住宅ローンを借りるには?事前・仮審査と本審査の審査基準10項目

住宅ローンは誰でも融資を受けられる訳ではなく、金融機関が定めている数々の基準を突破し信用してもらうことで、はじめて融資が受けられるものになります。

そのため、過去に金融事故などを起こしている場合、住宅ローンの借り入れを行うことはできません。

では、住宅ローンを取り扱っている金融機関が、どのような内容を審査基準にしているかご存知でしょうか。

あくまでも金融機関によって審査基準の優先順位は異なるものの、「これらを通過すれば、住宅ローンの融資が通りやすくなる」といったことを「10項目」に分けて解説していきます。住宅ローン審査の基本はもちろんのこと、これにおける全ての知識をこの1ページに詰め込みました。

目次

1.住宅ローン審査の基本

はじめに、住宅ローン審査の基本について解説していきます。住宅ローンの審査基準の対策前に、何事も基本を知っておかなくては、物事がうまく進むことはありません。

1-1.住宅ローンには事前審査と本審査の2段階審査がある

住宅ローンの融資を受けるためには、「事前審査(仮審査)」と「本審査」の2段階審査のどちらも通過することが必要です。事前審査で落ちてしまった場合、当然にその金融機関から住宅ローンを受けることはできません。

1-2.自分の金融履歴に不安がある場合、個人信用情報を取り寄せる

住宅ローンは、住宅に関する借金であることから、お金を貸す側の金融機関は「しっかりと返してくれる信用がある人」にしかお金を貸すことはありません。私たちが友人や知人にちょっとしたお金を貸す時も、どういった人か見極めた上でお金を貸すのと同じです。

具体的に金融機関に「信用のある人」と認めてもらうためには、安定した収入があることは当然ですが、信用情報機関へ登録されている個人信用情報に金融事故歴がないことが求められます。

この情報に金融事故歴がある場合、どの金融機関においても「絶対に住宅ローンの融資を受けることができない」と言い切ってしまってもよいでしょう。

そのため、何か心当たりがあったり、自分の金融履歴に不安があったりする場合は、個人信用情報を取り寄せる手続きが必要です。

参考までに、「指定信用情報機関のCIC」にて個人信用情報を確認することができます。

1-3.住宅ローンの事前審査にかかる期間

住宅ローンの申し込みを金融機関にする前に、事前審査(仮審査)の手続きをします。

収入や職業など必要事項を正しく記入し、仮審査の受付を済ませることで約1週間程度の期間を経た後、事前審査の結果が通知されます。電話やメール、文書など、その通知方法はさまざまですが、中にはまったく何の音沙汰もないといったこともあるようです。

住宅購入は急いで行うものではないと前置きしつつ、できるだけ早く話を進めたいと思っている人は、不動産業者と話を最終段階まで進めておきながら、金融機関の融資決定までの流れを同時並行しておくことが望ましいでしょう。

申し込みから融資手続きまでの期間は、金融機関によって異なりはあるものの、かね2ヶ月程度かかると予測されることから、その間、不動産業者と話を詰めておくことで、先の話がスムーズに進められていくことでしょう。

2.住宅ローンを「借りる人」に対する審査基準10項目

住宅ローン審査の条件

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国土交通省・住宅局:平成28年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書より引用

いよいよここからは、住宅ローンの審査基準10項目について解説していきます。なお、この根拠は上記画像にある国土交通省が毎年発行している「民間住宅ローンの実態に関する調査報告書」を参考にしています。ここでは、重要とされている上位10位までを一つずつ解説していきます。

金融機関によって優先順位は異なるものの、以下、10項目に対する懸念が無ければ、住宅ローンの審査は通りやすくなることでしょう。

2-1.完済時年齢(98.8%)

住宅ローンを取り扱っている多くの金融機関は、「完済時年齢」を設けています。70歳のところもあれば80歳のところもあり、金融機関によってさまざまです。要は、これらの年齢に達するまでに「完済」することを求めています。

2-2.借入時年齢(97.6%)

男女によって平均寿命や定年年齢があるため、「借入時年齢」は、貸したお金を確実に返済してもらうために必要な重要事項です。貸してすぐに死亡されては、金融機関としても儲けられない結果になってしまいます。

2-3.返済負担率(88.0%)

住宅ローンの他に、抱えている借金と収入の割合を導き出して、無理な返済にならないかを確認します。無理な返済に陥っているということは、融資した住宅ローンの返済が滞ってしまう危険性を含んでいるため、融資し辛くなるのは当然のことです。

2-4.担保評価(97.2%)

住宅ローンを金融機関と締結する時は、必ず抵当権設定登記を行います。抵当権とは、仮にあなたが住宅ローンを支払えなくなった場合、担保となる家や土地を競売にかけることができる権利のことを指します。

いわば、ローンの返済が不能になってしまった場合に代わりに没収する不動産には、それなりの価値がなければ貸し損になってしまいます。それを防止するために、金融機関側は担保価値を重要視すると考えられます。

2-5.健康状態(97.6%)

住宅ローンの債務者が、返済期間中に死亡したり高度障害になったりして、以後、返済できなくなったときのために、団体信用生命保険の保険金を担保とする必要があります。そのため、健康状態が良好であることが求められます。

保険金を支払う側の保険会社が、保険金の支払いリスクに備えるためには、健康状態が良好で保険金を支払わなくともよい状態を作り出しておかなくてはならないわけです。

なお、団信に関する情報をより詳しく知りたい場合、「団体信用生命保険とは:基礎知識から注意点をまとめた7項目」を読めば全て理解できます。

2-6.勤続年数(97.2%)

確実な返済を求めている金融機関にとって、勤続年数が長く定着してくれている程、信用を持たれるのは当然です。職を転々とすることは、収入が安定しない原因になりますので評価としてはマイナスとなることは必至です。

2-7.年収(94.4%)

住宅ローンを申し込む際の年収に特別定まった金額はありませんが、多くの金融機関では「年収400万円程度」を1つの目安としている場合が多く見受けられます。また、収入が少ない場合、夫婦で収入を合算することで住宅ローンに通過するといった方法もよく利用されています。

2-8.金融機関の営業エリア(89.9%)

金融機関の営業エリアを重視するのは、多くの金融機関に限ったことではないような気も致しますが、高い割合であることから、業界のルールになっていると考えても良いかもしれません。

2-9.融資可能額(88.0%:購入の場合)

年収や所得に応じた融資可能額は計算で導き出すことができますが、収入に見合った融資希望額でなければ当然に融資してもらうことはできません。借り過ぎの防止にも役立っていると考えるのもよいかもしれません。

2-9-1.住宅ローンの借り換えの場合(76.3%)

住宅ローンの借り換えにおいても融資可能額の考え方は、前述した購入の場合と同様になります。

2-10.カードローンなどの他の債務の状況や返済履歴(76.3%)

カードローンや他の債務は、住宅ローンと合算した時に、収入に対してどの程度の割合になるのか、必ず確認されるポイントになります。住宅ローンの返済に懸念が生じるような債務状況であれば、当然に融資は見送られることになります。

3.担保となる住宅物件に対する審査のポイント

担保となる住宅物件に対する審査のポイントは、金融機関によって異なります。また、こちらについての審査内容は、外部に漏れてしまうことで収益に大きな影響を与えてしまいます。明確ではありませんので、参考程度にしておくことをおすすめします。

3-1.新築の担保評価額

新築の担保評価は、一般的に建物の価格に付随費用を加算した金額を評価額とします。建物は減価しますが、立地条件や人気のある土地であれば、さらに評価額は増加することになります。

3-2.中古住宅の場合の担保評価額

前述の通り、建物は時の経過と共に減価します。中古住宅は、当初の時点で減価しているだけにとどまらず、さらなる時の経過でその建物の価値は、ほぼ「ゼロ」になってしまうと言っても過言ではありません。

したがいまして、金融機関側からすると中古住宅の担保評価は、決して高く見ることはないでしょう。

3-3.担保物件の適格性チェック

住宅ローンの申し込みには、土地や建物が担保として設定されます。ここでは、これらの担保物件についての内容を解説していきます。

3-3-1.登記事項

土地家屋調査士や司法書士といった専門家に依頼することで、各種登記事項につきましては何ら問題が生じることはありません。

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3-3-2.権利関係

抵当権設定登記をはじめ、所有権保存登記や所有権移転登記がしっかりとなされているか確認されます。

3-3-3.各種規制

建築する場所や地形などによって、さまざまな法令に関する規制が生じることも考えられます。専門分野につきましては、特段、自分たちで何かをしなければならないといったことはありません。

そのため、依頼した業者や専門家に対して信頼を持って任せる気持ちが大切でしょう。

3-3-4.接道義務

建築基準法に則った接道条件に合致しているかが確認されます。こちらにつきましては、不動産業者の分野になりますので、特段、何をしなければならないといったことはありません。

4.事前審査に必要な4つの書類

住宅ローンの事前審査に必要な書類は、金融機関によって異なる場合があります。それを踏まえたうえで、ここでは代表的な4つの書類は以下の通りです。

4-1.住宅ローン事前申込書(仮審査申込書)

金融機関の所定の事前申込書になります。窓口でもらえたり、パンフレッドに添付されていたり、インターネットで申し込みができるようになっています。

4-2.本人確認できる書類

運転免許証や健康保険証などの身分を証明できる公的書類が必要です。

4-3.収入に関する書類

源泉徴収票、確定申告書といった収入を証明する書類が必要です。

4-4.購入予定物件情報

不動産売買契約書や建設工事請負契約書などをはじめ、物件の所在地図、や登記簿などが求められることもあります。正式、契約でなく案であっても大丈夫な金融機関もある模様です。

5.フラット35の事前審査と本審査について

フラット35は、独立行政法人住宅金融支援機構と民間の金融機関が提供している長期固定金利の住宅ローンのことをいいます。いわば、国と金融機関がコラボレーションした住宅ローンと言っても過言ではありません。

フラット35は、民間の金融機関の住宅ローンとは異なり、審査が緩やかな特徴があり、主に「返済能力(返済負担率の基準をクリアしているか)」や「物件の担保価値」の2つを加味している模様です。

あくまでも総合的な判断になることは言うまでもありませんが、国とのコラボレーションローンだけに、多くの住宅購入希望者にとって開かれた住宅ローンと言えます。

※住宅金融支援機構について知りたい場合、「4項目で分かるフラット35を提供する住宅金融支援機構とは」を確認してください。また、フラット35について詳しく把握しておきたい場合、「フラット35の金利や仕組み、メリット・デメリットまとめ」を読んでおきましょう。

5-1.フラット35に必要な4つの書類

フラット35の申し込みに必要な書類は、フラット35を取り扱っている金融機関で取得することができます。具体的な4つの書類は以下の通りです。

5-1-1.フラット35借入申込書

フラット35を取り扱っている金融機関で受け取ることができます。

5-1-2.所得を証明する書類

源泉徴収票、確定申告書といった収入を証明する書類が必要です。

5-1-3.住宅取得費用の確認書類

不動産業者から、フラット35の申し込みに必要な書類を準備してもらいます。登記簿や不動産の所在地図などがありますが、必要書類は準備案内書類に明記されているのが一般的です。

5-1-4.土地の登記事項証明書

登記事項全部証明書は、法務局で取得することができますが、不動産を所有する不動産業者の方で登記簿を所有しているのが一般的です。

5-2.フラット35本審査の概要

フラット35には、共通の審査基準が設けられています。

しかしながら、仮審査は申し込みを受けた金融機関が行うものの、本審査は、住宅ローンの保証会社が行います。そのため、それぞれの金融機関によって審査の可否が異なるといった現象が生じます。

また、フラット35は金融機関独自のフラット35もあることから、これからフラット35を検討している人で、「あまりよく分からない」といった人は、いきなり金融機関へ相談に行く前に、専門家であるファイナンシャルプランナーへ相談に行くべきだと思われます。

5-3.フラット35の本審査に必要な4つの書類

フラット35の本審査に必要な4つの書類は以下の通りです。

5-3-1.住宅ローン借入申込書兼保証委託申込書

フラット35に申し込むための書類になります。

5-3-2.団体信用生命保険申込書兼告知書

フラット35は、団体信用生命保険の加入が任意となっており、加入する場合は、団体信用生命保険申込書兼告知書を記入します。加入しない場合、その旨の書類を記入することになります。

5-3-3.物件確認書類

登記簿や不動産の所在地図などのほか、確認済証なども必要になってきます。こちらは、不動産業者にすべて用意してもらうことで問題ありません。

5-3-4.本人確認書類

運転免許証、健康保険証などの身分を証明できる公的書類が必要です。

5-4.フラット35の本審査で審査される4つの項目

フラット35の本審査でチェックされる項目は以下の通りです。

5-4-1.仮審査で提出した情報に嘘偽りがないか

常識的には考えにくいことですが、本審査では、念のため仮審査で提出した情報にうそや虚偽の記載がないかを確認します。あこがれのマイホームを購入したい人が行う行動ではないと言って良いでしょう。

5-4-2.仮審査の時から新たに借金が増えていないか

仮審査から本審査までの間に、新たな借金が増加した場合は、以後、貸し出した住宅ローンの返済が滞るリスクが少なからず発生します。金融機関は、とにかくしっかりと返済できる期待がある人にお金を貸したいのです。

5-4-3.個人信用情報

信用情報機関が管理する個人信用情報に、登録されていないか最終確認をします。

5-4-4.仮審査の時から転職や失業をしていないか

フラット35を申し込んで、仮審査が通った後の本審査の間に転職をするのは、自分の首を絞める行為ですので、一般的には考えられません。また、万が一、失業した場合、自ら申し込みを取り消すのが普通でしょう。

6.住宅ローンの審査を通りやすくするために必要なこと

住宅ローンに通りやすくするための審査基準対策のほか、ここでは住宅ローンの審査を通りやすくするために必要なことについて4つ解説していきます。

6-1.十分な頭金を用意しておくこと

住宅ローンに通りやすくするためには、十分な頭金を用意しておくことが望ましいです。頭金が多い場合の住宅ローンの金利は、低く設定されている場合もあり、金融機関側も評価を高くしていることが伺えます。

6-1-1.借入金額の決定が最も重要

住宅ローンの借入金額が、収入や債務状況と比較して問題が無いことが望ましいですが、住宅ローンの借入金額は、「借りられる金額」ではなく「返していける金額」を重要視しなければなりません。

返せる金額をしっかりと把握し、金融機関に申し込むことは、結果として住宅ローンの融資が通りやすくなることにつながります。

6-2.車のローンやリボ払いをしている場合、事前に返済しておく

可能であれば、住宅ローン以外の借金は返済しておくことが望ましいです。特に、キャッシングやカードローンなど、使途が何でもよいとされるフリーローンは事前に返済しておくことをおすすめします。

6-3.ファイナンシャルプランナーに相談する

専門家であるファイナンシャルプランナーに住宅ローンについて相談することは、借入から返済までの長期間に渡って有益な情報を提供してくれることでしょう。

ただし、銀行や不動産業者といった企業系FPではなく、ファイナンシャルプランニングを専門に行う独立系FPに相談するのが望ましいです。独立系FPに相談する場合、相談費用は生じるものの将来的に見た時、圧倒的に損をしないケースがほとんどです。

なお、「FPに相談する場合、どのような人に頼めばよいかわからない」場合、「現役FPが解説!FPへ相談する前に抑えておきたい4つのこと」を読んでください。これに目を通すだけで、FPに相談する際に重視するべき場所が分かります。

7.審査に通らなかった場合

住宅ローンの審査に残念ながら通らなかった場合は、何かしらの原因があることは間違いありません。先に解説した通りやすい10項目に該当していないことも十分考えられますし、そもそも金融事故歴があるなど、申し込み以前に問題があったかもしれません。

こちらに関しましては、同サイトの「住宅ローン審査に通らない人の共通点と通りやすくする方法」でより詳しく解説しているため、そちらの情報を確認しておくことを強くおすすめします。

まとめ

本記事では、住宅ローンを通りやすくするための審査基準10項目や対策法について解説致しました。これは「住宅ローンの審査を通過するには、10項目のすべてを満たしていなければならない」といったことではなく、「全体的に勘案した時に問題がないか」といった判断になります。

ただし、10項目のどれかに大きな問題が生じてしまっている場合、「それだけで審査が通らない」といったことも十分考えられます。

したがいまして、対策方法としては、これら10項目について1つずつ審査基準を満たしているか確認し、満たせていない場合はどのようにしたら満たせるのか調べて対策を講じることが大切です。

担保価値などにつきましては、自分ではどうしようもないことであるため、あくまでも自分で解決できるところを中心にまずは対策してみることをおすすめします。