住宅ローンの借り入れ・借り換え審査は勤続年数1年未満でもOK?

巷では、「住宅ローンの新規借入や借り換え審査は勤続年数1年未満でもできるのか?」といった疑問が飛び交っています。中には、「勤続年数が短くても借りれます!」といっているサイトもあるため、どれが正しい情報なのか迷ってしまいますよね。

しかし、結論から申し上げると、勤続年数が1年未満であったとしても住宅ローン審査に「申し込むこと」はできますが、審査が通るのは「非常に厳しい」のが現状です。

常識的に考えますと、数千万円単位のお金を貸し出す際、安定した収入がしっかりと得られるかどうか曖昧な人に対して、融資をする可能性は極めて低いことを理解できるはずです。

そのため、勤続年数が1年未満の方が住宅ローンの審査に通過するのは、よほどの「強み」や「信用」が無ければ難しいことは言うまでもありません。

ただ、「なぜ、住宅ローンの借り入れに勤続年数がこれほどまでに重要視されるのか?」がわかりませんよね。

そこでこのページでは、住宅ローンと勤続年数に焦点をおき、関係性を解き明かしていきます。特に、勤続年数1年未満という立場から、住宅ローンの新規借入や借り換えについて解説をさせていただきます。

1.住宅ローンの審査(借り換えを含む)は勤続年数も重要な1つの指標になっている

住宅ローンの審査は、「勤続年数」だけに限らず、総合的な判断によるものです。

そのため、勤続年数が短いことだけを理由として住宅ローンの審査ではねられるとは言い難いと考えられます。

しかし、、「勤続年数」は、住宅ローンの審査で重要視される事項の1つであることは言うまでもありません。以下、国土交通省が住宅ローンの取り扱いをしている金融機関に対して行っている住宅ローンの調査結果を見てください。

参照:国土交通省住宅局 :平成26年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書

上記の調査結果を見てわかる通り、住宅ローン審査の「勤続年数の重要度は95.9%」もあることが確認できます。つまり、住宅ローンを取り扱っている多くの金融機関では、「勤続年数も重視している」と考えることができるわけです。

他にも「完済時年齢」「返済負担率」「借入時年齢」「担保評価」といった住宅ローンの審査項目の割合も高いことから、その他諸々の要素を総合的に加味して審査をしていることも分かります。

住宅ローンにおける勤続年数の重要性

クリックすると拡大できます。

参考:住宅ローンを借りるには?事前・仮審査と本審査の審査基準10項目

上記の調査結果を見てわかる通り、住宅ローン審査の「勤続年数の重要度は95.9%」もあることが確認できます。

つまり、住宅ローンを取り扱っている多くの金融機関では、「勤続年数も重視している」と考えることができるわけです。

他にも、以下の項目も住宅ローン審査で高い割合を示しています。

  • 完済時年齢
  • 返済負担率
  • 借入時年齢
  • 担保評価

そして、その他諸々の要素を総合的に加味して、審査をしていることも分かります。

勤続年数に関しては、単純に「長い」「短い」で判断するべきものです。そのため、「勤続年数が長ければ長い程、有利」になるのは当然です。

また、「担保評価」の重要度合いも高いことから「人」だけでなく「不動産=担保物」も見られていることが確認できます。

担保評価とは、住宅ローンを借り入れする際に「担保」として入れる不動産(土地や建物)の評価金額のことです。

これらの事実から、住宅ローンの審査がいかに厳しいものであるかを感じ取ることができるのではないでしょうか。

住宅ローンのその他の審査基準に関しては、当サイト内の以下のコンテンツをあわせて読んでおきましょう。

住宅ローンを借りるには?事前・仮審査と本審査の審査基準10項目

2016.05.26

2.住宅ローンの審査で「勤続年数」が重視される理由とは

前項では、住宅ローンの審査において、「勤続年数」が重視されていることがわかりました。

本項では、「なぜ、勤続年数が重視されるのか?」その理由について解説していきます。あなたが「お金を貸す立場」になって考えると、理由は明確かつ合理的であることがご理解できると思われます。

2-1.勤続年数が長いほど、収入が安定していると判断できるから

勤続年数が長いということは、毎月貰っている給料の金額(収入)が安定していると考えることができます。

また、勤続年数が長いということは、今後も引き続き継続して勤務する可能性が高いと予測できる指標になります。

また、更なる収入の安定や給料の増加が期待できることから、住宅ローンの返済が滞る可能性が低いと判断され「プラスの評価」がなされるのです。

2-2.安定した収入が途絶えて、住宅ローンの返済が滞るリスクが小さくなるため

勤続年数が長いということは、安定した収入が途絶えて、住宅ローンの返済が滞るリスクが小さくなると考えることができます。

そもそも金融機関の立場からすれば、住宅ローンという「貸付金」をすべて返してもらわなければなりません。

また、債務者(お金を借りる人)から支払われる利息は、金融機関にとって「儲け=収益」にあたるため、長い年月をかけて安定的に儲けを確保する必要があります。

そのためには、住宅ローン債務者の安定した収入が途絶えて、住宅ローンの返済が滞るリスク(デフォルトリスク)はあらかじめ絶対に避けるための対策を施しておかなくてはなりません。

勤続年数が長いということは、短い場合に比べてデフォルトリスクが小さくなります。そのため、結果として「プラスの評価」がなされることになります。

3.転職したばかりで、勤続年数が1年未満であっても住宅ローンは組めるのか

仮に転職したばかりで、勤続年数が1年未満であっても、金融機関の考え方が変わることは難しいと考えるのが無難でしょう。

たしかに、冒頭と解説が重複致しますが、転職したばかりで、勤続年数が1年未満であっても、住宅ローン審査に「申し込むこと」はできます。

しかし、審査が通るのは「非常に厳しい」のが現状です。おそらく事前審査で「非承認の結果」が出る可能性が高いと思っておくべきでしょう。

スポンサーリンク

以下、勤続年数が1年未満の方が抱えている疑問について解説していきます。

3-1.勤続年数が1年未満であっても、頭金を入れれば審査に通るのか

現在の職業や年収をはじめ、頭金の金額によって金融機関の見方が様々であると考えることもできます。

しかしながら、勤続年数1年未満は大きなマイナスと考えられ、まずもって事前審査で振るい落とされるのが通常でしょう。

ただ、勤続年数が短くても住宅ローンが通りやすい金融機関についてインターネットで調べてみると、あることに気づきます。「〇〇銀行であれば勤続年数が少なくてもOK」などとうたっているウェブサイトです。

しかし、これらは住宅ローンの申し込みをさせて、アフィリエイト(登録してもらうことで報酬を得ること)の広告収入を得ることを目的とした悪質なものである場合が多いです。

そのため、勤続年数が短いまま申し込みをしたところで、高い確率で審査を通過できないでしょう。

つまり、無駄な時間や手間がかかってしまうだけと考えられます。

低金利のネット銀行であったとしても、住宅ローンの審査基準が極端に変わることはないため、過度な期待は禁物です。

3-2.キャリアアップを目的とした転職であれば問題はないのか

仮にキャリアアップを目的とした転職であれば、勤続年数が1年未満でも問題はないのかといった疑問をいただく方は多いです。

ただ、残念ながら、こちらも難しいと考えるべきでしょう。たとえば、以下のパターンで見てみましょう。

  • 同じ業種で年収が増えた場合
  • 転職先の財務内容が全うである場合
  • 士業など、資格や専門技術を活かした転職の場合

上記の場合は、住宅ローンの申し込みをする側からすると、プラスに考えてしまいがちです。

しかし、融資をする金融機関側からすると、「結果がすべて」です。

つまり、「見込み」は考慮されないため、あくまでもキャリアアップした後の年収を、源泉徴収票や確定申告書といった書類で確認して評価するということです。

そのため、結果として勤続年数が短いといった評価がくつがえることは基本的にありません。

ただし、会社の人事異動でグループ会社へ異動した場合、転職ではなく「出向」や「転籍」といった扱いになります。そのため、原則として、転職のような取り扱いにはならないと考えて差し支えありません。

4.住宅ローンの審査に勤続年数1年未満で通るにはどうしたら良いのか

「勤続年数」の対策は、残念ながら「時が解決してくれるもの」です。そのため、自助努力でどうにもできない審査項目になります。

したがいまして、仮に住宅ローンの融資を希望している金融機関が、事前申し込みの段階で勤続年数の短いことを理由に「NG」を出してしまった時点で、どうにもできないことになります。

当然のことながら、勤続年数をごまかして虚偽の申し込みをしたところで、バレてしまうのは明白です。

このような理由から、まずは最低1年間の勤続実績ができるまで、お金を貯金して待つのが最もベターな対策になると考えられます。

あるいは、次項で解説する「フラット35」に申し込んでみるのも一策です。

仮に事業を営んでいる場合、多くの金融機関では最低3年の事業継続が必要な場合が多いです。さらに、黒字であることも求められるため、一般に融資のハードルは大きく上がります。

ただし、フラット35であれば、通常2年分の確定申告で対応がなされます。

5.フラット35では、勤続年数の条件が定められていない

長期固定金利のフラット35では、住宅ローンの融資条件に勤続年数の条件が定められていない特徴があります。

しかし、勤続年数の基本的な考え方は、民間の金融機関が取り扱っている住宅ローンと変わらないと考えるのが無難です。

たしかに、一般にフラット35は、民間の住宅ローンに比べて住宅ローンの融資が通りやすいことは確かです。

とはいえ、収入要件や返済負担率の要件といった融資条件は備わっています。そのため、あくまでも事前審査の申し込みはできるものの、本審査に通るといった保証はどこにもないことをあらかじめ理解しておく必要があります。

なお、フラット35の借り入れにあたり、民間の住宅ローンに比べ時間や手間が多くかかります。

また、提出する書類が多いといったデメリットもあります。ただし、これらの必要な書類については、都度、申し込み先の金融機関が、わかりやすく対応してくれるため、特別な対策というものは不要です。

6.これから転職を検討している場合、住宅ローンが通らない危険性が含まれている

仮にこれから転職を検討している場合、向こう数年間は、住宅ローンが通らない危険性が含まれていることを十分理解した上で転職をしなければなりません。

これは、本記事で解説している「勤続年数」が短いことによる懸念が生じるからです。

また、住宅ローンの重要な審査項目の1つである「完済時年齢」や「借入時年齢」といった部分に数年後、抵触してしまうリスクも忘れてはいけません。

結果として、住宅購入時期がずれてしまうことに繋がるからです。

将来のライフプランやライフイベントに、影響が生じてしまう可能性も生じることになることから、特に30代や40代からの転職は要注意事項と言えるでしょう。

まとめ

本記事では、住宅ローンと勤続年数に焦点をおき、特に勤続年数1年未満という立場から住宅ローンの新規借入や借り換えについて解説をさせていただきました。

結論は、「やはり勤続年数1年未満ではまずもって無理」でしょう。

ただ、他のサイト情報では、そのような融資を受けた方もおられるようですが、おそらく多くの専門家が「信憑性が乏しい」と判断するはずです。

たとえば、専門家であるFPや住宅ローンアドバイザーが、自己の経験や実務を下に具体的に細かな内容で解説していれば話は別です。さらに、顔出しまでしているという状況下では「信憑性が格段に上がる」と考えることができます。

しかし、個人のブログや体験記では、先に紹介したようなアフィリエイト広告(申し込みをさせて広告費を得ること)の「釣り」と考えることもできるため、まったくあてになりません。

仮に将来住宅ローンを組む予定があるのであれば、まずは転職の決断をいま一度見直してみるべきだと思います。

どうしても転職を優先するのであれば、焦らずに勤続年数の実績を作ってから住宅購入をする計画を立てるようにするべきでしょう。

また、職業を問わずできる限り、3年以上の勤続年数や事業継続の実績があった方が望ましいです。そのため、その辺も含めてあなたにとって有利な判断をすることが求められます。