親の家や土地を名義変更する際の相続税はいくら?控除の計算と対策

多くの方にとって、親が所有している「家」や「土地」といった不動産を相続で引き継ぐ場面に遭遇するケースがあると思います。

仮に相続で親の家を引き継がなかったとしても、残された家族間で誰が遺産を引き継ぐのかといった話し合いに、参加することは少なからずあるはずです。

実際のところ、全国的に相続税がかかる人は、少ない傾向にあり、財務省が公開している「相続税の課税状況の推移」を見ても、近年は「4.1%~4.3%程度」で推移しています。たとえば、平成25年度は、死亡者数1,268,436人、相続税の課税件数54,421件で4.3%という結果になっております。

数値を見る限り、「自分には関係のないこと」と思ってしまいそうですが、相続や相続税にかかる知識を持っておくことは、少なからず家族の財産を守ることにつながるのは紛れもない事実です。

そこで本記事では、相続税をはじめ、親の家や土地を相続する際のポイントや、注意点など押さえておきたい対策について幅広く解説していきます。

知っているだけで、親の家や土地を相続する際に大きく特することができるため、ここで覚えておくようにしましょう。

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1.相続税とは

相続税について国税庁は、以下のように解説しております。

亡くなった人から各相続人等が相続や遺贈などにより取得した財産の価額の合計額が基礎控除額を超える場合、相続税の課税対象となります

出典:国税庁・財産を相続したときの税金より引用

ざっくりまとめますと、相続税とは、亡くなった人の財産を引き継ぐ際、その金額が一定金額を超えた場合に納めなければならない税金となります。

この一定金額が、「基礎控除額」であり、相続税がかかるか、かからないかにつきましては、基礎控除額を計算することで簡易に判定することが可能です。

1-1.相続税の基礎控除額の計算方法

相続税の基礎控除額とは、誰にでも認められている控除金額であり、税金の公平性を保つために設けられている制度です。相続税の基礎控除額を求めるには、はじめに、後述する「法定相続人」の数を確定させて計算式にあてはめる必要があります。

ここでは、計算式を先に紹介した後、法定相続人の解説、相続税の基礎控除額の一覧といった流れで進めていきます。

国税庁 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし

出典:国税庁・相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(平成27年1月1日施行)

相続税の基礎控除額の計算方法は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)の計算式にあてはめることで求められます。

1-2.法定相続人とは?

法定相続人とは、民法という法律で定められており、亡くなった人の財産を引き継ぐことができる人のことをいいます。以下、国税庁のホームページの内容を引用しながら法定相続人について解説を進めていきます。

相続人の範囲や法定相続分は、民法で次のとおり定められています。

相続順位続柄備考
常に相続人配偶者死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。
1位死亡した人の子その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。
2位死亡した人の
父母・祖父母
父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります。
3位死亡した人の
兄弟姉妹
その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。

参考:国税庁・No.4132相続人の範囲と法定相続分をもとに筆者作成

図に表すと以下のようなイメージになります。

相続人の範囲と法定相続分

参考 弁護士法人ホームズ

1-3.法定相続人と基礎控除額の一覧表

法定相続人の数が確定すると、相続税の基礎控除額は計算式にあてはめて求められます。

ここでは、一覧表にまとめて掲載します。

法定相続人の数相続税基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円
6人6,600万円

亡くなった人の財産(遺産)が、相続税基礎控除額よりも少ない場合は、相続税がかからないという見方になります。

たとえば、配偶者と2人の子どもがいる場合、法定相続人は3人となります。このとき、遺産総額が4,800万円以下であれば、相続税がかからないといったイメージになります。

注意点として、土地や家といった不動産のほか、株式や債券といった金融商品の場合は、これらの財産の価値を評価しなければなりません。

そのため、現金や預金金額だけでなく、財産の総合的な評価額(相続税評価額)がいくらになるのか、税理士などの専門家へ試算してもらう対策も時には必要になります。

1-4.相続税評価額とは

相続税評価額とは、相続税を計算するために一定のルールで算定した金額のことです。具体的には、国税庁が定めている「財産評価基本通達」というものに準じて行うことになります。

現金や預金は、その金額を見ることで私たちは「どのくらいの価値があるのか?」を判断することはできます。

しかし、不動産や株式など、目で見ただけではどのくらいの価値があるのか判断を付けられないものが実にたくさんあります。

このような事情から、国税庁では、財産評価基本通達というルールに準じて故人の財産を算定し相続税評価額とするといった相続税のルールを定めているわけです。これによって税金の公平性も保たれていることになります。

2.相続税の対策に有効な対策方法とは?

相続税の対策をしなければならない人にとってみますと、有効な対策方法を知りたいところだと思います。

実務上、相続税を計算するにあたり、亡くなった人の財産を相続税評価額という金額に換算しますが、現金や預金金額は「そのままの金額が相続税評価額」になります。

たとえば、200万円の現金と1,000万円の預金がある場合は、それだけで相続税評価額が1,200万円になるといった考え方です。

しかし、これらの現金や預金金額を不動産や保険に変えて残す方法、さらには事前に贈与を活用して資産を後世に移転させることによって、相続税評価額を低く抑えられるメリットが実はあります。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

家を買う・建てる際の贈与税の非課税は住宅ローンにいくら影響する?

2017.03.31

2-1.不動産が相続税対策になる理由

不動産が相続税対策になる理由は、不動産の相続税評価額の方法が関係しているためです。この理由を解説するにあたり、どうしても少し専門的な話になってしまう点をあらかじめご了承ください。

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たとえば、預金金額が1,000万円あったと仮定し、この1,000万円で建物を購入したとします。

このとき、購入した建物の固定資産税評価額が700万円であった場合、相続税評価額は700万円と評価されます。これは、建物の相続税評価額は、固定資産税評価額と同額とする決まりが法律上、定められているためです。

資産預金建物差額
相続税評価額1,000万円700万円300万円

このように預金金額1,000万円を建物に投じたことによって財産の評価を低くすることができます。仮にこの建物を人に貸している場合、さらに評価額が低く見積もられます。

ただ、専門的な内容になるため、税理士と相続税対策をあらかじめ取っておくことがとにかく望ましいといえます。

2-2.小規模宅地等の特例が使える場合も相続税評価額が低くなる

相続税の計算方法

出典:東京税理士会・相続税の計算方法

小規模宅地等の特例とは、亡くなった人の財産のうち、住宅の土地や事業を営んでいた店舗の土地などを引き継いだ場合、その土地の相続税評価額を減額することができる制度のことをいいます。

小規模宅地等の特例は、面積が330㎡以下(平成29年4月現在)であることが特例を適用するための1つの条件とされています。上記図のイメージより、8,000万円の相続税評価額が8割減額されて1,600万円になるという、かなりの節税効果が期待できる制度になります。

3.親の家や土地を相続する際の相続税はいくら? 計算方法と流れを解説

ここでは、相続で親の家や土地を引き継いだものとして、相続する際の税金がいくらになるのか計算例と流れを解説していきます。

なお、計算例は、引き続き東京税理士会が公開している以下のイメージ図を引用して解説していきます。

相続税の計算方法

出典:東京税理士会・相続税の計算方法

  • 土地の相続税評価額=1,600万円(小規模宅地等の特例控除後)
  • 建物の相続税評価額=1,000万円
  • 合計の相続税評価額=2,600万円
法定相続人の数相続税基礎控除額計算式
(計算結果が▲の場合は0円)
相続税額
1人3,600万円2,600万円-3,600万円=
▲1,000万円
0円
2人4,200万円2,600万円-4,200万円=
▲1,600万円
3人4,800万円2,600万円-4,800万円=
▲2,200万円
4人5,400万円2,600万円-5,400万円=
▲2,800万円
5人6,000万円2,600万円-6,000万円=
▲3,400万円
6人6,600万円2,600万円-6,600万円=
▲4,000万円

親の家と土地を合わせた相続税評価額は、2600万円であり、上記表からお分かりの通り、相続税がかからない結果となりました。

仮に小規模宅地等の特例が適用されない場合の相続税評価額は、土地が8,000万円、建物が1,000万円の合計9,000万円となっており、逆にすべての場合で相続税を納めなければならない結果となります。

小規模宅地等の特例がいかに、相続税の節税効果に大きな影響を与えているのかが、改めて分かります。

3-1.そもそも相続税はいくらからかかるのか?

結論から申し上げると、「相続税は〇円からかかる」といった解説をすることはできません。理由の1つ目として、先に解説した相続税の基礎控除額があげられるからです。

相続税の基礎控除額は、法定相続人の数によって金額が異なります。

そのため、仮に相続で引き継いだ相続税評価額の合計が5,000万円であったと仮定すると、法定相続人が3人までの世帯では、相続税の基礎控除額が4,800万円となるため「かかる」、法定相続人が4人以上いる世帯では、相続税の基礎控除額が5,400万円となるため「かからない」と判定することができます。

このような理由から、それぞれの世帯における法定相続人の数が異なるため、一概にいくらとは解説することができないのです。

2つ目は、亡くなった人の遺産総額が関係してきます。

遺産総額とは、先の例でいうところの「5,000万円」にあたりますが、相続税の基礎控除額よりも少ない場合は、相続税がかかることはありません。とはいえ、遺産総額も相続税の基礎控除額と同様に世帯によってまったく異なります。

したがいまして、1つ目の理由と2つ目の理由を総合的に判断しなければ、相続税がかかる、かからないと判断することができないのです。

3-2.不動産を相続で名義変更する場合、登録免許税がかかることも押さえておこう

不動産を相続で引き継いだ場合、「相続登記」という手続きを法務局で行う必要があります。厳密に解説しますと、相続登記の手続きは任意ではありますが、追々いろいろと面倒なことになりますので、早めに登記手続きを取ることを強く推奨します。

この登記手続きにかかる税金に、登録免許税というものがあります。

登録免許税とは、相続で引き継いだ不動産などを登記する際に必要なお金のことをいいます。大まかに解説しますと、登記手続きに必要な収入印紙代が登録免許税にあたります。

さらに詳しく知りたい場合、以下の記事を参考にしましょう。

登録免許税とは:計算方法から軽減税率まで分かる5項目

2016.05.06

4.親の家や土地を相続する際の注意点

ケース・バイ・ケースですが、親の家や土地を相続する際の注意点として考えられるものを以下、箇条書きしていきます。

  • 誰が土地や家を相続するのか
  • 相続した家や土地を相続人の間で共有持分にするのか
  • 相続人の間で遺産分割協議が問題なく行われているのか……など

特に家や土地を「共有持分」で相続する場合は注意が必要です。

たとえば、両親が亡くなって家と土地を兄弟姉妹間で半分ずつにしたとします。

このとき、仮に、この不動産を将来売却する場合や誰かに貸したりする場合、「双方の合意がなければ進めることができない」デメリットが生じます。

つまり、自分の考えで判断し話を進めることができないということです。

相続で取得する不動産は単独名義がよいと言われる理由には、このような事情もあるわけです。

また、家や土地を相続する場合、これらの不動産にかかる相続税がどのくらい発生するのか、その相続税を納めるための原資をどこから用意するのかといった問題もあわせて生じることが予測されます。

相続税の制度には、「物納(ぶつのう)」と呼ばれる制度があります。仮に相続税をお金で納めることができない場合、不動産や上場株式といった「物」で代わりに納めてもよいことになっています。

これは、相続税のみに認められている制度なのです。

ただ、相続で引き継いだ家や土地が、相続税を納められないことが原因で国に不動産で納めるということは、結果として自分には何も残らないことになります。

この辺もあわせて確認しておく必要があるといえ、何よりも相続の開始前に事前対策として行うべきことであるといえます。

まとめ

本記事では、親の家や土地といった不動産を相続で引き継いだ場合における相続税や、注意点について幅広く解説しました。

冒頭で近年における相続税を納める対象になる世帯は、全体の5%未満である旨を紹介しました。これまでの解説で、「自分は相続税がおそらくかからないだろう」と大まかな予測を立てられることができた人もおられると思います。

私たちが相続で気にするべきことは、相続税もそうなのですが、最も大切なことは、残された相続人同士が納得した上で円満に遺産分割協議が進められるところにあります。

相続は、故人の財産が無償で引き継げることになります。そのため、相続人同士が後々、揉め事を起こさないような対策や話し合いをすることの方が、多くの人にとって重要なことだと思います。

相続や相続税の問題は、それぞれの世帯や状況によって異なることから、本記事の内容を参考に将来起こり得る相続問題について少し考えたり、対策を取ったりするきっかけにしていただければと思っています。

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