自営業が確実に住宅ローン審査を通すなら親子で借りるのもおすすめ

親子

自営業は、会社員や公務員に比べて住宅ローン審査が通りにくいと言われています。

しかし、事前の対策をしっかりと取っておくことによって、比較的容易に住宅ローン審査へ通過することも可能になります。

たとえば、親と子の収入を合算して住宅ローンを申し込む方法もその1つです。ペアローンやリレーローンといったものが主な代表格になっています。

このようなことを踏まえまして、本記事では、親子で収入合算して住宅ローンを申し込む親子ペアローンや親子リレーローンに焦点をあて、これらのローンの仕組みをはじめ、メリット・デメリットについて幅広く解説を進めていきます。

1.自営業の場合、親子で住宅ローンを利用すると借りやすい

自営業の特徴の1つとして、「店主や創業者が親で、子が後を引き継ぐ」といった流れが多くあると思われます。

このような方々の場合は特に、親子で住宅ローンを利用すると、借りやすいだけでなく、仕事の面でも効率的になる場合があります。

また、自営業には、会社員や公務員と違って定年退職というものがありません。

このため、先のように、店主や創業者が親で子が後を引き継ぐといった流れであったとするならば、金融機関側としては、少なくとも「事業実績が長いものを担保にお金を融資することができる」と考えられます。

あわせて、金融機関側には、以下のメリットがあると考えられます。

  • 親子で住宅ローンを返済し続け、かつ
  • いずれか一方が住宅ローンの返済が滞ってしまったとしても貸し倒れになりにくい

このような理由から、自営業の場合で前述したような特徴がある場合は、特に親子で住宅ローンを利用すると借りやすいと想定されます。

2.親子で利用する住宅ローンは2種類ある

冒頭でもお伝えさせていただきましたように、親子で利用する住宅ローンには「ペアローン」や「リレーローン」といった2種類のローンがあります。

本項では、この2つのローンについて、それぞれ解説を進めていきます。

2-1.親子ペアローン

親子ペアローンとは、同居予定の親子が、1つの住宅を購入する際にそれぞれ別々に住宅ローンを組むことを言います。

親子ペアローンの特徴と致しましては、住宅ローンの契約が親の契約と子の契約の2つに分かれ、親子がそれぞれの名義で1つずつ住宅ローンを組むことになります。

(参考:共働きで住宅ローンを返済するペアローンとは?:メリット・デメリット

2-2.親子リレーローン

親子リレーローンとは、親の住宅ローンを将来、子どもが引き継ぐといった形式の住宅ローンのことを言います。借入時の年齢は、当初の債務者である親の年齢ではなく、「子供の年齢で借入条件を設定できる」ローンになります。

親子リレーローンの特徴は、何と言っても「親の債務を子が引き継ぐ」ところにあります。

ただし、核家族化が進んでいる現代におきましては、親子リレーローンは、あまり利用されることがないのが現状です。

ただ、自営業で親子が同じ仕事をしている場合などには、利用されやすい特徴があるローンともいえます。

また、実際には、親子リレーローンの取り扱いを行っていない金融機関があることから、その需要がいかに少ないかを物語っていると考えることもできると思われます。

(参考:住宅ローンを親子で返済するリレーローンとは:申し込み条件と審査

3.自営業の場合に親子で住宅ローンを利用する場合のメリット

自営業の場合に親子で住宅ローンを利用する場合のメリットは以下の通りです。

3-1.融資してもらえる額を増やしやすい

親子で住宅ローンを利用するということは、親子の収入を合算して住宅ローンを借りられることを意味します。

たとえば、親が高齢で単独での住宅ローンの申し込みが難しい場合などは、有利に話が進められるメリットがあります。

3-2.親子どちらかが会社員なら、審査に通過しやすくなる

仮に、親子の内、どちらかが会社員でどちらかが自営業といった特殊な関係であった場合、年収や所得金額などにも左右されますが、審査に通りやすくなると考えることもできます。

会社員ならではの「安定収入」を見込みやすくなるためです。

3-3.親子の収入を全額合算することができる

金融機関によって異なりがある部分と言えますが、たとえば、フラット35で親子リレーローンを行う場合は、親子の収入を全額収入合算することができます。

フラット35の収入合算

(出典:フラット35 ご利用条件について「収入を合算して申込みできますか。またその場合に条件はありますか。」

ただし、親子の年齢や収入合算額によっては、返済期間が短く短縮されてしまう場合もあります。

このことから、借入金額と返済金額なども含めた返済計画に沿っているかを、検討する必要があるでしょう。

4.親子で住宅ローンを利用する場合のデメリット

親子で住宅ローンを利用する場合に考えられるデメリットは、以下の通りです。

4-1.団体信用生命保険(団信)に親子とも加入する必要がある

通常、団体信用生命保険(団信)に親子いずれも加入する必要があります。

しかし、民間金融機関の場合は、親が団信に加入できない場合が多く見受けられます。

そして、これが原因で、親子で住宅ローンが組めないといった問題も時には生じるのです。

フラット35の場合は、団信の加入が任意となっていることから、親が団信に加入できない場合でも住宅ローンの申し込みは可能です。

しかし、親の債務を子が抱えてしまう懸念を考慮しますと、この部分の「リスクヘッジ対策」が最低限求められることは、言うまでもありません。

4-2.手数料が高くなりやすい

親子ペアローンなどの場合は、親子がそれぞれ住宅ローンを申し込む形となるため、住宅ローンの申し込みにかかる手数料が高くなってしまうデメリットがあります。

そのため、住宅ローンの総返済金額はもちろんのこと、これらの手数料を含めたトータルの比較検討をしながら、返済計画を立てることが重要です。

4-3.借り換えをしにくい

親子で住宅ローンを組むのは、親子が1つの住宅に同居することが前提です。

このためたとえば、親子間のトラブルで家を出てしまうなどの場合で住宅ローン債務が残っている場合は、新たに借入をすることができません。

つまり、住宅ローンの借り換えができないことを意味します。

このほか、特殊な住宅ローンであることから、仮に前述したトラブルがなかったとしても、、借り換えがしにくいデメリットがあります。

5.親子ペアローンや親子リレーローンを利用した場合の返済イメージ

これまで、親子ペアローンや親子リレーローンについての仕組みやメリットおよびデメリットについて解説をさせていただきました。

これらのローンを活用することによって、どのような返済イメージになるのか気になる方も多いと思います。

そこで本記事の最後に、参考情報として以下の3つのパターンについて、それぞれの返済イメージを紹介しておきます。

  1. 親が単独で住宅ローン申し込んだ場合
  2. 親子ペアローンで住宅ローンを申し込んだ場合
  3. 親子リレーローンで住宅ローンを申し込んだ場合

なお、シミュレーションにあたっての前提条件は以下の通りとします。

シミュレーション前提条件

  • 親の年齢:60歳/子の年齢:30歳
  • 借入金額:4,000万円
  • 適用金利:固定金利2%
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし)
  • 返済期間:金融機関が認めた最長年数によるものとする
  • 融資条件:満たされているものとする

5-1.親が単独で住宅ローン申し込んだ場合の返済イメージ

債務者
借入金額 4,000万円
返済期間 19年
1ヶ月の返済金額 211,022円
総返済金額 48,113,105円

住宅ローンには、完済時年齢が設けられており、ほとんどの金融機関で「80歳まで」に設定しています。

このため、現在60歳の親が最長で融資が受けられる返済期間は、19年となります。

5-2.親子ペアローンで住宅ローンを申し込んだ場合の返済イメージ

債務者 親子合計
借入金額 2,000万円 2,000万円 4,000万円
返済期間 19年 35年
1ヶ月の返済金額 105,511円 66,252円 171,763円
総返済金額 24,056,552円 27,826,072円 51,882,624円

ここでは、親子ペアローンを申し込みするにあたって、親子が債務を折半するものとしてシミュレーションしております。

先程も解説しましたように、現在60歳の親が最長で融資が受けられる返済期間は、19年となります。

住宅ローンには、完済時年齢が設けられているためです。

一方、30歳の子は、最長期間で融資が受けられることになるため、返済期間が35年となります。

親子ペアローンは、それぞれの立場や収入に合わせた組み合わせで賢く活用することによって、非常に効果的な住宅ローンになることは確かです。

特に、親の老後にあたるリタイアメントプランや子の将来のライフプランを考えながら検討したいものです。

これを踏まえて、親子ペアローンの一例として、以下、もう1つ参考例を紹介しておきます。

債務者 親子合計
借入金額 1,000万円 3,000万円 4,000万円
返済期間 19年 35年
1ヶ月の返済金額 52,755円 99,378円 155,133円
総返済金額 12,028,276円 41,739,108円 53,767,384円

上記は、親の老後生活を念頭においた親子ペアローンの一例です。親が負担する債務が少ないことが確認できます。

自営業で親子が同じ仕事を行っているという前提であるほか、たとえば、親が亡くなった場合に、「相続で受け取ることができる生命保険の死亡保険金がある」といったイメージで作成しました。

仮に、返済期間が残っている段階で親が亡くなってしまったとしても、親が抱えた債務を死亡保険金でまかなうことができる体制が整っていることや、それ以上に子に負担がかからないような事前対策が求められるプランであるといえます。

このように、親子ペアローンを申し込む時は、親子それぞれの収入と将来のプランを考えながら、どのように債務を負担するのが検討することが重要です。

5-3.親子リレーローンで住宅ローンを申し込んだ場合の返済イメージ

債務者 親子
借入金額 4,000万円
返済期間 35年
1ヶ月の返済金額 132,505円
総返済金額 55,652,145円

親子リレーローンは、「親の住宅ローンを将来、子どもが引き継ぐ」といった形式の住宅ローンです。

借入時の年齢は、当初の債務者である親の年齢ではなく、子供の年齢で借入条件を設定できるローンになりますので、最長返済期間の35年間で借入することができます。

5-4.シミュレーション結果を総括

借入金額がすべて同額であったとしても、親子ペアローンや親子リレーローンによって総返済金額に大きな差が生じています。

このほか、親子ペアローンの債務の振り分けによっても、違いが生じていることがわかります。

当然誰しも「できる限り、返済額は抑えたい」と思いますよね。

ただ、

  • どのタイプの住宅ローンを選び
  • 親子のどちらに重きをおくのか

これらの何を優先するかによって、プランの組み方が変わってくるとお考え下さい。

ただ、実際のところ、住宅ローンの申し込みを希望しているすべての金融機関で「親子ペアローン」や「親子リレーローン」を取り扱っているわけではありません。

このため、これらの方法で住宅ローンを検討している方の選択肢は、自ずと絞られてくるのも確かです。

6.親子で住宅ローンを申し込む場合は、持分割合に注意

ここまで、親子で住宅ローンを申し込む場合に、「親子の収入をそれぞれ合算して申し込むことができる」旨を解説させていただきました。

ここで、気をつけなくてはいけないこととして、「登記をする際の持分割合」があげられます。

たとえば、親子が借入金額4,000万円に対して、それぞれ半分の2,000万円ずつの債務を負担することになった場合を考えてみましょう。

この時、所有権移転登記における持分も「2分の1ずつ」にしておく必要があります。

【所有権移転登記とは】
売買や贈与、または相続などによって、土地や建物の所有権が移転したときに行う登記のことをいいます。

万が一これが異なった場合には、贈与によるものとして贈与税が発生する恐れがあるのです。

また、親子の収入に見合った持分割合に設定していない場合も、同様の取り扱いになります。

このため、この部分は特に注意が必要なポイントになるため、あらかじめ、「贈与による認定を受けないかどうか」を確認しておくことが重要です。

まとめ

本記事では、親子で収入合算して住宅ローンを申し込む親子ペアローンや親子リレーローンに焦点をあて、これらのローンの仕組みをはじめ、メリット・デメリットについて幅広く解説をさせていただきました。

自営業の場合におかれましては、親子が同じ職業を営んでいる場合が多く想定されます。

このような場合であれば、親子で収入合算したローンを検討することで、より大きな住宅を購入することも可能です。

その一方、親子が同居していなければならない条件もありますので、親子間はもちろん、夫婦間の話し合いも重要になります。

あわせて、連帯債務や連帯保証といった関係性も生じるほか、固定資産税やその他のランニングコストについても明確にしておかなければ、後々のトラブルにもなり兼ねません。

この辺も含めた上で、メリットおよびデメリットを加味しつつ、検討することが大切です。

自営業・個人事業主の方はフラット35が審査に通りやすくておすすめ

自営業の場合、会社員や公務員に比べて審査が通りづらいです。売上によって収入が変動するため、「不安定」という見方をされるからです。

ただし、フラット35(全期間固定金利)であれば話は別です。

民間金融機関の住宅ローンの場合、多くは「年収400万円以上で、安定した収入がある状態でなければ、そもそも申し込みすらできない」といった縛りがありますが、フラット35では、そのような収入に対する審査基準は一切ないからです。

さらに、通常は3年程度必要な過去の業績も、フラット35であれば、半年や1年の業績さえあれば審査への申し込みが可能です。

そのため、フラット35は自営業・個人事業主の方であっても審査に通りやすく、ほとんどの経営者がこれで住宅ローンを組んでいます。

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