住宅ローンの完済時年齢に年齢制限(平均80歳未満)がある理由

住宅ローンの審査には、それぞれ審査項目が個別にあるのですが、その中でも「完済時年齢」は、多くの住宅ローンを取り扱っている金融機関が、最優先で審査する項目である統計がある程、重要です。

そして、完済時年齢には年齢制限が設けられていることから、これから住宅ローンの申し込みを検討されている方にとってみますと、完済時年齢の対策をあらかじめ施しておくことは重要です。

そこで本記事では、住宅ローンの完済時年齢に年齢制限がある理由と対策方法について幅広く解説を進めていきます。

1.住宅ローンは何歳まで借りられるのか?(完済時年齢)

多くの金融機関では、住宅ローンの「借入時」や「完済時」に年齢制限を設けておりますが、この理由は、住宅ローンを融資する金融機関側、住宅ローンの融資を受ける私たちの双方にとって望ましいとされる理由が関係しています。

本項では、この理由について少しずつ項目を分けて紐解いていきたいと思います。

1-1.なぜ、完済時年齢の制限は平均80歳に緩和されてきたのか?

住宅ローンの完済時における年齢は、その昔、70歳程度であったという歴史が存在しますが、現在(平成29年8月)では、ほとんどの金融機関で完済時年齢が80歳程度になっています。

この理由として考えられるものの1つに、「収入の低下」があります。

一昔前のように夫が外で働きに行って、妻が専業主婦で家を守るといった時代が変化し、夫婦共働きによる世帯が増加してきています。

これは言うまでもなく、「不況」や「収入(給料)の低下」といった原因が考えられ、要は1人の収入で住宅購入をすることや住宅ローンの借入を1人の信用で金融機関から得るのが難しくなっている時代背景があるからだと考えられます。

そのため、住宅ローンが借りやすくなる措置の1つとして完済時年齢を80歳程度に設定することで、ある程度、年齢を重ねることになったとしても、大きな返済金額を負担することなく、多くの人が住宅ローンを借りられる利便性が構築されたと考えることができます。

年功序列のように、長く勤めれば、勤める程、給料が上がるといった時代ではなくなり、年齢が若くても、仕事ができる実力を持っている場合や持ち合わせているスキルによって収入に大きな差が生じる現代におきましては、たとえ、30代から50代といった働き盛りであったとしても収入の少ない方が多い現実があることも重く受け止めておく必要があります。

1-2.住宅ローンの借入年数は完済時年齢から逆算して考える方法もある

一般に、住宅ローンの借入年数は、現在の年齢から将来のライフプランを考慮して完済時年齢を設定することが望ましいのですが、返済金額の観点から考慮しますと、返済期間をできる限り長く設定することで、1ヶ月に返済する金額を少なく抑えられる仕組みとなっています。

そのため、あくまでも住宅ローンの融資条件として設定されている完済時年齢について条件が満たされているのであれば、返済金額が少なくなるように長く設定する方が多いのもまた事実でしょう。

実際のところ、住宅ローンの借入年数を、完済時年齢から逆算して考えるといった方法もあり、たとえば35年ローンを組む場合、完済時年齢に多く設定されている80歳から35年を差し引いて、遅くとも45歳までにローンを組まなければいけないといった考え方もあります。

どちらの考え方も正しいですので、あくまでも自分たちの理想としている返済に合わせて借入年数を決定することが重要です。

1-3.老後のことも考慮した完済時年齢にしなければ破綻する

住宅ローンの返済は、退職時や年金支給前など、大きなライフイベントを迎える時を1つの目途として完済できることが望ましいとされます。

そのためには、たとえ、完済時年齢が80歳近くであったとしても、返済計画をしっかりと立てた上で、より早く完済できるように普段から計画的にお金を貯めることや繰上償還を定期的に実行するなどの工夫が必要になると考えることができます。

1-4.完済時年齢が高すぎると、審査に通りづらくなる場合も

実のところ、住宅ローンの審査項目の内、完済時年齢は多くの金融機関で最優先審査項目としてあげているところが多いといった国土交通省の統計があります。

参考:平成28年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書

つまり、多くの金融機関では、融資した住宅ローンについて、80歳程度を限度として、できる限り早期の回収を目標としていることを読み取ることができますが、職業や収入状況なども含めて、極端に高齢にならない程度で完済される年齢であるかどうかを確認しているものと推測されます。

大まかな例として、会社員や公務員であれば定年退職と同時に退職金が支給されることが一般的ですので、そのお金の一部でも住宅ローンの返済に回してもらえると予測していることも考えられます。

一方、自営業者は原則として退職金がない一方で、職種によっては高齢であっても安定した返済が見込まれる予測も成り立つでしょう。

このように、ケース・バイ・ケースで判断されるものとなりますが、いずれにしましても完済時年齢が高すぎると審査に通りづらくなる場合もあるのは否めませんので、注意が必要となることも視野に入れておきたいものです。

1-5.個人事業主・自営業者も完済時年齢は同じ

個人事業主や自営業者であっても、完済時年齢は同じです。借り入れできる年齢には限りがあるため、できる限り早く申し込みましょう。

2.住宅ローンの理想的な完済時年齢とは?

住宅ローンの理想的な完済時年齢とは、「節目のライフイベントを迎える年齢」であることが望ましいと思います。

分かりやすい例ですと、60歳時の定年退職や65歳時の公的年金の支給開始といった、いずれかのライフイベントがイメージを持ちやすいと思います。

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仮に、定年退職をして同じ職場に再雇用される場合や公的年金の支給が開始されますと、従来の収入よりも少なくなってしまうことが一般的であるため、現役の時と同様の住宅ローンの返済を続けていくことは大きな負担となってしまいます。

また、年齢も高齢になってきていることもあり、医療や介護といったことにお金が多く費やされる場合、住宅ローンが残っている精神的な負担は大きいとも考えられます。

このようなことを踏まえますと、節目となるライフイベントが終了した後の将について、余裕を持った生活を送れることが最も望ましいことなのではないでしょうか?

2-1.中高齢で住宅ローンを申し込む場合の注意点

通常、住宅ローンは、年齢が若い方ほど、融資が有利に進めてもらえるといった話を耳にしますが、住宅ローンを取り扱っている金融機関の多くが、完済時年齢を重視している事情を踏まえますと、さほど大きく誤っていることであるとは言い難いと思われます。

とはいえ、住宅ローンの申し込みを中高齢で行う方も中にはおられることから、本項では、中高齢で住宅ローンを申し込む場合の注意点についていくつか要点を絞って解説を進めていきます。

2-1-1.返済期間を短く設定しなければならない懸念が生じる

中高齢で住宅ローンを申し込む場合は、時として金融機関が設定している完済時年齢を超えてしまう懸念が生じてしまうことから、それに伴って、どうしても返済期間を短く設定しなければならない場合があります。

この場合、トータルで返済する総返済金額は少なくて済むことになる一方で、1ヶ月の返済金額が大きくなってしまうため、返済計画や資金計画をよりしっかりと立てておくことが重要になります。

2-1-2.団体信用生命保険に加入しづらくなる懸念が生じる

団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が「死亡」、あるいは「高度障害状態」になったときに、保険会社から支払われる保険金で残ローンを全額支払ってくれる生命保険のことを指します。

民間金融機関の場合、団体信用生命保険に加入できる「健康状態」でない場合、住宅ローンの融資がされることがないため、中高齢の場合は、若年者に比べて健康状態にどうしても懸念を抱かれてしまうことがあります。

団体信用生命保険の加入審査は、金融機関と提携している保険会社が行うことになりますが、実際に問われる内容はさほどハードルが高いものではありませんので、よっぽどひどい場合やタイミングが悪い場合を除き、極端に懸念することではないと考えることもできます。

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3.完済時年齢を短縮する方法

住宅ローンの完済時年齢を短縮するための方法としては、「繰上げ返済を上手に活用する」方法や「住宅ローンの返済期間を短くする」方法が考えられます。

以下、それぞれの方法について解説を進めていきます。

3-1.繰上げ返済を上手に活用する

住宅ローンの返済を短縮させるためには、繰り上げ返済を上手に活用する方法は、とても効果的です。

住宅ローンを借りている金融機関によっては、繰り上げ返済手数料が徴収されてしまう場合も見受けられますが、基本的には、利息の軽減と返済期間の短縮を同時に図れる方法であるため、無理のない範囲内で積極的に活用したいものです。

3-2.住宅ローンの返済期間を短くする

住宅ローンの完済時年齢を短縮させるためには、住宅ローンを申し込む際の返済期間を短く設定することで対策が図れます。

実際には、住宅ローンの融資が受けられる年齢によって完済時年齢の基準が満たされているか確認することが必要となりますが、住宅ローンの返済期間を短くすることによって、基準となる住宅ローン完済時年齢から年齢が離れることになるため、融資をする金融機関側としてはプラスに見ると考えることもできます。

ただし、返済期間が短くなるということは、毎月の返済金額が大きくなることを意味しますので、この返済金額が、「返済負担率」といった住宅ローン審査の基準をしっかりと満たしているかどうかの確認も必要になってくると考えることができます。

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まとめ

本記事では、住宅ローンの完済時年齢に年齢制限がある理由と対策方法について幅広く解説を進めさせていただきました。

住宅ローンを申し込む方のすべてと言っても決して過言ではありませんが、やはり返済金額や金利について特に気になる方が多いことを踏まえますと、これらに関係する「完済時年齢」と「最長返済期間」について改めて確認しておくことが大切です。

住宅ローンの最長返済期間は、たいてい35年間となりますが、返済期間を長く設定して、住宅ローンの余裕を持った返済と節目のライフイベントを迎えた時に完済するくらいのしっかりとした返済計画を立てておくことが望ましいことは確かです。

逆に一度、短く設定した後に、延長することは原則としてできませんので、この辺の注意点も踏まえた上で、完済時年齢と返済期間、および返済金額についてよく検討して頂くことを強くおすすめ致します。