団体信用生命保険に加入できない場合の住宅ローン2つの組み方

住宅ローンの申し込みを行い、無事審査に通過するためには、様々な審査項目をクリアし、申し込みをした金融機関から融資をしても良いといった信用を得る必要があります。

あくまでも住宅ローンは、審査項目のすべてを満たしていることが求められているのではなく、様々な審査項目を総合的に判断して決定されるべきものとなりますが、審査項目の1つである「申込者の健康状態」は、住宅ローンの審査項目の中でも上位の審査項目としている金融機関が多いのが現状です。

とはいえ、健康状態に不安を抱えながらも、住宅ローンの融資をどうにかして得たいといった想いを持っている皆さまも多いと思います。

そこで本記事では、このような健康状態に不安を抱えている皆さまが、住宅ローンの融資を受けるための2つの組み方について解説を進めていきます。

1.住宅ローンは原則として団体信用生命保険に加入できる健康状態が必要

冒頭でも軽く触れましたように、住宅ローンは「申込者の健康状態」が審査に大きな影響を与える要因になります。

通常、住宅ローンは、原則として団体信用生命保険に加入できる健康状態が必要とされています。

住宅ローンの審査基準のイメージ

※クリックすると拡大できます

出典:国土交通省・平成27年度民間住宅ローンの実態に関する調査より一部抜粋

団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が「死亡」、あるいは「高度障害状態」になったときに、残っている住宅ローンの残債と保険金を相殺することによって、保険会社が残ローンをあなたに代わって全額支払ってくれる保険のことを指します。

団体信用生命保険のイメージ

これによって、住宅ローンがすべて完済され、結果として残された遺族などが引き続き住宅ローンを返済する義務が無くなることになります。

団体信用生命保険の詳細に関しては、以下の記事をご覧ください。

7項目で解説!住宅ローンと一緒に入る団体信用生命保険とは

2016.04.06

なお、住宅ローンの融資を受ける際に、団体信用生命保険に加入していなかった場合、考えられる弊害は、以下の通りです。

1-1.残された家族が住宅ローンを返済していかなければならない

住宅ローンの返済期間中に債務者が死亡したことによって、以後の住宅ローンの返済ができないことが発生した場合は、相続によって残された配偶者や子どもに対して住宅ローンの返済義務が発生することになります。

仮に、専業主婦やパートタイマーといった職業であれば、子育てをしながら残された住宅ローンの返済をすることは非常に家計にとって厳しいものになると考えられます。

1-2.住宅を手離さなければならない可能性が生じる

住宅ローンの返済期間中に、がんや脳卒中などといった大きな病気で定期的な収入が大きく減少した場合は、住宅ローンの返済が滞ってしまうリスクが生じてしまいます。

3大疾病保障付の団体信用生命保険の場合は保障されますが、一般の団体信用生命保険の場合やそもそも団体信用生命保険に加入していない場合は、保障がされないことから、こちらも病気療養をしながら残った住宅ローンの返済をすることは非常に家計にとって厳しいものになると考えられます。

2.すでに特定の病気にかかっている場合、団体信用生命保険に加入できない

団体信用生命保険は、その名の通り生命保険であることから、告知書に記載された内容についてありのままを回答しなければなりません。

この時、がんや白血病などといった大きな病気にかかっている場合やそのような可能性がある場合などは、団体信用生命保険に加入できない可能性が極めて高くなります。

少なくとも、すでに大病(特定の病気)にかかっている事実がある場合は、団体信用生命保険に加入できません。

あくまでも団体信用生命保険に加入できるか、できないかの最終判断は、団体信用生命保険の引受会社となることを知っておく必要があります。

3.団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンを借りる2つの方法

住宅ローンを取り扱っている民間の金融機関では、団体信用生命保険に加入できることが融資条件としている場合がほとんどであり、いわば、住宅ローン申込者の健康状態が必須であると考えることができます。

ただし、健康状態に問題がある場合であったとしても、団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンを借りる方法があることも確かであり、以下、具体的に2つの方法について解説を進めていきます。

3-1.フラット35を利用する

フラット35は、借入から完済までの金利がずっと変わらない長期固定金利の住宅ローンになりますが、この住宅ローンは、民間金融機関が独自で取り扱っているのではなく、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する住宅ローンです。

フラット35の特徴は様々ありますが、これまで解説した団体信用生命保険の加入が「任意」となっていることから、少なくとも健康状態が問題で住宅ローンの審査に落ちるといった可能性が極めて低くなります。

また、すでに定期保険や収入保障保険などの生命保険に加入している場合は、それらの保険を団体信用生命保険の代わりとすることもできますので、健康状態に問題があって、団体信用生命保険に加入できなかったとしても、リスクヘッジ対策ができることに繋がります。

言うまでもなく、万が一の時は、定期保険や収入保障保険の保険金を住宅ローン債務に充当するといったことをしっかりとお話しできれば、フラット35の正式な融資に近づけることが予測できます。

なお、こちらは余談となりますが、実際に住宅ローンを申し込む前に、急な病気やけがなどで団体信用生命保険に加入できないリスクを避けるための対策として、健康な内に定期保険や収入保障保険などといった生命保険にあらかじめ加入して備えておくことも一策でしょう。

3-2.民間金融機関が取り扱っているワイド団信を利用する

健康状態に問題がある場合であったとしても、団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンを借りる方法として「ワイド団信を利用する」といった方法もあります。

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厳密に言いますと、ワイド団信も団体信用生命保険であることに変わりはないのですが、ワイド団信は、通常の団体信用生命保険に加入することができない健康状態を抱えた方のために、加入条件が緩和された団体信用生命保険のことを言います。

たとえば、通常の団体信用生命保険に加入することができない「高血圧症」や「糖尿病」、「肝機能障害」といった病気を発症している場合であっても、加入できる可能性がある団体信用生命保険がワイド団信の大きな特徴です。

ただし、すでに解説をさせていただきましたように、ワイド団信におきましても住宅ローンを取り扱っている金融機関が提携している保険会社の基準に準じる必要があり、確実とは言い切れないため、注意が必要です。

ワイド弾芯に関しては、「住宅ローンのワイド団信とは?うつでも加入できるのか基準を解説」のページで詳しく解説させていただいております。参考にしてください。

4.団体信用生命保険・ワイド団信への加入する場合、加入しない場合を比較

住宅ローンの返済金額は、住宅ローンを取り扱っている金融機関、借入する住宅ローンの種類、団体信用生命保険に加入するか、加入しないかなどの様々な条件によってすべて金額が変わることになります。

このようなことから、本項では、参考例としてフラット35(民間金融機関の35年住宅ローン含む)で住宅ローンの融資を受けるものとし、「団体信用生命保険に加入する場合」「民間金融機関のワイド団信に加入する場合」「団体信用生命保険に加入しない場合」の3つのパターンについてそれぞれシミュレーションを行い、比較検討してみたいと思います。

なお、それぞれのシミュレーション条件は以下の通りとします。

借入金額:2,000万円
適用金利:2.0%
返済期間:35年
返済方法:元利均等返済
その他:頭金およびボーナス払いなし

4-1.団体信用生命保険に加入する場合

フラット35は、平成29年10月1日から、団体信用生命保険に関する取り扱いが制度改正になったことに伴い、従来の保険料支払いから金利上乗せ方式に変更になりました。

詳細は、以下のコンテンツをあわせて読んでいただけますと幸いです。

フラット35の団体信用生命保険料が任意から加入込みの住宅ローンに改定

2017.11.17

そのため、シミュレーションの適用金利2.0%には、団体信用生命保険料分も含まれているものとして計算していきます。

・1ヶ月の返済金額:66,252円
・35年の総返済金額:27,826,072円
・35年間の支払利息:7,826,072円

4-2.民間金融機関のワイド団信に加入する場合

通常、民間金融機関のワイド団信に加入する場合、適用金利に0.3%が上乗せされることになることから、シミュレーションの適用金利は、2.0%ではなく2.3%になります。

・1ヶ月の返済金額:69,373円
・35年の総返済金額:29,136,713円
・35年間の支払利息:9,136,713円

4-3.団体信用生命保険に加入しない場合

フラット35で団体信用生命保険に加入しない場合は、金利から▲0.2%がなされることになっていることから、シミュレーションの適用金利は、2.0%ではなく1.8%になります。

1ヶ月の返済金額:64,218円
35年の総返済金額:26,971,675円
35年間の支払利息:6,971,675円

4-4.シミュレーション結果を一覧表にまとめて考えられること

比較内容団体信用生命保険に加入する場合民間金融機関の
ワイド団信に
加入する場合
団体信用生命保険に加入しない場合
1ヶ月の返済金額66,252円69,373円64,218円
35年の総返済金額27,826,072円29,136,713円26,971,675円
35年間の支払利息7,826,072円9,136,713円6,971,675円

これまでの解説から、健康状態に問題がある場合で団体信用生命保険に加入することができない場合、上記一覧表の「民間金融機関のワイド団信に加入する」か「団体信用生命保険に加入しない」のいずれかの方法を選ばなければなりません。

仮に、フラット35を希望されているのであれば、そもそもフラット35には、ワイド団信といったものを取り扱っていないことから、団体信用生命保険に加入しないといった選択肢を選ばなければなりません。

逆に、民間金融機関でフラット35を取り扱っている場合は、民間金融機関が独自で取り扱っている住宅ローンをワイド団信付きで申し込むといった選択肢も増えることになります。

健康状態に問題がある場合で団体信用生命保険に加入することができない場合は、住宅ローンを申し込むための選択肢が非常に狭くなるだけなく、そもそも融資が正式になされるのか?といった大きな懸念が最後までつきまとうことになるのは確かです。

まとめ

本記事では、団体信用生命保険に加入できない場合の住宅ローン2つの組み方として、「民間金融機関のワイド団信に加入する」、「団体信用生命保険に加入しない」方法について解説をさせていただきました。

本記事の要点を再度まとめますと以下のようになります。

  • 通常の団体信用生命保険に加入できない方が、民間金融機関が独自で取り扱っている住宅ローンに申し込む場合は、「民間金融機関のワイド団信に加入する」こと
  • 通常の団体信用生命保険に加入できない方が、フラット35に申し込む場合は、「団体信用生命保険に加入しない」こと
  • 団体信用生命保険は、万が一の際に、住宅ローン債務を完済するためのリスクヘッジ対策であり、未対策の借入には、将来を左右する相当なリスクが伴うことを肝に銘じておく

健康状態に問題があることで団体信用生命保険に加入できない場合やそのような懸念がある場合には、できる限り、専門家であるFPと共に住宅ローンの返済計画や住宅ローン対策を練るようにしてみることをおすすめ致します。

おそらく、FPに相談することで住宅ローン対策だけではなく、将来に渡って有意義になる情報を多く得られることになるとも思われます。

仮に、現在、健康状態に問題がなく、これから住宅購入予定がある皆さんであれば、FPへの相談に加えて、万が一の団体信用生命保険の加入できないリスクに対応するために、あらかじめ住宅ローン債務を補填できる程度の収入保障保険や定期保険へ相談加入しておくことをおすすめ致します。

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