる頭金はいくら用意すればよいのか

マイホームの購入に「頭金は必要」や「購入価格の20%」という話をよく聞くと思います。

ただ、現在の住宅ローン事情やマイホーム購入における不動産業者の対応を考慮すると、「必ずしも頭金が必要とは言い切れない時代」であることは確かです。

「昔のように頭金がないから住宅ローンは組めません」といった時代ではなくなっています。

もちろん、マイホーム購入のための頭金は、あった方が良いのは確かですが、すべての貯金をはたいてまで充てることは誤った選択になります。

  • いざという時のために備えておくためのお金(生活費の半年分から2年分程度)
  • 1年間の一時的な費用にかかるお金(50万円から150万円程度)

上記2つのお金は、できる限り手元に残しておきたいものです。これらは、あくまでも目安であり、それを達成していないからといって理想のマイホームが建てられないといったことではありません。

住宅購入における頭金について詳しく知りたい場合、以下の記事が参考になります。

マイホームの家を建てる住宅ローンの頭金の費用・相場や平均はいくら?

2017.02.18

3-2.ライフプランの中で最も支出が多い時期を基準に考えることも大切

マイホームの購入は、その多くが住宅ローンを組んで購入する流れになると思われます。

たとえば、子育て世帯の場合、子どもが大学へ進学する時に最も多くのお金が必要となります。

このようなライフイベントが発生し、大きな支出が伴う年でも、住宅ローンの返済が問題なく行っていけるかどうかについて、将来のライフプランを考慮しながら確認しておくことも大切になります。

4.よく聞く住宅ローンの「借入可能額」は、重要なのか

巷では、「住宅ローンの借入可能額は年収の25%程度」「住宅ローンの借入可能額は年収の5倍まで」などといった情報が飛び交っておりますが、はたして真相はどうなのでしょう。

手始めに、住宅保証機構株式会社が提供している「借入可能額の試算」を用いて、それぞれの年収の方が一体、いくらまでならば借りることができるのか表にまとめてみます。

なお、シミュレーション条件は、以下の通りとします。

  • 返済方法:元利均等返済
  • 返済期間:35年間
  • 当初金利:1%
  • 連帯債務者:なし
  • 返済負担率:25%
税込年収概算借入可能額毎月々の返済金額
300万円2,214万円52,714
400万円2,952万円70,285
500万円3,690万円87,857
600万円4,428万円105,428
700万円5,166万円122,857

参考:住宅保証機構株式会社 借入可能額の試算(年収より算出)

上記表は、あくまでも概算借入可能額となります。マイホーム購入の予算との兼ね合いは、細かい内容になってくるため、やはり専門家であるFPや住宅ローンアドバイザーに意見を求めることをおすすめします。

4-1.予算は借入可能額ではなく、「返済可能額」で考え、自分で決定する

先に解説しましたように、マイホーム購入の予算は、余裕を持って返していける金額、いわゆる「返済可能額」で考えることが重要です。そのため、前述した借入可能額をベースに住宅ローンの申し込みを行わないように注意しましょう。

返済可能額とは、率直に「月々〇万円だったら返していける」といった金額になります。この金額に、住宅購入後のランニングコストを上乗せした金額が、本来の返済可能額になると考えてください。

返済可能額につきましては、別途、詳しく掲載されている記事が以下になります。最後のまとめを振り返ってから併せて読み進めてみることをおすすめします。

住宅ローンの毎月々の返済金額平均と年収に見合う返済負担率とは

2017.02.22

マイホームの予算の決め方で最も重要なポイント(まとめ)

マイホームの予算の決め方で最も重要なポイントは、「返済可能額」です。以下、本記事における要点を流れに沿って箇条書きしていきます。

  • 不動産業者等からの見積金額(諸費用含む)を確認
  • 住宅ローンの返済条件を確認
  • 1ヶ月の返済可能額 > 住宅ローンの1ヶ月の返済金額 になっているか

上記にあてはまっていない場合は、以下を再検討します。

  • 家計の無駄な支出がないか
  • 家計の収入を増やすことはできないか
  • 住宅ローンの返済条件は適切か
  • 両親や祖父母などから資金援助や一時的な借入を受けられないか

上記を再検討し、それでも不安な場合、解決できそうにない場合は、FPや住宅ローンアドバイザーといった専門家へ相談することをおすすめします。最初から専門家へ依頼することで、負担を軽減する方法も一策です。

本記事が、理想のマイホームを建てられるきっかけになっていただくことを願いつつ、まとめとさせていただきます。