住宅ローンの審査基準で年収や所得が重要視されている2つの理由

住宅ローンの審査項目の中には、年収や所得といった収入に関係する項目があり、住宅ローンを取り扱っている多くの金融機関では、重要視している審査項目です。

これには、住宅ローンを融資する金融機関における「リスク」と「リターン」の関係が見事に成立しているからであると考えることができます。

リスク?リターン?と思われた方も多いと思いますが、本記事では、住宅ローンの審査基準で年収や所得が重要視されている2つの理由について解説を進めていくほか、収入や所得に関係する住宅ローン審査を通過するポイントについて分かりやすく紹介していきます。

1.住宅ローンの審査基準で年収や所得が重要視されている2つの理由

はじめに、住宅ローンの審査基準で年収や所得が重要視されている2つの理由について解説を進めていきます。ご自身が、「お金を貸す立場」になって考えるとイメージがとてもわきやすいと思われます。

1-1.貸したお金が戻ってこなくなるのを防止するため(リスク回避)

住宅ローンを融資する金融機関側からすると、住宅ローンとは「長期貸付金」になります。

つまり、金融機関側は、30年や35年といった長期間をかけて、貸付したお金をすべて回収することになりますので、その間、お金を貸した相手側が、常に返済を滞ることなく確実に行ってもらう必要があります。

そのためには、お金を借りる方が、安定した収入や所得が無ければ、貸したお金が回収できない「貸し倒れ」という最悪な損失を被ってしまいます。

この貸し倒れリスクを回避するための対策として、年収や所得が住宅ローンの審査基準として重要視されている理由の1つであると考えることができます。

1-2.安定した利息収入の確保をするため(リターン対策)

住宅ローンを融資した金融機関側は、毎月、貸し付けた「元金」と「利息」を回収することになりますが、この「利息」は、金融機関側の利益(儲け)にあたります。

つまり、お金を借りる方が、安定した収入や所得があるということは、貸したお金がより確実に返ってくることに加え、30年や35年という長期間に渡って安定した利息収入が入ってくることになります。

金融機関側からしますと、リスク回避もリターン対策もどちらも取らなければならないことを踏まえますと、安定した収入や所得がある方でなければ、住宅ローンの融資をすることができないわけです。

2.年収や所得は住宅ローン審査で重要な項目

サラリーマンや公務員の収入にあたる給料は、住宅ローンの審査において「年収」として融資の可否を決めるための重要な審査項目の1つとなります。

一方、個人事業主など自営業者の場合、事業の利益にあたる「所得」が住宅ローンの審査基準として融資の可否を決める重要な審査項目となります。

つまり、職業に応じて、住宅ローンの審査基準となる部分が異なることになり、これらの金額も、すべての金融機関で共通ではなく、それぞれの金融機関で違いがあります。

2-1.住宅ローンは希望額を思い通りに借りられるわけではない

住宅ローンは、言うまでもなく自分の希望融資金額を思い通りに借りられるわけではありません。

あくまでも、収入や所得に見合った金額でなければ、どこの金融機関も住宅ローンの融資を実行しないのは当然であり、一般に、返してもらえるあてのないお金は、金融機関に限らず、誰も貸すことはないのが普通ではないでしょうか?

住宅ローンの希望融資金額が、申し込み時の収入や所得と見合った金額であり、いわば身の丈にあった借入金額であれば、住宅ローンの審査に影響が生じないことになります。

2-2.住宅ローンを借入する上で、最低年収はあるのか?

多くのインターネットサイトでは、住宅ローンを借入する上での最低年収について200万円から400万円と掲載しているところが多いようですが、この根拠について詳しく明示されているところはありません。

これは、住宅ローンを取り扱っている金融機関でも同じであり、あくまでも安定した収入があることを融資条件とし、「含み」を持たせています。

とはいえ、住宅ローンを融資するための最低年収に関する基準というものは設けられていると思われますので、こちらに関しましては、「ご希望の金融機関に直接尋ねてみるのが、確実な回答を得られる」と考えられます。

2-3.高収入ではなく、安定収入であることが重要

住宅ローンが融資されやすい方は、高収入の方よりも安定収入の方のほうが、融資を受けやすいと推測されます。

この理由として、住宅ローンを融資する金融機関側が、「確実な住宅ローンの回収を意図している」ことがあげられます。

一般的に、何十年という長期間に渡って滞りなく返済してもらうためには、一時的に大きなお金を得た方や高収入といった方よりも、常に安定した収入を得られる方のほうが、滞りなく住宅ローンを返済してもらえる確率が高まります。

もちろん、高収入でかつ安定収入であれば申し分がありませんが、住宅ローンを融資する金融機関側とすれば、安定収入が完済まで見込まれる方のほうが融資しやすいわけです。

3.住宅ローンの借入額を年収から導き出すと審査に通りづらくなる理由

これから住宅購入を検討されている多くの人の中では、「自分はいくらぐらいまで住宅ローンが借りられるのだろう?」と考える方の割合が高い傾向にあります。

理想の住宅を購入するためには、当然、多くのお金が必要となりますので、自分が借りられる限度額いっぱいまで借りることができれば、より理想の住宅を購入できる可能性が高くなることは確かです。

しかしながら、住宅ローンに限らず、お金を借りることは「簡単」である一方、確実に最後まで「完済」するには、あらかじめ確実な資金計画や返済計画を立てることが重要であるほか、「大変」なことは言うまでもありません。

以下、参考となりますが、これから住宅購入を35年の固定金利で検討されている方が、自分自身がいくらまでなら借りられるのかをシミュレーションしたものと仮定して、その結果を紹介していきます。

シミュレーションのための前提条件は以下の通りとし、それ以外の条件は一切加味しないものとします。

  • 毎月返済希望金額:1ヶ月あたり7万円
  • 適用金利:1.310%
  • 返済期間:35年
  • ボーナス払い:なし
  • その他の借入:なし
住信SBIネット銀行の住宅ローンシミュレーション

参考:住信SBIネット銀行・お借入可能額試算より

シミュレーションの結果、前述した返済条件ですと「2,357万円まで借りられる」といった結果が出ました。

ご自身が1ヶ月に返済したいとご希望の金額から借入可能額が試算できるため便利であるほか、ご希望の金利を入力して、よりリアルなシミュレーションができるところが大きなポイントになります。

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住信SBIネット銀行の住宅ローンシミュレーション

参考:住信SBIネット銀行・お借入可能額試算より

3-1.住宅ローンは「借入可能額」ではなく、「無理なく返済できる額」で借りる

前述した解説の結論となりますが、住宅ローンは「借入可能額」ではなく、「無理なく返済できる額」で借りることが重要です。

そのためには、住宅ローンのシミュレーションをすることはもちろんですが、自分が月々いくらまでなら余裕を持った返済をすることができるのかといった金額を確実に把握しておくことが大切です。

また、住宅購入後は、固定資産税・都市計画税・火災保険料・修繕費用といったものが、ケース・バイ・ケースでかかることになりますので、この負担を含めた上での金額を検討しておくことを忘れないようにしておかなければなりません。

4.年収から求める無理なく返済可能な返済負担率とは?

住宅ローンの審査に通るための審査項目の1つに「返済負担率」というものがあります。

返済負担率とは、年収に占める1年間の借入金返済の割合のことを言います。

たとえば、先に紹介した借入可能額の返済条件で返済負担率を計算すると以下のようになります。

1年間の借入金返済額 145,805×12ヶ月=1,749,660
返済負担率 (1,749,660÷5,000,000)×100%≒34.99%

一般的に、返済負担率は「30%を超えると危険」と言われますが、計算式にあてはめなくとも、年収500万円に対して年間、約175万円を返済するのは、どう見ても厳しいことがわかります。

言うまでもなく、どの金融機関でも年収500万円の方に対して、4,762万円の住宅ローンを融資しないわけで、それでは、そもそも借入可能額ではないといった矛盾が生じることになります。

あくまでも借入可能額というものは、目安にしか過ぎず、返済負担率が適切でなければ、たとえ年収1,000万円という高収入であったとしても住宅ローンの審査には通らないわけです。

つまり、身の丈にあった住宅ローン金額でなければ、住宅ローンの審査には通らないことを意味します。

4-1.住宅ローンの返済金額は、年収ではなく手取金額で考える

住宅ローンの返済金額は、年収ではなく手取金額で考えることが重要です。

たとえば、会社員や公務員など給料をもらっている方であれば、社会保険料や税金などを差し引かれた振込金額(手取金額)を基準として住宅ローンの返済金額を考えていく必要があります。

自営業者など事業を営んでいる方の場合は、売上などの金額ではなく、所得(利益)を基準として住宅ローンの返済金額を考えていく必要があるわけです。

どちらにも共通して言えることは「手取金額」であり、そもそも住宅ローンの返済というのは、実際に手にしたお金、つまり、手取金額から支出されているものであるため、表面上の額面金額にあたる「年収」や「売上」といったものは、余裕のある住宅ローンの返済を考える上で基準とするのは「不適切」なことになります。

これは、とても重要なポイントであるため、返済負担率の考え方と並行して考えておくことが大切です。

5.少ない年収で住宅ローンの審査を通過する方法

住宅ローンの審査は、身の丈にあった金額でなければ融資されることはありませんが、ここでは、少ない年収で住宅ローンの審査を通過する方法を参考までにいくつか紹介していきます。

5-1.十分な頭金を用意する

頭金とは、住宅購入にかかるお金の内、住宅ローン以外でまかなうお金のことをいいます。

通常、頭金が多いということは、住宅ローンの借入金額が少なくなることに繋がりますので、年収に対する返済負担率が低くなり、少ない年収であったとしても住宅ローンの審査に通りやすくなる効果が得られると推測されます。

ただし、金融機関が独自設定している住宅ローンの融資基準に沿った年収や所得であることを満たしているものと仮定しているためこの部分には注意が必要です。

参考「マイホームの家を建てる住宅ローンの頭金の相場や平均はいくら?

5-2.借入する金額を少なくする

住宅ローンは、身の丈に合った金額でなければ審査に通らない旨をすでに解説致しましたが、年収や所得が低いのであれば、借入金額を少なくすることで審査に通りやすくなると考えることができます。

住宅ローンを借りる際の金利や返済方法といった、いわゆる「返済条件」によって返済金額が変化することから、これらも借入金額と同様に検討する必要性があることも併せて理解しておくことが大切です。

5-3.収入合算をする

夫婦共働きの場合は、収入合算を利用することで、年収や所得が低かったとしても住宅ローンの審査に通過する可能性が飛躍的に増加します。

ただし、夫婦や親子など、収入合算するそれぞれの状況が個々に審査されることになるため、いずれかに問題が生じた場合は、収入合算することができないといったデメリットもあります。

世帯年収から考える住宅ローン:夫婦共働きで購入できる家とは?

2017.07.18

5-4.近親者からの資金援助や借入を受ける

住宅購入にあたり、両親や祖父母などの近親者から資金援助や購入資金の借入を受ける方法も極めて効果的です。

特に、住宅ローンをフラット35で申し込む場合、「登記費用」「火災保険料」「事務手数料」などの、いわゆる住宅購入諸費用は融資の対象外であるため、ある程度まとまった頭金が必要になります。

さらに「つなぎ融資にかかる利息」や「その他細かな支出」を考慮しますと、これらの諸費用に充てる分のみ一時的に近親者から借入するだけでも、住宅購入がスムーズに流れると考えられます。

まとめ

本記事では、住宅ローンの審査基準で年収や所得が重要視されている2つの理由について解説をさせていただいたほか、収入や所得に関係する住宅ローン審査を通過するポイントについて分かりやすく紹介させていただきました。

どの項目につきましても、合理的で納得をしていただける内容だったのではないでしょうか?

現在、就いている職業によって住宅ローン審査における収入の見られ方は異なることになりますが、おおよその目安として3年以上、現在の職業に従事し、かつ、収入にあった借入(身の丈にあった借入)であれば、さほど、大きな懸念要素になることはないと推測されます。

自営業者を除きますと、収入における住宅ローンの審査対策を自助努力で解決するのは難しく、どちらかと言えば、毎年の定期昇給といった時間が解決してくれる内容であるため、これから住宅購入を検討されている方は、転職やその他の審査のマイナスとなり得る事情がないかどうかを一度よく考えてみるべきだと思われます。

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