住宅ローン控除(減税)とは:必要書類から確定申告の方法まとめ

既に住宅ローンを組んでいる人、あるいはこれから住宅購入を検討している人であれば、「住宅ローン控除(こうじょ)」や「住宅ローン減税(げんぜい)」といった言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

この税金の緩和制度は、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といい、多くの人にとってみますと「住宅ローン控除(減税)」といった表現でなじみ深いものになっています。

ただ、住宅ローン控除が実際に「自分たちにとってどのような恩恵があるのか分からない」といったように、具体的なイメージを持てていない人は多いです。

そこでこのページでは、住宅ローンで家の購入をしようと検討している方を対象に、住宅ローン控除の魅力をあますところなく解説していきます。住宅購入においてほとんどの人が住宅ローンを組んで住宅購入をすると思いますが、これは結果として住宅ローン減税が受けられることに繋がると考えられます。

1.住宅ローン控除(減税)とは

住宅ローン控除とは、年末(12月31日)時点の住宅ローン残高に一定割合を掛けた金額が所得税と住民税から直接控除される制度のことをいいます。

たとえば、12月31日時点の住宅ローン残高が3,000万円あったとします。このとき、後述する一定割合(1%)を掛けた金額(30万円分)が所得税から差し引かれ、余った分(引ききれなかった分)は住民税から直接控除されるといったイメージです。

こちらについては、「3.実際に住宅ローン控除で返ってくる所得税と住民税の額を計算する方法」で詳しく解説していきます。

1-1.住宅ローン控除の控除率とは

住宅ローンの一定割合=住宅ローン控除の控除率は、平成28年4月現在の法律上「1%」となっています。

たとえば、住宅ローンの残高が3,000万円ある場合、その1%、つまり30万円が控除される計算になります。

ただ、こちらの控除率は、法律改正によって変化する可能性があるため、適用前の控除率を確認しておくことが望ましいでしょう。

参考 住宅金融支援機構ホームページ 住宅ローン控除制度

1-2.住宅ローン控除の上限は2つある

住宅ローン控除は、「2-1.住宅ローン控除の条件」で掲載する対象の住宅によって控除の上限が異なります。

具体的には、住宅ローンの控除対象住宅は「一般住宅」と「長期優良住宅」の2つに大きく分類されます。平成28年4月現在において、「一般住宅の控除上限は40万円」「長期優良住宅の控除上限は50万円」となっています。

こちらにつきましても、法律改正によって金額が変化する場合がある他、不動産業者に「一般」、あるいは「優良」のどちらの住宅になるのか、購入前に確認しておくことが大切です。

1-3.住宅ローン控除の対象

住宅ローン控除を受けるためには、さまざまな要件があります。その中の1つに、「控除対象のローン」があります。ここでは、控除対象のローンと控除対象外のローンについて解説していきます。

1-3-1.控除の対象になる住宅ローン

住宅ローン控除の対象になる住宅ローンは、大きく6つに分けられますが、ここでは一般的に多く利用されている3つの方法を抜粋して紹介します。

  1. 銀行、信用金庫、労働金庫などいわゆる「金融機関」から住宅ローンの融資を受けた場合の住宅ローン
  2. 住宅金融支援機構、市区町村、共済組合などから住宅ローンの融資を受けた場合の住宅ローン
  3. 勤務先が財形制度に加入している場合の「財形融資」

一般的には、「金融機関へ住宅ローンの申し込みをして審査に通ることで融資される」といった「1」や「2」の方法が多く利用されています。これらの流れに沿っている場合の住宅ローンは、住宅ローン控除対象になります。

逆にあまり多くはありませんが、たとえば貸金業からの借入、会社からの借入なども住宅ローン控除の対象になります。

もし、ここで紹介したパターンにあてはまらず、特殊な場合は最寄りの税務署へ電話で問い合わせてみることを強くおすすめします。

参考 国税庁ホームページ 住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等より

1-3-2.控除の対象とならない住宅ローン

先に解説したように、ほとんどの住宅ローンは、住宅ローン控除の対象と考えて差し支えありません。

ただし、親や祖父母からの住宅資金の借入やその他親族からの借入は、住宅ローン控除の対象外になりますので、この点には注意が必要です。

参考 国税庁ホームページ 住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等より

1-4.借入金額が増えるほど控除額は多くなる

住宅ローン控除は、「借入金額が増えるほど控除額が多くなる」といった特徴があります。

たとえば、住宅購入のために3,000万円の住宅ローンを組んだと仮定し、12月31日時点での借入金残高が2,900万円であったとします。この場合、2,900万円に1%を乗じた29万円が住宅ローン控除額になります。

同じような計算を、今度は5,000万円で行っていきます。12月31日時点での借入金残高が4,700万円であった場合、4,700万円に1%を乗じた47万円が住宅ローン控除額になるのでしょうか。

答えは、必ずしもそうとは限りません。

この理由は、先に解説した「1-2.住宅ローン控除の上限は2つある」の以下の解説にあります。

住宅ローンの控除対象住宅は「一般住宅」と「長期優良住宅」の2つに大きくわけられ、平成28年4月現在において「一般住宅の控除上限は40万円」「長期優良住宅の控除上限は50万円」となっています。

対象住宅一般住宅長期優良住宅
最大控除額40万円50万円

先ほどの例では、5,000万円を借り入れた場合の計算結果は47万円でした。ただ、購入した住宅が「一般住宅」の場合、最大控除額が40万円となっているため、答えは40万円になります。

一方、長期優良住宅の場合、計算結果の通り47万円になります。最大控除額は50万円だからです。

12月31日時点において4,000万円を超えているような住宅ローンを組む場合、このような最大控除額に対する注意が必要です。

1-5.住宅ローン控除は10年間続く

住宅ローン控除を受ける際、「新築」「中古」といった住宅要件は問われません。つまり、購入した住宅が「新築住宅」、あるいは「中古住宅」であったとしても住宅ローン控除のすべての要件に合致していれば住宅ローン控除は受けられることになります。

なお、住宅ローン控除の適用期間は「入居から10年間」です。

ただし、住宅ローンを返済している間に、借り換えや繰り上げ返済をしてしまうと、住宅ローン控除を受けられなくなってしまう可能性があります。そうならないために、「住宅ローン控除:借り換えや繰上返済する際の2つの注意点」のページを読み、損をしないようにしてください。

 

2.住宅ローン控除を受けるには

住宅ローン控除を受けるためには、さまざまな要件がたくさんあります。その要件を1つ1つこなしていくことが必要になるため、ここではそれらの内容について解説していきます。

以下の表は、住宅ローン控除を受けるための要件なので、確認しておきましょう。

住宅ローン控除の要件
住宅ローン控除を受けられる人・住宅ローンを組んで自宅(その敷地を含む)を取得し、取得後6か月以内に居住の用に供し、その後も日宇づいて、控除を受けようとする年の年末まで居住している
・その年の合計所得金額が3,000万円以下である
住宅ローン控除の対象となる家屋・床面積が50平方メートル以上である
・床面積の1/2以上がもっぱら自己の居住用である
・中古住宅の場合、次の要件を満たしている
イ 耐火建築物の場合は築後25年以内の家屋である
ロ 耐火建築物以外の場合は築後20年以内の家屋である
ハ イまたはロに該当しない場合でも、一定の耐震基準を満たす家屋である
・生計を位置にする一定の親族から購入したものではない
住宅ローン控除の対象となる借入金・住宅(その敷地を含む)に対応する借入金で、返済期間が10年以上のものである
・勤務先からの借入金の場合は年利1%以上のものである
申告・取得をした年の所得税につき、確定申告が必要
その他注意事項・居住用の3,000万円の特別控除や買換え特例との併用は不可

2-1.住宅ローン控除の主な条件

対象住宅一般住宅長期優良住宅
控除対象の
借入金
返済期間10年以上の住宅ローン
住宅ローン
控除の条件
(1)新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。

(2)この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。

(3)新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。

(4)10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築又は取得のための一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。

(5)居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと。
(1)認定住宅の新築又は建築後使用されたことのない認定住宅の取得であること。

(2)新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供していること。

(3)この税額控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。

(4)新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。

(5)居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例及び居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受けていないこと。

※ 国税庁ホームページ 住宅借入金等特別控除の適用要件より 平成28年4月現在

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ここでは個別に詳しく知るのではなく、住宅ローン控除を受けるためには、さまざまな要件があることを知っておくだけで十分です。後は、不動産業者や金融機関が住宅ローン控除を受けるための情報を必ず説明してくれます。

それでも不安な場合、住宅ローン控除について税務署や税理士、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみることをお勧めします。

2-1-1.長期優良住宅の認定基準

長期優良住宅の認定基準は、「国土交通省が公開しているPDF」で確認できます。

「一般住宅ではなく、長期優良住宅を購入したい」と検討している方は、不動産業者に直接その旨を伝えるのが確実です。

2-2.初年度のみ、確定申告が必要

住宅ローン控除の適用を受けるためには、初年度のみ確定申告が必要になります。税務署側が、住宅ローン控除を受ける人の詳細を細かく把握しなければいけないからです。

以下、「2-2-4.住宅ローン控除を受けるために必要な書類」で詳しく解説しますが、添付書類で住宅に関するすべてを税務署側に把握されることになります。

2-2-1.確定申告とは

国税庁のホームページでは、確定申告について以下のように解説しています。

所得税及び復興特別所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税及び復興特別所得税の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続です。

出典 国税庁ホームページ 初めて確定申告される方より引用

会社員や公務員、アルバイト、パートといった勤務先から給与やボーナスをもらっている人の場合、「年末調整」を勤務先が行うことによって、所得税などの税金精算をします。そのため、基本的には確定申告をする必要がありません。

しかし、住宅ローン控除を受けるためには、初年度のみ確定申告をしなければ住宅ローン控除は認められません。そのため、法律に基づいたルールを順守する必要があります。

2-2-2.確定申告の期間

確定申告の期間は、「2月16日から3月15日まで」と決まっています。

たとえば、平成28年度の確定申告期間は、平成29年2月16日から3月15日までといったイメージです。なお、2月16日や3月15日が土日に重なる場合、翌日や翌々日の平日が開始日や期限日となります。

2-2-3.確定申告を行う場所

確定申告を行う場所は、税務署と思われがちですが、確定申告の期間になると別途、他の会場を借りて「確定申告コーナー」などといった場所を設けています。

毎年、同じ場所で行っているとは限らないため、確定申告の期間前に調べたり問い合わせたりする必要があります。

2-2-4.住宅ローン控除を受けるために必要な書類

住宅ローン控除を受けるために必要な書類は以下の通りです。

初回、確定申告時に必要な書類入手できる場所
確定申告書税務署
住宅借入金等特別控除額の計算明細書税務署
住民票市区町村役場
住宅ローンの残高証明書融資を受けた金融機関
土地・建物の登記事項証明書法務局
不動産売買契約書または工事請負契約書取引した不動産業者
源泉徴収票勤務先

上記書類は、初年度のみ準備する必要があります。2年目以降の住宅ローン控除は、後述する「年末調整」で適用が可能となります。

2-3.2年目以降の手続き方法

住宅ローン控除は、先に解説したように「10年間」適用することができます。初年度は、確定申告を行うことで、住宅ローン控除の適用が認められ、2年目から10年目までは、勤務先が行う「年末調整」で適用することができるようになります。

このとき、上記表で解説した「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」および、「住宅ローンの残高証明書」を勤務差に提出しなければなりません。たいていの場合は、勤務先の総務や経理担当者が理解しているのが一般的です。

もし、不安な場合、税務署などへ問い合わせてみることをおすすめします。

3.実際に住宅ローン控除で返ってくる所得税と住民税の額を計算する方法

ここからは、実際に住宅ローン控除で返ってくる所得税と住民税の額を以下のイメージで解説していきます。住宅ローン控除の恩恵をここで確認することができるはずです。

住宅ローン控除のイメージ

3-1 年末の住宅ローン残高から控除額を求める

上記図の「住宅ローン控除可能額(赤い点線の中がオレンジ色になっている部分)」を確認します。先に解説した通り、住宅ローン控除額は、12月31日時点での住宅ローン残高の1%です。

上記イメージ図の人の場合、「住宅ローン控除可能額が20万円」であることから、12月31日時点において住宅ローン残高が2,000万円であることが確認できます。

3-2 住宅ローン控除可能額から所得税を引く

次に、「納付すべき所得税額が15万円」であることから、住宅ローン控除可能額20万円から納付すべき所得税額15万円を直接差し引きます。結果として、納めるべき所得税額は「0円」となり、住宅ローン控除可能額は「5万円分あまっている」ことになります。

これは、本来15万円納めなければならなかった所得税を納めなくともよいといった意味であり、住宅ローン控除が与える好影響であることがわかります。

3-3 所得税を差し引いた後の住宅ローン控除額から住民税を引く

住宅ローン控除可能額は「5万円分あまっている」ことが、前項で確認できました。さらに、このあまり分は、本来納めなければならない住民税から直接差し引いてよいことになっています。

つまり、上記図で納めなければならない住民税は20万円であることが見て取れ、この20万円から5万円を差し引いた15万円を住民税として納めることになります。

以下の表では、「住宅ローン控除ありの場合」と、「住宅ローン控除なしのケース」を比較します。

項目住宅ローン控除あり住宅ローン控除なし
納める所得税0円15万円
納める住民税15万円20万円
合計負担額15万円35万円

合計負担額を見て分かる通り、住宅ローン控除があるかないかで、支払う税金に20万円もの差額があります。

人によっては、給料の1ヶ月分が税金還付されることは多いです。いかに住宅ローン控除が大きな効果をもたらしているか、確認することができたのではないでしょうか。

3-4 住民税は最大136,500円まで差し引くことができる

ここまで解説した例では、あまった5万円分が住民税から直接差し引きすることができました。平成28年4月現在で、このあまった金額が最大で136,500円分までは、住民税から直接差し引きして良いものとして認められています。

逆に言えば、たとえ住宅ローン控除可能額が大きく余っていたとしても、136,500円を超える住民税は控除対象外です。

3-5 あまった住宅ローン控除額は翌年に繰り越すことはできない

仮に解説した一例で、住宅ローン控除可能額が「40万円」だったとします。このとき、所得税と住民税を合わせた35万円が直接控除されることで、1年間に負担する税金が「0円」になります。そして、40万円から35万円を差し引いた5万円があまることになります。

ただ、このあまった住宅ローン控除額は、翌年に繰り越すことはできません。

4.住宅ローン控除と合わせて、すまい給付金も活用する

住宅ローン控除とすまい給付金は、住宅購入した人にとってなくてはならない制度です。すまい給付金については、同サイト内で詳しく解説した記事があるため、「すまい給付金を受け取る方法:申請手続きと必要書類について」を確認してみてください。

4-1.住宅ローンシミュレーションサイトを活用する

住宅ローン控除額は、住宅ローン残高が把握できていなければ計算することはできません。住宅ローンシミュレーションサイトを活用して、自分なりにどの程度の金額になるのか確かめてみるのもよいでしょう。

住宅ローンシミュレーションサイトは、「みかローン:高機能住宅ローンシミュレーション」がお勧めです。

まとめ

本記事では住宅ローン減税について詳しく解説しました。住宅ローン控除を受けるためのハードルは決して高くないため、まずは今回解説した内容をざっと読む返す程度で良いと思われます。不動産業者や金融機関がほぼ住宅購入に関わってくるため、これらの関係する業者と話をつめていくのが望ましいからです。

何か違和感を感じたり、最初からすべてを知っておきたいと考えている人は、お金の専門家であるFPへあらかじめ相談してみるのもよいでしょう。

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