ARUHI(アルヒ)は、フラット35(全期間固定金利)を主力商品として展開している住宅ローン専門の金融機関です。
ARUHIはフラット35において、2019年現在で9年連続シェアNo.1という実力を誇っています。
そんなARUHIから2019年6月、「スーパーフラット7」という新商品が発売され、頭金を多く用意できる方にとっては非常に有利な金利で借入が行えるようになりました。
この記事では、ARUHIの新商品「スーパーフラット7」の特徴や、通常のフラット35との返済額の比較をご紹介していきます。
目次
ARUHI(アルヒ)スーパーフラットとは
ARUHIスーパーフラットとは、住宅建設費(土地取得費を含む)または住宅購入価格の2割以上を頭金として入れることで、通常のフラット35より低金利で利用できる住宅ローンです。
フラット35とは、全期間固定金利の住宅ローンです。「国の機関である住宅金融支援機構の商品を、民間金融機関が融資の事務を代行している」といった特徴があり、基準となる金利は国(住宅金融新機構)が定めています。
実際のところ、フラット35を取り扱う金融機関では、国が決定した最低水準で融資を行っているところも多いです。
そんな中、唯一ARUHIだけは「頭金が1割または2割以上ある場合には、金利水準をさらに引き下げる」といった「ARUHIスーパーフラット9」「ARUHIスーパーフラット8」を提供し、大変人気の商品となっていました。
そして今回、新しく「ARUHIスーパーフラット7」の発売を開始し、頭金が3割以上ある方にとって非常に有利な住宅ローンが誕生したのです。
史上最低金利!ARUHI(アルヒ)スーパーフラット7の4つの特徴
ARUHIスーパーフラット7の特徴は、以下のとおりです。
- 住宅の建築費または購入価額の30%以上を頭金として用意できる方が対象
- 「ARUHIスーパーフラット8」より、さらに低い金利での融資が可能
- 住宅メーカーや地域の制限なく借入が可能(フラット35・保証型)
- 最長35年の全期間固定金利
このなかでも特筆すべきは、やはりその金利の低さ。
全期間固定金利であるため、変動金利と異なり「金利上昇時のリスクがない」という非常に大きなメリットをもちながらも、驚くほどの低金利で借り入れを行うことができるのです。
ARUHI(アルヒ)スーパーフラット7の融資条件
ではここで、ARUHIスーパーフラット7の主な融資条件を確認しておきましょう。
ARUHI公式サイトにて、以下のように公表されています。
総返済負担率(※) | 年収400万円未満は30%以下・400万円以上は35%以下 |
住宅要件 | ①住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合すること ②住宅の床面積が以下に該当すること ・戸建て住宅の場合は70㎡以上 ・共同建て住宅(マンション等)の場合は30㎡以上 |
借入額 | 100万円以上〜8,000万円以下 |
手持金(頭金)の割合 | 建設費または購入価額の30%以上(借入額が70%以下) |
借入期間 | 15年以上で、上限は「80歳ー申込時のみ年齢」または35年の短い年数が上限 |
融資事務手数料 | 借入金額の2.0%(税別) ※最低事務手数料は20万円(税別) |
保証料 | なし |
繰り上げ返済手数料 | ・インターネット:1万円以上から可、手数料無料 ・電話、郵送:30万円から可、手数料1〜3万円(税別)。 ※全額繰上返済は電話・郵送のみ可、手数料5万円(税別)。 |
(※)総返済負担率とは:収入に対する返済額の割合のこと
融資事務手数料は高めだがメリットのほうが大きい
上記のように、ARUHIスーパーフラット7では、融資事務手数料(借入金額✕税別2.0%)は安くはありません。
しかし、次項からご紹介する金利面のメリットのほうが遥かに大きいため、条件を満たす場合には確実に検討すべき商品であると言えるのです。
ARUHI(アルヒ)スーパーフラット7は全期間固定なのに超低金利
それでは、ARUHIスーパーフラット7の金利を詳しく見ていきましょう。
- 団信加入の場合(参考:2019年12月現在の金利)
返済期間15〜20年 | 返済期間21〜35年 | |
通常のフラット35(※) | 1.160% | 1.210% |
ARUHIスーパーフラット7 | 1.060% |
(※)頭金1割以上の場合
このように、スーパーフラット7では、全期間固定であるにも関わらず金利はわずか1.060%となっています。
35年返済で考えた場合、通常のフラット35よりも金利が0.15%も優遇されるのです。
これは、これまでARUHIの主力商品であったスーパーフラット8よりも金利が-0.05%低く、フラット35を取り扱う数多くの金融機関の中でも圧倒的に低い金利水準となっています。
ARUHI(アルヒ)スーパーフラット7では団信不加入で金利がさらに-0.28%
さらに、フラット35の大きな特徴として「団信への加入は任意」であることがあげられますが、団信不加入の場合、金利がさらに0.20%引き下げられます。
これが、ARUHIの場合にはさらに優遇され、-0.28%もお得になるのです。
- 団信不加入の場合(参考:2019年12月現在の金利)
返済期間15〜20年 | 返済期間21〜35年 | |
通常のフラット35(※) | 0.960% | 1.010% |
ARUHIスーパーフラット7 | 0.780% |
(※)頭金1割以上の場合
返済期間が35年間と最長であっても、0.780%で借りられてしまうとは驚きですね。
住宅ローンは、金利が0.1%違うだけでも総返済額には何十万円〜何百万円単位の開きがでてきます。
このため、加入している民間の生命保険・医療保険を見直してみて、内容によっては「団信不加入」を選択する方法も1つでしょう。
なお、民間の住宅ローンでは、団信への加入は借入の必須条件となっています。
つまり、「団信に加入できる健康状態」でなければ借入が行えないのです。
この点、団信への加入を任意としているフラット35であれば、健康状態に問題のある方もローンを組める可能性が充分にあると言えるのです。
フラット35とARUHI(アルヒ)スーパーフラット7の返済額比較
それでは、通常のフラット35とARUHIスーパーフラット7との返済額を比較してみましょう。
ここでは、共通条件を以下のように設定します。
- 住宅購入価格:3,000万円
- 返済期間:35年
- ボーナス時の返済:なし
- 元利均等払い(毎月の返済額が同じ)
※金利は2019年8月現在(団信あり)を参考
フラット35 | フラット35 (頭金1割) |
ARUHIスーパーフラット7 (頭金3割) |
|
住宅購入価格 | 3,000万円 | ||
頭金 | なし | 500万円 | 900万円 |
借入額 | 3,000万円 | 2,500万円 | 2,100万円 |
金利 | 1.610% | 1.170% | 1.020% |
毎月返済額 | 9.4万円 | 7.3万円 | 6万円 |
総返済額 | 3,927万円 | 3,048万円 | 2,498万円 |
総支払額 | 3,927万円 | 3,548万円 | 3,398万円 |
このように、同じ物件を購入したにも関わらず、頭金なしの場合と頭金3割ある場合とでは、総支払額に529万円もの差が生まれています。
住宅の基準を満たせばスーパーフラット7Sでさらにお得に!
さらに見逃せないのが、一定の住宅性能を満たした際に適用となる「ARUHIスーパーフラット7S」です。
フラット35では、以下の4分野の住宅性能いずれかを満たした住宅に対し、当初5〜10年間の金利が基本となる金利から0.25%引き下げられる「フラット35S」という制度を設けています。
- 省エネルギー性に優れた住宅
- バリアフリーに優れた住宅
- 耐震性に優れた住宅
- 耐久性・可変性に優れた住宅
たとえば、基本となる金利が1.5%だった場合、初めの5〜10年間は1.25%で借入を行えるということです。
「ARUHIスーパーフラットS」は、頭金が一定以上あり、フラット35Sで定められた上記の住宅性能を有している住宅に対して、当初5~10年間の金利を優遇してくれる商品となっています。
商品名 | 借入期間 | 実行金利 ( )は団信不加入時 |
|
当初5~10年間 | 11年目以降 | ||
ARUHIスーパーフラット7S 【頭金3割以上】 |
15~35年 | 0.810% (0.530%) |
1.060% (0.780%) |
ARUHIスーパーフラット8S 【頭金2割以上】 |
0.860% (0.580%) |
1.110% (0.830%) |
|
ARUHIスーパーフラット9S 【頭金1割以上】 |
0.910% (0.630%) |
1.160% (0.880%) |
ARUHIスーパーフラット7Sでは、団信に加入しなかった場合の当初5〜10年間の金利は0.530%と、変動金利の最低水準レベルとなっており、これには衝撃さえ覚えます。
スーパーフラット7は住宅ローン控除のデメリットを差し引いてもお得
ご紹介してきたように、金利面で非常にメリットの多いARUHIスーパーフラット7ですが、1点デメリットがあります。
それが、住宅ローン控除の恩恵が減ってしまうことです。
住み始めてから10年間、住宅ローン残高の1%が所得税・住民税の一部から控除(減税)される制度。年間最大40万円が上限となっています。
住宅ローン控除は、年末のローン残高が多ければ多いほど得をする制度ですので、初めに頭金を多く入れる必要があるスーパーフラット7では、この恩恵が減ってしまうというデメリットがあるのです。
しかし、住宅ローン控除のデメリットを差し引いても、スーパーフラット7の金利面の恩恵が勝るため、やはりスーパーフラット7はお得な商品であると言えるのです。
試しに、
- 通常のフラット35(頭金1割)で借入した場合
- スーパーフラット7(頭金3割)で借入した場合
この2つのパターンで返済を行った場合の、住宅ローン控除を含めたシミュレーションをしてみます。
※金利は2019年8月現在(団信あり)を参考
フラット35 (頭金1割) |
ARUHIスーパーフラット7 (頭金3割) |
|
住宅価格 | 3,000万円 | |
頭金 | 300万円 | 900万円 |
借入額 | 2,700万円 | 2,100万円 |
金利 | 1.170% | 1.020% |
当初10年間の支払額 | 940.5万円 | 713.7万円 |
住宅ローン控除 | 228.6万円 | 180.9万円 |
11〜35年目の支払額 | 2,351万円 | 1,784万円 |
総返済額 | 3,292万円 | 2,498万円 |
支払利息 | 591.7万円 | 398.0万円 |
利息ー控除額 | 363.1万円 | 217.1万円 |
このように、住宅ローン控除は頭金1割のほうが47.7万円得するものの、支払利息に193.7万円もの差がつくため、最終的にはARUHIスーパーフラット7の方が146万円も得をするという結果となりました。