4項目で分かる!住宅ローンで必要となるつなぎ融資とは

住宅ローンには、いくつか気を付けておかなければならない注意点があります。その中の1つに、「つなぎ融資」があげられます。

つなぎ融資は、住宅ローンを申し込むすべての人が必ずしも必要となる借り入れではありませんが、注文住宅を選んだ人には必要不可欠な融資であることは間違いありません。

注文住宅の場合、住宅ローンの融資実行は引渡し完了後、つまり「住み始めてから支払われる」ため、引渡しまでに数回ある建設費用の支払いを行うとき、現金で持っていない限り、つなぎ融資を使わざるを得ません。

また、つなぎ融資はお金を借り入れするものであるため、金利が発生します。そのため、これに関する知識がないまま利用してしまうと、大きな損をしてしまう可能性があります。

そこで本記事では、つなぎ融資を利用する前に知っておくべき4つのことについて分かりやすく解説していきます。これを学ぶことで、つなぎ融資の基礎知識から注意点、さらにはつなぎ融資の費用を抑える方法についてまで分かるため、これから住宅ローンを借入する人にはすぐに実践していただきたいです。

1.つなぎ融資とは

つなぎ融資とは、不動産業者との不動産売買契約や建築工事請負契約から住宅の引き渡しまでの期間において、不動産業者に対して必要となる支払資金を金融機関から分割で融資を受けることを言います。

分かりやすく説明すると、住宅ローンは不動産会社と契約を交わしたときに借り入れできるものではなく、引渡しが終わらなければ融資は実行されません。つまり、実際に住むことができる段階にならなければ、借り入れする予定のお金は振り込まれないということです。

しかし、住宅ローンを実際に借り入れする前に土地のお金や建設費用を支払う必要があります。このとき、融資を受ける前ではそのお金を支払うのは難しいです。

そこで、つなぎ融資を活用します。住宅ローンの融資が実行される前までの「つなぎ」として受ける融資であるため、つなぎ融資と呼ばれています。

1-1.つなぎ融資は、注文住宅を建てる場合に必要

購入する住宅の種類には、「注文住宅」「建売住宅」「分譲住宅(マンション)」「中古住宅」などがありますが、つなぎ融資は基本的に、「注文住宅」を建てる場合に必要となる融資になります。

つなぎ融資で考えなければならないポイントの1つとして、不動産業者との契約時に「建物があるか、ないか」という部分が重要になります。前述した4つの住宅の中で「建売住宅」「分譲住宅(マンション)」「中古住宅」はすべて契約時に建物があることが分かります。

一方、「注文住宅」のみ、契約時に建物がない状態です。そのため、注文住宅を建てる場合には、つなぎ融資が必要であることになりますが、この理由については次項で解説していきます。

1-2.つなぎ融資は、なぜ必要になるのか

前述の通り、注文住宅を建築する場合は、つなぎ融資が必要になる旨を解説しました。つなぎ融資が必要となる理由には、不動産業者がそれぞれ定めている住宅建築費用の支払方法と金融機関が申込者に対して融資する住宅ローンのタイミングが異なっているところにあります。

不動産業者と注文住宅について建設工事請負契約を交わした場合、業者によって建築費用の支払方法は異なるものの、住宅の完成・引き渡しまでに全部で3~4回に分けて支払わなければならないのが一般的です。

一方で、金融機関が融資する住宅ローンは、原則として住宅が完成し、業者から建物の引き渡しをされた時に1回で申し込みされた金額を入金するのが一般的です。

つなぎ融資のイメージ図

つなぎ融資のイメージ図

イエトヒトマガジン:一戸建てを建築するときに借りる「つなぎ融資」って?その注意点は?より引用

上記図の例で解説すると、金融機関からの住宅ローンの融資4,000万円は、建物の引き渡し時に1回で入金されることが確認できるはずです。

ただ、不動産業者に支払うお金は、上記図の必要資金より「土地代金」「着工金」「中間金」「残金」の4回に分けて支払うことが上記図から求められているのが分かります。

そして、住宅取得の流れにありますように「土地取得」から「上棟(じょうとう)」までの間におけるお金(この例では3,200万円)があらかじめ必要であることになります。

注文住宅の購入にあたって、金額の多少に関わらず「土地取得」から「上棟」までの間における必要資金をまとめて用意しておくのは、まずもって困難なことから、つなぎ融資を利用して住宅ローンを組むのが一般的な流れになっているわけです。

1-3.つなぎ融資は、すべての金融機関で取り扱っているわけではない

つなぎ融資は、すべての金融機関で取り扱っているわけではありません。特に、金利が低いとされている「ネット銀行」ではつなぎ融資を取り扱っていなかったり、ネット銀行の店舗窓口でなければつなぎ融資を取り扱ってくれなかったりなどの不便さがあります。

そのため、お住まいの地域によって選べる金融機関が限られてくる可能性があることになります。

1-4.つなぎ融資は、金融機関によって金利や事務手数料が異なる

つなぎ融資における金利や事務手数料は、住宅ローンの金利や事務手数料などと同じように金融機関によって違いがあります。また、つなぎ融資の利息の計算におきましても、金融機関によって月割りや日割りで計算が行われるといった違いがあります。

あくまでも住宅ローンの金利や事務手数料がベースとなるものの、つなぎ融資の金利は、住宅ローンのものとは異なり、優遇された金利が適用されません。そのため、短期間における支払利息や事務手数料の精算には多くのお金を負担する必要性が生じるだけでなく、ある程度まとまったお金が必要になってきます。

こちらにつきましては、「1-6.つなぎ融資で発生する利息や事務手数料のイメージ」で具体的な計算例を示して解説していきます。

1-5.つなぎ融資は利息と事務手数料を引かれた金額が振り込まれる

つなぎ融資の利息やそれに伴う事務手数料は、建物が完成し引き渡しになった後の入金時に住宅ローンの借入金額から差し引かれることになっています。

そのため、前項で解説しましたように、つなぎ融資の利息と事務手数料を合わせた合計金額につきましては、建物の完成、引き渡しが行われるまでに準備しておく必要があります。

1-6.つなぎ融資で発生する利息や事務手数料のイメージ

つなぎ融資のイメージ図

イエトヒトマガジン:一戸建てを建築するときに借りる「つなぎ融資」って?その注意点は?より引用

上記図のように、「土地2,000万円」「建物2,000万円」の注文住宅を建築すると仮定して、つなぎ融資における利息や事務手数料の計算例をここでは解説していきます。なお、つなぎ融資や事務手数料にかかる条件は以下の通りとします。

スポンサーリンク

内容条件
つなぎ融資の利率3.675%
事務手数料32,400円
土地代金の支払い融資期間180日
着工金の支払い2か月後(融資期間120日)
中間金の支払い4か月後(融資期間60日)
残金の支払い6か月後

1-6-1.土地代金の支払いにおける負担費用

利息 2,000万円 × 3.675% × 180日 ÷ 365日 = 362,465円
事務手数料 32,400円(初回のみ)

1-6-2.着工金の支払いにおける負担費用

利息 600万円 × 3.675% × 120日 × 365日 = 72,493円

1-6-3.中間金の支払いにおける負担費用

利息 600万円 × 3.675% × 60日 × 365日 = 36,246円

1-6-4.残金の支払いにおける負担費用

今回の場合、残金における負担費用はありません。そのため、ここまで計算した利息と事務手数料の合計が、つなぎ融資で必要なお金になります。

  • 362,465円 + 32,400円 + 72,493円 + 36,246円 = 503,604円

この503,604円は、申し込んだ住宅ローンから差し引かれることになるため、あらかじめこの分のお金を用意しておかなければ、代金が支払えない事態に陥ってしまうため、注意が必要です。

2.フラット35でつなぎ融資を利用する場合について

フラット35でつなぎ融資を利用する場合におきましても、前項で解説した流れと基本的には同じです。そのため、ここでの解説は割愛させていただきます。

3.つなぎ融資を利用せずに対応する3つの方法

つなぎ融資は先に解説しましたように、注文住宅を建築する場合やフラット35を利用する場合などに必要となる融資です。

ただ、中には「つなぎ融資にかかる費用がもったいないから、その分を節約する方法を知りたい」と考える方は多いです。

そこでこの項では、つなぎ融資を利用せずに対応する3つの方法を解説していきます。

3-1.自己資金でまかなう

実際、つなぎ融資を利用せずに自己資金でまかなう方法は、非現実な方法です。

極端な例として3,000万円の注文住宅をつなぎ融資を利用せずに3回に分けて不動産業者に支払う場合、単純計算で1,000万円ずつ3回に分けて支払うことになります。

住宅ローンは原則として物件の引き渡しの時に融資されることを考慮すると、少なくとも2回分の返済金額である2,000万円を自己資金でまかなわなければならないことになります。自己資金でつなぎ融資をまかなう方法は、言うまでもなく非現実的な方法です。

3-2.親族等からの資金援助を受ける

日本の税金のルールでは、資金援助を受ける行為は「受贈(じゅぞう)」といって贈与税がかかる対象になっています。具体的には、1月1日から12月31日までの1年間において「110万円」を超えた資金援助を受けた場合には、その資金援助を受けた人(お金を貰った人)は、贈与税を納めなければなりません。

ただし、平成31年6月30日までの間において、両親や祖父母など「直系尊属(ちょっけいそんぞく)」から受けた住宅取得資金においては、以下の表の金額について贈与税の非課税措置が認められています。

期間長期認定優良住宅一般住宅
平成28年1月1日から
平成29年9月30日まで
1,200万円700万円
平成29年10月1日から
平成30年9月30日まで
1,000万円500万円
平成30年10月1日から
平成31年6月30日まで
800万円300万円

たとえば、平成28年6月に長期認定優良住宅を建築するために、両親から200万円の資金援助を受けたと仮定します。このとき、上記表を見て分かる通り、1,200万円までは贈与税が課税されないため、税金を納めることなく住宅取得資金に活用することができます。

これは、父親から100万円、母親から100万円、祖父から100万円、祖母から100万円といったように活用することも可能です。このように、上手に資金援助を活用することは、つなぎ融資分の利息について節約することに繋がります。

注意点としては、「直系尊属」からの住宅取得のための資金援助が対象になる点です。直系尊属とは、「血のつながった両親や祖父母」を指しているため、たとえば夫の両親や妻の両親からの資金援助は対象外になります。

資金援助が受けられそうな場合には、一度、税理士へ相談してみることをおすすめします。

3-3.親族等からの一時的な借入を検討する

資金援助は、無償でお金をあげる方法ですが、親族などから一時的にお金を借りる方法もあります。法律上、「親族等からの借入に利息を必ずしも付す必要はない」とされているため、金融機関からすべての期間についてつなぎ融資を受けるよりも利息の軽減効果が期待できます。

ただし、この方法を利用する場合は、たとえ親族であったとしても、契約書を作成しておく必要があります。これは、お金の流れが「贈与」ではなく「借入」であることを証明するためです。また、契約書には借入金額に応じた印紙を貼付し消印することも忘れてはならないポイントです。

4.つなぎ融資の費用を抑える方法

つなぎ融資は、はっきりと申し上げて「無駄金」であるのは紛れもない事実です。ただ、残念ながら不動産業者が求める費用の支払い上、つなぎ融資を避けて通るのは難しいのが現状といえます。

金融機関の中には、土地の取得時から融資を行ってくれるところもあり、この場合、つなぎ融資を利用することなく住宅ローンの返済をすることが可能になります。ただし、取り扱っている金融機関が限られているといった短所があります。

また、つなぎ融資を避けたいあまり条件の悪い住宅ローンの申し込みをしてしまっては本末転倒です。こちらにつきましては、専門家であるファイナンシャルプランナーに相談することで、総合的に自分たちに見合った住宅ローンの提案を受けることが望ましいでしょう。

まとめ

本記事では、つなぎ融資を利用する前に知っておくべき4つのことを解説しました。ここでもう一度、内容をおさらいしていきます。

  1. つなぎ融資は、注文住宅を建てる場合に必要
  2. つなぎ融資は、すべての金融機関で取り扱っているわけではない
  3. つなぎ融資は、金融機関によって金利や事務手数料が異なる
  4. つなぎ融資は、利息と事務手数料を引かれた金額が振り込まれる

つなぎ融資は、住宅購入のために必要な「諸費用」といった括りで考えなければならないため、あくまでも大切なのはつなぎ融資金額の高低ではなく、条件の良い住宅ローンを見つけることになります。

計算例でも解説したように、必要なつなぎ融資金額は大きな金額になります。そのため、住宅購入諸費用は、かね「購入金額の15%程度」多めに見積もっておいてもよいでしょう。