世帯年収から考える住宅ローン:夫婦共働きで購入できる家とは?

共働き

夫婦共働きの世帯が増えている中で、住宅ローンの申し込みにおかれましても、夫婦の稼いだ分を合算する「収入合算」を利用される世帯が増えています。

一般に、収入合算を利用することで、理想の住宅を購入しやすくなることはもちろん、住宅ローンの審査に通りやすくなるとされる一方、収入合算ならではの注意点なども多く存在します。

そこで本記事では、住宅ローンを収入合算で申し込む予定の世帯を対象に、世帯年収から理想の住宅を購入するための方法や注意点について幅広く解説を進めていきます。

1.「住宅ローンは年収の5倍までは大丈夫」は本当なのか?

一時期、「住宅ローンは年収の5倍までは大丈夫」といったことが広く言われ続けておりましたが、残念ながらこちらの内容は「まったく根拠がない情報」であり、「誤り」です。

もしも、このような考えのもとに住宅ローンの借り入れを行った場合、仮に融資が通ったとしても、完済まで順調に返済し続けていくことは難しいと予測することができます。

住宅ローンを検討する上で、今も昔も変わらない考え方に、「家族のライフプランにあった資金計画・返済計画が重要」といった考え方があります。

専門家にあたる「FP(ファイナンシャルプランナー)」や「住宅ローンアドバイザー」といった資格を保有している方へ直接相談するアウトソーシングも少しずつ広まってきている現代で、失敗しないための住宅ローンを申し込むための選択方法を自分自身で模索しなければならない時代であると言えるでしょう。

2.一人で借入できない場合、収入合算をして世帯年収で考える

理想としている住宅を購入する際に、たとえば旦那さん1人の収入で住宅ローンを申し込んだとしても審査に通るか分からない世帯も多いと思います。

このような時に、共働きで働いている配偶者がいる場合は、その収入も合わせて住宅ローンの審査を受けることも可能です。

これを「収入合算」と言います。

たとえば、旦那さんの年収が300万円・奥さんの年収が200万円であった場合、2人の年収を合算した世帯年収500万円として、住宅ローンの審査を受けられることを意味します。

また、収入合算にも様々な方法があり、ペアローン・連帯債務・連帯保証など、選んだ方法によってその後の影響が全く異なります。

収入合算(ペアローンと連帯債務者と連帯保証人)の違いと控除

2017年5月14日

2-1.年収は住宅ローンの審査で重要な審査基準である

住宅ローンの審査には様々な項目があり、どの項目も重要な審査基準であることは確かです。

「年収」も住宅ローンの審査基準の1つであることは言うまでもありませんが、あわせて「返済負担率」(年収に対して借入金の返済がどの程度あるのかといった割合)が重要視される傾向があります。

1万円札

低所得だと審査は厳しい?住宅ローンを組める最低年収とは

2017年7月17日

住宅ローンを融資する金融機関は、年収や所得に見合った金額を融資することになりますので、返済負担率に問題がなければ、結果として収入に関係する住宅ローンの審査基準は満たしていることになると推測できます。

3.住宅ローンを世帯年収で借りる際の注意点

住宅ローンを申し込む場合における夫婦の収入を合算するメリットは、これまでの解説でご理解できたと思いますが、その際の重要な注意点につきましてもあらかじめ知っておくことが大切です。

そこで本項では、住宅ローンを世帯年収で借りる際の特に注意しておきたいポイントやよくある事例を紹介していきたいと思います。

3-1.重要な注意点:その1・個人信用情報に「事故歴」がある場合は収入合算ができない

夫婦共働きで収入合算をするには、「夫婦いずれも個人信用情報に事故歴が無いことが大前提」となります。

【個人信用情報とは】

お金の貸し借りや割賦代金の支払いを滞ることなくしっかりとなされているかといったことを確認できる履歴事項のことを言います。
住宅ローンの融資を申し込まれた金融機関では、必ずあらかじめ申込者の個人信用情報を確認します。

この個人信用情報の確認の同意は、事前の説明および書面にて本人の自書捺印をもってなされることになり、これを拒んだ場合には、当然に住宅ローンの融資がなされないことになります。

通常、住宅ローンの事前審査もしくは仮審査の段階で個人信用情報は確認されることになりますが、これによって夫婦いずれかにおいて個人信用情報に問題があった場合(事故歴があった場合)は、収入合算をすることができませんので、注意が必要です。

よくある事例としては、配偶者に内緒で借入していた借金などは、このようなことがきっかけで知られてしまうことが多く、個人信用情報が回復するためには、基本的には5年から10年といった「時間の経過」を過ぎるのを待つしか方法がありません。

これから、住宅購入を夫婦の収入合算で検討されている世帯の皆さまは、常日頃から隠し事がないクリーンな家計状態を作っておくことが大切だと言えるでしょう。

3-2.重要な注意点:その2・夫婦いずれかに大きな借金がある

夫婦共働きで収入合算をするには、夫婦いずれかに大きな借金がある場合、収入合算が難しくなります。

特に消費者金融や銀行系カードローンといったフリーローンを複数社から借りている場合、住宅ローンの審査に通過するには「すべての借金を完済しておくことが大前提」と言っても決して過言ではありません。

これらのローンにつきましては、多くの場合、配偶者に内緒にしている場合も多く見られることから、結果として収入合算ができない結果に結びついてしまう場合が多い傾向にあります。

3-3.重要な注意点:その3・将来の揉め事が生じるリスクを知っておく

夫婦共働きで収入合算をするすべての世帯に言えることだと思いますが、住宅購入する際に、「離婚」について考える人はおそらくいないことでしょう。

しかし、3組に1組の世帯が離婚していると言われている時代において、実際に離婚によって夫婦共有名義で購入した住宅における後の面倒な手続きをしている世帯が多いのもまた事実です。

子どもを1人で育てながら、子育てにかかるお金や自分が抱えた住宅ローンを返済しているシングルマザーも多くおられる中で、住宅ローンの返済が重くのしかかっている方も決して少なくありません。

これは、夫婦間で話し合っておくべきことではないものの、このようなリスクが生じる可能性のあることを予備知識として頭の片隅に押さえておくことも大切です。

3-4.住宅ローンは、借入限度額で借りるのではなく、無理なく返済できるお金を借りる

金融機関やフラット35のホームページでは、住宅ローンの借入限度額を年収から導き出す無料サービスを公開しておりますが、これをあてにすることは「非常に危険」です。

住宅ローンの基本は、借入限度額でお金を借りることではなく、無理なく返済できるお金を借りることです。

このため住宅ローンの借入限度額を基準としてしまいますと、結果として後の住宅ローンの返済負担が重くなってしまう原因が極めて高くなってしまうため注意が必要です。

住宅ローンの毎月々の返済金額平均と年収に見合う返済負担率とは

2017年2月22日

住宅ローンの審査には、「返済負担率」(年収に見合った返済金額になっているかどうかを確認するための割合)が関係し、この基準を満たしていることが住宅ローン審査に通過するための重要な項目の1つになることは間違いありません。

あくまでも、年収から算出される住宅ローンの借入可能額は、「目安」として考えることが大切です。

3-5.夫婦がそれぞれ働き続けるかどうかを確認する

一般に、住宅ローンを借入する際は共働きであったとしても、子どもが新たに誕生した場合や突然のリストラなど、時に世帯年収が減り、住宅ローンの支払いが大変になってしまうことも考えられます。

実際に、このような悩みを抱えている方も多いようですが、以下、一例として同じように住宅ローンについて悩んでいる方の内容を紹介していきます。

夫婦共働きで、世帯年収で住宅ローンを組んでいる方はいますか?

30歳、マイホームを検討中です。夫1人の給料では、2000万、最大でも2500万円以内のローンにしないと支払いが厳しそうです。

子供1歳がおり、妻は職場復帰していますが、子供もあと最低1人欲しいところです。
世帯収入でローンを借りてしまうと、妻が妊娠すると支払い続けることができなさそうに思います。

夫婦共働きで、世帯年収で住宅ローンを組んでいるで、良かった点、悪かった点などあれば教えてください。

参考:ヤフー知恵袋より

住宅購入の優先順位は人それぞれですが、安全で安心な住宅ローンを組みたいとご希望なのであれば、将来、夫婦共働きで無くなってしまったとしても家計や住宅ローンの返済が重くならない金額を借入するのが最も合理的な方法であると考えられます。

この場合、当然に理想の住宅を購入するための希望借入金額に届かないといったことも十分に考えられますが、この辺は、夫婦共働き世帯の方々が各々の考え方で決定するべきことであるのは間違いありません。

つまり、自分たちの考え方が「最終的な答え」であり「正しい答え」ということになります。

将来の返済計画はもちろんですが、ライフプランやライフイベントを考慮した住宅ローンの計画を立てておくことが大切であり、「退職」「復職」「再就職」「アルバイト・パート勤務」など幅広く考える必要性があります。

3-6.10年後・20年後といった将来の返済を見据えながらお金の流れを確認する

先に解説した「3-5.夫婦がそれぞれ働き続けるかどうかを確認する」の内容に少し似た内容になってしまうかもしれませんが、10年後・20年後といった将来の住宅ローン返済とライフイベントを見据えたお金の流れを確認しておくことは、とても大切です。

たとえば、住宅ローンの金利で「期間選択型固定金利」を選択した場合は、固定金利期間が終了する前と後では、お金の流れも多少なりに変化することは確かです。

もしも、安全で安心な住宅ローンを確実に組みたいとご希望なのであれば、専門家であるFPや住宅ローンアドバイザーといった専門家へ相談して将来を見据えたプランニングをしてもらうことが効果的でしょう。

4.希望通りの借入ができるようにするために共働き世帯が検討しておきたいこと

最後に、希望通りの住宅ローンの借入ができるようにするために共働き世帯が検討しておきたいことについて、いくつか解説をさせていただきたいと思います。

4-1.夫婦で今後についてしっかりと話し合っておく

「夫婦で今後についてしっかりと話し合っておく」なんて、とてもベタかもしれませんが、夫婦共働きで収入合算をするということは「双方の力を合わせること」ですから、最も重要なことであると言っても決して過言ではありません。

先に解説した「個人信用情報」に問題がある場合というのは、夫婦双方のコミュニケーションが上手く取れていない表れであるとも考えられます。

このほか、基本的な対策方法が「時間の経過しかない」ことを踏まえますと、夫婦それぞれがお金の失敗をしないことが、理想の住宅を早い段階で手に入れるための大きなポイントになることは確かです。

借金やその他お金のことなどで何か不安がある場合は、早いうちに夫婦で解決することをおすすめ致します。

4-2.十分な頭金を用意しておく

住宅ローンの審査には、様々な審査項目がありますが、住宅ローンの申し込み前に十分な頭金を用意しておくことは、住宅ローンの審査が通過しやすくなるだけでなく、金利引き下げといった優遇措置も受けられます。

4-3.両親や祖父母からの資金援助や借入が受けられないか検討する

現在抱えているお金の問題や借金のほか、住宅ローン金利の優遇など、どちらの対策にも柔軟に対応できる方法として、両親や祖父母からの資金援助や借入が受けられないか検討することがあげられます。

仮に資金援助を受けることで、既存の借入金を整理することは、結果として住宅ローンの審査に通過しやすくなることは確かです。

また、資金援助を受けたお金を頭金として活用することで、結果として住宅ローン金利の優遇が受けられ、さらに、こちらの場合も住宅ローンの審査通過がしやすくなるメリットが得られることから、どちらの場合でも有効に作用する方法であると考えることができます。

まとめ

本記事では、住宅ローンを収入合算で申し込む予定の世帯を対象に、世帯年収から理想の住宅を購入するための方法や注意点について幅広く解説をさせていただきました。

夫婦の収入を合算するためには、「夫婦いずれも個人信用情報に事故歴が無いことが大前提」であり、本記事の最重要点となります。

まずは、この問題がしっかりとクリアできているかを確認するところから始める必要がありますが、こちらは専門家であるFPや住宅ローンアドバイザーへ依頼して確認してもらうことが望ましいでしょう。

もちろん、希望の金融機関に対して住宅ローンの申し込みをすることも可能ですが、基本的に住宅ローンの審査に落ちてしまった場合、その理由について明示されることはありませんので、そもそも住宅ローン審査の土俵にすら上がれていないことも視野に入れておく必要があります。

このようなことを確認する意味でも、専門家の協力は、住宅ローンの申し込みや将来の返済計画に活きてくることは間違いないでしょう。

夫婦で話し合った結果「いずれも問題ない」ということであれば、時間や費用や手間を考慮すると、希望の金融機関へ申し込む方が、結果として事が早く進むと考えられます。

ケース・バイ・ケースとなりますが、本記事の内容を参考に、自分たちにとってベストな方法を探してみていただければと思います。

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