自営業が国民年金を滞納するとフラット35でも住宅ローン審査に通らない?

年金手帳

自営業の方は、会社員や公務員とは異なり、毎月の国民年金保険料をご自身で納付しなければなりません。

そもそも国民年金保険料は、原則として20歳から60歳までの40年間に渡って納め続けなければならない義務です。

住宅ローン審査におきましても、重要視される項目の1つになっていると言われています。

しかしながら、実際のところ、自営業の方が国民年金保険料を滞納している状態で「住宅ローン審査に通らないのか?」を考えた時、必ずしも住宅ローン審査に通らないわけではありません。

申し込みをした金融機関によって取り扱いが異なっていることは確かです。

そこで本記事では、自営業が国民年金保険料を滞納していた場合の住宅ローン審査の取り扱いについて、

  • 民間金融機関
  • フラット35

この両方で、解説を進めていきたいと思います。

1.自営業の方が、年金未納の場合、基本的に住宅ローン審査は通らない場合もある

冒頭でもお伝えしましたように、自営業の方が、年金未納の履歴が残っていたとしても、必ず住宅ローン審査に通らないわけではありません。

申し込みをした金融機関によって、年金未納に対する取り扱いが異なっていることは確かです。

以下、参考として住宅ローン審査において年金の納付履歴がどのような取り扱いを受けるのかについて、考えられることを解説していきます。

住宅ローンと年金未納について悩んでいます。

”住宅ローンの借り入れを地方銀行かフラット35で考えています。主人が今年の5月に国民年金から厚生年金に切り替わったのですが、切り替わる前の国民年金を一度も払ったことがありません…。そのことは借り入れの審査に関係ありますでしょうか?ちなみに今は厚生年金なので、会社から毎月引かれています。切り替わる前の国保税や住民税は滞納していません。”

ヤフー知恵袋「住宅ローンと年金未納について悩んでいます。」より一部引用)

年齢が20歳から60歳未満の方で、仮に、転職して一時的に無職である場合などは、自営業と同じように毎月国民年金保険料をご自身で納めなければなりません。

質問の内容は、「自営業で国民年金保険料を未納の状態である場合」と同様だと判断できます。

ではここで、この質問についての回答を参考に、考えられることをまとめて解説します。

“国民年金保険料の納付状況は住宅ローンの審査に全く影響しません。年金機構は信用情報機関と提携していません。もし仮に審査に落ちたとしても年金は一切関係ありません。審査の提出書類のリストにも年金関係の証明書は有りません。税金関係は提出書類のリストに有ります。税金の未納は審査対象です“

ヤフー知恵袋「住宅ローンと年金未納について悩んでいます。」より一部引用)

 

“フラットを申し込む窓口の金融機関によっては、追加資料として年金支払い状況を確認してきます。うちは、過去に銀行とSBIの2つに申し込みましたが、銀行からはねんきん定期便を提出するよう言われました。友人はSBIからねんきん定期便を提出するよう言われたそうです。”

ヤフー知恵袋「住宅ローンと年金未納について悩んでいます。」より一部引用)

2つの回答を比較しますと、回答の内容が真逆であることが確認できます。

しかし、結論から申し上げますと、どちらの回答も正しいです。

つまり、住宅ローンの審査において年金未納の確認は、住宅ローンを申し込んだ金融機関によって異なることを意味します。

このことから、少なくとも、年金未納の確認をする金融機関では、住宅ローン審査において年金未納も重視することがわかります。

このため、住宅ローンの申し込み前や遅くとも本審査が始まる前までには、すべての国民年金保険料を完納しておくことが望ましいと言えるでしょう。

なお、こちらは住宅ローン審査にかかる余談となりますが、最初の回答にもありますように、税金にかかる未納につきましては、住宅ローンの本審査を行う上で、税務署が発行する「納税証明書」の提出をすべての金融機関が求めています。

このため、税金の未納は、住宅ローンの審査対象です。

また、住宅ローンの審査において、信用情報機関が管理している個人信用情報には、「年金未納の履歴」は載っていないことは確かです。

しかし、借入金やクレジットカードの利用履歴といった信用取引にかかる内容が一定期間に渡って管理されており、個人信用情報に問題がある場合は、本審査に通過する以前に審査落ちとなりますので注意が必要です。

1-1.住宅ローン審査の通りやすいフラット35では、自営業の年金未納はどのように取り扱うのか?

フラット35は、自営業でも審査に通りやすいといわれているものの、「住宅ローン審査の通りやすいフラット35では、自営業の年金未納はどのように取り扱うのか?」

こちらが気になる方も多いと思います。

実際、筆者(独立系ファイナンシャルプランナー)が、住宅購入および住宅ローンのプランニングを行った相談者様は、フラット35をARUHIで申し込みをして住宅ローンの審査に「通過」しました。

その方は自営業です。そして、年金未納の履歴が数ヶ月程度残っている状態でした。

なお、その際、ARUHIでの申し込みにおいて、「年金未納があるかどうか」の判断をするための必要書類の提示を求められなかったのです。

このことから、同じフラット35の申し込みでも、前項の回答にあったSBIとARUHIの違いのように、やはり、住宅ローンの申し込みをする金融機関によって取り扱いが異なっていると考えることができます。

1-2.ねんきん定期便の提出から年金未納について考えられること

住宅ローンの審査において、年金未納の確認をするために「ねんきん定期便」の提出を求める金融機関があることは、すでに解説をしたことでご理解いただけたと思います。

ここでは、ねんきん定期便の提出から年金未納期間の確認について考えられることを解説していきます。

【補足】

ねんきん定期便とは:毎年1回、誕生月に国民年金および厚生年金保険の加入者(被保険者)の方に対して送付されるものです。

ねんきん定期便

(出典:日本年金機構 「ねんきん定期便」の見方(はがき版)50歳未満の方

ねんきん定期便を見ること(赤枠部分)によって、「1年間の年金納付状況」を確認することができます。

つまり、住宅ローンの審査において「ねんきん定期便」の提出を求めている金融機関は、直近1年間の年金未納を確認していると考えることができます。

そして、それよりも前の部分について確認していないと推測することができます。

この理由として、仮に、これまでの年金未納履歴を確認するのであれば、ねんきん定期便ではなく、日本年金機構から発行される「年金納付履歴」の提出を求めているはずだからです。

このようなことから、国民年金保険料の未納期間がある場合で住宅ローンの申し込みを行うのであれば、少なくとも直近1年間の国民年金保険料は完納しておく必要があると考えられそうです。

1-3.数ヶ月のちょっとした年金未納なら通る可能性はあるが、完納していることが望ましい

1ヶ月あたりに納付する国民年金保険料は、さほど大きな金額ではありません。

このため、住宅ローン審査全体を踏まえますと、直接大きな影響を及ぼすことは考えにくくと言えます。あくまでも「融資実行までにすべて完納する」といった条件付でのものになるのでは、と思われます。

しかしながら、国民年金保険料の納付は、税金と同じように納めることが義務化されているわけです。

このため、住宅ローンの審査において、優先的に考慮されることも十分理解できるところです。

あくまでも、住宅ローン審査の内容は一般に公開されていないことから憶測の部分も多くなってしまいます。

国民年金保険料の未納が影響して審査落ちするリスクはあることを念頭に入れた上で、事前対策として「完納」しておくことが望ましいでしょう。

2.年金だけでなく、国民健康保険税や所得税・住民税も納めておく必要がある

自営業の方が、住宅ローンの審査に無事通過するためには、国民年金保険料のほかに、以下をあらかじめ納めておく必要があります。

  • 国民健康保険税
  • 所得税
  • 住民税

ただし、住宅ローンの申し込みより前の部分について完納していれば問題ありません。

まだ納付期限の到来していないものについてまで納める必要はありませんので、この部分は勘違いしないように注意が必要です。

また、国民年金保険料や税金の未納につきましては、信用情報機関が管理している個人信用情報には載りません。

しかし、ねんきん定期便、納税証明書やその他の必要書類において、年金や税金の未納について確認されることになります。

このため、年金だけに関わらず、各種税金もあらかじめ完納しておくことが望ましいでしょう。

こちらについての詳細は、以下の記事を参考にしていただけますと幸いです。

3.自営業の方は、住宅ローンの返済計画を念入りに立ててから住宅ローンの申し込みするべき

自営業の方が、仮に、年金未納の状態で住宅ローンの審査に通った場合を考えてみましょう。

その後は、年金未納分と毎月の年金納付に加え、「住宅ローンの返済」が始まることになるのです。

このほか、国民健康保険税や固定資産税および都市計画税(お住まいの地方自治体によって異なる)の納付もしなければなりません。

自営業は、会社員や公務員と異なり収入が安定しません。

このため、「将来の事業で得られる利益が安定している状態で住宅ローンを申し込む」ことは必須となります。

また、毎月の生活費や納めるべき年金・税金・住宅ローンの返済金額も加味する必要があります。

さらに、「毎月どの程度のお金が残るのか」といった住宅ローンの返済計画やライフプランを立ててみることが非常に大切です。

また、自営業の場合、住宅ローンの返済中に「体調を崩して仕事ができなくなる」といったような、収入が途絶える可能性もあります。

この場合でも、会社員や公務員と異なり、公的保険から傷病手当金という所得補償がなされることもありません。

このように、自営業は、会社員や公務員に比べ、安定した収入や公的保障が得られません。

その分、住宅ローンの返済を考える上では、より厳密に、住宅ローンの審査のように厳しく見積もった返済計画やライフプランを立てておく必要があります。

もちろん、自営業をしている本人の収入だけではなく、配偶者の収入も考慮することになりますと、無理のない返済計画や充実したライフプランを立てられると思われます。

しかし、将来に渡って考えられる負担やリスクは、「住宅ローンを申し込む前に」対策しておきたいものです。

年金未納も正にその事前対策の1つです。

あらかじめ未納分をすべて完納しておくことが望ましいものの、どの程度の未納分があるのかによって、少なくとも未納分1ヶ月、当月到来した国民年金保険料の合計2ヶ月分を納めたとしても、生活に支障の出ない住宅ローンを組むべきでしょう。

住宅ローンの返済も加わると、少々無理をした住宅ローンの申し込みは、毎月の金銭的な負担が大きくなってしまいます。

夢のマイホーム購入が、逆に心にも体にも大きな負担をかけてしまう原因にならないよう、注意が必要です。

まとめ

自営業が国民年金を滞納していたとしても、住宅ローンを申し込みする金融機関によって取り扱いが異なります。

このため、必ずしも「住宅ローン審査に通らない」といったことはありません。

これは、住宅金融支援機構が取り扱っているフラット35においても同様です。

ただし、言うまでもなく、国民年金保険料の納付は義務化されています。このことから、住宅ローンの申し込み前にすべて完納されていることが望ましいことは確かです。

国民年金保険料の納付には、国民年金法といった法律によって未納の年金について納付をすることができる期間が定められております。

このため、過去にさかのぼってすべてを納付済みにすることはできません。

ただ、住宅ローンの申し込みを受けた金融機関が求めている年金未納期間については、すべて完納できている状況を作り出しておくことが大切といえます。

仮に、すべての年金未納を解消できないとしても、

  • せめて直近1年間の国民年金保険料はしっかりと納め、ねんきん定期便から納付済みであることが確認できる、または
  • ねんきん定期便で未納が確認できたとしても、すでに納めていることを伝えられる

これらの対策が必要であるとも考えられます。

自営業・個人事業主の方はフラット35が審査に通りやすくておすすめ

自営業の場合、会社員や公務員に比べて審査が通りづらいです。売上によって収入が変動するため、「不安定」という見方をされるからです。

ただし、フラット35(全期間固定金利)であれば話は別です。

民間金融機関の住宅ローンの場合、多くは「年収400万円以上で、安定した収入がある状態でなければ、そもそも申し込みすらできない」といった縛りがありますが、フラット35では、そのような収入に対する審査基準は一切ないからです。

さらに、通常は3年程度必要な過去の業績も、フラット35であれば、半年や1年の業績さえあれば審査への申し込みが可能です。

そのため、フラット35は自営業・個人事業主の方であっても審査に通りやすく、ほとんどの経営者がこれで住宅ローンを組んでいます。

以下に、自営業・個人事業主の方にお勧めのフラット35ランキングがありますので、参考にしていただけますと幸いです。

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