自営業・フリーランスの母子家庭でも住宅ローン審査に通過できる?

母子家庭

母子家庭や父子家庭は、別に「ひとり親世帯」とも呼ばれます。

厚生労働省が公開している「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、母子世帯になった方の約8割が「離婚」が原因です。

次いで「夫との死別」および「未婚の母=シングルマザー」といった理由が多くなっています。

住宅ローンの審査におきましては、申込者本人の収入や借入金状況をはじめ、勤続年数や家族構成など、様々なことについて確認され、総合的に審査されることになります。

実のところ「離婚」は、住宅ローンの審査において、マイナスに影響する場合があるとお考え下さい。

ただし、「母子家庭だから」といって住宅ローンの審査に通らないわけではありません。

むしろ、母子家庭(女性)を応援するような住宅ローンも、多くの金融機関で取り扱われているのが見受けられます。

このようなことを踏まえまして本記事では、母子家庭と住宅ローン審査についての関係性をはじめ、住宅ローンの審査が比較的厳しめとされる自営業やフリーランスといった職業の場合も含めて解説を進めていきます。

1.母子家庭の収入状況と住宅ローンの関係性について

はじめに、母子家庭の収入状況と住宅ローンの関係性について、厚生労働省が公開している「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」の統計結果から考えていきたいと思います。

ひとり親世帯など調査結果

(出典:厚生労働省 平成 28 年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要

上記の統計結果を見ますと、母子家庭で母親だけの平均年間就労収入は、「200万円」とかなり低いことが確認できます。

住宅ローンの審査におきましては、例外なく「安定した収入のある方」が審査の対象です。

統計結果の平均年間収入ではなく、その他の収入を含めない「平均年間就労収入」が、毎月の住宅ローンを返済していくための原資になると考えられます。

このように考えた時、平均年収200万円で購入できる住宅には、大きな縛りがあると推測できるのです。

そもそも住宅ローンの審査における「安定した収入のある方」にあてはまるためには、かなり厳しい状況であると言わざるを得ないでしょう。

1-1.母子家庭であったとしても、住宅ローンの審査に懸念がなければ通過できる

住宅ローンの審査において、母子家庭の方が審査の懸念となるのは、まずは、収入面であると考えられます。

そのほか、「なぜ、母子家庭になったのか」といった原因も大きく関係してくるのです。

たとえば、「夫との死別」によって母子家庭となった場合、夫が亡くなる前の職業によって大きな違いが生じるものの、一定期間に渡って「遺族年金」が支給されます。

このため、ご自身が就労で得た収入に加え、遺族年金の収入があることになります。

一方、「離婚」によって母子家庭になった場合は、その原因もさることながら、慰謝料や養育費といった金銭にかかる問題が絡んでくることも非常に多いです。

住宅ローンの申し込みを受けた金融機関側としては、住宅ローンの審査において慎重にならざるを得ないのが一般的であるとお考え下さい。

あわせて、母子家庭の場合ですと、将来再婚する可能性も十分に考えられます。

「なぜ、住宅を購入することにしたのか」といった購入の動機も非常に重要なポイントになってくるのです。

一般の方の住宅ローン審査に比べて、母子家庭は、多くの面で特殊性があります。

このことから、住宅ローン審査においても、慎重に与信判断がされることになるのです。

ただ、住宅ローンの審査に懸念がなければ、母子家庭であったとしても通過できるのは確かです。

2.母子家庭で住宅ローンを組めると想定される一例を紹介

母子家庭は、住宅ローンの審査を通過するために様々なハードルを越えていかなければなりません。ここでは、母子家庭で住宅ローンを組めると想定される一例を紹介していきます。

「なぜ、住宅ローンが組めると想定されるのか?」

その理由について、まとめて解説を進めていきます。

2-1.母子家庭で自営業の場合の具体的な質問例

シングルマザー、フリーランス(自営業)で家は買えるでしょうか?

現在31歳のシングルマザー(離婚から2年目、子供あり)です。現在家賃130000円の賃貸マンションに住んでおり、親から「13万円も家賃払っているなら中古の一戸建てとかマンションとか買えば?」と言われています。ただ、シングルマザーで(今のとこ再婚の予定もないですし)、仕事も個人事業主のフリーランスなので、住宅ローンとか組めるのか、どのくらい借りれるのかと不安なところです。皆様にご意見・アドバイス等いただければと思い質問させていただきました。現在の状況を下記に記します。

・仕事・・・個人事業主で従業員はいません。現在自宅で仕事しており、家賃の6割を経費にあてています。開業してから2年目です。

・収入・・・この前の確定申告では、収入(全体売上)1000万円ちょいで、そこから家賃6割やいろいろ頑張って経費で差し引いて所得を550万くらいで申告しました。※見込では次の来年もそのくらいで申告しそうなかんじです。

・貯金は年間で150万〜200万円程度しています。
・養育費等はもらっていません。
・借金や借り入れ中のローンはありません。
・両親2人とも健在(父は隠居で母は店舗経営)

自分でいうのもあれですが、生活や金銭感覚は堅実なほうかとおもいます。自分や子供の保険(入院保険や学資保険や生命保険とか)関係をがっちり充実させて、普段の生活は結構質素に過ごしています。
足りない部分もあるかとおもいますが、このような状態で、ローンは組めるでしょうか。また、どのくらい借り入れできるでしょうか?わたしが住みたい地域(実家近く)でいいなと思ってる物件は3000万円くらいです。3000万円くらいの購入で頭金200万から300万円を払い、残りを30年〜35年ローンで借り入れるのは無謀でしょうか?不慣れで余計な記載やたりない情報あるかとおもいますが、ご意見いただければ嬉しいです!

ヤフー知恵袋より引用)

上記の場合ですと、住宅ローンを組むことができると想定されます。

ただ、すべての金融機関ではなく、住宅ローンの申し込みができる機関は、限られてくると考えられます。

この理由は、「開業してから2年目」であることです。

特に、民間金融機関の多くは、勤続年数(開業年数)が3年以上あることを1つの審査基準にしているところも多くなっているためです。

いくら収入が高くても、そもそも住宅ローンの申し込み条件に合致していないことになります。

ただし、住宅金融支援機構が取り扱っているフラット35のように、勤続年数(開業年数)が1年に満たなくても住宅ローンの申し込みをできるものもあります。

まずは、ご希望の金融機関に対して、これらの理由から「住宅ローンの申し込みができるかどうか」確認することが大切です。

2-2.質問に対する見解

「3000万円くらいの購入で頭金200万から300万円を払い、残りを30年〜35年ローンで借り入れるのは無謀でしょうか?」といった質問に対する見解について、以下に触れておきたいと思います。

仮に、返済期間を35年とし、元利均等返済(ボーナス払いなし)で頭金300万円(借入金額の1割)を入れて、ARUHIのフラット35(団信加入)で融資が実行されたものとして計算すると、シミュレーション結果は、以下のようになります。

  • 適用金利:年1.350%(固定金利で平成30年5月金利を参照)
  • 1ヶ月あたりの返済金額:80,700円
  • 総返済金額:約3,389万円
  • 返済負担率:17.60%

シミュレーションの結果より、家賃130000円の賃貸マンションに住むよりも、1ヶ月あたりに支出するお金が少なくて済むことが確認できます。

また、

  • 借入金額に対する収入(所得)
  • 借入金がない
  • 頭金を入れられる
  • 貯蓄に余裕がありそう
  • 将来の収入の見込みがある
  • 返済負担率が低い

このことなどを考慮すると、ここだけでは申し分がなく住宅ローンの審査に通過すると考えられます。

ただし、質問者様について、以下の項目も当然に確認されるとお考え下さい。

  • 健康状態
  • 過去の個人信用情報
  • 具体的な仕事内容
  • 住宅購入の動機

これらの審査項目や確認内容に問題がなければ、まずもって住宅ローンの審査に通過するものと思われます。

3.母子家庭で自営業の方が、できるだけ住宅ローンの審査を通りやすくするには?

前項では、母子家庭で住宅ローンを組めると想定される一例を紹介させていただきました。

すでに紹介した厚生労働省の統計結果と比較しますと、先の質問者の方は、母子家庭で自営業をしており、かつ、収入が高いといった、極めて特殊な方であることが確認できます。

ひとり親世帯など調査結果2

(出典:厚生労働省 平成 28 年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要

母子家庭で自営業の方は、母子家庭全体のわずか「3.4%」に留まっています。

母子家庭のほとんどが、会社勤めなどによる職員や従業員、もしくは、パート・アルバイトなどの職業であることが確認できますよね。

また、平均収入の面で比較しても、明らかに先の質問者の方は高収入です。

これらの理由から、極めて特殊な方であると言い切ることができます。

では、「母子家庭」でかつ「低年収」の方が、住宅ローンの審査を通りやすくするには、どのようなことについて考えておく必要があるのでしょう?

本記事の最後に、「母子家庭」でかつ「低年収」の方が、住宅ローンの審査に通りやすくするための対策方法について、それぞれ個別に解説をしていきます。

3-1.民間の住宅ローンではなく、「フラット35」を利用する

フラット35は、民間金融機関の住宅ローンと異なり、住宅ローンを申し込むための「年収基準」がありません。

従いまして、母子家庭の方であったとしても、「定職に就いている」ことに加え、「安定した収入がある」ということであれば、住宅ローンの申し込みをすることができるのです。

少なくとも、住宅購入のための一歩を踏み出すことができると考えられます。

なお、ここで言う「安定した収入」とは、会社員や公務員といった職業の方であれば、給料やボーナスのことを指します。

自営業やフリーランス(自由業)の方であれば、所得金額(事業で得た利益)のことです。

一般に、住宅ローンの審査におきましては、勤続年数(開業年数)が直近3年分の収入を確認され、希望の借入金額と収入が見合っているかどうかが確認されます。

しかし、フラット35の場合は、一般的に、勤続年数(開業年数)が直近2年分のもので足りるのです。

この2年間の収入が希望の借入金額と見合っているのであれば、住宅ローンの審査において大きな懸念を抱かれない可能性が高くなります。(フラット35は、2年分無くても申し込みをすることは可能ですが、母子家庭で、かつ、低年収であれば、まずもって審査に通るのは難しいでしょう)

重要なポイントは、「長期にわたる住宅ローンの返済を、無理なく滞ることなく返せるかどうか」が見られるところにあります。

その判断として「直近2年から3年の間で、希望の借入金額に見合った収入(所得)があるかどうか」が大切なポイントになるわけです。

3-2.新築住宅だけでなく中古住宅も視野に入れ、なるべく購入しやすい住宅を検討する

住宅ローンは、収入(所得)と借入金額のバランスが極めて重要になります。

母子家庭の方で収入が低い場合には、新築住宅を購入することが難しいこともあるでしょう。

その場合、たとえば、中古住宅や建売住宅の購入も視野に入れることで、住宅ローンの審査に通過しやすくなる可能性が高まります。

3-3.可能であれば、頭金を増やして、希望借入金額を減らす

母子家庭の方で収入が低ければ、毎日の生活で精一杯という方も多いと思われます。

ただ、可能であれば、住宅購入のための頭金を増やしておき、希望借入金額を減らすことが望ましいです。

金利優遇を受けながら、かつ、住宅ローンの審査に通りやすくなるメリットが得られるためです。

3-4.可能であれば、両親に資金援助をしてもらう

住宅ローンを申し込む上で、十分な頭金があることによって、金利優遇や住宅ローンの審査に通りやすいメリットが得られます。

もし、可能であれば、両親などから頭金だけでも資金援助をしてもらうことができれば、相当有利に住宅ローンの審査が進むと考えられます。

なお、両親から住宅取得資金の援助を受ける場合は、原則として贈与税の課税対象となります。

ただ、贈与税法では、住宅取得資金の贈与について税金がかからない取り扱いがあります。

仮に、両親から住宅取得資金の援助をしてもらえるのであれば、あらかじめ税理士などの専門家へ、注意点や適用方法などについて尋ねておくことを強くおすすめします。

まとめ

住宅ローンは、母子家庭の方の職業を問わず、希望の借入金額に対して安定した収入(所得)が見込めることが審査通過の大きなポイントの1つです。

自営業やフリーランス(自由業)といった比較的収入が不安定とされる方でも、金融機関が問題ないと判断した場合は、住宅ローン審査に通ることになります。

母子家庭の場合は、多くの特殊な場合が考えられるため、住宅ローンを融資する側の金融機関としても慎重にならざるを得ないことは確かです。

将来の方向性住宅購入の動機もしっかりと確立させた上で、申し込みをするようにしましょう。

また、できる限り、将来のライフプランや住宅ローンの返済計画は、母子家庭であるからこそ、しっかりと立てておくようにしたいものです。

自営業・個人事業主の方はフラット35が審査に通りやすくておすすめ

自営業の場合、会社員や公務員に比べて審査が通りづらいです。売上によって収入が変動するため、「不安定」という見方をされるからです。

ただし、フラット35(全期間固定金利)であれば話は別です。

民間金融機関の住宅ローンの場合、多くは「年収400万円以上で、安定した収入がある状態でなければ、そもそも申し込みすらできない」といった縛りがありますが、フラット35では、そのような収入に対する審査基準は一切ないからです。

さらに、通常は3年程度必要な過去の業績も、フラット35であれば、半年や1年の業績さえあれば審査への申し込みが可能です。

そのため、フラット35は自営業・個人事業主の方であっても審査に通りやすく、ほとんどの経営者がこれで住宅ローンを組んでいます。

以下に、自営業・個人事業主の方にお勧めのフラット35ランキングがありますので、参考にしていただけますと幸いです。

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