住宅ローンとは:金利や返済、融資先まで理解する9つの極意

結婚、出産とライフステージが変化し、新しい家族が増えると、今住んでいる場所が手狭に感じるようになります。このとき、多くの方は間取りの広い所へ引っ越しを検討します。

中には、賃貸でお金を払い続けて何も残らないよりも、同じお金を支払うのであれば住宅を購入することで財産として残す方が得と考える人も多いのではないでしょうか。住宅は一生のうちで一番高い買い物と言われておりますが、大半の方は家を購入する際に住宅ローンの借り入れをすることと思います。

ただ、住宅ローンの借り入れを行う際、これに関する最低限の知識が必要になります。基礎知識を身に着けていないままローンを組んでしまうと、金利で大きく損をしてしまう可能性があるからです。

しかしながら、知識を身に付けるために、インターネットで調べたり本や雑誌を読んだりしても、専門的な用語や言い回しが難しく、いまいち理解できないという方はたくさんいます。

そこで本記事では、誰にでも簡単に理解できる住宅ローンの基礎知識を9つのポイントに分けてご紹介していきます。これを読みきるころには、住宅ローンの仕組みや金利、さらには注意点まで理解できるようになります。

1.住宅ローンの概要

住宅ローンの概要

住宅ローンとは、住宅やマンションを購入するために銀行や信用金庫といった、いわゆる「金融機関からお金を借りる」ことをいいます。

このとき、家やマンションについての新築・中古といった態様は問わず、金融機関は、購入した住宅(土地と建物)やマンションを住宅ローンの担保としてお金を融資するのが一般的です。

現実問題として、金融機関へ申し込んだ住宅ローンが通る(お金を貸してもらえるようになる)ためには、後述するさまざまな条件をクリアしていかなくてはなりません。次項では、住宅ローンを通してもらうために必要な4つの条件について詳しく解説していきます。

2.住宅ローンの4つの条件

住宅ローンの条件

住宅ローンを通してもらうために必要な融資決定は、金融機関によって異なります。

ただし、共通している箇所も複数存在するため、ここではそこに焦点を当てて深く掘り下げていきます。

2-1.個人であること

住宅ローンを通してもらうためには、ローンの申込者が「個人」である必要があります。こちらについては、ほとんどの方が申し分ないと思われますが、このほかに以下の要件すべてに該当していることが求められます。

  • 満20歳以上満71歳未満で、最終ご返済時の年齢が満81歳未満の方
  • 契約する生命保険会社の団体信用生命保険に加入が認められる方
  • 安定した収入のある方
  • 保証会社の保証を受けられる方
  • 原則、日本国籍の方または永住許可等を受けている外国人の方安定した収入がある

上記条件は、みずほ銀行で住宅ローンを申し込みする際の条件として求められるものになります。

ただし、すべての金融機関において上記のような条件設定をしていると思って差し支えありません。そのため、上記条件の1つでも問題がある場合、どの金融機関においても住宅ローンの申し込みを断られる可能性があることを前もって知る必要があります。

また、過去5年以内や直近において「金融事故」を起こしたことがある場合も住宅ローンの申し込みが断られます。ここでいう金融事故とは、たとえば「破産」「債務整理」「商品購入代金の数ヶ月にわたる返済滞納」などがこれにあたります。

これらの「信用情報」や「金融事故歴」は、CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)JICC(株式会社日本信用情報機構)全国銀行個人信用情報センター(全銀協)の間で情報を共有する仕組みとなっています。

そのため、住宅ローン申し込み時点での過去や現状の信用情報を金融機関に把握されることを知っておきましょう。

2-2.年齢制限があること

住宅ローンにおける年齢制限の一例として、みずほ銀行の住宅ローンでは「満20歳以上満71歳未満で、最終ご返済時の年齢が満81歳未満の方」といった年齢制限を設けております。

一方、三菱東京UFJ銀行の場合、「年齢が借入時に20歳以上70歳の誕生日まで、完済時に80歳の誕生日まで」となっています。

細かな規定は、それぞれの金融機関によって違いがあるものの、おおまかな部分はどの金融機関においても極端な違いは生じません。上記の範囲にあてはまっていれば、年齢制限はクリアできるでしょう。

2-3.本人のローンであること

住宅ローンは、住宅にかかる資金の借り入れであることはもちろんのこと、お金の融資を受ける人は、本人であることが求められます。こちらの要件については、特段、気にするような内容ではないでしょう。

2-4.土地と建物がセットであること

住宅ローンの融資を受けるためには、購入した土地と建物に「抵当権設定」をすることが絶対条件として求められます。

抵当権設定とは、融資した住宅ローンが滞ってしまい、金融機関が毎月の返済を受けられなくなってしまった場合に、土地と建物を担保(共同担保といいます)として回収する権利のことをいいます。

このとき抵当権には、1番抵当、2番抵当といった順位がありますが、1番抵当権設定が住宅ローン融資の絶対条件となり、司法書士へ依頼して手続きを行うのが一般的です。

もし、住宅ローンが支払えなくなってしまった場合、最悪なケースとして「土地や家を失い、ローンだけが残る」ことを知っておきましょう。

3.住宅ローンを貸してくれる金融機関について

金融機関のイメージ

住宅ローンを貸してくれる金融機関が行う融資には、大きく分けて「公的融資」と「民間融資」の2つがあります。以下でこれら2つの融資について解説していきます。

3-1.公的融資とは

公的融資には「住宅金融支援機構融資」や「財形融資」といったものがあります。詳細は以下のとおりです。

融資名

詳細

住宅金融支援機構融資 住宅金融支援機構が融資する住宅ローンで、固定金利で長期返済ができるという特長があります。融資に関しての細かな条件もさまざまに設けられており審査が比較的厳しいことがあげられます。
財形融資 会社等で財形貯蓄をしている場合に借りることができます。一般財形貯蓄、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄のいずれかを1年以上継続し、50万円以上の残高があることが条件です。

3-2.民間融資とは

民間融資には「銀行ローン」や「フラット35住宅ローン」といったものがあります。詳細は、以下のとおりです。

融資名 詳細
銀行ローン 民間の金融機関が融資をする住宅ローンです。さまざまな種類のローンやサービスがあるため、じっくり比較し吟味することが返済の多少に大きな影響を及ぼすことになります。
フラット35住宅ローン 長期・固定金利の住宅ローンで安定・安心を求めている人に根強い人気がある住宅ローンです。認定長期優良住宅に適用できる金利の低いフラット35sもあります。

公的融資や民間融資は、名前の違いはあるものの、昨今では大きな違いはみられなくなってきました。

ちなみに、民間融資の銀行ローンは、それぞれの金融機関で独自のサービスを展開しており、時間をかけて比較検討することが重要なポイントです。このとき、相談料を支払ってでも、第三者であるFP(ファイナンシャルプランナー)に意見や金融機関の提案を求めるのも将来的に考えると大きなコストパフォーマンスが得られるでしょう。

4.融資の窓口

銀行窓口の様子

住宅ローンの融資窓口には、銀行支店をはじめローンセンター、インターネットを利用した申し込みなどさまざまです。ここでは、住宅ローンの融資窓口や特徴について解説していきます。

4-1.銀行支店

銀行支店で住宅ローンの申し込みする場合、窓口での対応となります。

銀行窓口の営業時間は平日の9時から15時までが一般的ですが、最近では後述するローンセンターといった個別の相談窓口を別途設けている銀行が多くなりました。これにより、仕事帰りの時間で相談できる銀行が増えています。

4-2.ローンセンター

ローンセンターとは、金融機関が窓口とは別に設けた、個人向けローンの相談を専門に行うところです。支店窓口の営業時間に足を運ぶことが難しい人のために、平日の夜、土・日、祝日でもローンの相談や手続きができる特徴があり、原則予約制となっているところが多いです。

4-3.インターネット

住宅ローンは、インターネットを利用して申し込める時代に突入しており、店舗や人件費を削減できる分、申込者に対して低金利で融資できる仕組みとなっています。

いわゆるネット銀行は、営業上必要最低限の店舗を有し、銀行支店が少ない特徴があります。

ただ、「直接対面相談がしにくい」という最大の短所があります。大金が動く住宅ローンですが、担当者の顔が見えないことに不安を覚える方は多いです。

しかしながら、手間をかけたくないと思っている人に取っては良いです。大手金融機関をはじめ、直接窓口へ出向かずともインターネットでローンの仮審査や申し込みができる場合があります。

ただし、資料請求や仮審査の申し込み等、各金融機関によってインターネットで取り扱っている内容は異なるため、利用の際は内容をよく確認して利用することをおすすめします。

5.金利について

金利についてのイメージ

住宅ローンの金利は、年利率が高い・低いといったことだけでなく、選んだ金利の種類によって総返済金額が大きく異なります。

そこで、金利の種類や紹介した金利の特徴を中心に以下で詳しく解説していきます。

5-1.金利の種類

住宅ローンの金利には、「変動金利」や「固定金利」、「期間選択型固定金利」といった少々特徴のある金利までさまざまな種類のものがあります。ここからは、住宅ローンで多く採用されている前述した3つの金利の特徴について解説していきます。

5-1-1.固定金利

固定金利のイメージ

固定金利の特徴は、時間(年数)が経過しても、金利が常に一定といったところにあります。後述する変動金利に比べて金利が高い短所があります。

しかし、長期間にわたる返済期間において金利の上下変動による影響を一切受けません。つまり、安定した返済金額を確保できるのが最大の魅力です。安定・安心を求めている人向けの金利といえます。

5-1-2.期間選択型固定金利

期間選択型固定金利のイメージ

期間選択型固定金利は、上記図の「固定金利期間」をあらかじめ選択します。そして、この期間が過ぎてからの金利は、固定金利と後述する変動金利を再度選択して決定する仕組みです。

このとき、この金利システムは、金融機関によって異なるため、事前の確認が大切になります。

経済情勢によって金利は変動しますが、再選択したときの経済情勢や今後の動向を予測しながら金利を選択できる点が魅力の金利といえます。

5-1-3.変動金利

変動金利のイメージ

変動金利は、他の金利に比べて圧倒的に金利が低いといった最大の魅力があります。

また、変動金利の特徴として、上記図のように「借入当初」から「5年経過まで」は毎回返済額が変わりません。さらに、経済情勢の影響で仮に金利が大幅に上昇した場合において、救済措置として「返済上限が1.25倍まで」に抑えられている点も大きな特徴です。

一方で、半年ごとに金利が見直されるため、金利上昇によるリスクが常に生じている部分が短所としてあげられます。

そのため変動金利は、金利上昇リスクに耐えられる資金に余裕のある方向けの金利といえます。

5-2.保証会社・保証料

住宅ローンを受けるためには、2-1で紹介したように「保証会社の保証を受けられる方」といった要件を満たす必要があります。住宅ローンにおける保証会社とは、住宅ローンを融資した金融機関に代わり、滞納者に対して返済を求める会社のことをいいます。

また保証料とは、この保証会社に支払う費用のことをいいます。たとえば、金融機関が保証会社に支払うお金をローン申込者が代わりに負担しているお金のことをいいます。

もし、住宅ローンを滞納した場合、自分の代わりにローン返済をしてくれるような決して甘いものではないでことを念頭に置きましょう。

5-3.返済が滞った場合

住宅ローンは、長期間にわたって返済していかなければならない「借金」です。

ただ、さまざまな理由によって返済が滞ってしまう場合があります。たとえば、以下のようなケースです。

  • 口座引き落とし日に入金するのをうっかり忘れてしまった
  • 思いがけない大きな支出があって、たまたま返済に充てられなかった
  • 突然のリストラにあって収入が激減した

結論からいうと、仮に住宅ローンの返済が、1日、1週間、1ヶ月程度遅れてしまっても何かがされるといった重々しいことはありません。

ただし、リストラなど収入が激減するような事態が起きてしまった場合、すみやかに金融機関へ相談しにいくことをおすすめします。保証会社が住宅ローンを代わりに返済する「代位弁済」の原因となるからです。

代位弁済(だいいべんさい)が実行された場合「金融事故」として登録されることになり、今後の借り入れや借り換えができない結果に繋がります。代位弁済とは、銀行の子会社があなたの借金を立て替えて払ってくれる制度のことを指します。

代位弁済が実行された場合「金融事故」として登録されることになり、今後の借り入れや借り換えができない結果に繋がります。

また、将来の家計を見直したり立て直したりする意味から、FP(ファイナンシャルプランナー)にお金の相談や今後のシミュレーションをしてもらうと良いです。

5-4.住宅ローンシミュレーションを活用する

住宅ローンの申し込みには、不動産業者からの提示される土地や建物、諸費用が記載された「見積書」が必要になります。そのため、まずは金融機関へ実際に住宅ローンの申し込みを行う前の準備として「住宅ローンシミュレーション」を自分で行ってみることをおすすめします。

また、見積書の数字を見ながら、自分で住宅ローンのシミュレーションをすることで、あなたに足りているもの、足りていないものが必然的に見えてきます。以下、住宅保証機構株式会社が提供している住宅ローンシミュレーターで試してみてはいかがでしょうか。

6.住宅ローンの返済方法

返済方法

住宅ローンや自動車ローンといった借入金の返済には、さまざまな方法があります。ここでは、住宅ローンの返済において多く利用される返済方法についてイメージ図を交えて解説していきます。

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6-1.元利均等方式

元利均等方式のイメージ

元利均等方式(元利均等返済)は、毎回返済する金額が同額の返済方法になります。数字に置き換えた以下の表を見るとイメージがわきやすくなると考えます。

・元利均等方式(元利均等返済)の返済イメージ表

返済回数 返済金額 元金 利息 ローン残高
1回 84,685 59,686 24,999 29,940,314
2回 84,685 59,735 24,950 29,880,579
3回 84,685 59,785 24,900 29,820,794
4回 84,685 59,835 24,850 29,760,959
5回 84,685 59,885 24,800 29,701,074
6回 84,685 59,935 24,750 29,641,139

※参考 3,000万円を金利1%、35年返済とした場合のシミュレーション

上記表を見ると、返済金額は84,685円で毎回同額であることがわかります。これが元利均等方式の特徴であり、返済計画が立てやすい長所があります。

ただ、返済する元金がなかなか減少しないため、総返済金額が多くなってしまう短所もあるため、覚えておきましょう。

6-2.元金均等方式

元金均等方式のイメージ

元金均等方式(元金均等返済)は、毎回返済する元金が同額の返済方法になります。数字に置き換えた以下の表を見るとイメージがわきやすいです。

・元金均等方式(元金均等返済)の返済イメージ表

返済回数 返済金額 元金 利息 ローン残高
1回 96,428 71,429 24,999 29,928,571
2回 96,369 71,429 24,940 29,857,143
3回 96,309 71,429 24,880 29,785,714
4回 96,250 71,429 24,821 29,714,286
5回 96,190 71,429 24,761 29,642,857
6回 96,130 71,429 24,701 29,571,429

※参考 3,000万円を金利1%、35年返済とした場合のシミュレーション

上記表を見て分かる通り、元金は71,429円で毎回同額です。これが元金均等方式の特徴であり、元利均等返済に比べて総返済金額が少なくて済む長所です。

ただ、借入当初の返済金額が多いため、返済負担が大きくなってしまう短所があげられます。

6-3.繰り上げ返済(繰上償還)

繰り上げ返済(繰上償還)とは、100万円や200万円といったまとまったお金を元金として返済することをいいます。繰り上げ返済をすることで、本来、元金分にかかる予定の利息が軽減され、結果として総返済金額を減少させられる効果があります。

繰り上げ返済には「期間短縮型タイプ」と「返済額軽減型タイプ」の2種類に分けられるため、それぞれの特徴を解説します。

6-3-1.期間短縮型タイプ

期間短縮型タイプのイメージ

期間短縮型タイプは、毎回の返済金額はそのままで返済期間を短縮する方法です。実際に数字に置き換えて見ることでイメージがわきやすくなると思います。

・当初の住宅ローン借入条件

借入金額 年利率

(固定)

返済方法 毎回

返済金額

返済回数 総返済金額
3,000万円 1% 元利均等方式 84,685 420回

(35年)

35,567,700

・10年後に100万円を期間短縮型タイプで繰り上げ返済した場合の効果

借入金額 年利率

(固定)

返済方法 毎回

返済金額

返済回数 総返済金額
3,000万円 1% 元利均等方式 84,685 405回

(33年9ヶ月)

35,291,431

10年後に100万円を期間短縮型タイプで繰り上げ返済した場合の効果は、以下の通りです。

  • 返済期間が1年3ヶ月の短縮
  • 利息軽減効果は276,269円

このように、返済額を大幅に減らすことができます。

6-3-2.返済額軽減型タイプ

返済額軽減型タイプのイメージ

返済額軽減型タイプの場合、返済期間はそのままですが毎回の返済金額を減少させる方法です。こちらも実際の数字に置き換えて見ていきましょう。

・当初の住宅ローン借入条件

借入金額 年利率

(固定)

返済方法 毎回

返済金額

返済回数 総返済金額
3,000万円 1% 元利均等方式 84,685 420回

(35年)

35,567,700

・10年後に100万円を返済額軽減型タイプで繰り上げ返済した場合の効果

借入金額 年利率

(固定)

返済方法 毎回

返済金額

返済回数 総返済金額
3,000万円 1% 元利均等方式 80,917 420回

(35年)

35,437,161

10年後に100万円を返済額軽減型タイプで繰り上げ返済した場合の効果は、以下の通りです。

  • 毎回返済金額が1回あたり3,768円の削減
  • 利息軽減効果は、130,539円

ご覧のように、期間短縮型タイプに比べ、利息軽減効果は少ないです。そのため、繰り上げ返済は、目先の利息軽減効果だけに捉われず家計全体のお金を考えながら実行することが大切です。

7.返済額と借入限度額の例

借入できる限度額

住宅ローンの総返済金額や借入限度額をあらかじめ知っておくことは大切です。なぜなら、住宅ローンは長期にわたって返済しなければならない「借金」であり、義務だからです。

ここでは、6-1.元利均等方式及び6-2.元金均等方式の例の条件で住宅ローンを組んだ場合の総返済金額や借入限度額の目安を紹介していきます。

・借入金額3,000万円を固定金利1%、35年返済とした場合の総返済金額

元利均等方式(元利均等返済) 元金均等方式(元金均等返済)
35,567,700円 35,262,300円

元利均等方式と元金均等方式の総返済金額の差は、305,400円生じる結果となりました。同じ借入金額でも返済方法によって総返済金額に違いが生じているのがご理解できたと思います。

一般的に住宅ローンの借入限度額(返済限度額)は、年収の30%を超えると危険と言われています。あくまでも目安ですが、できることなら年収の20%から25%程度に返済金額を抑えておくことが望ましいと考えるようにしましょう。

2-4でも解説した通り、仮に住宅ローンが支払えなくなってしまった場合、最悪なケースとして土地も家も失い、ローンだけが残ることを改めて肝に銘じておく必要があります。

住宅ローンを考えるときに大切なことは「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら返していけるか」です。

8.つなぎ融資と分割実行について

つなぎ融資のイメージ

住宅購入においてある程度まとまったお金を用意できない場合、不動産業者に代金を支払うために「つなぎ融資」や「分割実行」といった手続きを依頼することになります。ここでは、つなぎ融資と分割実行について解説していきます。

8-1.つなぎ融資とは

注文住宅を建てる場合、土地の購入時や建物の着工時、建物の建築中、建物建築後の引き渡し時など、いくつかのポイントで代金の支払いが必要になってきます。

ただ、これらのポイントでの「支払いに住宅ローンを利用したい」と思っても、住宅ローンは原則建物が完成し、引き渡しになるときに融資が実行されます。そのため、まだ建物が完成していないタイミングでは、融資を実行してもらうことができません。

そこで、つなぎ融資を使用します。

つなぎ融資とは、住宅ローンの融資が実行されるまでの間、上記のようなポイントでの支払いをする際に利用する融資のことです。

具体的な流れとして、つなぎ融資をしている間は金利のみを支払い、建物が完成し正式に住宅ローンの融資が実行された際に、住宅ローンでつなぎ融資を精算する流れとなります。

つなぎ融資は、「担保が必要ない」「銀行以外からでも借りることができる」という長所があります。

その一方で、住宅ローンとは別にお金を借りることになるため金利が高くなったり、事務手数料や団体信用生命保険といったものに入ったりする必要があるなどの短所があります。

8-2.分割実行(分割融資)とは

上記にあげたポイントでの支払いに分割して融資してもらう方法を分割実行(分割融資)といいます。

分割実行は、住宅ローンの一部として借りることになるため、金利が低く済むという長所があります。

一方、短所は融資回数に制限がついていることもあり、融資回数以上の支払いが来た場合、自分で用意するか別で借りる必要が出てくること、融資の段階で抵当権を設定する必要があり、登記費用が高くなってしまうことがあげられます。

9.連帯保証・連帯責務(連帯債務)について

連帯責務のイメージ

最後に、住宅ローンにおける連帯保証・連帯責務(連帯債務)について解説していきます。

9-1.共有名義と連帯責務(連帯債務)

住宅購入において夫婦や親子で資金を出し合って住宅を購入した場合、それぞれが出した金額に応じて持分を保有することになります。これを「共有持分」といいます。

また、住宅ローンの申し込みにおいて、より多くの住宅資金を融資してもらうために「連帯責務(連帯債務者)」を設定することもできます。以下、これら2つについて解説していきます。

9-1-1.共有名義とは

共有名義とは、夫婦で住宅取得の資金を出し合った場合、土地や住宅は夫婦で共有することになるのが一般的です。

このとき、土地や住宅の所有名義が、夫、妻のそれぞれものになることをいいます。夫婦共働きが多い地方などにおいては、一般的な方法として広く浸透している傾向があります。

9-1-2.連帯責務(連帯債務)とは

連帯責務(連帯債務)とは、1つの住宅ローンに対して夫婦や親子などが収入を合わせて借り入れをすることをいいます。連帯債務者を設定することで、住宅ローンがとおりやすくなる長所はあるものの、連帯債務者には、住宅ローンを返済するための資力が求められます。

たとえば、夫が債務者で妻が連帯債務者であった場合、夫の住宅ローンを妻が代わりに返済するだけの収入がなければNGといった意味になります。これは、それぞれの金融機関によって判断が異なります。

まとめ

住宅ローンの9つのポイントとして、以下の内容を解説してきました。

  1. 住宅ローンの概要
  2. 住宅ローンの4つの条件
  3. 住宅ローンを貸してくれる金融機関について
  4. 融資の窓口
  5. 金利について
  6. 住宅ローンの返済方法
  7. 返済額と借入限度額の例
  8. つなぎ融資と分割実行について
  9. 連帯保証・連帯責務(連帯債務)について

上記9つのポイントはすべて大切なことではあります。しかしながら、物には順序があるように、これから住宅を建てたいと考えている人は、まず「時間をかけて多くの不動産業者を見て回ってほしい」です。不動産業者によって建築代金がまったく異なるからです。

また、デザインや住宅の雰囲気の好き嫌いも肌で感じることができます。そのため、興味を持った不動産業者とざっくり費用について聞いてからでも資金計画は遅くないでしょう。

ただし住宅購入には、大きなお金が必要となるのは当初から分かっています。そのため、毎月少しでも貯蓄していく努力は大切です。

その時々の金利政策によって金利が高くなったり安くなったりするものの、常に資金計画をしっかりと立てることが非常に重要になります。そのためにも、今回ご紹介した9つのポイントを十分に役立てていただきたいと感じております。