住宅ローンの申し込みから融資実行までには、在籍確認といったものが必ず行われます。
これは、どの金融機関でも例外はありません。
在確認とは、「住宅ローンの申し込みにおいて記載した勤務先に確実に勤めているのかどうか」といった確認のことを言います。
これによって、「住宅ローンを返済するための安定した収入が申告した勤務先から得られているかどうか」が確認されるのです。
基本的に、住宅ローンにおける在籍確認自体は大した問題になりません。
ただ、タイトルにもありますように、融資実行までに転職した場合などは、時として大きな問題に発展する可能性も否めません。
そこで本記事では、住宅ローンと在籍確認について、注意点やポイントについてわかりやすく解説を進めていきます。
目次
1.住宅ローン審査完了後、融資実行までに転職するのは厳禁
住宅ローンの申し込みから融資実行までに、在籍確認は必ず行われるものです。
ただ、在籍確認のタイミングや時期というのは、金融機関によってばらつきがあります。
とはいえ、住宅ローン審査完了後、融資実行までに転職するのは厳禁です。このようなことを行ってしまいますと、これまでの住宅ローン審査が台無しとなってしまいます。
つまり、再度、住宅ローンの審査を受け直さなければならないリスクが伴うとお考え下さい。
すでに冒頭でも述べたように、在籍確認をすることで、住宅ローンの申し込みにおいて記載した勤務先に確実に勤めているのかどうかといった確認を行います。
これとあわせて、住宅ローンを返済するための「安定した収入」が、記載した勤務先から得られているかどうかが確認されるのです。
1-1.住宅ローン審査完了後、融資実行までに転職すると年収実績が確実に把握できない
通常、住宅ローンの審査において、「安定した収入があるかどうか」の判断は、勤務先から交付された源泉徴収票や、ご自身が行った確定申告書などの書類によって行われます。
住宅ローン審査完了後において、融資実行までに転職してしまった場合、新たな勤務先で得られる収入が給与明細などで確認することはできます。
しかしその一方、1年間に得た収入実績が、確実に把握できないことにつながりますよね。
これでは、住宅ローンを融資する側の金融機関としては、「融資したお金が確実に返してもらえるかわからない」といった貸し倒れのリスクを大きく負うことにつながるのです。
結果として、本来確定していた住宅ローンの融資が白紙撤回になってしまう懸念が否めません。
1-2.過去2年分や3年分の収入を確認するのは、安定した収入実績があるかの確認
住宅ローンの審査では、過去2年分や3年分の源泉徴収票や確定申告書の提出が求められることになります。
この理由は、まさに前項で解説した「貸し倒れのリスクを回避するための手段」であるとお考え下さい。融資したお金をより確実に回収するためには、安定した収入実績があることを当然に求めるわけです。
仮に、住宅ローン審査完了後、融資実行までに転職した場合は、収入実績が1年にも満たないですよね。
このような状態ではやはり、金融機関が住宅ローンの融資を拒むのも無理はないと言えます。
1-3.金融機関は、長い勤続年数があることで貸し倒れのリスクを回避
通常、勤続年数が長いということは、毎年少しずつ収入が増加していくことが見込まれることになります。
結果として、融資した住宅ローンの貸し倒れリスクが減っていくと考えられるのです。
住宅ローン審査完了後において、融資実行までに転職するということは、「もしかしたら、また途中で転職してしまう」というリスクが高まることにつながります。
この結果、貸し倒れに対するリスクが高まる恐れがあると判断されても、おかしくはありません。
2.住宅ローンの在籍確認は、いつ行われる?
住宅ローンの在籍確認は、金融機関によってばらつきがあるとお伝えしました。
ここでは、ヤフー知恵袋の質問と回答のほか、筆者自身が住宅ローンを借入した時の在籍確認についてまとめて紹介します。
住宅ローン実行前の在籍確認について質問です。
現在、注文住宅建築中で、住宅ローンの本審査が通っております。
赤色のメガバンクから融資を受けます。
2015年2月28日に住宅ローンの融資実行予定の場合、会社への在籍確認はいつ頃どんな形でありますか?
詳しく教えて頂けると助かります。
補足
本審査後から融資実行までの期間に在籍確認がありますか?という質問です。回答
- 私もそれぐらいに実行ですが、本審査はとうに終わってますが、在籍確認ありませんでしたよ。三井さんですが
- 住宅ローンでの在籍確認は、在籍証明書、源泉徴収票、健康保険証の三点で行われるのが殆どです。わざわざ銀行が電話して確認することはレアケースです。また、本審査が通っているなら在籍確認は終わっていますよ
- 赤色のメガバンクから融資を受けましたが、在籍確認はありませんでした。ご参考までに
- 本審査完了とのことですので、会社への在籍確認はすでに済んでいると思われます。一般的に融資の本審査の場合はその時点で勤務先への在籍確認は行われています。在籍確認は金融機関名ではなく個人名で行われていると思われます。ですので、基本的には再度の在籍確認はないと思います。
(ヤフー知恵袋より引用)
住宅ローンの本審査後から融資実行までの期間に在籍確認がありますか?という質問について、すべての回答は、「在籍確認はありません」といったものであることが確認できます。
これを見ると、住宅ローンの本審査後から融資実行までの期間に在籍確認が無いように思えてしまいますよね。
しかし、筆者が住宅ローンを借入した場合は、住宅ローンの申し込みから融資実行までの期間において、少なくとも2回の在籍確認があったことは事実です。
そのため、住宅ローンの本審査後から融資実行までの期間に在籍確認が無いのではなく、住宅ローンを申し込んだ金融機関によってその対応は異なるとしておくのが無難であると思われます。
あわせて、住宅ローン申し込み時に就いている職業によって、在籍確認の回数が異なることも考えられます。
たとえば、
- 会社員や公務員:1回の在籍確認
- 自営業者などの場合:2回の在籍確認
このようなことも考えられるのです。
つまり、ケース・バイ・ケースであるという
2-1.住宅ローンの在籍確認は、どのように行われる?
住宅ローンの在籍確認は、住宅ローンを申し込んだ金融機関から勤務先に電話がかかってくることになります。
そして、この電話応対をすることによって完了することになります。
ただし、こちらも金融機関によって対応が異なります。
すでに紹介したヤフー知恵袋の回答において、電話確認ではなく、実際に提出した公的書類を持って確認する方法もあるため、一概には言えません。
ちなみに、電話による在籍確認の場合、具体的には、「氏名・住所・生年月日」などといった、本人であることを特定する簡単な個人情報が電話で聞かれることとなります。
住宅ローンの申し込み内容と聞いた内容が合致したことによって本人確認および在籍確認が完了する流れとなります。
このように、住宅ローンの在籍確認はとても簡単です。
ただし、金融機関によっては、個人名で勤務先に電話してくる場合もあります。
このため、普段から電話がかかってこないような仕事に就いている場合などは、電話を受けた同僚などから「消費者金融やその他の借入で電話がかかってきた」と、おかしな感じに思われてしまう可能性も否めません。
筆者が借入した金融機関では、個人名か金融機関名かいずれかを選べる形式でした。
しかし、前述したような懸念がある場合には、在籍確認時に、金融機関名で名乗ってもらい、電話を取り次いでもらうのが無難でしょう。
「消費者金融やおかしなところからお金を借入している」と思われるよりは、「住宅ローンの在籍確認のために電話が来た」と思われる方が、仕事もしやすいですよね。
また、お互いにおかしな気を遣わなくても済むのではないでしょうか。
あくまでも、参考情報です。
3.転職するのであれば、住宅ローンの融資実行後に行うことが重要
現在就いている勤務先からの転職を考えることは、誰にでもあることだと思います。
ただ、住宅ローンの審査期間中から融資実行までにおきましては、転職という行為自体を避けておく必要があります。
これは、安易な転職やキャリアアップ、といった理由に関わらずです。
この理由は、すでに解説をしました通り、住宅ローンの申し込みが白紙撤回になってしまう重大な原因につながってしまうためです。
これだけで済めばまだ良いのですが、このような理由が原因で住宅ローンの融資が白紙撤回になった場合は、明らかに「住宅ローンの申込者に非があった」と言わざるを得ないと考えられます。
この結果、不動産業者などから住宅を建てたことに対する損害賠償請求が求められる懸念も否めません。
特に、注意しましょう。
まとめ
本記事では、住宅ローン審査完了後、融資実行までに転職すると在籍確認があるのかについて解説をさせていただきました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
- 住宅ローンの本審査後から融資実行までの期間に在籍確認が無いのではなく、住宅ローンを申し込んだ金融機関によってその対応は異なるとしておくのが無難
- 住宅ローン申し込み時点の職業によって在籍確認の回数が異なることも考えられる
- 基本的に、住宅ローンの申し込みから融資実行までの間は、転職や新たな借入など、融資に重大な影響を及ぼすような行動は絶対に避ける
住宅ローンの融資実行がされることによって、金融機関との契約がすべて完了することになります。
このため、この後は、転職をしたとしても差し支えがありません。
また、在籍確認が行われることもありません。
ただし、住宅ローンの返済が継続して滞るということは、最終的に土地や建物が競売にかけられて住む場所を失ってしまうことになります。
転職する際は、計画的に余裕を持った対策が必要です。