自営業の住宅ローン審査は、連帯保証人が必要なのか徹底的に解説

連帯保証人

住宅ローンの審査において、自営業や会社員などといった職業を問わず、融資を受ける際に「連帯保証人」は不要です。

ただし、住宅ローンを申し込むすべての方は、「住宅ローンの審査に通過したい」という考えをお持ちであることを踏まえますと、より確実に住宅ローンの審査に通過したいのであれば、連帯保証人を付けた方が通過しやすいことも確かです。

特に、自営業のように住宅ローンの審査が比較的厳しめの職業に就いている場合は、「連帯保証人を付けることによって、住宅ローンの融資が可能」といった金融機関からの条件が付されても何ら不思議なことではありません。

このようなことを踏まえまして本記事では、住宅ローンと連帯保証人の関係について幅広く解説を進めていきます。

1.住宅ローンにおける連帯保証人とは

はじめに、住宅ローンにおける連帯保証人とは、どのような立場の人をいうのかについて、以下のイメージ図を下に解説を進めていきます。

連帯保証人のイメージ

住宅ローンにおける連帯保証人とは、上記イメージ図の「妻」のことをいい、夫は、「主債務者」にあたります。

イメージ図の例の場合ですと、夫が銀行と住宅ローンの契約を結んでいます。

つまり、銀行に対して住宅ローンを返済する義務を負っているのが「夫」であることを表しています。

一方の妻は、夫の連帯保証人になっています。

仮に、夫が住宅ローンの返済ができなくなってしまった場合、銀行は、住宅ローンの返済について、夫ではなく妻へ返済要求することができるのです。

これによって、妻は夫の代わりに住宅ローンを返済しなければならない義務を負うことになります。

あくまでも、毎月の住宅ローンの返済義務は「夫」にありますが、万が一、夫が返済できなくなった場合に、代わりに住宅ローンを返済する義務を負う人が「連帯保証人」であるとお考え下さい。

2.住宅ローンの連帯保証人は、収入と希望借入金額のバランスによって必要・不要がわかれる

住宅ローンの審査では、「安定した収入があるかどうか」といった審査がなされます。

これは、住宅ローンの申し込みを受けたすべての金融機関が、必ず審査している項目です。

そのため、住宅ローンを申し込んだ時の「希望借入金額と収入のバランスが取れている」のであれば、住宅ローンの申込者本人の収入のみで借入ができることを意味します。

結果として、連帯保証人が不要で住宅ローンを借入することができるのです。

一方、住宅ローンを申し込んだ時の「希望借入金額と収入のバランスが取れていない」場合は、融資が断られ住宅ローンの審査に通過することはありません。

また、住宅ローンの審査では、家族構成なども問われることになります。

このため仮に、夫婦が共働きであるとすれば、配偶者などを連帯保証人として付けることによって、住宅ローンを融資するといった条件が提示される場合もあるのです。

ただし、住宅ローンを申し込む際には、申し込み時点で「ご自身のみの申し込み」なのか「連帯保証人を付けた収入合算での申し込み」なのかを、金融機関へあらかじめ伝えておくことが一般的です。

仮に、連帯保証人を付ける住宅ローンの申し込みであれば、本人のみならず連帯保証人の審査も同時に行われることになります。

この審査結果において、住宅ローンの融資の可否が決定する流れとなるのです。

2-1.参考 住宅ローンの審査における「安定した収入」とは、いくらなのか

先の解説でもありましたが、住宅ローンの審査における「安定した収入」を考えるためには、住宅ローンにおける「借入可能額」と「返済可能額」という2つの違いについて理解しておく必要があります。

  • 借入可能額:収入に対して住宅ローンの借入ができるとされる概算金額
  • 返済可能額:ご自身が住宅ローンの返済をしていく上で無理なく返していける金額

住宅ローンの審査に通過するためには、「返済可能額」をベースに考える必要があります。

住宅ローンの申し込みを受けた金融機関は、住宅ローンの審査項目の1つとして「返済負担率」という割合を確認します。

【返済負担率とは】

年収(自営業の場合は所得)に占める借入金などの年間返済金額の割合のことを言います。

一般に、返済負担率は25%以下が望ましく、30%を超えるとかなり厳しい住宅ローンの返済を強いられると言われます。

以下、返済負担率の計算方法を紹介しながら、「安定した収入」について解説を進めていきます。

返済負担率を計算する上での前提条件

  • 職業:自営業
  • 年間所得:600万円
  • 希望借入金額:3,000万円
  • 金利;固定金利で年率2.0%
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし)
  • その他の借入はないものとします

上記の借入条件で1ヶ月あたりの返済金額を算出しますと99,378円となり、1年間の返済金額は、約119万円です。

返済負担率は、年収(自営業の場合は所得)に占める借入金などの年間返済金額の割合になりますので、具体的には、以下のように計算されます。

(119万円÷600万円)×100%=約19.83%

返済負担率が、約19.83%であれば、住宅ローンの申し込みをした金融機関からは問題ないと審査されることになります。

直近2,3年に渡って同じくらいの所得を得ているということであれば、「安定した収入がある」と判断されます。

このように、「安定した収入」とは、住宅ローンを融資する金融機関側にとって、毎月の返済金額に無理のない収入であるかどうかが問われることを意味しています。

たとえば、自営業の方「事業の借入金」などがある場合には、それも含めた返済負担率の計算がなされることになります。

当然、返済負担率は、低ければ低い程良いです。あまり高い割合であれば、連帯保証人を付けるなどの対策も必要になると考えられます。

3.大手の銀行・ネット銀行は連帯保証人不要の場合が多いが、自営業にとって審査は厳しい

先に解説しましたように、住宅ローンを融資する金融機関が求めている「安定した収入」があれば、自営業や会社員などといった職業を基本的に問わず、連帯保証人を付ける必要はありません。

しかしながら、住宅ローンを取り扱っている金融機関の現状として、やはり、大手の銀行・地方銀行・ネット銀行といった民間金融機関で自営業が住宅ローンを借入する場合、原則として、連帯保証人は不要であるものの、審査が厳しい傾向にあります。

たとえば、民間金融機関が取り扱っている住宅ローンへ申し込むためには、一定金額以上の年収(所得)であることが、申し込み条件として設定されています。

「時代の流れや流行りに左右されるような事業ではないかどうか」といった事業内容も、厳しく審査されることになるのです。

そのため、希望の借入金額に対して十分な収入(所得)があることはもちろんですが、自営業の場合は、会社員や公務員と異なり、住宅ローンの審査が厳しいものになるとされています。

4.フラット35に申し込むなら自営業でも住宅ローン審査に通りやすく、連帯保証人も不要

フラット35は、長期固定金利の住宅ローンで住宅金融支援機構が提供し、民間金融機関で申し込みをすることが可能となっています。

フラット35は、年収基準が基本的に設けられていません。このため、自営業でも比較的住宅ローンを組みやすい特徴があります。

自営業の場合、民間金融機関が取り扱っている住宅ローンと同じように、時代の流れや流行りに左右されるような事業ではないかどうかといった事業内容も厳しく審査されることになります。

ただ、連帯保証人は原則として必要なく、「希望借入金額に応じた安定した収入」が確保できているのであれば、何ら問題はありません。

自営業の場合ですと、民間金融機関で住宅ローンを断られて、フラット35で無事融資が受けられたという方も多くおられます。

このことから、どうしても住宅ローンの審査に通りたい方であれば、フラット35の申し込みを検討してみるのも一策です。

5.自分の収入だけで住宅ローンを組めない場合は、「連帯保証人(連帯債務者)」が必要

住宅ローンの審査において、「連帯保証人」は原則として不要ですが、中には、必要な場合があります。

それが、「自分の収入だけで希望の借入をすることができない」といった時に、配偶者や両親などと収入を合算することによって、住宅ローンの申し込みを行う場合です。

仮に、収入合算で住宅ローンの申し込みを行う場合、通常、収入合算をする相手方が「連帯保証人」もしくは「連帯債務者」になるとお考えください。

ただし、収入合算をする場合には、条件があります。

購入した住宅に、住宅ローンの申込者(主債務者)と「連帯保証人」もしくは「連帯債務者」が、一緒に住むことが必要なのです。

たとえば、両親と同居しないのであれば、両親と収入合算をすることはできないということです。

一般に、住宅ローンを収入合算で申し込みをする方法には、以下の3種類あります。

  • 夫婦で収入合算をして住宅ローンに申し込む方法
  • 夫婦それぞれが住宅ローンを組むペアローンに申し込む方法
  • 親子でローンを返済する親子リレー返済に申し込む方法

これらの方法は、「連帯保証人」もしくは「連帯債務者」といった双方の関係が生じる場合もあるのです。

このことから、本記事の最後に、これら3つの方法と「連帯保証人」もしくは「連帯債務者」の関係性について、個別に解説を進めていきます。

5-1.夫婦で「収入合算」をして住宅ローンに申し込む方法

夫婦で収入合算をして住宅ローンに申し込む方法を選んだ場合、「配偶者が連帯保証人」になる場合と、「配偶者が連帯債務者」になる場合の2つがあります。

  • 「配偶者が連帯保証人」になる場合
連帯保証人のイメージ
  • 「配偶者が連帯債務者」になる場合
連帯責務者

住宅ローンの申し込みを夫婦が収入合算で行い、配偶者が連帯債務者になった場合は、夫婦それぞれが金融機関に対して住宅ローンの返済をする義務を負うことになります。

配偶者が連帯保証人の場合と配偶者が連帯債務者の場合の違いは、以下のとおりです。

連帯債務 返済義務〇 返済義務〇
連帯保証 返済義務〇 返済義務

5-2.夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」に申し込む方法

連帯保証人のイメージ

夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」に申し込む方法では、夫婦それぞれが金融機関と住宅ローンの契約を交わすことになります。

このとき、夫が自分の抱えている住宅ローンを返済できない場合は、妻が返済義務を負います。

逆に、妻が自分の抱えている住宅ローンを返済できない場合は、夫が返済義務を負うことになるのです。

つまり、イメージ図のように、夫婦双方の間で連帯保証人の関係が成り立っているとお考え下さい。

5-3.親子でローンを返済する「親子リレー返済」に申し込む方法

親子リレーローンのイメージ

親子でローンを返済する「親子リレー返済」に申し込む方法は、親の住宅ローンを将来、子どもが引き継ぐ形式のものです。

二世帯住宅を購入する方にとって特有の返済方法となります。

親子リレー返済では、子どもが連帯債務者になることを条件としている金融機関が多くなっており、フラット35でも同様の取り扱いとなっています。

まとめ

住宅ローンの申し込みにおきましては、自営業や会社員といった職業を問わず、基本的に連帯保証人が必要といった縛りはありません。

ただし、住宅ローンへより確実に通過するために、収入合算やペアローンをはじめ、親子リレー返済などを活用する場合には、連帯保証人や連帯債務者が必要になります。

連帯保証人や連帯債務者になる方というのは、住宅ローンを申し込みした本人と同様に、住宅ローンを返済する資力や信用のあることが求められます。

このため、「誰でもなれる」といったものではありません。

また、連帯保証と連帯債務には、大きな違いがあります。

それに加え、住宅ローンを申し込む金融機関によって、連帯保証や連帯債務の取り扱いが異なることもあるのです。

ご自身が住宅ローンを申し込む予定の金融機関では「どのような取り扱いになっているのか」を、あらかじめ確認しておくことがとても重要になります。

自営業・個人事業主の方はフラット35が審査に通りやすくておすすめ

自営業の場合、会社員や公務員に比べて審査が通りづらいです。売上によって収入が変動するため、「不安定」という見方をされるからです。

ただし、フラット35(全期間固定金利)であれば話は別です。

民間金融機関の住宅ローンの場合、多くは「年収400万円以上で、安定した収入がある状態でなければ、そもそも申し込みすらできない」といった縛りがありますが、フラット35では、そのような収入に対する審査基準は一切ないからです。

さらに、通常は3年程度必要な過去の業績も、フラット35であれば、半年や1年の業績さえあれば審査への申し込みが可能です。

そのため、フラット35は自営業・個人事業主の方であっても審査に通りやすく、ほとんどの経営者がこれで住宅ローンを組んでいます。

以下に、自営業・個人事業主の方にお勧めのフラット35ランキングがありますので、参考にしていただけますと幸いです。

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