不動産の登記簿謄本とは:取得方法や手数料、必要申請書類まとめ

住宅の種類には、一戸建てやマンションなどがありますが、あこがれのマイホームは、住んでいる地域や人によってそれぞれ異なると思います。

一戸建てもマンションもそれぞれの特徴があるものの、どちらの種類のマイホームを購入するにしても、本記事で解説する「不動産登記簿謄本の見方」がわからないのはとても大きな問題です。

不動産登記簿謄本は、不動産の歴史そのものが記載されています。どのような軌跡をたどってきたのかが分かる書類であるだけでなく、私たちのようなマイホームを購入する側からしますと、とても重要な情報源となります。

時として、不動産登記簿謄本を見た時点で、売買取引を控えた方がよい場合や悪い不動産業者が簡単に分かってしまいます。

ことができるものであるからこそ、本記事に最後まで目通しいただきまして、不動産登記簿の要点をしっかりと押さえていただきたいと思います。

1.不動産登記とは

そもそも不動産とは、土地や建物などのことを言います。

「これらの不動産が一体誰のものであるのか?」といった所有者をはじめ、不動産がある場所や大きさを公示して明確にする制度が「不動産登記」になります。

仮に、あなたがマイホームを購入する際に不動産が誰のものであるのか分からなければ、そもそも売買の交渉をすることができません。

また、大金をはたいて購入した不動産が、自分の物であることを証明するためには、不動産登記という制度で国に権利関係を管理してもらわなければ、とても不動産を購入する気にはなれないのではないでしょうか。

このような理由から分かりますように、不動産登記という制度は、不動産取引を安全で円滑に進められるようにするために無くてはならない制度なのです。

1-1.不動産登記をしなければ、自分の所有物であると主張できない

不動産登記をしなければ、他の人に対してその不動産があなたの所有物であると主張することができません。

たとえば、マイホームの購入にあたり、不動産登記をしなければ、購入した家をあなたの物であると主張することができないわけです。

マイホームの購入におきましては、後述するさまざまな種類の不動産登記手続きをする必要があることから、登記手続きを忘れてしまうといったことは、通常ありえません。

ただし、不動産取引を不動産業者や個人間で行う前に、不動産登記簿謄本の内容を確認してから取引をするのが常識です。

そのため、この不動産登記簿の見方が分からない場合は、後述する内容で理解を深めるだけに留まらず、時には専門家へアドバイスを求める必要性もあると考えられます。

1-2.新たに建物を建築した場合、原則として1ヶ月以内に登記しなければならない

仮に注文住宅を建てた場合、新たな建物が建築されることになるため、「建物表題登記」という不動産登記を行わなければなりません。この「表題部」と呼ばれるところには、不動産の場所や大きさなどといった物理的な状況が示されている特徴があります。

この表題部につきましては、「2-1-1.表題部の記録事項には何が記載されているのか」で詳しく解説していきます。

なお、建物表題登記につきましては、不動産登記法という法律で1ヶ月以内に表題登記申請をしなければならない旨が規定されています。

新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない

不動産登記法:第47条1項・建物の表題登記の申請より引用

建物表題登記が必要な不動産とは、「新築建物」やいわゆる「未登記の建物」であり、マンション(区分建物)を購入した場合は除かれます。

また、新築一戸建て住宅の購入にあたり、建物表題登記は、土地家屋調査士が行ってくれる不動産登記手続きであり専門家へ一任するのが一般的です。

1-3.不動産登記の種類

ここでは、マイホームの購入などにあたり関係するおもな不動産登記の種類と登記の目的について表へ簡単にまとめて紹介します。

不動産登記の名称不動産登記の目的
建物表題登記建物を新築した場合に行う登記
地目変更登記土地の地目が変更された場合に行う登記
(たとえば、田から宅地など)
建物滅失登記建物を解体した場合に行う登記
住所変更登記不動産所有者の住所が
変わった場合に行う登記
所有権保存登記新築建物の最初の所有者を
証明するための登記
所有権移転登記不動産の所有者が変わった場合に行う登記
抵当権設定登記不動産を担保にするための登記
抵当権抹消登記不動産の担保設定を抹消する登記

マイホームを「新築で購入するのか」「中古で購入するのか」のほか、「一戸建てなのか」「マンションなのか」によって必要な登記手続きが異なります。

これらの登記は、専門家である土地家屋調査士や司法書士によって、手続きの取れるものが異なっている特徴があります。そのため、特にマイホーム購入前の見積書でどの程度の費用が必要になるのか、しっかりと確認しておくように心掛けておきたいものです。

2.登記簿謄本(登記事項証明書)とは

登記簿謄本の見本

参考:司法書士・行政書士法人よしだ法務事務所・不動産の登記簿謄本の見方

登記簿謄本を見ると、「原則として」不動産の現在の状況がわかります。「原則として」と明記した理由に、登記簿謄本の内容は「必ずしも正しい情報ではないから」といった理由があげられるためです。

先に解説した「建物表題登記」のように法律上、強制的に行わなければならない登記のほか、任意で行う登記があります。そのため、結果、このようなことが起こり得るわけです。

したがいまして、登記簿謄本を見て確認するだけでなく、「どのような流れで不動産が所有者の下にあるのか」といった事実確認を取ることも重要になってきます。

なお、住宅ローンを申し込むにあたって、登記簿謄本に記載されている内容が正しいものでなかったり、建築基準法に違反した建物(中古住宅の場合)であったり、後述する抵当権がそのまま付いていたりした場合では、当然に住宅ローン審査に通ることはありません。

そのため、住宅ローンを申し込む前の事前段階で、問題がないか確実に把握しておくことが大前提になります。

2-1.不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の見方

ここからは、不動産登記簿謄本の見方について解説していきます。不動産登記簿謄本は、以下の4つの区分に分かれています。

  1. 表題部
  2. 甲区
  3. 乙区
  4. 共同担保

それぞれの区分に記載されている内容のポイントについて、簡潔にわかりやすく解説します。

2-1-1.表題部の記録事項には何が記載されているのか

登記簿謄本の見本

参考:司法書士・行政書士法人よしだ法務事務所・不動産の登記簿謄本の見方

上記イメージ図は、不動産登記簿謄本の「表題部」を表したものになります。画像の左上に「表題部」と記載されていることが確認でき、あわせて「主である建物」と記載されていることから、不動産は「建物」であることもわかります。

この建物の特徴は以下の通りです。

  1. 種類が「居宅」となっていることから、この建物は住宅であることがわかります
  2. 構造が「木造かわらぶき2階建」となっていることから、木造2階建てで屋根はかわらぶきの住宅であることがわかります
  3. 床面積から1階は80㎡、2階は70㎡であることがわかります
  4. この建物は、平成20年11月1日に新築で建てられた住宅であることがわかります
  5. 建物のほかに、建物附属として30㎡の物置があることがわかります
  6. 当時の所有者は、「法務五郎」という人であることがわかります
  7. 所有者に下線が引かれていることから、何かが変更されて抹消されていることがわかります(変更箇所は後述します)

表題部を見るだけで、このような情報を得られることができます。

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2-1-2.権利部(甲区)の記録事項には何が記載されているのか

登記簿謄本の見本

参考:司法書士・行政書士法人よしだ法務事務所・不動産の登記簿謄本の見方

上記イメージ図は、不動産登記簿謄本の「権利部甲区」を表したものになります。画像の左上に「権利部甲区」と記載されていることが確認でき、あわせて「順位番号が1のみ」であることから、この建物は、法務五郎さん以外の人へ渡っていないことがわかります。

なお、権利部甲区には、「所有権に関する事項」が記載される決まりになっているため、このようなルールから前述した建物の所有者が変わっていないことが確認できるわけです。

この権利部甲区から読み取れる内容は以下の通りです。

  • 所有権保存登記を法務五郎さんがされていることから、建物の最初の所有者は法務五郎さんであることがわかります
  • 法務五郎さんの住所が変更になったことがわかります(前項⑦の下線抹消原因)

仮に法務五郎さんから違う人が建物の所有者になった場合は、順位番号が「2」と記載されて追記されることになります。上書きされるわけではありませんので、不動産の履歴がより正確に把握できることにつながります。

2-1-3.権利部(乙区)の記録事項には何が記載されているのか

登記簿謄本の見本

参考:司法書士・行政書士法人よしだ法務事務所・不動産の登記簿謄本の見方

上記イメージ図は、不動産登記簿謄本の「権利部乙区」を表したものになり、画像の左上に「権利部乙区」と記載されていることが確認できます。

なお、権利部乙区には、「所有権以外の権利に関する事項」が記載される決まりになっています。主なものとして、住宅ローンを組んだ場合における「抵当権設定」や住宅ローンを完済した後の「抵当権抹消」について登記されている場合が多い傾向にあります。

この権利部乙区から読み取れる内容は以下の通りです。

  • 法務五郎さんは、南北銀行と4,000万円の住宅ローンを平成20年11月4日に契約したことがわかります
  • この4,000万円の担保として土地と建物を共同担保にしていることがわかります(次項を参照)

2-1-4.共同担保の記録事項には何が記載されているのか

登記簿謄本の見本

参考:司法書士・行政書士法人よしだ法務事務所・不動産の登記簿謄本の見方

上記イメージ図から共同担保になっている不動産が土地と家屋(建物)であることが確認できます。

また、順位番号が「1」となっていることから、南北銀行がどちらの不動産も最優先で取得できる権利を持っていることも確認できます。

3.不動産登記を行う際の具体的手順と必要書類

不動産登記の手続きは、土地家屋調査士や司法書士などの専門家へ一任することが、最も望ましい方法です。

ただし、インターネットが普及し現在では、法務局のホームページ上で登記手続きを自分でできる方法が一般公開されております。

本項では、法務局が公開している登記手続き方法を下に「相続」で取得した不動産の名義変更を行う場合の手順や必要書類を紹介します。

3-1.相続で名義変更を行う場合の不動産登記の具体的手順と必要書類

法務局のホームページでは、相続で取得した不動産の登記手続きについて、遺言書がある場合や法定相続をした場合など、相続の仕方によって申請書の作成方法を細かく分けております。

そのため、すべてを紹介することができませんので、以下、法務局のホームページを参照にしてみるようにして下さい。

参考:法務局・不動産登記の申請書様式について:登記申請書の様式及び記載例

なお、相続登記にかかる必要書類におきましても、相続の仕方によって必要書類が異なっております。そのため、相続登記を自分で行う場合は、以下の法務局リンクを確認し、併せて念のため法務局へ確認してみることをおすすめ致します。

参考:法務局・相続を原因とする所有権移転登記申請の場合

4.不動産登記を行う際の費用はいくらかかるのか

不動産登記を行う際にかかる費用は、多くの方がとても気になることだと思います。

しかしながら、不動産登記にかかる費用は、大きく「専門家へ支払う報酬」「登録免許税」「その他、登記に必要な書類手数料」といったものから構成されており、すべてが個別に異なります。

さらに「新築」「中古」といったものによっても、金額が異なることから、委託する専門家へ直接確認することが最も望ましいでしょう。

なお、先に紹介した法務局のホームページを下に手続きを取る場合は、登録免許税やその他の書類手数料で済みます。これにより、大幅な費用負担を軽減させられることができます。

5.不動産登記簿謄本を取得できる場所や方法

不動産登記簿謄本を取得する方法には、後述する3つの方法があります。

これらの方法によって負担する手数料もわずかながらの違いがありますが、自分にとって最も取得しやすい方法を選んで取得するようにして下さい。

5-1.直接、法務局で取得する

現在は、最寄りの法務局で日本全国の不動産登記簿謄本を申請し取得することが可能です。申請書の書き方の例が記載台に掲載されているほか、職員もいることから、気軽に相談しその日の内に確実な謄本の取得が可能です。

一般の方が、不動産登記簿謄本を取得する方法として、最もポピュラーな方法と言えます。

5-2.郵送で取得する

不動産登記簿謄本の交付申請書に必要事項を記入し、交付申請に必要な手数料に代わる収入印紙を貼付し、返信用の切手と共に自分の住所を管轄している法務局へ郵送することで取得することもできます。

5-3.インターネットで申請する

インターネットで申請するためには、事前のユーザー登録やオンライン申請に必要なソフトをダウンロードするなど、申請までの準備にちょっとした手間がかかります。

負担する手数料は、わずかに安いメリットがあるものの、あまり登記簿の申請を行わないのであれば、直接申請に行く方法が手っ取り早いと思われます。

6.不動産登記簿謄本を取得する手数料はいくらなのか

申請方法手数料
直接、法務局で取得する1通あたり600円
郵送で取得する1通あたり600円
インターネットで申請する1通あたり480円(登記所受取)
1通あたり500円(郵送で受取)

まとめ

本記事では、不動産登記簿謄本について幅広くまとめて紹介しました。

マイホームの購入にあたりまして、自ら不動産登記簿謄本を取得するということは、基本的にあまりケースがありません。この理由は、不動産業者などが、すでに不動産登記簿謄本を持っており、その情報を見せてもらうことができるためです。

ただし、本文中でも解説させていただきました通り、不動産登記簿謄本の内容が必ずしも正しい内容とは限りません。このことから、自分自身で不動産登記簿謄本を読み取れる知識が必要になってくるわけです。

特に「2-1.不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の見方」は、マイホームの購入前にせよ、相続で取得した不動産を登記するにせよ、とても重要な知識になってきますので、再度、確認して見ていただきたいと思っています。

そして、できる限り、不動産登記は専門家へ依頼して確実な手続きを行うべきだと考えます。