住宅ローンの審査は、段階審査となっており、具体的には「事前審査」「仮審査」「本審査」といった流れによって進められます。
この時、これらの審査を段階的にクリアしていくことによって、それぞれの審査で必要となる書類の提出が、申し込みの金融機関から求められることになります。
また、実際に購入する住宅の種類や金融機関によって、提出するべき必要書類が異なるのです。
本記事では、このようなことを踏まえまして、新築、中古を問わず、住宅ローンの審査を受けるために必要な書類について、幅広く紹介し解説をしていきたいと思います。
1.住宅ローンの審査に必要な書類は、大きく分けて4種類
住宅ローンの審査へ申し込むために必要な書類は、大きく分けて4種類あります。
- 本人確認書類
- 収入確認書類
- 物件確認書類
- その他確認書類
本項では、これら4つの必要書類について、それぞれ個別に紹介していきます。
ただ、あくまでもすべての書類が必要とは限らず、住宅ローンを申し込んだ金融機関の指示にしたがって用意する必要があることをあらかじめご留意ください。
1-1.本人確認書類
- 運転免許証の写し(表面・裏面)
- 健康保険証の写し(表面・裏面)
- 印鑑証明書(原本)
- 住民票(原本)
- 戸籍謄本(原本)
本人確認書類とは、住宅ローン申込者の身分を証明するものです。
上記の必要書類に加えて、マイナンバーカードの提出も求められる場合があります。
このほか、収入合算による連帯債務などで住宅ローンを借入する場合は、連帯債務者になる方の本人確認書類も必要です。
また、印鑑証明書、住民票、戸籍謄本などの公的書類は、原本であることに加え、発行日から3ヶ月以内のものを提出するように求められるのが一般的です。
1-2.収入確認書類
- 源泉徴収票
- 公的収入証明書(所得証明書または住民税決定通知書の原本)
- 確定申告書および付表
- 納税証明書その1・その2(原本)
収入確認書類とは、住宅ローン申込者の収入を確認するための必要書類のことをいいます。
収入合算による連帯債務などで住宅ローンを借入する場合は、連帯債務者になる方の収入確認書類も必要です。
収入確認書類は、職業が「会社員」である場合と「個人事業主」である場合とで、提出するべき書類が異なります。
具体的には、特殊な場合を除き、それぞれ以下を提出します。
- 会社員:源泉徴収票
- 個人事業主:確定申告書
ここで言う「特殊な場合」とは、たとえば、会社員で医療費控除を適用するために確定申告をした、投資で得た利益が関係しているために確定申告をしたなどの場合です。
つまり、「通常は確定申告をしなくてもよい会社員や公務員が確定申告をした場合」を指し、このような場合は、源泉徴収票に代えて確定申告書を提出します。
なお、住宅ローンを申し込みする金融機関によって、提出する年分が異なり、一般的には、直近3年分の必要書類の提出が求められるとお考え下さい。
また、納税証明書は、仮審査が通過した後の本審査の段階で提出が求められると考えられます。こちらは、金融機関の指示にしたがって、管轄の税務署で取得します。
1-3.物件確認書類
新築住宅の場合における主な物件確認書類は、以下のとおりです。
- 建築・工事請負契約書
- 建築確認申請書
- 建築確認の検査済証
- 不動産登記簿謄本
- 土地の公図
- 地積測量図
- 建物の図面・各階の平面図
- 住宅周辺の地図
中古住宅の場合(リフォーム含む)における主な物件確認書類は、以下になります。
- 建築敷地の登記簿謄本(原本)
- 建物の登記簿謄本(原本)
- 対象敷地の前面道路および公道までの登記簿謄本(原本)
- 物件の売買契約書(写し)
- 物件の重要事項説明書(写し)
- リフォーム工事の見積書(写し)
- リフォーム工事の請負契約書(写し)
- リフォーム工事箇所のリフォーム前写真
- 物件広告または物件概要書(写し)
- 公図(写し)
- 現況およびリフォーム後の間取り図(写し)
- 配置図(写し)
- 地積測量図(写し)
- 現地の住宅地図(写し)
物件確認書類とは、住宅ローンで購入する予定の土地や建物の状況を確認するための必要書類です。
そもそも住宅ローンの融資目的にあたる「居住用の住宅購入」であるかどうかをはじめ、担保価値として適切なのかなどを審査・判断するために必要な書類となります。
物件確認書類は、新築の場合と中古の場合で異なります。
また、リフォームが絡む場合やマンションといった様々な事情によって、提出するべき必要書類が異なる特徴があり、金融機関によっても様々です。
基本的には、住宅を購入する予定の不動産業者で一式揃えてくれますので、書類の準備を心配する必要はありません。あわせて、負担がかかることもありません。
1-4.その他確認書類
- 既存の借入金返済予定表または明細書(写し)
- 給与証明書
- 給与明細書
その他の確認書類は、金融機関によってそれぞれ違いの生じる書類となりますので、あくまでも参考程度にして下さい。
住宅ローンを申し込みした金融機関から提出を求められた場合に、提出すれば問題ありません。
2.住宅ローン審査の必要書類と注意点まとめ
これまでに解説した住宅ローン審査に必要な書類と入手先、注意点について表へまとめておりますので、参考にしてみることをおすすめ致します。
なお、入手先や注意点につきましては、解説が必要とされるものに絞っております。
必要書類 | 入手先 | 注意点 |
運転免許証の写し | - | (表面・裏面) |
健康保険証の写し | - | (表面・裏面) |
印鑑証明書 | 市区町村役場 | 原本の提出で発行から3ヶ月以内 |
住民票 | ||
戸籍謄本 | 原本の提出が必要であり、親子で収入合算される場合の親子関係を確認するための必要書類 | |
公的収入証明書 | 所得証明書または住民税決定通知書の原本 | |
源泉徴収票 | 勤務先 | - |
確定申告書および付表 | - | - |
納税証明書(その1・その2) | 管轄の税務署 | 原本の提出で発行から3ヶ月以内 |
建築・工事請負契約書 | 不動産業者等 | 契約前の雛形でも差し支えない場合がある |
建築確認申請書 | 住宅購入予定の不動産業者や工事請負業者で準備してくれるため、自分で用意する必要は基本的にない | |
建築確認の検査済証 | ||
不動産登記簿謄本 | ||
土地の公図 | ||
地積測量図 | ||
建物の図面・各階の平面図 | ||
住宅周辺の地図 | ||
物件の売買契約書 | 契約前の雛形でも差し支えない場合がある | |
物件の重要事項説明書 | 説明前の雛形でも差し支えない場合がある | |
建築敷地の登記簿謄本 | 法務局 | 原本の提出で発行から3ヶ月以内 |
建物の登記簿謄本 | ||
対象敷地の前面道路および公道までの登記簿謄本 | ||
リフォーム工事の見積書 | リフォーム工事業者等 | 住宅購入予定の不動産業者や工事請負業者で準備してくれるため、自分で用意する必要は基本的にない。また、重要事項説明書に添付されている必要書類と重複することもあるため、提出が省略できる場合が多々ある。 |
リフォーム工事の請負契約書 | ||
リフォーム工事箇所のリフォーム前写真 | ||
物件広告または物件概要書 | 不動産業者等 | |
公図 | ||
配置図 | ||
地積測量図 | ||
現地の住宅地図 | ||
現況およびリフォーム後の間取り図 | リフォーム工事業者等 |
住宅ローン審査に必要な書類は、上記表の通りとなります。
重要なポイントをざっくり解説しますと、基本的に本人でなければ取得することができない書類以外については、不動産業者やリフォーム業者などが一式必要書類を揃えてくれるため、何ら難しく考えることはありません。
住宅ローンの審査に必要であるため、提出を求められている書類準備を依頼することで足りるのです。
ご自身が準備する必要がある公的書類などを取得することで、すべての書類を容易に準備できることになります。
なお、以下に、住宅ローンの申込みに必要になると考えられる書類もご紹介しておきます。
参考に押さえておいていただければと思います。
- 住宅ローン申込書
- 個人情報の取り扱いに関する同意書
- 団体信用生命保険の加入申込書兼告知書
- 団体信用生命保険の診断書
- 火災保険の申込書(必要に応じて)
特に、団体信用生命保険は、加入が強制である金融機関と、加入が任意であるフラット35などとでは、取り扱いが異なります。
このほか、加入が義務となっている火災保険は、必ずしも金融機関が勧めたものに加入しなければならないわけではありません。諸費用節約といった意味におきましては、比較検討することが大切です。
まとめ
住宅ローンの審査に必要な書類には様々なものがあることを、本記事を通じてご理解いただけたと思います。
重要なポイントは、「基本的にすべての書類をご自身で準備する必要はない」というところになります。
購入する住宅が新築なのか中古なのか・リフォームをするのか・マンションを購入するのか、などによっても必要書類は異なります。
また、これらのケースは、住宅ローンの申し込みを受けた金融機関が判断し、必要書類の提示を求めるわけです。
このため、難しく考える必要は全く無く、その指示に従うことで足ります。
そして、ご自身でなければ取得することができない必要書類以外のものは、不動産業者やリフォーム業者などが当然に協力し、必要書類の準備に対応してくれます。
これらの業者に必要書類を連絡し、指定の期日までに用意してもらうようにすることで、スムーズに審査が進められるとお考え下さい。
実際に、ご自身が取得するべき印鑑証明書や住民票は、1通200円から300円程度です。
また、納税証明書なども数千円程度で足りますので、大きな金銭負担を強いられることもありません。
そのため、「住宅ローンの段階審査を確実にステップアップしてクリアするための対策をしっかりと行っておくこと」に注力する方が、効果的かつ効率的であると管理人は考えます。
段階審査によって提出するべき必要書類は異なるほか、重複しているものについて、引き続きの提出を求めることはありません。
基本的に、ほとんどのものが、一度準備すれば用が足りるのです。