中古住宅を購入する際の住宅ローンの注意点から控除まで解説

これから中古住宅の購入を検討している方の中には、「建物が古いと住宅ローンは借入できないのでは?」「借入期間が短くなってしまうのでは?」と心配する人が多い模様です。

実際のところ、中古住宅ということで「建物の担保価値」が新築に比べて劣ってしまうことは確かではありますが、現在では、政府や行政の空き家問題を解決するための政策として、助成金や補助金の交付をはじめ、減税制度など、さまざまな取り組みが盛んに行われています。

また、中古住宅を購入するための住宅ローンの申し込みは、新築と同じように、フルローンや最長35年ローンを組むことができるため、基本的な住宅ローンの融資条件をしっかりと満たしていることで、融資が特別に難しくなることはありません。

昨今、日本国内でも中古住宅の活用に大きく力を入れていることを踏まえまして、このページでは中古住宅を購入する際の住宅ローンの注意点から控除まで幅広く解説をしていきます。

1.住宅ローンに関しては、新築も中古住宅も基本は同じ

住宅ローンの審査におきましては、「新築住宅」および「中古住宅」によって審査の細かい考え方に違いは生じるものの、住宅ローン申込者の基本情報を総合的に勘案する流れについては、どちらの住宅も基本的に同じになります。

そのため、住宅ローンを取り扱っている金融機関が審査を行う上で「重視する項目」を個々に満たしていることで、何の問題もなく住宅ローンの審査に通過することができるといった結論に至ります。

住宅ローン審査の条件

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国土交通省・住宅局:平成28年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書より引用

上記のデータでは、金融機関が重視する審査項目に変動が見られていることも確認できておりますが、住宅ローンの審査は「新築」「中古」を問わず総合的に審査、勘案され決定されるものでありますので、イメージ図の個々の項目を1つずつ満たしているか確認していくことが望ましい方法と言えます。

審査基準をさらに細かく知りたい場合、以下のコンテンツをあわせて読んでおくことをおススメ致します。

住宅ローンを借りるには?事前・仮審査と本審査の審査基準10項目

2016.05.26

2.フラット35で中古住宅を購入する際の3つの注意点

中古住宅を購入するための住宅ローンには、フラット35や民間金融機関の住宅ローンがあります。ここでは、フラット35で中古住宅を購入する際の3つの注意点を紹介していきます。

2-1.フラット35で中古住宅を購入する場合は建築確認日に注意が必要

フラット35で中古住宅を購入する場合は、以下の建築確認日に注意が必要となります。

【フラット35 中古住宅の場合】

  • 建築確認日が昭和56年6月1日以後であること
  • 建築確認日が昭和56年5月31日以前の場合は、耐震評価基準などに適合していること

後述する適合証明手続きと共に紹介する関係機関へ確認することをおすすめ致します。

2-1-1.適合証明手続きとは

フラット35で中古住宅を購入する場合は、その中古住宅が、住宅金融支援機構の定める独自の技術基準に適合していることが必要であり、それを証明する適合証明書の交付を受けなければなりません。

具体的には、中古住宅の場合、検査機関または適合証明技術者に問い合わせて、フラット35の融資を受けるための適合証明書の発行手続きを依頼します。

なお、ここで言う「適合証明技術者」とは、機構と協定を締結している(社)日本建築士事務所協会連合会及び(社)日本建築士会連合会に登録した建築士のことを言います。

参考:フラット35・適合証明のお問い合わせ窓口

適合証明書の発行手数料は、数万円かかりますので、検査の流れや手数料など詳しい内容につきましては、上記リンクから調べて対象機関などへ直接問い合わせてみることをおすすめ致します。

2-1-2.担保価値とは

担保価値とは、購入した土地や建物を売却して住宅ローン債務と相殺する際の価値にあたり、中古住宅の場合は、新築住宅に比べて担保価値が低くなります。

そのため、たとえば、築年数20年以上などのような古い中古住宅を購入する場合、建物の担保価値が著しく低いことから、住宅ローンの審査が、新築の場合よりも厳しくなるといった可能性は十分にあると予測することができます。

なお、中古住宅における担保価値は、フラット35に限らず民間金融機関の住宅ローンを申し込む場合も考え方は共通となります。

2-2.中古住宅を購入する際に「仲介手数料」がかかる場合もある

中古住宅を購入する場合の多くは、不動産業者との売買取引になると思われますが、この時、中古住宅の売買において別途、「仲介手数料」を支払わなければならないことがあります。

仲介手数料とは、中古住宅を購入する買主(私たち)が、不動産業者に対して支払う報酬のことを言います。

通常、中古住宅や土地など不動産を売りたいと希望している売主が買い手を見つけるのは非常に困難であることから、仲介役として不動産業者に売りたい不動産の管理を依頼します。

不動産業者は、売主から依頼された売買物件を「全国データベース:レインズ」に登録することで、全国すべての会員不動産業者が売買物件の情報を閲覧できる状態になり、より早く売買が成立しやすくなるといった仕組みになっています。

このような仕組みを考慮しますと、仲介手数料とは、不動産の売主と買主を橋渡しするために不動産業者が受け取る「手間賃」と考えることもできますが、仲介手数料は、宅地建物取引業法という法律でルールが定められています。

仲介手数料の上限

出典:公益社団法人・全日本不動産協会ホームページより引用

【仲介手数料の上限額の計算例】

売買価格が2,500万円の中古住宅における仲介手数料の上限額は、売買価格を以下のように分解して計算します。

a) 200万円までの部分
200万円 × 5% = 10万円

b) 200万円超 400万円までの部分
200万円 × 4% = 8万円

c) 400万円超 1,000万円までの部分
2,100万円 × 3% = 63万円

a + b + c = 81万円(税抜き)

81万円×1.08=874,800円(支払うべき仲介手数料)

なお、400万円を超える物件については、以下の式で仲介手数料の上限額を速算することができます。

売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税

2,500万円×3%+6万円+消費税=874,800円(支払うべき仲介手数料)

あくまでも仲介手数料が発生するか、発生しないかは、売買物件が「仲介であるのか」「仲介でないのか」といったことで異なるため、一概に仲介手数料が必ずしも発生するものではありませんので勘違いしないように注意が必要です。

また、仲介手数料の有無は、住宅ローンの申し込み金額や返済金額にも大きな影響を及ぼすことから、あらかじめ支払いの有無を確認しておくようにして下さい。

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2-3.中古住宅は住宅ローン減税に関しても注意しましょう

金融機関などから住宅ローンの融資を受けて中古住宅を購入した場合、一定条件を満たすことで「住宅借入金等特別控除=住宅ローン減税」の適用が受けられます。

中古住宅の場合、新築住宅と異なり注意しなければならないポイントが多くありますので、以下、「国税庁のホームページ」を引用して紹介していきます。

2-3-1.住宅ローン減税が適用される中古住宅の条件とは

住宅ローン減税が適用される中古住宅の条件につきましては、国税庁のホームページで確認することができますが、新築住宅と異なり注意点がたくさんあります。

参考:国税庁・No.1214・中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

したがいまして、中古住宅を購入する売買契約を交わす前に、その中古住宅が住宅ローン減税の対象となる不動産であるのかどうかを事前に確認しておく必要があります。

上記参考リンクを確認するとお分かりのように、細かな条件が羅列しているだけでなく、それらを読み取る必要性があるほか、本記事ですべてを解説するのは煩雑になることから、専門家であるFPや住宅ローンアドバイザーへ相談するのが望ましいと思われます。

くどいようですが、「新築住宅」と「中古住宅」では、住宅ローン減税の適用要件が異なります。くれぐれも自分で手続きを取る場合はご注意ください。

2-3-2.個人間の売買の場合、住宅ローン減税は少なくなる

仮に、中古住宅の購入相手が、宅地建物取引業を営んでいる不動産業者以外から購入する場合であったとしても原則として住宅ローン減税の対象になります。

ただし、この場合は、国税庁が認めている「特定取得にあたらない」ため、住宅ローン減税の金額が少なくなる点には要注意です。

特定所得の概要

出典:国税庁・確定申告書作成コーナー・よくある質問より引用

控除の条件

出典:国税庁・3・住宅借入金等特別控除の控除期間及び控除額の計算方法

平成29年6月現在、宅地建物取引業者である不動産業者と中古住宅の売買契約を行った場合は、最大で40万円の住宅ローン減税の適用が受けられますが、個人間の売買の場合、最大で20万円となります。

また、個人間の売買の場合は、金融機関などが住宅ローンを融資してくれるのか?といった問題も生じますので、この辺も含めて事前相談されることを推奨します。

2-3-3.不動産取得税の控除額一覧

中古住宅を不動産業者と売買契約を交わして取得した場合や贈与などで親族から取得した場合などにおきましては、1回限り「不動産取得税」という地方税を納めなければならない義務が発生します。

ただし、中古住宅の内、建物部分の固定資産税評価額が、以下の表で掲載されている評価額を下回る場合、建物部分にかかる不動産取得税を納めなくともよい決まりになっています。

新築された日控除額
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日100万円
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日150万円
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日230万円
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日350万円
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日420万円
昭和60年7月1日~平成元年3月31日450万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日1,000万円
平成9年4月1日以降1,200万円

たとえば、不動産業者と売買契約を交わして中古住宅を取得したと仮定し、建物の新築された日が「平成10年6月20日」建物の固定資産税評価額が「800万円」の時にかかる不動産取得税は以下のように計算されます。

不動産取得税=(固定資産税評価額-控除額)×3%

平成10年6月20日に新築された場合における不動産取得税の控除額は、平成29年6月現在で1,200万円であることが表から確認することができます。

(800万円 - 1,200万円) × 3% = ▲12万円(▲は0円とする) → よって0円

計算の結果、購入した中古住宅の建物に対する不動産取得税はかからないことがわかりました。土地の場合は、計算式が別に設けられていることから、同サイト内で解説している以下、リンクから確認されることをおすすめ致します。

参考 不動産取得税の概要から計算方法、軽減税率が分かる9項目

2-4.住宅ローンの段取りを上手に行うことで、契約から引き渡しまでがスムーズに

中古住宅を購入する際に、すでにリフォーム済みの物件を契約することもあると思います。

このような場合は、あらかじめ住宅ローンの段取りを上手に行っておくことで、契約から引き渡しまでがスムーズに行われることになります。

すべての住宅ローンで適用可能とは限りませんが、たとえば、フラット35で中古住宅を購入する場合は、あらかじめ融資希望の金融機関に対してフラット35の審査を申し込み、融資確定の取り付けをしておくことで、スムーズかつ無駄な時間が削減される効果を得られます。

2-5.中古住宅の購入と同時にリフォーム・リノベーションを行う場合は「一体型ローン」

住宅購入の際に立地条件を優先している方の場合で中古住宅の購入とリフォームやリノベーションを行う場合は、「一体型ローン」を申し込むことをおすすめ致します。

たとえば、住宅ローンで中古住宅を購入し、リフォームローンで購入した中古住宅のリフォームなどを行うこともできますが、この方法の場合、借入金額をはじめ、金利や返済期間もそれぞれ異なってしまうことから、返済金額が多くなってしまう懸念や負担が大きくなってしまう懸念が生じる場合もあります。

そのため、当初から「中古住宅購入+リフォーム・リノベーション」を目的とした「一体型ローン(パッケージ型ローンなど呼び名はさまざま)」を申し込む方が金利や返済期間が同じになるため、無理な返済負担が生じないほか、水回りを大幅に変更するなど、大きな借り入れが必要な場合に適したローンになります。

まとめ

本記事では、中古住宅を購入する際の住宅ローンの注意点から税金にかかる控除まで幅広く解説をさせていただきました。

中古住宅の購入は、新築住宅に比べて注意するべきポイントが多くありますが、購入の方法や住宅ローンの組み方によって大きくプラスに作用する場合が多々あります。

特に補助金や助成金の種類が豊富であることから、賢く活用することで理想の中古住宅を購入するだけでなく、グレードの高い設備を設置することも可能になると思われます。

これらのお金を受け取るためには、建築士や専門FPなどの専門知識が必要となりますので、中古住宅を購入する際はこれらの専門家の協力得て購入するようにして下さい。