新築の家の購入で住宅ローン以外の固定資産税金額はいくら?目安と計算

家を建てると、毎月の住宅ローンの返済に加えて、固定資産税を毎年納めていく必要があります。固定資産税は、住宅購入後におけるランニングコストの代表格であり、土地や建物の価値が高いとされる場合、納めるべき税金額も大きくなります。

そのため、住宅ローンの資金計画を立てる際は、毎年の固定資産税の負担についてもあわせて考えておく必要があり、住宅購入の資金計画を立てるのと同じくらい重要になります。

このような事情を踏まえまして本記事では、これから新築の家を建てる予定のある方を対象に、住宅購入後に必ず発生する固定資産税について目安や計算方法など幅広く解説していきます。

1.固定資産税とは

固定資産税とは、毎年1月1日時点での固定資産の所有者に対して市町村が課する税金のことをいいます。ここで言う固定資産とは、土地や家といった不動産のことを指します。

固定資産税がかかる土地や建物は、いわゆる財産にあたることから、土地や建物といった財産を持てる人は、税金を納めることができる資力があるとみなされます。

また、少なからず土地や建物を所有している人は、住んでいる市町村の何かしらのサービスを直接・関節を問わず受けているという考えから、そのサービスによる対価を税負担で求めるといった考え方もあります。

このような理由から、土地や建物を所有している人には固定資産税が課される仕組みとなっているわけです。

2.固定資産税は誰にかかるのか、もう少し掘り下げて解説

前述の通り、固定資産税とは、毎年1月1日時点での固定資産の所有者に対して市町村が課する税金です。

土地や家の名義が「単独」なのか、あるいは「共有」なのかによって、誰に固定資産税がかかるのか気になるところだと思います。

たとえば、1人の信用だけで家を購入した場合、「単独名義」となり、固定資産税は単独名義になっている本人に対して課されることになります。

一方、夫婦共働きなどで2人の信用で家を購入した場合、「共有名義」となります。

しかし固定資産税は、代表者1人に対して課されることになります。共有名義ですので、自分の持分のみ固定資産税が課されるイメージを持ってしまいますが、別々に固定資産税が課されるのではなく、1人に対してまとめて課税する共通のルールとなっております。

ただしこの場合、夫婦それぞれには連帯納付義務(夫婦それぞれに納付をしなければ行けない義務)があるのは言うまでもありません。

そのため、代表者1人だけが固定資産税の納付義務があるのではなく、夫婦2人で連帯して納めなければならないことを意味しているところに注意が必要です。

3.固定資産税はいつ発生するのか

新築で家を建てた場合、固定資産税がいつから発生するのか気になる所だと思います。

家を新築で建てた場合における固定資産税が課されるポイントは、原則として「家の建築施工が完了した時点」となります。

そのため、仮に家が完成した後に行う登記手続きが完了していない状態で翌年にまたいだとしても、固定資産税がかかってしまう可能性も否めないことになります。

ざっくり分かりやすくまとめますと、1月1日の時点で家が完成しており建物が存在していれば、固定資産税がかかると理解しておくと良いでしょう。

4.固定資産税はいつ支払うのか

固定資産税は、お住いの市町村から1月1日時点で土地や家を所有している人に対して「4月から6月頃(地域によって異なります)」に納税通知書というものが送付されることになります。

この納税通知書を金融機関などに持っていき、そこで固定資産税を納める流れとなります。昨今では、市町村税がコンビニエンスストアで気軽にいつでも納められるようになってきており、ますます便利な時代が到来しました。

固定資産税を納める時期は、原則として年4回で分割して納める形式となり、これもお住いの市町村によって納付時期が異なります。

一般に、4月、7月、12月、翌年2月中において市町村の条例で定めることになっています。

余談ですが、東京は、6月、9月、12月、翌月2月の年4回となっており、確実なところは、お住いの市町村に直接問い合わせて確認することでしょう。

5.固定資産税の計算式

土地や建物に課される固定資産税の算出方法には、一定の算式があり、以下の通りとなります。

固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%(標準税率)

5-1.課税標準額とは

課税標準額とは、固定資産税がかかる前の基礎となる金額のことをいいます。

課税標準額は、土地や建物などによって算出方法が異なる特徴があるだけに留まらず、「6-1.固定資産税の軽減措置について」で後述する措置もあることから、複雑な場合もあります。

5-2.標準税率とは

固定資産税の標準税率は「1.4%」と決まっておりますが、市町村によって標準税率を別に定めることができるとされています。

いわゆる財政上の問題や、その他の要因があることによって、「標準税率を上げてもよい」といった意味です。多くの自治体では、標準税率である1.4%が採用されております。

たとえば、土地は1.4%、建物は1.6%などのように、固定資産によって税率を変えることはできないものとされています。

5-3.建物に対する固定資産税の計算方法

一例:固定資産税・課税明細書

価格固定課税標準額固定資産税
8,000,000都計課税標準額都市計画税
8,000,000112,000

上記表の「価格」は、固定資産税評価額を表しており、課税標準額は800万円であることが確認できます。固定資産税は、課税標準に標準税率を掛けて計算することになるため、以下のような算式で導き出されます。

8,000,000 × 1.4% = 112,000

よって建物に対する固定資産税は、年間112,000円であることが分かります。

ただし、新築で建てた家の場合、固定資産税の税額軽減の特例という特別措置があります。そのため、一定の要件によって、3年間もしくは5年間において本来の税額の2分の1が軽減されることになります。

価格固定課税標準額固定資産税
8,000,000都計課税標準額都市計画税
8,000,00056,000

市町村によっては、上記表のように固定資産税の特例が適用された後の金額が記載されている場合もあります。特例の詳細につきましては「6-1.固定資産税の軽減措置について」で解説します。

5-4.土地に対する固定資産税の計算方法

土地に対する固定資産税の計算方法も、課税標準額に標準税率を掛けて算出する方法と同じです。

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ただし、住宅用地につきましては、「6-1.固定資産税の軽減措置について」で解説する特別措置が利用できる仕組みとなっており、新築で家を建てるほとんどの方が適用されているものと推測されます。

たとえば、購入した土地の課税標準額が1,200万円であったとし、土地の面積が180㎡であったと仮定しますと土地にかかる固定資産税額は、以下の金額になると予測されます。

1,200万円 × 6分の1 = 200万円(課税標準)
200万円 × 1.4% = 2.8万円

ポイントは、購入した土地の金額よりも課税標準額は、低くなる点にあります。

たとえば1,200万円で土地を購入した場合、課税標準額は1,200万円よりも下回ることになります。そのため、結果として土地に対する固定資産税は2.8万円よりも、少ない金額で済むイメージを持っていただくことができます。

6.固定資産税の金額がいくらになるのかシミュレーションしてみよう

新築で家を建てた場合、固定資産税がいったいどのくらいになるのか想像がつきにくいものです。この理由として、建物の固定資産税評価額がいくらになるのか不明確なためです。

しかし、大まかな概算金額でも知っておくべきであることはいうまでもありません。ある程度の金額が決定しているのであれば、以下、固定資産税の概算計算ができるシミュレーターを利用してみるのもおすすめです。

6-1.固定資産税の軽減措置について

新築で家を建てた場合における建物と、土地の固定資産税の軽減措置の取り扱いはそれぞれ異なります。どちらの不動産も一定の条件を満たすことで、固定資産税の軽減措置が受けられます。

6-1-1.建物の場合

区分条件軽減措置
建物居住用部分の床面積が2分の1以上で50㎡以上280㎡以下であること120㎡までの部分について最短で3年、最長で7年分の固定資産税額が2分の1に軽減される。

一般住宅、優良住宅の違いのほか、3階建ての有無や耐火・準耐火建築物であるか否かなど細かな判定によって決定される

大まかな表現になってしまいますが、一般の注文住宅を建てる分には、建物の固定資産税の軽減措置が利用できると思われます。

こちらは余談ですが、優良住宅は、建築費用が高額になってしまうものの、固定資産税の軽減効果も大きく、住宅ローン減税など、その他の面におきましても一般住宅に比べて恩恵が受けられるメリットがあります。

6-1-2.土地の場合

区分条件軽減措置
土地(宅地)敷地面積のうち
200㎡以下の部分
固定資産税評価額の
6分の1に軽減される
敷地面積のうち
200㎡を超から家屋の床面積の10倍までの部分
固定資産税評価額の
3分の1に軽減される

土地の固定資産税の軽減措置は、建物と違って税額ではなく、課税標準額(固定資産税評価額)である点に注意が必要です。

土地は、比較的金額が高いイメージをお持ちの方も多いと思いますが、お住いの地域によってさまざまです。土地よりも、建物の方が多くのお金を負担しなければならないといったこともざらにありますが、軽減措置が適用される点は、大きなメリットあることは間違いありません。

6-2.都市計画税との違い

固定資産税と都市計画税は、併せて課される税金ですが、これらの税金の違いは、「場所」によります。固定資産税は、どこの場所であったとしても土地や家を所有している以上、納めなければならない税金になります。

一方、都市計画税は、市街化区域と呼ばれる地域(場所)に家を建てた場合に課される税金です。したがいまして、必ずしも土地や家を所有しているからといってかかる税金ではないのです。

固定資産税と都市計画税の違いとは:計算方法や税率、標準額はいくら?

2017.04.05

7.固定資産税の払い過ぎに要注意

固定資産税は、賦課課税制度(ふかかぜいせいど)という方式が採用されています。要は、市町村が土地や建物の固定資産税評価額を決定して、所有者に対し固定資産税を課する仕組みになっています。

所得税などのように自分で申告する制度ではないため、市町村のミスが原因で多くの固定資産税を納めている可能性は残念ながらあるのが実情です。

さらに、所有者の多くが固定資産税の計算の方法や仕組みが分からないほか、実際に税金を払いすぎているのか判断することが難しいだけでなく、固定資産税の専門家がいないことも大きな問題となっています。

税理士が税の専門家であるため、固定資産税も専門と思われがちですが、先に解説したように固定資産税は、賦課課税制度のため、通常、自己申告が必要な所得税や相続税などと違って申告そのものをしなくともよいことになります。

つまり、厳密に考えますと税理士は、必ずしも固定資産税の専門家とはいえない実情が実はあることになります。

これらの理由から、とても非現実的なことなのですが、固定資産の所有者が自ら、自分の土地や建物に課されている税金が適正な金額であるかどうかを調べて確認する時代が到来しています。

7-1.固定資産税の支払いを抑えるには

固定資産税の納付金額を抑えるためには、現状の固定資産税がどのような状況で課されているかを確認し、以下、箇条書きする項目を利用できるかどうかを検討してみる方法もあります。

専門的な内容となりますので、読み物としてご利用ください。

  • 住宅用地軽減特例を上手に活用する
  • 農地軽減特例を上手に活用する
  • 現状の状態が合致しているか確認する
  • 適正評価になっているか確認する
  • 賦課期日を上手に活用する
  • 用途の非課税措置を上手に活用する
  • 償却資産を上手に活用する
  • 家が著しく劣化していないか確認する
  • 建築費以上の評価になっていないか確認する

まとめ

本記事では、家を新築で建てた場合における固定資産税の計算方法や軽減措置などについて幅広く解説しました。

これから新築の家を建てるあなたにとって、不安な部分や疑問な部分を解消できるきっかけになったのではないでしょうか。

固定資産税は、家を購入した後に必ず発生する税金です。そのため、住宅購入において最も大切な資金計画の際には、住宅ローンの返済金額に留まらず、固定資産税が概ねどのくらい必要なのか概算計算しておくことが大切です。

専門のFPであれば、住宅ローンの資金計画や固定資産税をはじめ、住宅購入にかかる疑問を幅広く解決できるスキルを持っているため、まとめて相談してみる方法もおすすめです。

重複説明となりますが、自分で資金計画を立てる際は、住宅ローンの返済金額と固定資産税を合わせた金額を支出金額として考慮するのを忘れないようにしましょう。