住宅ローンを多く・多めに借りる方法:余分に借りるオーバーローンとは

住宅だけでなく、「家具や家電をはじめ、自動車まで新しいものに一層してしまいたい」と考えている方もきっと多いのではないでしょうか。

このとき、「住宅ローンを多めに借りて、他のものに使いたい」と考える方は多いです。

実は、このように住宅購入の他に、家を買うお金とはまったく関係のない物も購入するために一緒にローンを組むことを「オーバーローン」といいます。

本記事では、このオーバーローンについてのほか、住宅ローンを多めに借りる方法について解説していきます。

住宅ローンを多めに借りたいのであれば、まずは考えるよりも「審査を受けてみること」が大切です。素人が頭の中で考えたところで、答えは出てこないからです。

特に、ネット上にはデタラメを述べている住宅ローンサイトが蔓延しています。「〇〇銀行なら多く借りられますよ」などは広告収入を目的とした悪質なものなので注意してください。

もっとも堅実な方法は、一つの銀行だけではなく、複数の金融機関で審査することをオススメします。 住宅ローンは1社だけの審査では通りづらい上に、多めに貸してくれる銀行を見つけるのは困難だからです。
金融機関に一つずつ審査を依頼するのは非効率なので、「住宅ローン一括審査申込」を利用して多めに貸してくれる銀行を一括で見つけましょう。

1.住宅ローンを多めに借りることはできるのか?

住宅購入にあたり、住宅だけでなく、家具や家電をはじめ、自動車まで新しいものに一層してしまいたいという考えは、「ごく自然なこと」です。

せっかく住宅を購入し新しく生活環境が変わるわけですから、この機会に気持ちも物も心機一転したいと考えている方は多いことでしょう。また、「そもそも住宅ローンを多めに借りることができるのか?」答えを知りたい方も多いと思います。

結論から申し上げますと、住宅ローンを多めに借りることはできます。

ただし、住宅ローンを多めに借りる方法には、「正しい方法」と「誤った方法」があります。本項では、誤った方法について解説していきます。

1-1.オーバーローンとは

住宅購入におけるオーバーローンとは、住宅購入とはまったく関係のない物も購入するために一緒にローンを組むことをいいます。オーバーローンは、言うまでもなく、住宅ローンを多めに借りる誤った方法になります。

厳密に解説しますと、金融機関に対して住宅ローンの申し込みをオーバーローンで行ったとしても、審査を通過し融資が実行されることはありません。

この理由としては、住宅ローンの申し込みを受けた金融機関は、「住宅ローンの申し込みが本当に住宅購入に関係するものであるかどうか」を確認するところにあります。

具体的には、「不動産売買契約書」や「工事請負契約書」といった書類を確認します。これらをもとに、お金を借りる目的や借りる金額について、住宅ローンの申し込みと整合性が取れているかを確認するのです。

参考までに、「三菱東京UFJ銀行」「みずほ銀行」が取り扱っている住宅ローンの概要について、それぞれ同行のホームページを下に掲載していきたいと思います。

三菱東京UFJ銀行の住宅ローン

新たに一戸建やマンションの購入、他の金融機関からの住宅ローンの借替・諸費用資金(本人居住)、大規模なリフォーム(有担保)にご利用いただけます

参考:三菱東京UFJ銀行・住宅ローン・商品のご案内より引用

みずほ銀行の住宅ローン

(1)本人居住用の土地・住宅の購入、住宅の新築・増築・改築、底地の買取資金
* 賃貸の目的にはご利用できません。

(2)火災保険料、保証会社手数料・保証料、仲介手数料、担保関連費用、印紙税、引越費用、修繕積立金、リフォーム費用、付帯工事費用、管理準備金、水道加入金

参考:みずほ銀行・みずほ住宅ローン商品概要・資金使途より引用

ポイントは、どちらの銀行の住宅ローンにも、「家の購入に関係する費用以外は入っていない」というところです。

つまり、オーバーローンで申し込みを行ったところで、住宅ローンの融資目的や資金使途に外れてしまうことから、金融機関は融資の実行をせず、審査で振るい落とすことになります。

その結果、オーバーローンで住宅ローンの申し込みができないわけです。

これだけでも十分な理由になるのですが、他にも要因はあります。

たとえば、金融機関側とすればオーバーローンを認めない理由として、「不動産の担保価値が保てない」といったこともあげられるでしょう。担保価値とは、融資の対象となる「土地」や「建物」の価値のことです。

たとえば、あなたが住宅ローンを借りて返せなくなったとき、金融機関は担保に入っている土地や建物を売却して残債分を回収します。

具体的には、住宅ローンの融資が実行されるためには、住宅ローンの融資をした金融機関が土地や建物といった不動産を担保に入れます。このとき、「1番抵当権(ていとうけん)」というものを、必ず設定することが求められます。

1番抵当権とは、仮に住宅ローンの返済が滞ってお金を返し続けていくことができなくなった時に有効になる権利です。たとえ他の債務があって返済できない理由があったとしても、融資した金融機関が、最優先で弁済してもらえる権利のことをいいます。

「最優先で弁済してもらえる」とは、債務者(お金を借りた人)が返済できなくなった際に、担保に入れていた不動産を、お金を貸した銀行が最優先(1番)で売却して借金を回収できるということです。

これによって債務者が、万が一、住宅ローンを返済できなくなったとしても、金融機関側は損失の回避策が取れるような仕組みが構築されているわけです。

しかし、オーバーローンとして融資していた場合、貸し付けた時点で担保価値の方が低いことになります。この場合、あなたが住宅ローンを支払えなくなったときに、担保を売却しても高い確率で残債を回収できないことから、オーバーローンを認めていないのです。

たとえば、あなたの友達が「車を買うから100万円貸して欲しい」といってきたとします。このとき、実際に購入した車が50万円であった場合を考えて見てください。

もし、その友人がお金を返済できなくなったときに、「車を売ってお金を作れ」といったところで、貸し付けた大半の金額は返ってこないことを予測できるはずです。

多めに貸した50万円は他のものに使っている可能性が高い上に、車は購入した時よりも安くしか売れないからです。

これと同じように、住宅ローンを融資する銀行側としては、オーバーローンはリスクしかないのです。

たとえば、あなたが銀行として融資をした人が返済できなくなった場合、担保の住宅を差し押さえるはずです。ただ、住宅ローンを貸し出す際、3,000万円融資した物件が実際は2,500万円であった場合、この時点で500万円もの誤差が生じていることになります。

このときにもし、金融機関がオーバーローンでお金を融資していた場合、回収が困難になることをご理解いただけるはずです。

たとえ担保とした不動産を売却してもなお、損失を抱えてしまう懸念が生じてしまいます。

このようなことに陥らないために、金融機関はオーバーローンを禁止しているのです。

オーバーローンで住宅ローンを融資してしまうと、銀行側がリスクをとることになります。そのため、この方法では多めに借り入れすることができないと考えてください。

1-2.オーバーローンの申し込みは、ばれてしまうのか

前述の通り、オーバーローンの申し込みをすると、金融機関に「不動産売買契約書」や「工事請負契約書」を確認されます。

そのため、住宅ローンの借り入れを多めに申請したところで、書類の金額よりも申し込みの金額が多いことがバレてしまいます。住宅購入にかかるもの以外の借入申し込みがあることがすぐに判明するからです。

事前審査で大まかな審査を通過したとしても仮審査で振るい落とされてしまう可能性が極めて高くなります。それどころか、虚偽の申し込みは、かえって逆効果であることは言うまでもありません。

つまり、オーバーローンで住宅ローンを申し込むことは誤った方法であり、次項から解説していく正しい方法を選択し対策を検討する必要があります。

2.住宅ローンを賢く多めに借りる正しい方法

ここからは、住宅ローンを賢く多めに借りる正しい方法について解説していきます。

ただし、ご希望されている金融機関で必ずしも活用できる方法とは限らない点を、あらかじめご了承下さい

2-1.債務を一本化して多く借りる

これから住宅購入を検討されている方の中には、自動車ローンやその他のローン、借入といった債務を抱えている方もおられると思います。

ここでは、住宅ローンを申し込む前の債務状況が、以下のような場合を想定して将来の返済を考えてみます。

債務の種類1ヶ月の返済金額残債務
自動車ローン36,000円130万円

仮に住宅ローンを2,500万円、固定金利1.5%、元利均等返済、35年払い(ボーナスなし)といった条件で融資が通ったとすると、1ヶ月の返済は以下のようになります。

債務の種類1ヶ月の返済金額
住宅ローン76,546円
自動車ローン36,000円
合計金額112,546円

収入にもよるものの、住宅ローンと自動車ローンを合わせて「1ヶ月に112,546円」もの金額を返済していくのは、家計にとって大きな負担となります。

では、今度はこれらの債務を一本化して考えてみます。

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「借入金額を住宅ローン」と、「自動車ローンの金額」を合わせた2,630万円で申し込みをすると、以下のような返済金額になります。

債務の種類1ヶ月の返済金額
住宅ローン(一本化後)80,526円

次に、一本化前と一本化後の違いを比較してみます。

債務の種類債務の一本化前債務の一本化後
住宅ローン76,546円80,526円
自動車ローン36,000円
1ヶ月の返済金額112,546円80,526円

債務を一本化することで借入する金額は多くなったものの、1ヶ月に返済する金額は「32,020円」も違いが生じる結果になりました。

この場合、1ヶ月に手元に残せるお金が多くなります。

その結果、住宅購入と同時に他の物を一層することができないとしても、余剰金の出る範囲内で分割購入するなど、賢く工夫することで希望に沿える方法になると考えられます。

2-2.無理なく返せる資金計画が何よりも重要

住宅ローンを賢く多めに借りたとしても、無理なく返していける金額でなければ何も意味がありません。

つまり、住宅ローンを無理なく返していくことができる「資金計画」が何よりも重要といえます。

具体的には、「いくらまでなら余裕を持って返済していくことができるのか」といった、返済可能額を知る必要があります。

これに関しては、以下の記事で詳しく述べています。もし、今の段階で「あなたはいくらまでなら余裕を持って返済できるのか?」がわからない場合、必ず読んでおくことをオススメいたします。

住宅ローンの毎月々の返済金額平均と年収に見合う返済負担率とは

2017.02.22

3.住宅ローンを多めに借りた場合のQ&A

住宅ローンを多めに借りた場合、「支払利息や返済金額が多くなるのでは?」と口を揃えて回答される方が多いです。

そこでこの項では、これら以外に多く持たれる疑問についてQ&A方式で紹介していきます。

Q.住宅ローンを多めに借りるためには頭金が必要?

A.住宅ローンを多めに借りることと頭金が必要なことは、まったく関係ないとは言い切れません。

ただし、「住宅ローン申込者の収入金額」や「住宅ローン申込者の返済負担率」の方が大きく関係していると考えることが自然です。頭金が多いから融資をしてくれるわけではなく、「この人は返し続けることができるのか?」というところを審査しているからです。

そもそも、よく聞く「頭金」とは、住宅ローンを組まないで住宅購入するための、いわば「自己資金」にあたる部分のことをいいます。

たとえば、すべて込々で総額3,000万円の住宅購入をするとします。このとき、「頭金が100万円ある場合」と「頭金が300万円ある場合」をグラフに表すと以下のようなイメージになります。

頭金が100万円ある場合

住宅ローンに対する頭金の比率:300万円の場合

頭金が100万円の場合、住宅ローンで2,900万円の借入を行わなくてはなりません。

一方、頭金が300万円の場合、住宅ローンが2,700万円の借入ですむことがわかります。

頭金が300万円ある場合

住宅ローンに対する頭金の比率

両者のグラフを比較するとわかるように、頭金が多い程、住宅ローンの金額が少なくなるのが自然です。

このような理由から、ローンを多めに借りるためには、頭金が必要とは言い切れないと考えることができます。

そして、住宅ローンにかかわらず、お金を借りるということは、その人の「収入状態やその金額」の方が重要です。「しっかりと返済できる状況であるのか?」といった「返済負担率」を確認する方が、お金を貸す側としては合理的です。

極端な例えではありますが、年収400万円の人が「1億円貸して下さい」と申し込んできたとしても、誰もお金を貸すことはないと思います。仮に頭金が5,000万円あったとしても、おそらく融資が通るのは難しいと考えられます。

なんども申し上げている通り、「この人は返済し続けることができるのか?」という返済負担率の方が圧倒的に重要だからです。

そのため、「住宅ローンを多めに借りるためには頭金が必要?」という質問は、このような例えのイメージに近いと考えることもできるでしょう。

Q.フルローンの金利は通常よりも金利が高め?

A.ケース・バイ・ケースです。

たとえば、よく聞く長期固定金利の「フラット35」では、「フルローンの金利」と「頭金がある場合の金利」とでは、通常、金利に差を付けて融資をしております。

フラット35を借り入れする際に頭金の比率で金利が変動するイメージ

参考:フラット35・金利情報より抜粋

たとえば、3,000万円の住宅ローンをフラット35で申し込む場合、頭金が1割にあたる300万円以上あるのであれば、「9割以下」で申し込む方がより低い金利で融資が受けられるという見方になります。

これはフラット35に限らず、金融機関によっては、まとまった頭金を用意していることによって金利の優遇が受けられる場合があります。

このようなことから、フルローンの金利は、頭金がある通常よりも高めに設定されていることがわかります。

Q.諸経費の支払いは早めの決済が求められる?

A.住宅購入の諸経費には、登記費用や火災保険料など、さまざまな費用がかかります。また、申し込んだ住宅ローンの種類や金融機関によって諸経費の支払方法が異なります。

一般的に考えますと、たとえば、火災保険のような保険の場合、「申し込み」と「入金」があって初めて、保険が有効になります。

つまり、諸経費の支払いは、早く決済しなければ、住宅ローンの融資が受けられないと考えられます。

また、司法書士が行う登記手続きにつきましても、入金があったのを確認した後に手続きに着手する場合がほとんどです。このことも考えると、やはり諸経費の支払いは早めの決済が求められると考えるのが自然でしょう。

Q.住宅ローンを多く借り入れすることで得をすることってある?

A.住宅ローンを多く借り入れすると、総返済金額が多くなってしまいます。そのため、「損をする」イメージが強いと思います。

しかし、よく聞く「住宅ローン控除 = 住宅ローン減税」の場合で考えると、得をすることにつながる場合もあります。

たとえば、住宅ローン2,500万円と住宅ローン3,000万円を借りた2人が初年度に適用できる住宅ローン控除の金額は、以下の通りです。

なお、固定金利1.5%、元利均等返済、返済期間35年とし、その他の適用条件はすべて満たしているものとします。

住宅ローン借入金額2,500万円3,000万円
年末住宅ローン残高24,452,694円29,343,233円
住宅ローン控除額244,500円293,400円

両者を比較しますと、1年間で48,900円の減税に差が生じます。

住宅購入にあたりましては、先に解説した「資金計画」が重要であることを考えます。

住宅ローンを多く借り入れすることで、資金の流れが円滑になる効果が得られる場合がある点も忘れてはならないポイントといえるでしょう。

ただし、住宅ローンを多く借りるということは、総返済金額が多くなるデメリットも生じることを忘れてはいけません。こちらのQ&Aをまとめますと、得をする人もいればそうでない人もおり、ケース・バイ・ケースということになります。

まとめ

本記事では、住宅ローンを多めに借りるオーバーローンについて解説しました。このページの要点を以下、箇条書きでまとめていきます。

  • オーバーローンとは、住宅購入に関係のない物も一緒にローンを組むこと
  • 住宅ローンの申し込みにあたりオーバーローンはそもそもできない
  • オーバーローンを虚偽で申し込みをしたとしても必ずばれる
  • 住宅ローンを賢く多めに借りる正しい方法を模索する
  • 住宅ローンを申し込むにあたって、無理なく返せる資金計画が何よりも重要
  • 住宅ローンを多めに借りた場合のQ&Aを賢く有効活用しよう

住宅ローンを申し込むにあたり、オーバーローンという考え方をする時点で健全なローン返済をするのが難しいと考えることができます。

オーバーローンは、そもそも自分の許容範囲を超えていると考えますと、やはり、今できる範囲内で住宅ローンの借入を考える必要があります。

以下、これから住宅購入される方に、必ず目を通していただきたいものを2つ厳選しております。お時間のある方は、あわせて読み進めてみることをおすすめ致します。

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