消費税の増税の味方!年収が大きく関係するすまい給付金とは

住宅を購入するとき、その費用の多くに消費税がかかります。一般的に、住宅購入価格は高額になるため、それに伴い消費税は相当な金額になります。

そのため、消費税の増税が控えている今、「できれば消費税が上がる前に家を買いたい」と考える人は多いです。

ただ、「増税するから」などという安易な考えで家を買ってはいけません。大半の方にとって、住宅購入は一生に一度の買い物です。そのため、目先のお金のことばかりを考えてマイホームを契約してしまうと、プランをじっくりと考えることができなかったり、逆に必要のないものをつけたりしてしまい、浪費になりかねません。

このようなリスクを防ぐために、国が「すまい給付金」や「住宅ローン控除」などの制度を導入してくれています。

特に、本記事で解説する「すまい給付金」は、ざっくり説明すると「住宅購入した人を対象に、消費税が増税された分のお金を国が支給する」といった制度になります。要は、「国からお金がもらえるかもしれない」と捉えるとよいかもしれません。

ただし、このすまい給付金は誰でももらえる訳ではなく「収入の条件」や「消費税率の時期」などさまざまな条件が定められており、基本的に収入が少ない人ほど多く恩恵を得られる仕組みになっています。

以下では、このすまい給付金についてわかりやすく解説していきます。

1.すまい給付金とは

すまい給付金を理解するために、まずは国土交通省が運営しているすまい給付金の定義を確認しておきましょう。

すまい給付金は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設した制度です。消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付するものです

出典 国土交通省 すまい給付金ホームページより引用

数千万単位の買い物である住宅購入において、消費税が増税した分、私たち消費者の負担も増加するため、買いづらくなります。

そこで、消費税の負担増を軽減するために「すまい給付金」を支給することで、増税前の状態で住宅を購入できる限り近づける目的の制度が「すまい給付金」です。

1-1.すまい給付金の実施期間について

すまい給付金の実地期間のイメージ

すまい給付金の実施期間は、上記イメージ図のように平成26年4月から平成31年6月までとなっています。

ただし、すでに始まっているすまい給付金制度は、平成31年6月で終了となりますが、こちらは制度の終了時期が近付くと政府の閣議決定で「延長」される可能性が十分考えられます。そのため、あくまでも目安としておく必要があります。

1-2.申請期限は、住宅の引き渡しを受けてから原則として1年以内

すまい給付金のもらえる金額やもらうための条件は後述致しますが、すまい給付金の申請期限は、原則として1年以内となっています。当面の間は「1年3ヶ月以内」に延長されておりますが、特別の事情がないかぎり、すぐに手続きすることをおすすめします。

中には、住宅購入した不動産業者が代わりに手続きを行ってくれる場合もありますが、すまい給付金の手続き費用としてお金を徴収している場合も見受けられるため、「親切だな」と安心するのではなく見積書などで確認しておくことが望ましいでしょう。

1-3.増税後の方がもらえる額が増える

すまい給付金は、消費税率が8%のときと10%のときでは、支給される金額や条件が異なる特徴があります。詳細は、以下のとおりです。

1-3-1.消費税率8%時の給付額

収入額の目安都道府県民税の所得割額すまい給付金の金額
425万円以下6.89万円以下30万円
425万円超475万円以下6.89万円超8.39万円以下20万円
475万円超510万円以下8.39万円超9.38万円以下10万円

出典 国土交通省 すまい給付金ホームページ 給付額についてより引用

収入額の目安が、上記表にあてはまっている場合、すまい給付金が支給されると考えられます。

ただし、必ず注意しなければならないことは、住宅ローンなどの詳細がある程度決まってから、しっかりとシミュレーションすることです。上記表はあくまでも目安であるため、簡易シミュレーションした結果、すまい給付金が出ないと判定されたとしても、詳細なシミュレーションであれば、支給されると判定されることが多々あるためです。

これは、消費税率が10%になった場合も同様です。もし、不安な場合、すまい給付金について専門部署に問い合わせたり、専門家へ問い合わせるなどして判断を仰ぐことを強くおすすめします。

1-3-2.消費税率10%時の給付額

消費税8%のときと同じように、増税後10%の場合の給付額を確認しておきましょう。

収入額の目安都道府県民税の所得割額すまい給付金の金額
450万円以下7.60万円以下50万円
450万円超525万円以下7.60万円超9.79万円40万円
525万円超600万円以下9.79万円超11.90万円以下30万円
600万円超675万円以下11.90万円超14.06万円以下20万円
675万円超775万円以下14.06万円超17.26万円以下10万円

出典 国土交通省 すまい給付金ホームページ 給付額についてより引用

2.すまい給付金を受けられる人の主な条件

本記事の冒頭で、すまい給付金は誰でも受けられるわけではない旨を記述しました。ここでは、すまい給付金を受けられる「」の主な条件を解説していきます。

2-1.住宅の所有者であること

住宅の所有者とは、不動産登記書類に記載されている人のことを指します。

住宅を購入する際は、司法書士などの専門家へ依頼して住宅の「所有権移転登記」や住宅ローンの「抵当権設定登記」をするのが一般的です。この登記した書類に記載されている人こそが、住宅の所有者であることを証明します。

2-2.住宅の居住者であること

購入した住宅に住んでいることが、すまい給付金の支給条件として求められます。こちらは、市区町村から住民票を発行してもらうことで確認、証明することができます。

2-3.収入が一定以下であること

すまい給付金の支給を判断するための収入とは、「市区町村が発行する課税証明書」で確認することになります。このとき、勤務先から取得する「源泉徴収票ではない」ため、注意が必要です。

なお、ここでいう収入の目安は、先に解説した「1-3-1.消費税率8%時の給付額」「1-3-2.消費税率10%時の給付額」の表を参考にしてください。

3.対象となる住宅の条件

前項では、すまい給付金を受け取るための「」の条件について解説しました。ここではすまい給付金を受け取るための「住宅」の条件について解説していきます。

3-1.床面積が50㎡以上であること

すまい給付金を受け取るための住宅には、「床面積が50㎡以上であること」といった条件があります。この床面積とは、不動産登記上の床面積になります。

また、マンションなどの共同住宅では、契約書等に記載される壁芯寸法(かべしん・へきしんすんぽう:壁の中心線による面積)ではなく内法寸法(うちのりすんぽう)による面積となります。

壁芯寸法の場合、壁や柱の芯、つまり中心から測るため、実際の部屋の広さよりも大きくなります。

壁芯面積のイメージ

一方、内法寸法の場合、仕上げ材(クロスなど)から計測するため、実際の部屋の大きさであると考えてください。すまい給付金を受け取るためには、この内法面積が50㎡以上なければいけません。

内法面積のイメージ

住宅・マンション、いずれにつきましても、契約する不動産業者からあらかじめ責任をもって説明を受けることになります。そのため、あくまでも、すまい給付金を受け取るためには「床面積が50㎡以上であること」といったポイントのみ押さえることで差し支えありません。

なお、「そもそも床面積がわからない」人の場合、「建物の大きさを決める容積率に密接に関係する延べ床面積とは」も確認しておきましょう。

3-2.第三者機関の現場検査を受けていること

新築住宅ですまい給付金を受け取るためには、新築施工中に第三者の現場検査をうけ、一定の品質が確保されていることを確認してもらわなければなりません。

具体的には、以下の1~3のいずれかに該当する住宅である必要があります。

  1. 住宅瑕疵担保責任保険(建設業許可を有さないものが加入する住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)へ加入した住宅
  2. 建設住宅性能表示を利用する住宅
  3. 住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施された住宅

出典 国土交通省 すまい給付金ホームページ 対象要件(新築住宅)より引用

いずれの検査も、原則として施工中に検査を行うものであるため、着工前に申し込みが必要となります。

ただし、契約した不動産業者の方で申し込み等の手続きを行うため、念のため不動産業者へ確認しておく程度で差し支えないでしょう。

3-3.中古住宅の場合は注意が必要

初めて住宅購入する人の中には、中古住宅を購入する人も多いです。すまい給付金の受け取りにおいて、中古住宅を購入した場合は、以下の点に注意が必要です。

3-3-1. 中古住宅の売主は「不動産業者」でなければならない

すまい給付金の支給目的は、消費税の増税による負担増を軽減です。そのため、中古住宅の売主が「個人」である場合、すまい給付金の対象中古住宅にはなりません。

この理由は、売主が個人の場合においては、消費税がかからないためです。消費税がかからないものに対して、消費税の軽減措置を与えることは制度に矛盾していることになるため、認められていないのです。

中古住宅を購入する場合は、不動産業者でなければすまい給付金が受け取れないことを押さえておきましょう。

3-3-2. 売買時等の検査に通ること

中古住宅の場合、売買のときなどに第三者の現場検査をうけ、現行の耐震基準、および一定の品質が確認されなければすまい給付金を受け取ることができません。

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具体的には、以下の1~3のいずれかに該当する住宅 になります。

  1. 既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅
  2. 既存住宅性能表示制度を利用した住宅(耐震等級1以上のものに限る)
  3. 建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険(人の居住の用に供したことのない住宅を目的とする住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)に加入している住宅又は建設住宅性能表示を利用している住宅

出典 国土交通省 すまい給付金ホームページ 対象要件(中古住宅)より引用

4.すまい給付金の算定に重要な2つの関係

すまい給付金は、住宅の引き渡し時期とすまい給付金を算定するための書類に、重要な関係があります。

源泉徴収票
確定申告書
の控え
平成
24年
平成
25年
平成
26年
平成
27年
平成
28年
平成
29年
住宅の
引渡し
予定年月
平成
26年
平成
27年
平成
28年
平成
29年
平成
30年
平成
31年
4~6
7~12
1~6
7~12
1~6
7~12
1~6
7~12
1~6
7~12
1~6
課税証明書の
年度
平成
25年
平成
26年
平成
27年
平成
28年
平成
29年
平成
30年
源泉徴収票
確定申告書
の年度
平成
24年
平成
25年
平成
26年
平成
27年
平成
28年
平成
29年

出典 国土交通省 すまい給付金ホームページ しっかりシミュレーションより引用

たとえば、上記表の塗りつぶし箇所のように、平成28年7月から平成29年6月までの間に住宅の引き渡しを不動産業者から受けると仮定します。このとき、すまい給付金の算定に利用される源泉徴収票や確定申告書は平成27年分になることが上記表から見て取ることができます。

このように、住宅の引き渡し時期とすまい給付金を算定するための書類の時期は一致しない点に注意が必要です。場合によっては、これによってすまい給付金がもらえる場合、もらえないパターンといった関係にも大きな影響を及ぼすことになります。

このようなリスクを防ぐために、事前に確認が必要です。

5.すまい給付金の給付額について

すまい給付金が、「実際にいくらくらいもらえるのか気になるが、具体的な例がなければ判断がつかない」といった方も多いのではないでしょうか。

そこで、ここではすまい給付金の求め方などについて解説していきます。

5-1.給付額の求め方

すまい給付金の給付額の求め方

上記図の「給付額」は、「実際に支払われるすまい給付金」を表しています。

したがって、すまい給付金は、給付基礎額に持分割合を乗じたものになります。給付基礎額および持分割合は以下で後述していきます。

5-2.給付基礎額とは

給付基礎額とは、「都道府県民税 = 住民税」の所得割額によって決定されます。以下の図で説明すると黄色の塗りつぶしの部分になります。

収入額の目安都道府県民税の所得割額すまい給付金の金額
(給付基礎額)
425万円以下6.89万円以下30万円
425万円超475万円以下6.89万円超8.39万円以下20万円
475万円超510万円以下8.39万円超9.38万円以下10万円

収入を基に正確に計算した結果が、上記表の「都道府県民税の所得割額」のどの欄に該当するのかによって「給付基礎額 = すまい給付金の金額」が決定されることになります。

5-3.持分割合とは

持分割合とは、住宅を所有している割合のことをいいます。

たとえば、会社員で妻が専業主婦である家族の場合、基本的に会社員である夫の稼ぎで住宅を購入すると考えられます。この場合の持分割合は、夫が100%といったイメージになります。

住宅を購入した時に、司法書士などによって不動産登記された内容を、法務局で取得できる登記事項全部証明書などの書類で確認します。具体的には、上記図にもありますように、登記事項証明書に記載されている「権利部 = 乙欄」で持分割合を確認する流れになります。

5-3-1.持ち分割合に応じて、家族それぞれがもらえる

前述した例のように、夫が会社員で妻が専業主婦の場合、夫と妻の持分割合は「100%:0%」になります。この場合、夫のみがすまい給付金を受け取れることになります。

一方、妻も共働きで夫と妻の持分割合が「50%:50%」であった場合、夫、妻の両方がすまい給付金を受け取れることになるのです。

5-4.消費税率8%時の給付額の例

仮に夫が年収400万円、妻が専業主婦で子どもが1人いたとします。このとき、夫が受け取れるすまい給付金は「1-3-1.消費税率8%時の給付額」より「収入額の目安425万円以下」に該当することになるため、30万円受け取れると考えられます。

収入額の目安都道府県民税の所得割額すまい給付金の金額
425万円以下6.89万円以下30万円
425万円超475万円以下6.89万円超8.39万円以下20万円
475万円超510万円以下8.39万円超9.38万円以下10万円

出典 国土交通省 すまい給付金ホームページ 給付額についてより引用

一方で、夫が年収400万円、妻が年収200万円、子どもが1人の共働き世帯の場合、持分割合は「50%:50%」になるため、すまい給付金の給付額は、以下のようになると考えられます。

  • 夫:「収入額の目安425万円以下」のため30万円 持分割合50%
    30万円×50%=15万円
  • 妻:「収入額の目安425万円以下」のため30万円 持分割合50%
    30万円×50%=15万円
  • 世帯でもらえるすまい給付金:15万円+15万円=30万円

ここの例で分かる通り、たとえ共働きであったとしても「持分割合」が関係してくるため二重(60万円)のすまい給付金をもらうことはできません。

5-5.消費税率10%時の給付額の例

税率8%と同じ条件で、消費税率が10%の場合で考えてみます。

収入額の目安都道府県民税の所得割額すまい給付金の金額
450万円以下7.60万円以下50万円
450万円超525万円以下7.60万円超9.79万円40万円
525万円超600万円以下9.79万円超11.90万円以下30万円
600万円超675万円以下11.90万円超14.06万円以下20万円
675万円超775万円以下14.06万円超17.26万円以下10万円

出典 国土交通省 すまい給付金ホームページ 給付額についてより引用

たとえば、夫が年収400万円、妻が専業主婦で子どもが1人いたとします。

このとき、夫が受け取れるすまい給付金は「1-3-2.消費税率10%時の給付額」より「収入額の目安450万円以下」に該当することになりますので、50万円受け取れると考えられます。

一方、夫が年収400万円、妻が年収200万円で子どもが1人の共働き世帯の場合、持分割合が「50%:50%」になるため、すまい給付金は、以下のようになると考えられます。

  • 夫:「収入額の目安450万円以下」のため50万円 持分割合50%
    50万円×50%=25万円
  • 妻:「収入額の目安450万円以下」のため50万円 持分割合50%
    50万円×50%=25万円
  • 世帯でもらえるすまい給付金:25万円+25万円=50万円

消費税率8%の時と同様に、共働きであったとしても「持分割合」が関係してきます。そのため、こちらも二重(100万円)のすまい給付金をもらうことはできません。

6.すまい給付金シミュレーションを活用して、もらえる金額を確認

すまい給付金は、「すまい給付金ホームページにある、すまい給付金シミュレーション」にて簡単に算出することができます。ここでは、「かんたんシミュレーション」と「しっかりシミュレーション」の2つの方法で、実際にいくらもらえるのか試算可能です。

もし、「かんたんシミュレーション」で仮にもらえる金額が「0円」となった場合、「しっかりシミュレーション」を行ってみることをおすすめします。少なからず、もらえる額が出てくる可能性があるからです。

このとき、シミュレーションする前に、手元に「源泉徴収票」か「確定申告書」を用意することでスムーズに行うことができます。

7.すまい給付金の申請手順

ここまで、すまい給付金について幅広く解説してきました。

住宅を購入してから実際にすまい給付金の申請をするための手順については、同サイト内の「すまい給付金を受け取る方法:申請手続きと必要書類と全手順」で詳しく解説しているため、そちらを参照してください。

まとめ

このページでは、すまい給付金について詳しく解説しました。

すまい給付金について重要な部分を凝縮して詳しく解き明かしてきましたが、どうしてもわからないところや疑問点がある場合、不動産業者や専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)へ相談してみることをお勧めします。

すまい給付金は、あくまでも不動産業者との話し合いの中で、詳細な情報が確定しつつある状況下で「支給される」「支給されない」が試算の結果決定するものです。

すまい給付金が支給されない場合、なぜ支給されないのか、支給されるための対策方法があるのかなどについて確認しておくことも大切です。このページで学ぶことで、あなたがすまい給付金をスムーズにもらえることに繋がれば幸いです。