ネット銀行の住宅ローンで借入や借り換えするメリット・デメリット

インターネットやスマートフォンがあたり前のように普及している現代において、住宅ローンの申し込みにおいても多様化が進んでいます。

たとえば、本記事で解説していく「ネット銀行」も、その典型です。

ネット銀行をざっくり説明すると、「インターネット上に、取引銀行がある」とイメージするのが最もわかりやすいのかもしれません。

つまり、通常、銀行の窓口に直接行ってやらなければならないことが、インターネット上で手続きを済ませることができることになります。

本記事では、このネット銀行を通じて新規に住宅ローンを借りる場合や、住宅ローンを借り換えする場合のメリットやデメリットをわかりやすく解説していきます。住宅ローンの借入をネット銀行で検討している場合に、ぜひ、お役立てください。

1.そもそもネット銀行ってどんなところがある?

よく聞くネット銀行は、インターネット専業のものから、実際に店舗を構えているものまで実に様々です。

たとえば、以下のようなネット銀行があります。

  • イオン銀行
  • じぶん銀行
  • ジャパンネット銀行
  • 住信SBIネット銀行
  • セブン銀行
  • ソニー銀行
  • 大和ネクスト銀行
  • ARUHI
  • 楽天銀行など

これらネット銀行は、インターネット上で口座の開設ができたり、住宅ローンの借入ができたりと、店舗に足を運ばずにいろいろなことができます。

また、実店舗にかける費用を削減できることから、金利は圧倒的に安いです。特に、「住信SBIネット銀行」は業界最低水準の金利であり、団体信用生命保険はもちろん、全疾病保障も無料で付帯されているから驚きです。

これはあくまでも一例ではありますが、ネット銀行には大手の実店舗を構える銀行にはない魅力がたくさんあるのです。

次項からは、ネット銀行のメリットやデメリットを、それぞれ徹底的に解説させていただきます。

2.ネット銀行の住宅ローンを選ぶメリット

ネット銀行は、「実際に店舗を持たない場合」と「店舗の数を最小限に留めている場合」の2パターンがあります。一般の銀行などに比べて、業務にかかるコストを大幅に削減することができている特徴があります。

そのため、住宅ローンにかかる金利をはじめ、保証料や繰り上げ返済手数料といったものを安くすることができる仕組みになっています。

以下、ネット銀行の住宅ローンを選ぶメリットを、もう少し詳しく解説していきます。

2-1.地方銀行や都市銀行に比べて低金利の場合が多い

ネット銀行の住宅ローンを選ぶ1つ目のメリットは、地方銀行や都市銀行に比べて低金利の場合が多いところにあります。

内容ネット銀行都市銀行地方銀行
変動金利0.444%0.625%0.600%

※平成29年6月現在の金利

上記表を見ていただければわかる通り、ネット銀行がどれだけ低金利であるかを理解していただけるはずです。

「住宅ローンの支払いをできる限り最小限に抑えたい」と考えている場合、ネット銀行がオススメです。特に、「住信SBIネット銀行」は業界最低水準の低金利でありながら、保障も充実しているので第一候補として考えるべきです。

金利が少しでも違えば、支払い総額が大きく変わります。そのため、金利の違いは徹底的に比較すべきであることは言うまでもありません。

2-2.保証料が無料である場合が多い

ネット銀行の住宅ローンを選ぶ2つ目のメリットは、保証料が無料である場合が多いところがあげられます。

現状では、すべてのネット銀行で保証料が無料と言っても、過言ではない状況が確認できました。

ただし、厳密に考えると保証料が無料である代わりに、融資するための事務手数料が高い場合が多いです。そのため、総合的なコスト面から考えたときに、大きなメリットであるとは言い難い部分もある点には注意が必要です。

2-3.その他、団信や一部返済手数料が無料である場合が多い

ネット銀行の住宅ローンを選ぶ3つ目のメリットは、団体信用生命保険料や一部返済手数料が無料である場合が多いところがあげられます。

「住信SBIネット銀行」の場合、全疾病保障も無料で付帯されています。これだけでも、数十万円以上お得になる可能性が高いです。

ただし、こちらも先に解説した保証料と同じように、ネット銀行特有のメリットとは言い切れないことから、総合的に比較検討して決めるべき要素になります。

2-4.来店不要で契約ができ、365日、24時間、時間や場所を選ばずに申し込みできる

ネット銀行の住宅ローンを選ぶ4つ目のメリットは、来店不要で契約のできるところがあげられます。

普段から忙しい方やなかなか時間の取れない方には、適した方法であると考えることができます。

また、24時間、365日いつでも時間や場所を選ばずに住宅ローンの申し込みができるのは、大きなメリットであると思われます。

なお、近年では「じぶん銀行」のように、審査における郵送でのやり取りを廃止しているネット銀行も存在します。

具体的には、申し込みから契約手続きまでに至るすべてを、ネットで完結するサービスも展開されており、最短10日で契約完了できるものもあるようです。忙しかったり、書類のやり取りが面倒だったりする方にとっては、この上ないサービスであると言えます。

3.ネット銀行の住宅ローンのデメリット

ネット銀行のデメリットは、時に住宅ローンの将来の返済に大きな影響を与えることがあります。

本当に注意しなければならないデメリットがたくさんありますので、しっかりと理解しておくことが大切です。

以下、最も重要な5つのポイントを紹介させていただきますので、全てに目を通しておきましょう。

3-1.機械的に判断されるため、特殊な事情が反映されにくい

ネット銀行の多くは、必要事項を入力して手続きを進めていくといった特殊な仕組です。

対面相談で十分考慮、判断してもらえる内容が機械的に判断されることになるため、最初の申し込みの段階で「融資不可」の判定が下される場合があります。

わかりやすい例としては、収入を夫婦合算する場合です。産休や育休が絡んだときにおける妻の収入の入力や、自営業者の収入の入力などが典型的なパターンとしてあげられるでしょう。

仮に入力ミスやその他の事情によって、事前審査の段階で「融資不可」の判定が下された場合、当然、どの部分に問題があったのか認識できません。

このことから、融通が利かないデメリットはネット銀行を利用し辛い原因の1つと言えるでしょう。

3-2.書類審査の期間が長い場合が多い

ネット銀行の場合、入力した内容が融資条件を満たしているときには、仮審査や本審査に進む流れとなります。

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このとき、ネット銀行側から必要な書類や申込用紙などが、郵送で届く場合が多い傾向にあります。

そのため、郵送されて必要書類を揃え、返信して審査および回答が出るまでの期間が当然に長くなってしまう場合が多いことがデメリットとしてあげられます。必ず、余裕を持った申し込みをするようにしましょう。

3-3.ネット銀行という名の通り対面で相談できない場合もある

ネット銀行によっては、店舗がある場合や来店型の店舗を増やしているネット銀行も増えてきています。

とはいえ、地方に住んでいる場合、そもそも、そのような店舗がないところも多いため、対面で相談することができないデメリットがあります。

つまり、お住いの都道府県によってネット銀行の利便性に大きなかい離があることになります。参考までに、以下、ネット銀行の店舗や相談対応の一例を紹介します。

  • イオン銀行
    イオンの店舗にて住宅ローンの相談窓口を設置しているところもある
  • 楽天銀行
    フラット35が人気。スカイプ(ビデオ通話)での相談が可能
  • ソニー銀行
    JR東京駅近くに「住宅ローンプラザ」という店舗あり
  • ARUHI
    全国に相談窓口あり

3-4.事務手数料が高い傾向にある

ネット銀行によって融資の事務手数料は、さまざまですが、保証料が無料であるところが多いです。

ただ、事務手数料が全体的に高い傾向にあります。以下、一例となります。

  • 324,000円(定額)
  • 融資金額 × 2.16%(税抜)

たとえば、2,000万円の融資を受けて「融資金額 × 2.16%(税抜)」の事務手数料を支払わなければならない場合、金額は以下のように計算されます。

2,000万円 × 2.16% = 432,000円(税抜)
432,000円 × 1.08 = 466,560円(税込)

保証料が無料であったとしても、事務手数料が高ければ、結果として負担するべき金額に大差ないことになります。

3-5.手続きをすべて自分自身で行う必要がある

ネット銀行では、電話などで相談するサポートが受けられます。

ただ、基本的には手続きをすべて自分自身で行う必要があります。そのため、手間と時間と労力がかかるのです。

もちろん、これはネット銀行の住宅ローンに限ったことではありません。

しかしながら、常に連絡を取り合って準備することができる担当者がいる場合といない場合の差は、大きいことは確かだと思われます。

4.ネット銀行の住宅ローンにおけるメリットとデメリットをまとめてみました

これまで解説をしたネット銀行の住宅ローンにおけるメリットとデメリットを、表に簡単にまとめてみました。

ネット銀行メリットデメリット
金利
事務手数料
保証料
各種手数料
相談の可否
審査期間
利用のしやすさ
店舗数

ネット銀行のメリットとデメリットを表にまとめておりますが、総括は最後のまとめで記述していきたいと思います。

まとめ:ネット銀行住宅ローンがオススメな人とは?

本記事では、このネット銀行を通じて新規に住宅ローンを借りる場合や借り換えする場合のメリットやデメリットをわかりやすく解説させていただきました。

実のところ、住宅ローンについて悩まれている方の中には、「そもそもネット銀行って大丈夫なのか?」といった疑問を抱えている方が多い傾向にあります。

この理由の1つとして、ネット銀行の預け入れ残高を確認するのに通帳が形として残らず、WEB上での確認となる特徴があるからです。自分のお金がネット上で増減することに、抵抗感があるといった理由があげられます。

この理由について、個人的な主観が入り混じってしまいますが、このような方々の気持ちは少なからずよくわかります。いわゆる「ネット被害」が増えていることも、ネット銀行を利用することに抵抗を抱く要因の1つとして考えることもできるでしょう。

そのため、仮にネット銀行を利用して住宅ローンを申し込みするのであれば、あなた自身が利用しているパソコンをはじめとした端末のほか、インターネット環境をしっかりと健全な状態に保っておく必要性が最低条件として求められます。

このようなことから、ネット銀行はどちらかと言えば「オンラインに抵抗が無い方向け」の住宅ローンと捉えることができます。

また、ネット銀行の住宅ローンは、どちらかと言えば「自己解決ができる方向け」の住宅ローンとも言えるでしょう。

つまり、低金利や手数料の負担減が得られる一方で、万が一のリスクはご自身が被らなければならないことを意味しているということです。

たとえば、契約の仕方によっては対面型の方が得であったとしても、そこに気が付けなかった損失は自分自身の自己責任であるということです。

住宅ローンを検討する上で、様々な金融機関の住宅ローンを比較検討することは基本中の基本となります。目に見える表面上の金利の低さや、保証料の無料といった自分にとって都合の良い部分だけに着目してしまいますと、結果として大きな落とし穴にはまってしまう懸念は否めません。

仮に金利が低かったとしても、返済条件をあてはめて返済金額を算出すると、実のところ返済金額にさほど大きな違いが見られないこともあります。

このような理由から、ネット銀行で住宅ローンを申し込む場合は、ネット銀行で展開しているサービスをよく確認し、フル活用することが求められます。

できれば、FPや住宅ローンアドバイザーなどの専門家の意見や、シミュレーションを受けて意思決定するなどの柔軟な工夫もリスク回避策には適した方法であると考えられます。

最後に、これまでのまとめを総括すると、ネット銀行の住宅ローンは、以下2点を満たしている方向けの住宅ローンです。

  1. オンラインに抵抗が無い方
  2. 自己解決ができる方

住宅購入は、一生に一度の大きな買い物と言われるだけに、自分にとってネット銀行の住宅ローンは向いているのかを再度確認した上で、後悔のない住宅購入と住宅ローン選びを実行していきたいものです。