住宅ローン保証料なしはお得?メリットとデメリットを公開

住宅ローンの諸費用の1つに「保証料」といったものがあります。

これから住宅ローンの申し込みを検討されているすべての方と言っても決して過言ではありませんが、実のところ、この「保証料」における本来の意味を勘違いされている方が残念ながらほとんどです。

保証料の概要につきましては、記事中の「1.住宅ローン保証料とは?」で紹介させていただくことにしますが、通常、住宅ローンの保証料は高額であるため、ネット銀行のように保証料が無料である金融機関は、少なからず大きな魅力の1つであることは確かです。

とはいえ、はたして、住宅ローンの保証料なしは本当にお得なのでしょうか?

本記事では、この辺のメリットとデメリットを含めまして解説を進めていきます。

1.住宅ローン保証料とは?

住宅ローンの保証料とは、住宅ローンを融資する金融機関側が、不良債権を抱えるのを避けるために取られる対応策の1つであり、その保証料を住宅ローンの申込者に支払わせる仕組みとなっています。

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2017.06.23

1-1.「住宅ローン保証料がない」と言うことは、保証がないのか?

住宅ローンの保証料について、多くの皆さまが大きな勘違いをしている例として「万が一、住宅ローンが返済できなくなってしまった場合、それ以降は、返済しなくともよい」といったものがあります。

これは、明らかに大きな誤りであり、住宅ローンの保証料があったとしても、なかったとしても、どちらにしても住宅ローンの返済をしなければならないことに変わりはありません。

仮に、住宅ローンの保証がない場合というのは、住宅ローンを融資した金融機関側が、万が一、貸付した住宅ローンが回収不能になってしまった場合、その回収不能になったお金を保証会社に保証してもらうことができないことを意味しています。

つまり、この「住宅ローンの保証料」とは、私たちに対する保証なのではなく、住宅ローンを融資した金融機関側に対する保証であることを理解しておく必要があります。

したがいまして、金融機関側としましては、「住宅ローンを融資する代わりに、もしも、あなたが住宅ローンを返済できなくなってしまって、貸したお金が回収不能になってしまった時のために、保証会社から損失を補償してもらうための保証料をあなたが代わりに負担して下さいね」といった言い分になるわけです。

これまでの解説より、住宅ローンの保証料がないということは、融資した金融機関側が保証会社の保証を受けられず、貸し倒れになるリスクを自らが負うことを意味していることになります。

1-1-1.プロパー融資とは

プロパー融資(プロパーローン)とは、保証会社の保証がないローンのことを言い、原則として保証人や連帯保証人を立てなければならない特徴があります。

よく聞く、フラット35では、保証料が不要であるほか、ネット銀行でも保証料が不要の場合が多く見受けられますが、いずれの場合も保証人や連帯保証人を立てなければならないわけではないため、プロパー融資(プロパーローン)にはあてはまりません。

現在の住宅ローンにおける低金利事情を考慮しますと、プロパー融資(プロパーローン)は、金利が極めて高いため、低金利という有利な条件で住宅ローンの融資を受けられない選択肢はできる限り避けるべきでしょう。

2.住宅ローン保証料なしにおけるメリットおよびデメリットを公開

住宅ローンの保証料は、基本的に住宅ローン諸費用の中でも高額であり、最も負担が大きいと言っても決して過言ではありません。

このような事情を踏まえますと、私たち住宅ローンの融資を受ける側からしますと、住宅ローンの保証料がかからないことに越したことはないと思うのは当然のことです。

とはいえ、物事にはメリットとデメリットがありますように、住宅ローンの保証料がない場合におきましても、メリットとデメリットがそれぞれ存在します。

そこで本項では、私たち住宅ローンの融資を受ける側の立場で住宅ローンの保証料がない場合のメリットおよびデメリットについて解説を進めていきます。

2-1.住宅ローン保証料なしのメリット

住宅ローンの保証料がないメリットは、やはり高額な保証料の負担を避けられるところにあります。

すでに保証料の意味について解説をさせていただきましたように、保証料を支払うことで自分たちに直接プラスになる恩恵が受けられるわけではないことを踏まえますと、いわば「ロス」を抑えられる点についてメリットがあると言えます。

2-2.住宅ローン保証料なしのデメリット

住宅ローンの保証料がないデメリットは、残念ながらメリット以上に存在し、総合的に判断すると、保証料負担のない方が、かえって大きなロスに繋がってしまう懸念が生じてしまう場合もあります。

以下、その理由について解説を進めていきます。

2-2-1.審査が厳しくなる

住宅ローンの保証料がない場合、住宅ローンの融資をする金融機関側が「貸し倒れリスク」を「直接抱えることになる」ため、金融機関側としては、万が一、相手方の返済が滞って、貸し付けたお金を回収することができないといった最悪の事態だけは絶対に避けなければなりません。

そのため、住宅ローンの保証料がない場合の審査は、住宅ローンの保証料がある場合の審査に比べて厳しくなるのが通常です。

私たちが、住宅購入を実行するためには、住宅ローンの融資が欠かせないことを踏まえますと、住宅ローンの保証料を負担しないことによって、住宅ローン審査のハードルが上がってしまい、結果として審査に通らず融資が受けられないことになれば、そもそも本末転倒と考えることもできます。

高額な保証料を負担しなければならない代わりに住宅ローンの審査が通過しやすくなるといった側面も少なからずあることを踏まえますと、保証料なしの住宅ローンを選択することは、ケース・バイ・ケースでの判断になると思われます。

なお、住宅ローンの保証料は、高額ではあるものの、一時的に大きなお金を支出する方法のほか、住宅ローンの金利に0.2%程度上乗せして、いわば分割払いのような支払方法もあるため、置かれている状況や現在の懐具合によって、適した方法を選べることもあらかじめ押さえておきたいポイントです。

2-2-2.事務手数料が高い

住宅ローンの保証料がない銀行から住宅ローンの融資を受ける場合、保証料がない代わりに事務手数料が高額であるのが一般的です。

この事務手数料の金額は、たとえば、融資金額に対して2%程度かかる上に、消費税まで課されることになるため、時には、住宅ローン保証料よりも高額になってしまう場合があります。

後述する、「3-1.住宅ローン保証料「あり」「なし」の比較シミュレーション」を見ていただきますと、多くの皆さまがお気付きになることがあると思いますが、住宅ローンの保証料がないということが、本当に私たち住宅ローンの申込者にとってプラスの効果が得られるのか疑問が生じてしまう結果となっているのが現状です。

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3.保証会社を利用する銀行と利用しない銀行

住宅ローンを実際に取り扱っている銀行によって保証会社を利用する銀行と利用しない銀行がありますが、以下、参考までに紹介していきます。

<保証会社を利用する/しない主な金融機関・商品>

 保証会社を利用する銀行保証会社を利用しない銀行
主な金融機関・商品・三菱東京UFJ銀行
・三井住友銀行
・みずほ銀行
・信託銀行全般
・地方銀行全般 など
・住宅金融支援機構(フラット35)
・各種ネット銀行
(住信SBIネット銀行)
(イオン銀行)
(楽天銀行) など

保証会社を利用する銀行の多くは、グループ会社や子会社が保証会社となっている場合が多い傾向にあります。

一方、保証会社を利用しない銀行は、自社で貸し倒れリスクを抱えることになりますが、住宅金融支援機構のフラット35に関しましては、債権を証券化して投資家へ発行することで投資金を保証料の代わりの担保としている特徴があります。

3-1.住宅ローン保証料「あり」「なし」の比較シミュレーション

ここでは、実際に住宅ローンの保証料がある場合と保証料がない場合の住宅ローンにおける負担金額の違いについて比較して紹介していきたいと思います。

シミュレーションにおきましては、みずほ銀行と住信SBIネット銀行との比較とし、平成29年7月現在の融資条件に基づいて比較します。

なお、どちらの銀行におきましても、住宅ローンにおける金利などの返済条件が「最優遇」されるものとしてシミュレーションします。

みずほ銀行と住信SBIネット銀行の比較

みずほ銀行

住信SBIネット銀行

借入金額

3,000万円

3,000万円

固定金利

1.16%

1.23%

借入期間

30年

返済方法
(ボーナス払いなし)

元利均等返済

毎月の返済額

98,712円

99,693円

総返済金額

35,536,502円

35,889,831円

事務手数料

32,400円

648,000円

保証料(最大金額)

669,820円

0円

総返済金額+概算諸費用

36,238,722円

36,537,831円

上記の比較表におきましては、住宅購入諸費用を「事務手数料」と「保証料」のみに絞っておりますが、両者を比較すると、さほど大差のないことが確認できます。

どちらかと言えば、金利の違いによって総返済金額に若干の差がついたと考えるのが無難な解釈であると思われます。

この比較シミュレーションは、ほんの一例ですが、通常、住宅ローンの場合、事務手数料が安ければ保証料が高く、保証料が無料であれば事務手数料が高いといったいずれかのパターンにあてはまることになるため、一概に保証料が無料だから良いといったことにはなりません。

4.住宅ローンを選ぶ際は、目先の利益ではなく総合的に判断することが大切

先に紹介した比較結果を踏まえまして、住宅ローンで大切なことは、比較シミュレーションをすることで、自分にとって最も良い返済条件を探し当てることであるほか、どのような優遇を受けられるのかしっかりと確認することになります。

したがいまして、先に紹介した比較シミュレーションでは、みずほ銀行の方が有利という結果でしたが、たとえば、みずほ銀行の優遇が受けられず、住信SBIネット銀行の優遇を受けられたとするならば、逆転現象が起こり、住信SBIネット銀行から融資を受けた方が有利ということになります。

つまり、ご自身が希望する複数の金融機関をしっかりと決めて、どこまで優遇が受けられるのか確認した上で比較シミュレーションすることが大切になると考えられます。

まとめ

本記事では、住宅ローンの保証料が無いことによるメリットとデメリットについて解説をさせていただき、併せて比較シミュレーションとその結果を紹介させていただきました。

住宅ローンの保証料が無い場合であったとしても、事務手数料など他の諸費用にかかる負担金が高額となるため、結果として、住宅ローンの保証料があった場合と比べて、さほど負担する金額は大きく変わることはありません。

比較シミュレーションの総括でも軽く触れましたように、保証料がある、なしといったことも大切ですが、それよりも住宅ローンの優遇が受けられる体制を整えておくことの方が、おそらく有利に話が進んでいくものと推測されます。

たとえば、十分な頭金を用意しておくことで、金利の優遇効果を受けられるほか、住宅ローンの審査に少なからず通りやすくなると考えられるため、一石二鳥の効果が得られます。

住宅ローンは、保証料のように個々の項目に着目するのではなく、総合的に比較検討して最も有利なものを選ぶべきでありますので、余裕を持った時間と確実なシミュレーションで希望に沿った住宅ローン選びを実現していただきたいものと思います。