世帯年収300万円の住宅ローン限度額はいくらなのか?

住宅購入は、多くの方の「憧れ」であると思いますが、仮に年収が少ない方々にとってみますと、住宅ローンの審査に通過することやその後の返済など大きな負担となってしまうことは容易に予測がつきます。

通常、年収が低いということは、一般的に大きな余裕を持つことができないと考えられることから、住宅ローンの借入金額や月々の返済金額は、より慎重に検討し決定しなければなりません。

そこで本記事では、年収300万円の世帯を対象とした住宅ローンの検討の仕方について幅広く解説を進めていきます。

なお、本記事における年収300万円とは、会社員や公務員など給料の支払いを受けている方が受け取る額面(表面上)の金額を表すものとします。

1.年収300万円の住宅ローン限度額はいくらなのか?

一例として、住宅金融支援機構が取り扱っているフラット35では、年収400万円を境として一定の融資基準を定めています。

年収400万円未満400万円以上
基準30%35%

参考:フラット35・平成19年10月1日以降のお申込みからのご利用条件

上記融資基準は、後述する「返済負担率の最大割合」を表しており、年収300万円の世帯の場合は、返済負担率が最大で30%以内の借入でなければフラット35の融資を受けられないことを意味しています。

具体的には、住宅ローンの返済やその他の返済をすべて含めて、年間90万円(年収300万円×30%)以内に留めなければならず、仮に住宅ローン以外のローンを抱えていないのであれば、1ヶ月あたり75,000円(90万円÷12ヶ月)以内の返済におさめなければなりません。

仮に、この融資基準に即したとすると、最大で3,150万円(75,000円×12ヶ月×35年)が借りられるといったことになりますが、年収300万円の世帯が、仮に子育てなどをしながら、毎月75,000円を返済し続けていくのは、かなりの家計負担を強いられると予測されます。

余裕を持った返済や将来を見据えた返済計画を立てる上で、最大の返済負担率で借入をすることは決して望ましい方法とは言えないため、この辺は、住宅ローンの申込をする前からあらかじめ留意しておかなければならない事項と言えます。

1-1.金利や保険、諸経費、ランニングコストも含めて考えなければ家計破綻する

住宅購入後は、前項で解説した住宅ローンの返済はもちろんですが、固定資産税・都市計画税・定期的な火災保険料・突発的な修繕費用といった住宅を維持するためにかかるランニングコストをはじめ、将来のライフプランを考慮しておかなければ家計が破綻する危険性を含むことになります。

このようなことから、あらかじめ将来を考慮した住宅ローンの返済計画を立てておくことはとても重要であるだけでなく、たとえば、住宅ローンにおける金利や団体信用生命保険などの仕組みをしっかりと把握しておく必要もあります。

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住宅ローンの審査を通過するのがゴールではなく、住宅ローンを完済することが本当のゴールとなりますので、長期的に住宅ローンの返済を考えるためのリサーチを欠かさないよう努めることで、納得のいく住宅購入が実現できると考えられます。

1-2.頭金を用意すれば借入可能額は増えるのか?

すでに解説をしましたように、住宅ローンの借入可能額というものは、年収に対する一定の返済負担率が限度となっていることから、頭金を用意したところで残念ながら借入可能額が増えることはありません。

ただし、頭金を用意するということは、その分、住宅ローンの借入金額が少なくなることになりますので、結果として住宅ローンの審査が有利に進められ、融資が受けやすくなる結果に繋がります。

2.住宅ローンを無理なく返済できる返済負担率とは?

住宅ローンの借入可能額には、年収と返済負担率が大きく関係していることを前項の解説でご理解できたと思います。

本項では、実際に住宅ローンを無理なく返済できる返済負担率について解説を進めていきますが、結論から申し上げると、「返済負担率は低ければ低い程、良い」ことをご理解いただくことで十分足ります。

したがいまして、たとえば、「年収300万円であれば返済負担率が〇%あれば最適」などの表現は不適切なことになりです。

返済負担率は、計算して数値化するよりも、ご自身が月々返済していく金額を想定して、「これなら余裕を持って返済していける」と感じる金額というものは、「たいてい返済負担率が低いことが多い」のが一般的です。

詳しくは、「住宅ローンの毎月々の返済金額平均と年収に見合う返済負担率とは」にて述べているため、さらに知りたい方はご覧ください。

2-1.オートローンやクレジットカードの借入枠も加算される

住宅ローンの審査をする際、既存のオートローン(自動車ローンやバイクのローン)や保有しているクレジットカードがある場合、これらの借入金額やクレジットカードで利用できる借入枠なども踏まえた審査がなされます。

これは、住宅ローンの返済が始まったと仮定すると、既存のオートローンの返済やクレジットカードを利用した場合における返済も併せて行わなければならないため、住宅ローンの返済が大きな負担になることによって、返済が滞ってしまうのをあらかじめ防止するための措置となります。

すでに解説をしましたように「年収に見合った返済負担率になっているかどうか」が住宅ローン審査に大きな影響を与えることになるため、オートローンやクレジットカードの借入額があるということは、その分、住宅ローンの借入金額が少なくなってしまいます。

2-2.年収300万円における返済負担率と返済額の関係

ここでは、年収300万円の世帯を一例として、返済負担率と返済額の関係について表にまとめて紹介していきます。

なお、借入可能額におけるシミュレーションは、フラット35のホームページで公開しているものを使用し、金利は、住信SBIネット銀行のフラット35の適用金利を参考とします。

シミュレーション条件

  • 年収:300万円
  • 金利:全期間固定金利【住信SBIネット銀行フラット35】1.09%(2017年8月現在)
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス返済なし)
  • その他:住宅ローン以外の借り入れはないものとする
返済負担率1ヶ月あたりの返済金額借入可能額
(フラット35シミュレーターより試算した金額)
10%25,000872万円
15%37,5001,308万円
20%50,0001,745万円
25%62,5002,181万円
30%(限度)75,0002,617万円
35%(不可)87,5003,054万円

参考:フラット35 毎月の返済額から借入可能金額を計算

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年収300万円の世帯が、住宅ローンを組んで住宅購入するためには、それなりに金額が限定されてしまうことから、理想の住宅を購入するといったところまで手が届かない可能性が高いと考えられます。

とはいえ、場所によっては、新築建売住宅や中古住宅を購入してリフォームをするなど、工夫次第では自分たちの考えに沿った住宅購入をすることも十分可能だと思われます。

2-3.一般の方からの質問を参考に年収300万円台の借入シミュレーションをしてみた

住宅ローンの借入限度額が気になる方は多いと思いますが、実際の年収が300万円台でこれからの住宅購入に悩んでいる例について紹介していきます。

年齢43歳、年収320万、住宅ローンで借り入れ限度額はどの位でしょうか?
頭金200万円と仮定して、教えて下さい。土地は購入済みです。

現在借家で家賃5万。妻はパート収入月約5万(最近勤めました)。
子供10歳、7歳、3歳。無理のない借り入れもわかれば教えて欲しいです。

補足
借入年数25年希望。
勤続年数一年です。(建築会社で現場監督)
勤務会社で建築予定。(総2階で40坪希望)

参考:ヤフー知恵袋より引用

質問の内容を考慮すると、そもそも住宅ローンを組めるのかどうかが定かではない部分がありますが、ここでは、フラット35で住宅ローンの審査が無事通るものとしてシミュレーションおよび解説をしていきます。

年収320万円だとすると、最大返済負担率が30%となることから、1年間の返済限度額および1ヶ月の返済限度額は以下のように計算されます。

320万円 × 30% = 96万円(年間限度額)
96万円 ÷ 12ヶ月 = 8万円(1ヶ月の返済限度額)

家族構成や子どもの将来を考慮すると、返済期間を25年に短く設定するのではなく、まずは35年で最長に設定し、1ヶ月あたりの返済金額を少なくする対策が必要だと思われます。

併せて、先々のことを考慮して、返済負担率は20%程度に留めておきたいと考え、年収320万円の20%で年間64万円、1ヶ月あたり53,333円の範囲で建物建築を検討してみるのも一策です。

シミュレーション条件(案)

  • 年収:320万円
  • 金利:全期間固定金利【住信SBIネット銀行フラット35】1.09%(2017年8月現在)
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス返済なし)
  • その他:住宅ローン以外の借り入れはないものとする
返済負担率1ヶ月あたりの返済金額借入可能額
(フラット35シミュレーターより試算した金額)
20%53,333円1,860万円
25%66,666円2,324万円

建物のみでしたら、1,860万円の借入で相当立派なものが建てられると推測されますし、設備もそれなりのものが設置できそうです。

奥さんのパート収入でほぼ、住宅ローンの返済に充てられるため、旦那さんの収入は、住宅購入のランニングコストをはじめ、家計の貯蓄や子どもの教育費の確保として充当していけると予測され、窮屈な返済にはならないと思われます。

頭金200万円は、住宅購入諸費用に充てることができるため、足が出る心配はないでしょう。

3.年収300万円で3,000万円借入することはできるのか?

住宅ローンの借入金額を大きくすることで、思い描いている理想の住宅を購入したい皆さまも多いと思います。

仮に、世帯年収が300万円であったとし、フラット35で借入金額3,000万円の融資を希望する場合、定められている返済負担率の基準にギリギリおさまっていることから、形式上、審査で検討される余地があることは確かです。

  • 300万円 × 30% = 90万円(1年間の返済限度額)
  • 90万円 ÷ 12ヶ月 = 75,000円(1ヶ月あたりの最大返済金額)
  • 75,000円 × 12ヶ月 × 35年 = 3,150万円(形式上の借入限度額)
  • よって、3,000万円は基準範囲内と解される

ただし、住宅ローンを融資する側としては、住宅ローンの返済が滞って貸したお金が回収できなくなるリスク(貸し倒れリスク)を避けることから、極度にギリギリの場合、融資が無事なされるとは言い難い部分もあります。

おそらく、年収300万円の世帯に対して3,000万円の住宅ローン融資は、かなり厳しいと考えるのが無難でしょう。

あくまでもこの場合のように、多くの資金の借入を希望している場合は、次項で解説する「住宅ローンの審査通過と余裕を持った住宅ローンの返済を行うための対策方法」を参考にして、自分たちに合った方法を実行されることが望ましいと思われます。

4.住宅ローンの審査通過と余裕を持った住宅ローンの返済を行うための対策方法

本記事の最後に、参考として住宅ローンの審査通過と余裕を持った住宅ローンの返済を行うための対策方法について紹介していきます。

4-1.頭金を多くする

頭金が多いということは、住宅ローンの借入金額がその分少なくなるため、年収に対する返済負担率が低くなります。

つまり、無理のない借入と判断されることから、結果として住宅ローンの審査に通りやすくなり、返済金額も少なくなる効果が得られます。

4-2.夫婦で収入合算して世帯年収を大きくする

こちらはケース・バイ・ケースとなりますが、先の年収320万円の方の例のように、奥さんがパートで働く場合や正社員で働いている場合などで、それぞれの収入を合算することで住宅ローンの審査に通過しやすくなるメリットが得られます。

ただし、必ずしも夫婦で世帯合算できるとは限りませんので、ご希望の金融機関に収入合算が可能かどうかについてあらかじめ確認をするようにして下さい。

4-3.親からの資金援助を受ける

両親から住宅取得資金として資金援助を受けることは、住宅ローン審査の通過においてもとても効果的です。

一定の手続きを行うことで、税金の面でも贈与税がかからないため、資金援助を受けられそうな世帯の方は、手順がありますので、専門家であるFPや税理士などへ「住宅購入前の早い段階から相談する」ことを心掛けるようにして下さい。

5.借入可能額で考えるのではなく、無理なく返済できるお金を考えることが重要

住宅ローンを借りる際の大原則となりますが、住宅ローンは、借入可能額で考えるのではなく、無理なく返済できるお金を考えることが重要になります。

先のシミュレーション例でも、「年齢43歳、年収320万、住宅ローンで借り入れ限度額はどの位でしょうか?」と質問されているように、自分の年収に対する借入限度額を知りたい方が多い傾向にありますが、これが大きな誤りです。

あくまでも、将来を考慮した無理なく返済できるお金を考えることが重要であり、先々のことを考えたプランニングが時として非常に重要になります。

まとめ

本記事では、年収300万円の世帯を対象とした住宅ローンの検討の仕方について幅広く解説を進めさせていただきました。

年収に関わらず、返済負担率を考慮した住宅ローンの検討はとても重要ですが、年収が低い場合は、家族構成や年齢を踏まえたプランニングをしなければとても危険です。

本記事で紹介したヤフー知恵袋の質問のように、素人感覚の希望で返済期間を25年で住宅ローンを組んだとしたら、1ヶ月の返済負担はかなり重くなり、家計への負担が「大」になるのは間違いありません。

奥さんのパート代も活かすことがおそらく難しくなるでしょう。

年収が低い、子どもが多い、年齢が高めなどの場合は、特に専門家であるFPへ相談するなど、できる限りプロフェッショナルのアドバイスを参考にしながら住宅購入することを強くおすすめしたいと考えます。

本記事で参考にしたヤフー知恵袋の質問は、一個人の主観となりますが、住宅ローンの組み方を間違えると、家計破綻してしまうことは避けられないでしょう。

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