住宅ローンの借入可能額に年収が関係する5つの理由

住宅ローンの借り入れを考えたとき、最も気になるのは借入可能額です。これを予算として、住宅のグレードが決まってきます。

ただ、住宅ローンはあなたが借りようとしている金額を借りられない可能性があります。支払い能力が無ければ、返済していけないからです。実際に、お金を貸し出す金融機関は、住宅ローンを借り入れる審査の中でも、年収を大きな判断基準として見ています。

本記事では、住宅ローンの借入可能額に年収が関係する理由を、5つの項目に分けて解説していきます。これを読み終えることで、あなたが希望する住宅ローンの借入可能額を借りられるようになります。

1.住宅ローンの希望が100%通るわけではない

まずは、住宅ローンに関して、最も大事な考え方を押さえましょう。

たとえば、あなたが家を買いたいと思い、銀行にローンの申し込みをしたとします。このとき、「借りたい」と思う金額を借りられればそれに越したことはありません。

しかし、その希望が通るとは限らないのです。

1-1.あなたの年収から借りられる目安が決まる

希望が通らない最大の理由は、金融機関の審査体制にあります。

住宅ローンは、高額な資金が動く取引です。そのため、銀行側も慎重に審査を行わざるを得ません。その際に最も重視されるのは、「資金を貸したところで、きちんと返し続けてくれるか」という点です。

当然のことながら、コンスタントに返済を続けてくれそうな人であれば、希望通りの額が借りられるかもしれません。

しかし、銀行が「この人は将来にわたって返し続けられるか不安」と判断した場合、希望額を借りるのは難しいでしょう。

このとき、判断基準はどこにあるのでしょうか。

やはり一番に考慮されるのは、年収です。また、「どれだけ稼いでいるか」と言い換えてもいいでしょう。これに加え、土地や建物の担保評価、勤務先、勤務形態、他のローンの借り入れ状況なども加味されます。

2.実際、いくら借りられるのか

住宅ローンの基本的な考え方について押さえたところで、次からは「実際にいくら借りられるのか」という話題に移ります。

2-1.返済負担率を計算してみよう

金融機関がいくら貸してくれるか推測するためには、返済負担率をチェックする必要があります。返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合のことです。

ただ、具体的な数値は金融機関によって異なるため、借り入れを検討している場所に確認することをお勧めします。

例として、数値を公表している「フラット35」(住宅金融公庫)の場合の返済負担率を見てみましょう。

年収400万円未満400万円以上
基準30%35%

2-2.毎月返済額から借入可能金額を計算する方法

「自分は毎月これだけ返せるけど、実際どれぐらい借りられるのだろう?」と思われたかもしれません。先ほどのフラット35の場合、公式ホームページにシミュレーターがあるので、簡単に計算できます。フラット35のシミュレーションページはこちら。

ここでは、次の条件で計算してみました。

  • 毎月返済額:7.5万円
  • 融資金利:1.190%
  • 返済期間:30年
  • 返済方法:元利均等返済

この条件をシミュレーターに入力すると、借り入れ可能金額は「2,269万円」となります。このように、簡単に金額を知ることができるため、ぜひ試してみてください。

スポンサーリンク

3.住宅ローンは、他の借り入れがあると不利

住宅ローンに限ったことではありませんが、ローンを組む際は他のローンがあると審査で不利です。たとえば、車のオートローンやカードローンなどがこれに当てはまります。返済負担率に影響があると判断されるため、住宅ローンの借入可能額が少なくなってしまいます。

おおよその目安としては、「他に借り入れがない場合の毎月返済額の上限 - 他のローンの返済額 = 住宅ローンの毎月返済額の上限」となります。

たとえば、住宅ローンの毎月の返済額の上限が10万円であり、その他のローンが毎月3万円あるとします。このとき、10万円から3万円を差し引いて、残った金額の7万円が住宅ローンの毎月返済額の上限となります。

住宅ローンで満足のいく額を借り入れたい場合、他のローンの整理は必須です。また、これも年収が多ければこの上限は大きくなることは言うまでもありません。

4.住宅ローンは正社員以外には不利

正社員であれば、継続雇用が前提であるため、安定した収入と返済が見込まれます。これは、住宅ローンを申し込むに当たってはかなり有利です。

一方、継続雇用を前提としない雇用形態は不利です。要するに、派遣社員や契約社員の場合、住宅ローンを組むのはかなり難しいということです。正社員ではない場合、金融機関や借り入れ条件にかなり制約が加わるので、気を付けましょう。

また、自営業者も注意が必要です。

一言でいえば、たとえ会社員と同じ額を稼いでいても不利になります。これは、会社員の収入が額面年収(=給与明細通りの年収)で審査されるのに対して、自営業者は所得(-収入-費用)で審査されるためです。

そのため、自営業者の方がローンを組む場合、自己資金を多めに用意することをお勧めします。自営業者は収入が安定しにくいと判断されてしまうからです。

また、実際にローンを組む際は、過去2~3年分の確定申告書類の提出を求められるため、忘れずに用意してください。

5.住宅ローンは「無理なく返せる額」を意識して決める

住宅ローンの返済は長期にわたります。フラット35といった長期固定金利も存在するほどであり、30年以上の場合がほとんどです。

この間、給料などを住宅ローンの返済だけに使えるならいいのですが、実際はそうもいかないでしょう。

たとえば、子育ての費用や教育費、夫婦の老後の準備など、蓄えをしなければいけない理由はたくさんあります。これらのことを考えると、返済負担率は低いにこしたことはありません。

年収がいくらかによって異なりますが、20%以下が無難です。

余裕をもって返済計画を立てなければ、住宅ローン貧乏になってしまいます。このようなリスクを防ぐために、「早く返したい」「これくらいなら返していけるかもしれない」といった安易な考え方はやめましょう。そのためには、年収から住宅ローンの返済を逆算して考えるとよいです。

まとめ

ここまで読み進めていただけた方には、住宅ローンの借入限度額に年収が深く関係していたことを理解していただけたかと思います。

住宅ローンで苦しまないように、「どれだけ借りられるか」ではなく、「いくらなら毎月無理なく返せるのか」を考えて返済計画を立てるようにしましょう。

当然のことですが、継続して返済していくには、家計の見直しや世帯の収入を増やすなどの努力が必要です。このとき、お金のプロフェッショナルである、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することで、少ない給料でも無理なく暮らせるライフプランを組んでもらうことができるようになります。