住宅ローン控除:借り換えや繰上返済する際の2つの注意点

住宅ローンは数千万円単位の借金になるため、住宅ローン控除(減税)などの制度をフル活用したいところです。住宅ローン減税を受けることができれば、毎年、数十万円単位の税金が控除されます。

ただ、金利が安くなった今(2017年4月現在)、「借り換え」をする方はたくさんいます。また、できる限り利息を軽減するために、「繰り上げ返済」を行う方も多いです。しかしながら、これらは一歩間違えると住宅ローン控除を受けられなくなり、大きく損をしてしまう可能性があります。

そこでこのページでは、住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済する際の注意点をそれぞれ細かく説明していきます。これを読み終えることで、住宅ローン控除の概要や借り換え、繰り上げ返済のそれぞれの注意点を理解できるはずです。

1.住宅ローン控除とは

まず、「住宅ローン控除はなにものなのか」という基本についてまずは勉強しましょう。

1-1.住宅ローン控除の概要

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を購入した方に対して、経済的負担を減らす目的で導入された制度です。

毎年12月までの住宅ローン残高の1%(別途、上限に関する規定あり)を控除額として、10年間にわたり所得税が還付されます。さらに、納税された所得税の額が控除額より少ない場合は、住民税からも一部控除されます。

なお、住宅ローン控除についてさらに詳しく知りたい場合、「住宅ローン控除(減税):必要書類から確定申告の方法まとめ」を確認しておきましょう。

1-2.住宅ローン控除を受けるための要件

ここで、住宅ローン控除を受けるための要件について、まとめてみました。

住宅ローン控除の要件
住宅ローン控除を受けられる人・住宅ローンを組んで自宅(その敷地を含む)を取得し、取得後6か月以内に居住の用に供し、その後も日宇づいて、控除を受けようとする年の年末まで居住している
・その年の合計所得金額が3,000万円以下である
住宅ローン控除の対象となる家屋・床面積が50平方メートル以上である
・床面積の1/2以上がもっぱら自己の居住用である
・中古住宅の場合、次の要件を満たしている
イ 耐火建築物の場合は築後25年以内の家屋である
ロ 耐火建築物以外の場合は築後20年以内の家屋である
ハ イまたはロに該当しない場合でも、一定の耐震基準を満たす家屋である
・生計を位置にする一定の親族から購入したものではない
住宅ローン控除の対象となる借入金・住宅(その敷地を含む)に対応する借入金で、返済期間が10年以上のものである
・勤務先からの借入金の場合は年利1%以上のものである
申告・取得をした年の所得税につき、確定申告が必要
その他注意事項・居住用の3,000万円の特別控除や買換え特例との併用は不可

2.借り換えをした場合、住宅ローン控除はどうなるのか

2017年4月現在、住宅ローンの金利は今までにないほど下がっています。そのため、このタイミングで借り換えを検討・実行する人は多いです。

このとき、住宅ローン控除はどうなるのでしょうか。

2-1.借り換えで住宅ローン控除を受けるための要件

税法の規定では、次のようになっています。

新たな借入金が当初の借入金を消滅させるためのものであることが明らかであり、かつ、その新たな借入金を家屋の新築または購入(一定の敷地の購入を含む)のための資金に充てるとしたならば、住宅ローン控除の適用要件を満たしている場合には、その新たな借入金は住宅ローン控除の対象となる。

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分かりやすく要約すると、借り換えをした後も、先にあげた住宅ローン控除の適用要件を満たしていればその対象となるということです。

2-2.借り換えで住宅ローン控除を受けるために注意したいこと

ここで注意したいのは、借り換え後の「住宅ローン控除期間」と「住宅ローン控除額」です。

まず、住宅ローン控除期間は、居住開始時点からカウントされます。

たとえば、借り換えた時点で3年居住していた場合、借り換え後の控除期間は7年です。このとき、借り換えをしたからといって住宅ローン控除期間がリセットされるわけではありません。新たに10年間控除が受けられるわけではないため、注意しましょう。

一方、毎年の住宅ローン控除額は、次の計算式で決まります。

「借り換え後の住宅ローン年末残高」 × 「借り換え前の住宅ローン残高」 ÷ 「借り換え後の住宅ローン金額」 = 「控除対象住宅ローン年末残高」

この計算式に当てはめることで、住宅ローン控除額を求めることができます。

3.繰上返済をした場合、住宅ローン控除はどうなるのか

次に、繰上返済をした場合、住宅ローン控除はどうなるのかを考えてみましょう。

3-1.繰上返済で住宅ローン控除を受けるための要件

住宅ローン控除で問題となる数字は「10年」です。つまり、返済期間が10年以上の住宅ローンのみが、住宅ローン控除の対象ということです。税法にも、繰上返済をした場合の住宅ローン控除の規定があります。内容は以下の通りです。

当初の契約により定められていた最初に返還した月から、その短くなった償還期間の最終月までの期間が10年以上であれば、繰上返済後も住宅ローン控除を受けることができる

言い換えれば、借り換えにより期間が短縮され10年を下回った場合は、住宅ローン控除を受けることはできないということになります。そのため、繰り上げ返済を行う際は、住宅ローン控除のことを考慮して行うようにしましょう。

3-2.繰上返済で住宅ローン控除を受けるために注意したいこと

金利のことを考慮すると、「住宅ローン控除を受けたいが、繰上返済もしたい」という考えが出てくるのは当然です。この場合、一体どうすればいいのでしょうか。先ほども書いたように、住宅ローン控除では期間がキーポイントとなります。

実は、繰り上げ返済には2つの種類があります。それは、「期間短縮型タイプ」と「返済額軽減タイプ」です。

期間短縮型タイプのイメージ

期間短縮タイプとは、上の図を見て分かる通り、繰り上げ返済することで「返済する期間」を短くします。

返済額軽減型タイプのイメージ

一方、返済額軽減タイプとは、返済期間ではなく、「毎月の返済額」を減らす繰り上げ返済です。これであれば、繰り上げ返済をしても住宅ローン控除を受けることができます。ぜひ取り入れたいテクニックでしょう。

まとめ

住宅ローンは長期にわたり返済していくため、住宅ローン控除はフル活用したいところです。ただ、ここで紹介した住宅ローン控除に関する借り換えや繰り上げ返済の話を知らなければ、数十万単位で損をしてしまう可能性があります。

「無知ほど怖いものはない」という言葉があるように、住宅ローン控除一つをとっても大きく得をするのか損をするのかは紙一重です。リスクを防ぐために、あなた一人で調べても良いですが、お金のプロフェッショナルであるFP(ファイナンシャルプランナー)へ相談することをお勧めします。