自営業で借金がある状態で住宅ローン審査へ申し込む場合の注意点

自営業を営んでいる場合、一般に住宅ローンの審査は、会社員や公務員に比べて厳しくなると言われますが、自営業者であるからこそ、事業で必要な借金をしている場合が十分考えられます。

一般に、住宅ローンの審査において、借金を抱えていない方が審査に通過しやすいことは確かですが、前述したように、自営業者であるからこそ、事業で必要な借金をしている場合が十分考えられることから、仮に、自営業の方が借金を抱えている状態で、住宅ローン審査へ申し込む場合は、その借金の内容が審査結果に大きく影響することになります。

これは、単に借金と言っても、運転資金、設備資金、使途を問わないフリーローンやキャッシングなどといった様々な種類の借金があるためです。

本記事では、これらの借金の内容について触れながら、自営業が借金を抱えている状態で、住宅ローン審査へ申し込む場合の注意点について幅広く解説を進めていきます。

1. 自営業で借金があると住宅ローン審査は通りにくいが、可能性はある

自営業で借金があると住宅ローン審査は通りにくくなる場合もありますが、あくまでも、借金があるから住宅ローンの審査が通りにくいと言い切ってしまうのには無理があります。

これは、住宅ローン申込者の収入(自営業の場合は所得金額)や希望借入金額をはじめ、住宅ローンの借入条件や抱えている借金の内容および返済金額がわからないためです。

ただし、自営業の方がご自身の事業遂行上、必要となる借金も存在することから、たとえば、日本政策金融公庫や金融機関からの「運転資金」や「設備資金」の借入であれば、住宅ローン審査において借金が残っていたとしても大きな懸念は抱かれにくいでしょう。(1-1で詳しく解説します)

一方で、銀行系カードローンや消費者金融からのキャッシングといった、いわゆるフリーローンの場合は、借金をした理由が明確ではないため、住宅ローン審査において相当な懸念を抱かれることは間違いありません。

仮に、銀行系カードローンや消費者金融からのキャッシングといった、いわゆるフリーローンが、事業資金のための借入であったとしても、そもそも事業にかかる運転資金や設備資金が、ご自身の事業や信用を持って他の金融機関から借入できないと推測されることも考えられ、やはり、住宅ローン審査においてマイナスの影響を及ぼすことは避けられないでしょう。

1-1.参考:自営業の方が、事業にかかる借金を抱えている場合の取り扱い

住宅ローン審査には、「返済負担率(1年間の返済額が収入のどれくらいを占めているか)」が必ず審査され、これには、これから返済していくことになる住宅ローンの返済金額のほかに、事業にかかる借金の返済額やその他の返済額も含めて計算します。

そのため、返済負担率が極端に高い場合は、住宅ローンの審査に通過するのが難しくなります。

参考までに、自営業の方が、事業にかかる借金を抱えている場合で以下のような前提条件の時に住宅ローン審査でNGとなる場合とOKになる場合の返済負担率についてそれぞれ解説を進めます。

1-1-1.自営業者が住宅ローン審査でNGとなる場合

まず、自営業者が住宅ローン審査に通りづらいパターンを見ていきましょう。

返済負担率を計算する上での前提条件

  • 自営業における所得金額(引き直し計算後)は、600万円とします
  • 事業にかかる借金として、1年間で60万円の返済があるものとします
  • 個人で所有する自動車ローンとして、1年間で60万円の返済があるものとします
  • 住宅ローンの借入金額は3,000万円、35年返済、金利1.5%、元利均等返済(ボーナス払いなし)とします
  • 上記以外の条件は、加味しないものとします

次に、返済負担率の計算をして行きます。

補足

返済負担率とは、無理なく返済できる返済額の比率のことをさします。返済負担率が高くなると、住宅ローン審査に通りづらくなるので注意しましょう。詳しくは、以下のコンテンツをご覧ください。

住宅ローンの毎月々の返済金額平均と年収に見合う返済負担率とは

2017.02.22

返済負担率の計算

  • 1年間の返済金額の合計:230.2万円(60万円+60万円+110.2万円)
  • 返済負担率:約38.36%(230.2万円÷600万円)×100%

返済負担率は、計算の結果が低ければ低いほど、住宅ローン審査で問題がないと判断されることになります。

そのため、一般に返済負担率が35%を超えている場合は、住宅ローン審査に通過するのは、極めて難しいでしょう。

1-1-2.自営業者が住宅ローン審査でOKとなる場合

次は、自営業者が住宅ローン審査に通過しやすいパターンを見ていきましょう。

返済負担率を計算する上での前提条件

  • 自営業における所得金額(引き直し計算後)は、600万円とします
  • 事業にかかる借金として、1年間で18万円の返済があるものとします
  • 個人で所有する自動車ローンとして、1年間で24万円の返済があるものとします
    住宅ローンの借入金額は3000万円、35年返済、金利1.5%、元利均等返済(ボーナス払いなし)とします
  • 上記以外の条件は、加味しないものとします

次に、返済負担率の計算をして行きます。

返済負担率の計算

  • 1年間の返済金額の合計:152.2万円(18万円+24万円+110.2万円)
  • 返済負担率:約25.36%(152.2万円÷600万円)×100%

一般に、返済負担率は、30%を超えると厳しい返済が求められるとされます。

しかし上記のように、返済負担率が概ね25%程度であれば、返済負担率に関する審査は問題ないと判断されるでしょう。

収入に対する返済負担率の割合が25%以下なら、大まかな目安としてOKです。

3.借金があっても住宅ローンを利用するための5つの対策

自営業といった立場で、どうしても借金を抱えている状態で住宅ローンを利用したい場合は、以下の5つの内容について対策を講じてみることをおすすめ致します。

  1. 借金の内容を精査し、事業に無関係な借金は返済する
  2. 両親や親族から一時的に借入することで、抱えている借金を完済もしくは減らす
  3. できれば今後2〜3年の確定申告で、なるべく所得額を増やす
  4. 希望借入金額や返済条件を見直しする
  5. 審査の通りやすい、フラット35を利用する

それぞれ、順を追って解説します。

3-1.借金の内容を精査し、事業に無関係な借金は返済する

すでに解説をさせていただきましたように、キャッシングやカードのリボ払いなどといった事業とは関係性が薄い借金は、住宅ローン審査においてマイナスの影響を与えてしまいます。

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そのため、住宅ローンの申し込み前に整理できるものは整理し、完済しておくことが望ましいでしょう。

3-2.両親や親族から一時的に借入することで、抱えている借金を完済もしくは減らす

現在抱えている借金は、事業による借り入れであるか否かを問わず、住宅ローンの審査において把握されてしまうものになるため、両親や親族から一時的に借入することで、抱えている借金を完済もしくは減らす対策は有効です。

金融機関の中には、両親や親族から一時的に借入した借金について返済負担率の計算に含むとされているところもありますが、通常の借入と異なり、両親や親族から一時的に借入した借金は、返済を遅延したことが個人信用情報に掲載されることはありません。

つまり、現在抱えている借金の返済する相手を両親や親族に変えることで、住宅ローンの審査に通過しやすくなるメリットが得られる場合があります。

3-3.できれば今後2〜3年の確定申告で、なるべく所得額を増やす

事業にかかる借金などがあったとしても、所得金額が高いということは、結果として先に解説した返済負担率が低くなる効果を与えることになるため、直近3年の確定申告で十分な所得があげられているのか確認しておくことが大切です。

仮に、ご自身の希望借入金額で返済負担率に懸念が生じるようであったとするならば、節税対策をいったん控えて所得金額を増やすような対策が必要になります。

3-4.希望借入金額や返済条件を見直しする

返済負担率が高い場合は、希望借入金額や返済条件を見直しすることで住宅ローンの審査に通ることは十分あり得ます。

たとえば、借入金額を減額する、金利を変動金利にする、返済期間を長くするなどといった方法を賢く活用することで、借金を抱えていたとしても無理のない範囲内での住宅ローン返済になり、結果として返済負担率が低くなるため、住宅ローン審査にも通りやすくなると考えられます。

参考例として、先に「1-1-1.住宅ローン審査でNGとなる場合」について、借入金額と金利を見直ししたものとして再度、返済負担率を計算してみます。

返済負担率を計算する上での前提条件

  • 自営業における所得金額(引き直し計算後)は、600万円とします
  • 事業にかかる借金として、1年間で60万円の返済があるものとします
  • 個人で所有する自動車ローンとして、1年間で60万円の返済があるものとします
  • 住宅ローンの借入金額は1,500万円、35年返済、金利0.5%、元利均等返済(ボーナス払いなし)とします
  • 上記以外の条件は、加味しないものとします

次に、返済負担率の研鑽をしていきます。

返済負担率の計算

  • 1年間の返済金額の合計:166.7万円(60万円+60万円+46.7万円)
  • 返済負担率:約27.78%(166.7万円÷600万円)×100%

借入金額3,000万円、金利1.5%であった場合、返済負担率が35%を超えることによって、住宅ローン審査に通るのが難しいと判断されました。

そこで、借入金額を1,500万円、金利0.5%で計算すると、返済負担率が27.78%となり、許容してもらえる範囲といえる結果となりました。

仮に、どうしても3,000万円の借入をしたいということであれば、すでに解説をさせていただきましたように、事業にかかる借金や自動車ローンを完済もしくは大幅に減額するような対策が求められると判断することができます。

ちなみに、この参考例の場合、少なくとも事業にかかる借金や自動車ローンが返済負担率に大きなマイナス影響を与えていることは確かです。

3-5.審査の通りやすい、フラット35を利用する

住宅金融支援機構が取り扱っている長期固定金利の住宅ローン「フラット35」は、民間金融機関が取り扱っている住宅ローンに比べて住宅ローン審査が通りやすいメリットが得られ、自営業といった収入が不確定な職業には、非常に向いている住宅ローンといえます。

フラット35は、住宅ローンの審査対策として何をどのようにして対策すれば良いのかがわかりやすく、フラット35のサイト内で明確に明示されていることから、住宅ローン対策が立てやすく、民間金融機関独自の判断基準に流される心配もありません。

そのため、自営業で借金があっても住宅ローンを利用したい場合の対策方法としては、極めて有効な対策方法の1つとなります。

4.借金を抱えていることや借金を抱えていたことは必ずバレる!

住宅ローンの審査では、すべての金融機関が住宅ローン申込者の「個人信用情報」を必ず確認します。

個人信用情報とは、現在抱えている借金についての内訳やこれまで抱えていた借金の内容をはじめ、これらの借金をこれまで滞りなく返済してきたかどうか、他に分割払いやその他の借金がないかどうかなどが、一定期間網羅されているものになり、こちらを確認することに対して同意をしなければ、住宅ローンの審査に通ることは絶対にありません。

個人信用情報で問題となるのは、現在抱えている借金やこれまでの返済履歴になります。

たとえば、キャッシングやフリーローンを借りていた履歴が残っていたとしても完済している場合や借入の理由が明確である場合などは、さほど大きな懸念を抱かれないことが予測されます。

いずれにしましても、借金を抱えていることや借金を抱えていたことは、必ずバレることになりますので、住宅ローンの申し込み時において、虚偽の記載や虚偽の回答をしないように心掛けて下さい。

仮に、このようなことをしてしまいますと、かえって逆効果であり、本来、住宅ローン審査が通っていたはずなのに、人間性の問題から融資が断られる危険性も含むことになりますので、くれぐれもご注意されることを強く推奨致します。

まとめ

自営業が借金を抱えている状態で、住宅ローン審査へ申し込む場合の注意点について幅広く解説をさせていただきましたが、本記事の内容を通じて何かしらの懸念をお持ちの方は、無理に住宅ローンを申し込まず、まずは、専門家にあたるFPや住宅ローンアドバイザーへ相談されてみることをおすすめ致します。

その上で、ご自身にとっての懸念要素を確認し、現在抱えている借金の返済を実行するなど、1つずつ確実にステップアップされることを優先するべきだと考えます。

自営業の方が、事業にかかる借金などを抱えている場合は、住宅ローン審査に通る可能性はあるものの、毎月の返済額が増えることに繋がるため、この辺の返済計画についても専門家からの助言や返済計画書を参考にしながら念入りに準備しておく必要があるでしょう。

仮に、むやみやたらと住宅ローンの申し込みを実行し、審査落ちを繰り返してしまった場合、その履歴は、他の金融機関も把握できることになり、かえって逆効果です。

このようなリスクも踏まえた上で、現在、ご自身ができる最良の選択肢を選び、実行に移されることをおすすめ致します。

住宅ローンは、一括審査が必須です。

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