自営業の住宅ローンの借入可能額はいくら?目安と上限、計算方法

住宅ローンを検討されている方の中には、「自分がいくらまでなら住宅ローンを借入することができるのか?」といった借入可能額を気にする方が多くおられます。

特に、自営業の方であれば、会社員や公務員と異なって、毎年の収入が上下変動することに加え、収入の見通しが立てづらいこともあるため、借入可能額を計算する上におきましては、少々複雑な計算が求められることもあります。

そこで本記事では、自営業の方で、かつ、これから住宅ローンの申し込みを検討されている方を対象に住宅ローンの借入可能額について計算方法や対策方法など幅広く解説を進めていきます。

1.自営業で住宅ローンを利用する場合における、借入可能額のポイント

自営業で住宅ローンを利用する場合、借入可能額を計算する上で大切なこととして、以下の2つのポイントがあげられます。

  1. 借入金額に対して十分な所得金額があること
  2. 引き戻し計算をした後の所得を下に借入可能額を計算する

「借入金額に対して十分な所得金額があること」とは、自営業にとって所得金額は、いわば事業で得た儲け(利益)にあたり、この利益が、住宅ローンの返済原資となることから、完済までの長い期間を通じて、「借入金額に対して十分な所得金額があること」が融資条件として当然に求められることを意味しています。

つまり、自営業の方が住宅ローンの融資を受けるためには、売上がいくら多くても関係はなく、あくまでも事業の利益にあたる十分な所得金額があることを前提としており、これは、黒字でなければならないことを意味しているわけです。

一方、「引き戻し計算をした後の所得を下に借入可能額を計算する」とは、自営業の場合、以下のような特殊な事情が十分に考えられ、これらの特殊事情がある場合の所得金額は、通常、引き戻し計算がなされることになります。

  • 確定申告をする際に青色申告者として申告をしており「青色申告特別控除額65万円」の適用を受けている
  • ご自身の事業に配偶者や親族などを専従者として雇い、給料を支払っている
  • 減価償却費を計上している

なお、引き戻し計算の具体的な計算方法や考え方につきましては、同サイト内で詳しく紹介している記事がありますので、本記事では解説を割愛させていただきますので、そちらの記事を確認されてみることを推奨致します。

自営業の住宅ローン審査と所得や売上、収入、年収の関係性を解説

2018.03.31

2.住宅ローンの借入可能額は、シミュレーターを利用して簡単に計算できる

住宅ローンの借入可能額は、今やどこの金融機関でも無料でシミュレーターを公開しており、誰でも簡単に試算できる仕組みになっています。

たとえば、住宅金融支援機構が取り扱っている長期固定金利の住宅ローン「フラット35公式サイトのシミュレーション」は、以下のようになっており、数値を入力することで簡単に借入可能額を導き出すことができます。

flat35借入可能額

参考:フラット35・年収から借入可能額を計算

仮に、自営業の方が、これからフラット35で住宅ローンの申し込みを検討しているものとし、以下の前提条件であった場合、借入可能額がいくらになるのかについて確認してみましょう。

シミュレーション前提条件

  • 所得金額(年収):600万円
  • 融資金利:2.0%
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等
  • 他の借入金:自動車ローンの返済として毎月3万円(ボーナス払いなし)があるものとします
flat35借入可能額flat35借入可能額

前提条件をシミュレーターに入力し、「計算する」を押すことによって、シミュレーターの上部に計算結果が表示されます。

flat35借入可能額

計算結果に表示された4,377万円という借入可能額とは、あくまでも概算値です。

すべての金融機関で有効な数値ではないことをはじめ、フラット35を申し込めば、必ず4,377万円までの融資がなされるといったものでもありませんので注意が必要です。

3.シミュレーターからより具体的に借入可能額を計算する方法

前項で紹介した借入可能額は、目安の金額であり、より具体的に借入可能額を計算したいと考えている方は、以下のように計算することで数値を導き出すこともできます。

計算式

  1. ご自身の年収(自営業の場合は所得金額)×返済負担率=1年間の総返済金額
  2. 1の計算結果-既存の借入金額=1年間で返済する住宅ローンの総額
  3. 2の計算結果÷12ヶ月=1ヶ月あたりの住宅ローン返済金額
  4. 3の計算結果÷100万円あたりの返済金額×100万円=具体的な借入可能額

前項で紹介した例と同じ前提条件で計算した結果は、以下の通りです。

補足

返済負担率とは、無理なく返済できる返済額の比率のことをさします。返済負担率が高くなると、住宅ローン審査に通りづらくなるので注意しましょう。詳しくは、以下のコンテンツをご覧ください。

住宅ローンの毎月々の返済金額平均と年収に見合う返済負担率とは

2017.02.22

シミュレーション前提条件

  • 所得金額(年収):600万円
  • 融資金利:2.0%
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等
  • 他の借入金:自動車ローンの返済として毎月3万円(ボーナス払いなし)があるものとします
  • 返済負担率:20%(余裕を持った返済をしたいことを考慮)
  1. 600万円×20%=120万円
  2. 120万円-36万円(自動車ローン年間返済金額)=84万円
  3. 84万円÷12ヶ月=7万円(1ヶ月あたりの住宅ローン返済金額)
  4. 100万円を借りる場合の、金利2.0%、返済期間35年だとすると「月3,313円」となる
  5. (7万円÷3,313円)×100万円=21,128,886円(具体的な借入可能額)

前項で紹介した概算借入可能額と比較すると、いかに、概算すぎるかがおわかりになると思います。

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シミュレーターの借入可能額実際の借入可能額
4,377万円約2,113万円

シミュレーターと具体的な借入可能額の差額は、「約2,264万円」になります。

ここでは、かなり余裕を持った返済をしたいと希望されている前提で、返済負担率を20%で紹介をさせていただきました。

しかし、住宅ローンを将来に渡ってどのように返済していきたいのか、借入金額を優先した申し込みをしたいのかなどによって、シミュレーションの試算結果が異なることになります。

いずれの場合であったとしても、住宅ローンは、長い間、返済し続けていかなければならない借金です。

そのため、無理をしないで返済を続けていけるような余裕を持って、住宅ローンの申し込みをする必要があることは言うまでもありません。

このような理由から、仮に、自営業であって、これから住宅ローンを利用する場合、借入可能額の目安というものは存在せず、あくまでもご自身が借りたい金額をご自身で決定し、その金額を実際に借りられるのかどうかによって借入可能額のシミュレーションを活用するように心掛けて下さい。

4.住宅ローンの借入可能額をできるだけ上げるためには?

住宅ローンの借入可能額を上げるということは、住宅ローンの審査に通りやすくすると考えることもでき、本項では、そのためにできる対策方法について解説を進めていきます。

4-1.フラット35の場合、団体信用生命保険をつけず、民間の生命保険を利用する

一般に、住宅ローンの融資を受けるためには、住宅ローンの申込者(債務者)が「団体信用生命保険」に加入できる健康状態であることが融資条件として求められます。

これは、住宅ローンの申込者(債務者)の健康状態が良好であることを意味し、住宅ローンの申し込みにおいて収入に申し分がなかったとしても、健康状態に問題がある場合は、住宅ローン審査に通過できない可能性が高まることを意味します。

ちなみに、団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が「死亡」、あるいは「高度障害状態」になったときに、残っている住宅ローンの残債と保険金を相殺することによって、保険会社が残ローンをあなたに代わって全額支払ってくれる保険のことをいいます。

団体信用生命保険のイメージ

ただし、フラット35の場合は、団体信用生命保険に加入することが「任意」の取り扱いとなっていることから、団体信用生命保険の代わりに、生命保険会社が取り扱っている定期保険や収入保障保険などに加入することによって、万が一のリスク回避対策を取ることが可能になっています。

現在、フラット35で住宅ローンの申し込みを行う場合におかれましては、団体信用生命保険に加入する場合、金利が上乗せされる仕組みとなっていることから、結果として、フラット35で団体信用生命保険に加入するということは、毎月の返済金額が増加し、完済までの総返済金額も増加することになります。

この結果、返済負担率が増加し、借入可能額が少なくなってしまうことになるため、フラット35で住宅ローンを申し込む場合は、生命保険会社が取り扱っている定期保険や収入保障保険などに加入することによって、借入可能額を増加させるのも一策でしょう。

4-2.配偶者もしくは両親の収入も合わせて、住宅ローンに申し込む(収入合算)

配偶者、もしくは両親の収入も合わせるイメージ

出典:価格.COM・住宅ローンを借り入れ希望額まで増やす3つの方法より引用

住宅ローンは、本人1人の収入で申し込むよりも配偶者や両親の収入を合算して申し込みをした方が、借入可能額が増加し、かつ、住宅ローンの審査に通過しやすいメリットが得られます。

いわゆる「連帯債務者」として住宅ローンを共有で借入することができれば、本人と配偶者もしくは両親の双方が住宅ローン控除も受けられることになり、節税といった面においてもメリットが得られることになります。

なお、収入合算をする際の注意点として、合算対象者の収入をすべて合算できるわけではないこと、収入合算者の個人信用情報に問題があった場合は収入合算することができないことなどがありますので、この辺には注意が必要です。

ちなみに、自営業で、かつ、配偶者が専従者として働いている場合で、節税対策のために多くの専従者給与を支払っている場合におかれましては、この方法を賢く活用することで大きな効果が期待できると考えられます。

4-3.確定申告では税金対策よりも、所得を増やすことを重視する

借入可能額を増加させるためには、営んでいる事業において「売り上げを増加させる」か「経費を減らす」かのいずれかを実践することができれば、結果として所得金額が増加することになるため、借入可能額が増加することになります。

ご自身でどちらの方法がコントロールできるのかを考え、対策を取っておくことが大切です。

4-4.自動車ローンやリボ払いを完済しておく

借入可能額のシミュレーションでも解説をさせていただきましたが、自動車ローンやリボ払いなどの借金の返済や分割払いの代金などをあらかじめ完済しておくことによって、借入可能額が増加する効果が期待でき、結果として住宅ローンの審査に通過しやすくなります。

自営業であれば、事業にかかる借入金もある場合も考えられるため、現在抱えている借金の内容を精査し、優先順位を決めて借入金の整理をする対策が大切です。

自営業で借金がある状態で住宅ローン審査へ申し込む場合の注意点

2018.03.31

まとめ

本記事では、自営業の方で、かつ、これから住宅ローンの申し込みを検討されている方を対象に借入可能額について計算方法や対策方法などについて幅広く解説をさせていただきました。

住宅ローンの借入可能額を増やすための対策というのは、結果として住宅ローンの審査に通過しやすくなるための対策と考えることもできますから、できる部分から実践し、住宅ローンの申し込みに備えてみることをおすすめ致します。

ちなみに、本記事では、シミュレーターを活用した借入可能額と具体的な借入可能額の計算といった2つの方法について紹介をさせていただきましたが、どちらも面倒だと感じている方であれば、FPや住宅ローンアドバイザーといった専門家へ相談されてみてはいかがでしょうか。

専門家に対して報酬を支払ってまで相談をしたくないといった方であれば、借入可能額とよく間違われる「返済可能額」についてご理解いただくことを強く推奨致します。

返済可能額は、住宅ローンをいくらまでなら返していくことができるのか?といった考え方であり、実のところ、住宅ローンの返済を考える上で、「借入可能額ではなく返済可能額で考えなければならない」といわれています。

そのため、住宅ローンを完済まで無理なく返済し続けていくためには、借入可能額だけではなく返済可能額も理解しておくことが重要なのです。

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