契約社員や派遣社員の住宅ローン審査と銀行選び:フラット35が有力

契約社員や派遣社員といった職業である場合、少なくとも住宅ローンの審査において不利な状況を招く場合や融資が懸念されてしまうことは確かです。

これは、住宅ローンを融資する金融機関が、住宅ローンの審査で重視するポイントとして以下のような審査項目があげられるためです。

  • 雇用の安定
  • 年収
  • 返済比率
  • 自己資金の有無

上記項目の他にもまだまだ細かな審査ポイントがあるのですが、「雇用の安定」といった非常に重要視される審査項目において、契約社員や派遣社員は、確実にあてはまるとは残念ながら言えません。

とはいえ、契約社員や派遣社員という職業であったとしても、住宅ローンの審査が厳しくなるものの、融資が実行されるといった道があることも確かです。

そこで本記事では、契約社員や派遣社員の住宅ローン審査と銀行選びに焦点をあてた解説をわかりやすく進めていきます。

1.契約社員や派遣社員でも住宅ローンの審査が通り、家を買える可能性はある

はじめに、本記事の結論となりますが、契約社員や派遣社員でも住宅ローンの審査が通り、家を買える可能性はあります。

住宅ローンの審査で重要なことは、冒頭でも紹介した住宅ローンの様々な審査項目をいかに満たしているか、仮に、融資に懸念要素があったとしても、融資をしても総合的に問題がないといった与信判断を申し込んだ金融機関から受けることになります。

以下、これから紹介する質問は、住宅ローンの審査に通らなかった方の質問内容になりますが、どのような部分に問題があるのか、失敗事例から確認していきましょう。

なお、質問内容にナンバーを振って赤で記したものは、ポイントになる部分となりますので、それぞれ解説を綴っていきます。

質問内容

住宅ローンがどうしてもとおりません。

①大手製造業で契約社員として勤務しています。はじめは無知で、これでもローンが通ると思っていました。(事実、同僚がとおっている)

大手住宅メーカーで一回目の審査をしたところ、「契約社員ではないですか?」といわれ、
これではローンは難しいといわれました。このとき、複数の保証会社に審査をかけたのですが、すべて駄目でした。

そのあと別の不動産会社へいき、②契約社員であることを伏せて審査にかけてもらいました。結果は否決。

その9ヵ月後、また別の不動産会社でまた③正社員と偽って審査にかけたのですが、これも否決。

④この一連の否決は、同じ理由によるもの(契約社員であること)なのでしょうか? それとも、「偽っていたこと」がなにかに記録されて、保証会社に信用されていないからなのでしょうか?

もしそうなら、保証会社には審査時の否決理由や、個人情報など残っていると言うことなのでしょうか?

⑤過去に金融関係でブラックリストにのったことがあります。でもそれは解決してからもう12年ほどたっています。事故もありません。

この先、住宅ローンを組むにはどうしたらよいのでしょうか?

⑥自分では、正社員で年収300万以上の仕事に転職し、3年くらいしてもういちど住宅ローンにチャレンジしようと考えています。そのときは43歳になってしまいますが・・

審査や保証のことについて詳しい方、教えてください

出典:ヤフー知恵袋・住宅ローンがどうしてもとおりませんより改編・引用

質問内容から考えられる見解と注意点

大手製造業で契約社員として勤務しています。はじめは無知で、これでもローンが通ると思っていました。(事実、同僚がとおっている)

A.住宅ローンの審査は、職業で決まるものではありませんが、少なくとも契約社員は、非正規労働者であり、雇用の安定や収入の安定を考えた時、融資の懸念要素になります。

また、住宅ローンは、申し込んだ人ごとに個別に審査されるものになることから、同僚が通っているから自分も通るなどといった甘いものではないことは言うまでもありません。

契約社員であることを伏せて審査にかけてもらいました。

A.住宅ローンの審査を受けるにあたり、虚偽をすることは大変厳しい表現となりますが、論外です。必ず融資実行前に発覚することになります。

正社員と偽って審査にかけた

A.②と同様の見解になりますが、住宅ローンの審査に通った後に確認されることの1つに「在籍証明や在籍確認」があります。

要は、勤務先でいつから働いて、現在も働いているのかといったものを確認されるということです。

正社員と偽って住宅ローンの審査に通ることができたとしても、前述した確認で偽ったことが発覚し、融資見送りとなるのが目に見えます。

この一連の否決は、同じ理由によるもの(契約社員であること)なのでしょうか?

それとも、「偽っていたこと」がなにかに記録されて、保証会社に信用されていないからなのでしょうか?

A.契約社員といった理由も住宅ローンの審査に落ちた理由の1つとして否定をすることはできませんが、事前審査や仮審査に落ちた履歴は、数ヶ月間残ることになっています。

ただし、これまでの見解と質問内容の総合的な内容からして、致し方のない結果であったと言わざるを得ないのも事実です。

過去に金融関係でブラックリストにのったことがあります。でもそれは解決してからもう12年ほどたっています。事故もありません。

A.過去にブラックリストにのったことがあった場合でも、住宅ローンの融資を受けることができます。

質問者様の場合は、12年が経過し金融事故もないといったことであれば、この理由で住宅ローンに落ちることはないため、別の部分に問題があると考えられます。

自分では、正社員で年収300万以上の仕事に転職し、3年くらいしてもういちど住宅ローンにチャレンジしようと考えています。そのときは43歳になってしまいますが・・

A.こちらの内容から、質問時点で40歳、かつ、年収は300万円以下であるということが推測できます。

住宅ローンの申し込み内容が記載されていないことから断定することはできませんが、おそらく、年収に見合った借入金額ではなかったために、審査に通らなかった可能性が高いと思われます。

一般に、民間金融機関では、住宅ローンの申し込み要件として年収要件を定めている場合も多く、質問者様のように低年収の場合は、そもそも最初から要件に該当しないといったことも十分に考えられます。

では、契約社員や派遣社員でも住宅ローンの審査が通り、家を買うためにはどのようにすれば良いのでしょうか?

2.契約社員や派遣社員の住宅ローン借り入れはフラット35がオススメな2つの理由

仮に、契約社員や派遣社員など、民間金融機関が取り扱っている住宅ローンの審査条件にあてはまらなかったとしても、住宅金融支援機構が取り扱っている長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の場合、融資の審査が通り、住宅ローンの借り入れができる可能性があります。

以下の2つの理由があるからです。

  1. フラット35は、雇用体系(職業)による融資条件を設けていない
  2. フラット35は、年収よりも返済負担率が重視されている

一般に、会社員や公務員といった給料を貰っている方に比べて、自営業者など収入が比較的不安定とされる職業の方であったとしても、このようなパターンに該当する場合が多々あり、契約社員や派遣社員といった職業であったとしても、フラット35は、比較的審査に通りやすい特長があります。

本項では、その理由について解説を進めていきます。

2-1.フラット35は、雇用体系(職業)による融資条件を設けていない

フラット35では、主な申込要件として以下のような要件を定めており、契約社員や派遣社員といった雇用体系(職業)による融資条件を設けていないため、あくまでも、フラット35で規定している申込要件にあてはまっている場合は、「申込みが可能」です。

  1. 申込時の年齢が70歳未満である
  2. 日本国籍である
  3. 返済比率が一定割合以下である(2-2を参照)

参考:フラット35・ご利用条件

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2-2.フラット35は、年収よりも返済負担率が重視されている

フラット35では、住宅ローンの融資を受けるための最低年収といった制限はなく、こちらにつきましては、ホームページで明確に回答をしております。

参考:フラット35・ご利用条件について~Q.年収による融資額などの制限はありますか

ただし、年収に見合った返済負担となるように融資額を設定する必要があることから、契約社員や派遣社員といった職業であったとしても、ご自身の年収に応じた借入金額で申し込まなければ、フラット35の審査に通らないことを意味します。

フラット35の具体的な融資基準は、以下の通りです。

年収400万円未満400万円以上
基準30%以下35%以下

前項で紹介した質問の例で考えてみますと、年収は300万円以下と推定されることから、返済負担率は「30%以下」にあてはまっていなければ、フラット35の審査に通ることは確実にありません。

仮に、年収が250万円でフラット35の融資基準にあてはまるための返済負担率は、以下のように計算されます。

  • 1年間の返済金額上限:250万円 × 30% = 75万円
  • 1ヶ月あたりの返済金額:75万円 ÷ 12ヶ月 = 62,500円

上記の返済金額は、住宅ローンの返済金額のほか、自動車ローンやその他の借入金額も含めた上で計算されることから、これらの借入がある場合は、さらに上限金額が少なくなることになります。

参考までに以下、2つのパターンからフラット35に申し込むことができるのかどうかをシミュレーションして紹介します。

パターン1

年収:400万円
借入予定の住宅ローン金額:2,500万円
返済予定年数:35年
金利:2.0%
元利均等返済、ボーナス返済なし

年収400万円の場合は、年収400万円以上にあたり、返済負担率は「35%以下」であることが求められます。

このときの計算方法は、以下の通りです。

  • 1年間の返済金額上限:400万円 × 35% = 140万円
  • 1ヶ月あたりの返済金額:140万円 ÷ 12ヶ月 ≒ 116,666円

上記の返済条件ですと1ヶ月あたりの返済金額は、82,815円となることから、116,666円の範囲内であり、基準を満たしているといった考え方になります。

パターン2

年収:350万円
借入予定の住宅ローン金額:2,000万円
返済予定年数:35年
金利:2.0%
元利均等返済、ボーナス返済なし

年収350万円の場合は、年収400万円未満にあたり、返済負担率は「30%以下」であることが求められます。

このときの計算方法は、以下の通りです。

  • 1年間の返済金額上限:350万円 × 30% = 105万円
  • 1ヶ月あたりの返済金額:105万円 ÷ 12ヶ月 = 87,500円

上記の返済条件ですと1ヶ月あたりの返済金額は、66,252円となることから、87,500円の範囲内であり、基準を満たしているといった考え方になります。

なお、同条件で借入予定の住宅ローン金額を2,700万円にしますと、1ヶ月あたりの返済金額が89,440円となり、87,500円の上限をオーバーしていることから借入不可といった判定がなされることになります。

3.契約社員や派遣社員が、フラット35の審査に通りやすくなるためのポイント

契約社員や派遣社員といった職業であれば、そもそも最初から民間金融機関の住宅ローンの申し込みができないといった土台にすら上げてもらえない懸念は否めません。

そこで本項では、契約社員や派遣社員が、フラット35の審査に通りやすくなるためのポイントについて解説を進めていきます。

3-1.できる限り、頭金を用意しておくことに越したことはない

こちらにつきましては、契約社員や派遣社員といった職業を問わず、住宅ローンの申し込みを検討しているすべての方に共通することですが、できる限り、頭金を用意しておくことに越したことはありません。

現在、住宅ローンの融資を受けるためには、ある程度まとまった頭金というものが必ずしも必要になっておりませんが、フラット35では、頭金を用意しておくことで通常の金利よりも金利優遇を受けられるメリットがあります。

aruhiスーパーフラットの特徴

出典:ARUHI 住宅ローン・ARUHIスーパーフラットより引用

上記は、ARUHIのサービスとなりますが、ARUHI(https://www.aruhi-corp.co.jp/)の場合、頭金を2割以上用意すると、さらに金利が低くなるフラット35を特別に用意しています。

フラット35を取り扱っている金融機関によって、このようなサービス内容が様々あることから、フラット35で住宅ローンを検討されている方は、金融機関のホームページなどで確認してみることをおすすめ致します。

3-2.夫婦、あるいは親子での収入合算やペアローンを活用する

仮に、職業が契約社員や派遣社員であったとしても、夫婦、あるいは親子での収入合算やペアローンを活用することによって、住宅ローンの審査に通りやすくなることは確かです。

この時、民間金融機関の住宅ローンであるのか、住宅金融支援機構のフラット35であるのかといった住宅ローンの種類をはじめ、夫が契約社員や派遣社員なのか、妻が契約社員や派遣社員なのか、夫婦いずれも契約社員や派遣社員なのかによっても審査における取り扱いは異なってくると考えられます。

男女間における性別によって住宅ローンの審査に影響は生じないとされつつも、女性は、出産し産休および育休による収入減少が起こり得る可能性があることを踏まえますと、収入合算やペアローンを活用するにあたり、少なくとも男性は正規労働者である方が望ましいと思われます。

4.契約社員や派遣社員における住宅ローン審査の注意点

本記事の最後に、契約社員や派遣社員における住宅ローン審査の注意点について解説していきたいと思います。

これまでの解説において、契約社員や派遣社員であったとしてもフラット35の申し込みはできることを伝えてきましたが、「あくまでも、申込みができるだけであって、住宅ローンが確実に組めるわけではない」ことを念頭に入れておくようにして下さい。

4-1.勤続年数が短すぎるのはNG

こちらは、契約社員や派遣社員に限ったことではありませんが、職業に就いてからの勤続年数が1年未満などの場合は、審査をしてもらうことが難しくなります。

フラット35の場合は、過去2年分の源泉徴収票や確定申告書の提出が求められることから、少なくとも2年程度は勤務しており、就業して3年目といったことが1つのボーダーとなると思われます。

4-2.転職は慎重に考えつつ、正規労働者として雇われる予定があるのか確認しておきたい

契約社員や派遣社員といった非正規労働者で、そのまま同勤務先から正社員登用を受けられるのが最も望ましいのですが、仮に、他社へ正社員として転職した場合におきましても、前述した勤続年数が浅いと見られることになりますので、注意が必要です。

正社員で勤続年数がある程度あれば、少なくとも何の懸念も持たれずに審査に臨めることは確かでしょう。

まとめ

通常、契約社員や派遣社員といった職業の場合、民間金融機関の住宅ローン審査は厳しいのが現実ですが、フラット35を活用することで住宅を買うことができる道はあります。

ただし、契約社員や派遣社員という立場であれば、少なくとも年収はさほど多いとは言えない部分もあることから、住宅ローンの審査に通ることに対して念頭を置くのではなく、将来に渡って「無理なく住宅ローンが返済できること」を前提として住宅ローンの返済計画を立てることが重要です。

年収が低いとされるからこそ、この辺の対策はとても重要であり、できる限り、FPや住宅ローンアドバイザーといった専門家の力を借りながら、確実な住宅ローンの審査通過と返済計画を手にしたいものです。

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