住宅購入の契約書に収入印紙を貼って納税する印紙税とは

住宅を購入するには、土地や建物といった不動産の価格だけでなく、住宅諸費用も多くかかります。たとえば、住宅諸費用の代表的なものに「外構(お庭の工事)費」や「火災保険料」、「団体信用生命保険料」、「登記費用」、「各種税金」などさまざまな諸費用があります。

ただ、住宅購入で支払う税金は、聞きなれないものであるため、「なぜ必要なのか分からない」という方は多いです。

そこでこのページでは、その中でも各種税金の「印紙税」に焦点をあてて詳しく解説していきます。これを読み終えることで、家を買う際になぜ印紙税が必要なのか、また何に対して納税しなければいけないのかが分かります。

なお、本記事で解説する印紙税については、これから住宅購入を検討している方を対象にした内容となっており、一般的な印紙税についての解説は割愛しているため、あらかじめご了承ください。

1.印紙税とは

印紙税は、契約書を作成したり一定金額を超えたお金を受領したりした時にかかる税金のことをいいます。

多くの税金は、現金で支払ったり、口座から引き落としされたりすることで納付する流れになるのが一般的です。

一方、印紙税の場合、郵便局やコンビニなどで「収入印紙」と呼ばれる切手のようなものを購入し、契約書や領収書に貼付・押印することによって税金を納付したことになります。

1-1.収入印紙とは

収入印紙のイメージ普段の仕事において、総務や経理関係に就いている人であれば、すでにご存じだと思いますが、図の切手のような形をしたものが収入印紙になります。

また、収入印紙には、金額によって複数の種類があります。

しかしながら、契約書や領収書などを普段から取り扱っていない人の場合、あまり馴染みがないものです。

住宅購入において、この「収入印紙にかかるお金 = 印紙税」が所々において必ず必要になってきます。

1-2.なぜ印鑑を押すのか

印紙税法という法律では、契約書や領収書などに収入印紙を貼付した場合には、契約書などの文書と印紙の間に押印して印紙を消さなければならないことになっています。これを「契印」「割印」「消印」などといいます。

消印の目的は、印紙の再使用を防止するためであり、それに使用する印鑑は通常印判といわれているもののほか、氏名、名称などを表示した日付印、役職名、名称などを表示したゴム印のようなものでも差し支えないことになっています。

要は、はがして再利用できないようになればよいということです。

1-3.なぜ印紙税が課せられるのか

多くの人が一度は感じたことがある問題とも思えますが、「そもそも、なぜこの収入印紙にお金を支払わなければならないのか」という疑問が挙げられます。ざっくり言ってしまえば「法律でそう決まっているから」なのですが、ここではもう少し固い話をしていきます。

印紙税は、契約書などに貼付するものであることは先に解説したとおりです。そして、この契約書を作成して契約を結ぶことは、その契約の取引に対して「双方の利益がある」ということを意味しており「担税力がある = 税金を負担できるだけの余裕がある」として税金を課しています。

つまり、「税金が負担できるだけの余裕があるから納めてくれ」と言われいることとイコールです。

これだけの理由では腑に落ちませんが、法律で決まっていることであるため、残念ながら免れることはできません。ただし、印紙税には後述する軽減措置があり、負担する印紙税が緩和される制度があります。

1-4.印紙税の軽減措置とは

住宅購入において印紙税の納付が所々において必ず必要になります。

具体的な例として、「不動産売買契約書」「建設工事請負契約書」「金銭消費貸借契約書」を交わした時が挙げられます。

このうち、「不動産売買契約書」「建設工事請負契約書」に貼付する収入印紙に関しては、負担する印紙税が緩和される軽減措置が図られており、詳細は以下の表のとおりです。

なお、冒頭で述べた通り、本記事は住宅購入を検討している方を対象としているため、ここでは1億円を超える部分に関しましては、割愛させていただきます。

契約金額本則税率軽減税率
平成30年3月31日まで
10万円超50万円以下400円200円
50万円超100万円以下1,000円500円
100万円超500万円以下2,000円1,000円
500万円超1,000万円以下10,000円5,000円
1,000万円超5,000万円以下20,000円10,000円
5,000万円超1億円以下60,000円30,000円

たとえば、不動産業者との間で「土地600万円」「建物2,000万円」の条件で「注文住宅」を購入することになったと仮定します。

このとき、住宅を建築するための土地を購入することになるため「不動産売買契約書」を不動産業者と取り交わすことになります。土地は600万円のため、上記表から「500万円超1,000万円以下」に該当することがわかるため、必要な印紙税額は「5,000円」となります。

次に、購入した土地の上に建物を建築してもらわなければなりません。このとき、建築業者と建設工事請負契約書を取り交わすことで、取引が成立する流れとなります。

当然のことながら、このときも先程と同様に、印紙税を納めなければならないことになります。、消費税も建設工事の請負代金に含まれますので、2,000万円に消費税(8%)を加算した2,160万円が建設工事請負代金となります。

上記表から、「1,000万円超5,000万円以下」に該当することがわかり、納めるべき印紙税額は「10,000円」であることがわかります。

結果として、不動産売買契約書に貼付する収入印紙は「5,000円」であり、建設工事請負契約書に貼付する印紙は「10,000円」であることから、合計「15,000円」の印紙代が必要であることがわかりました。

このように、あなたが購入しようとしている不動産物件に関して、同じように当てはめて考えるだけで、簡単に印紙税を求めることができます。

1-5.住宅ローンを借りるときも収入印紙が必要

前述の通り、不動産売買契約書や建設工事請負契約書には印紙税の軽減税率が適用される旨を解説しました。

ここでは、金融機関と住宅ローンの契約を取り交わす際の「金銭消費貸借契約書」について解説していきます。

契約金額印紙税額(本則税率)
1万円未満非課税
10万円以下200円
10万円超50万円以下400円
50万円超100万円以下1,000円
100万円超500万円以下2,000円
500万円超1,000万円以下10,000円
1,000万円超5,000万円以下20,000円
5,000万円超1億円以下60,000円

はじめに、改めて解説しなければならないことがあります。それは、金融機関と住宅ローンの契約時に取り交わす「金銭消費貸借契約書」に貼付する印紙税には、「軽減税率が適用されない」ということです。

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前項1-4、で述べた例にと同じように、不動産業者との間で「土地600万円」「建物2,160万円(税込)」の条件で「注文住宅」を購入することになったと仮定します。さらにここでは、住宅諸費用200万円を含めた「2,960万円」を全額、金融機関から住宅ローンの融資を受けたとします。

この場合、金融機関と住宅ローンの契約時に取り交わす「金銭消費貸借契約書」に貼付する印紙税は「1,000万円超5,000万円以下」に該当することから「20,000円」であることがわかります。

結果、具体例の場合における住宅購入時に必要な印紙代は以下のようになります。

  • 不動産売買契約書に貼付する収入印紙「5,000円」
  • 建設工事請負契約書に貼付する収入印紙「10,000円」
  • 金銭消費貸借契約書に貼付する収入印紙「20,000円」

合計で35,000円分の収入印紙購入費用が必要といったイメージになります。

再度確認として、不動産売買契約書、建設工事請負契約書、に使用する印紙税は軽減税率は適用されるものの、金銭消費貸借契約書に張り付ける印紙には適用されませんので、注意しましょう。

1-6.収入印紙を間違えて貼ってしまった場合

国税庁のホームページでは、「契約書や領収証などの印紙税の課税文書に誤って過大に収入印紙を貼り付けてしまったような場合には、印紙税の過誤納金として還付の対象となる場合があります」と表記しております。

要するに、収入印紙を間違えて多く貼ってしまった場合、返金してもらうことができるということです。

ここで注意しなければならないことは、「誤って過大に収入印紙を貼り付けてしまったような場合」という文言です。

たとえば、先の例で600万円の土地について不動産業者と売買契約を取り交わした際に必要な印紙税は「5,000円」でした。しかし、勘違いで不動産売買契約書に「10,000円の収入印紙」を貼付してしまった場合に、本来納めるべき印紙税額5,000円から差し引いた5,000円が還付されるといったイメージになります。

ここではっきりと伝えておきたいことは、住宅購入において、不動産業者や建設業者と取り交わす契約書の収入印紙を間違えて貼ってしまうといったことは、通常、ありえません。

むしろそのようなことが契約書への署名・捺印時に発生した場合、いったん契約せずに持ち帰り、後程、すみやかに業者との契約取引をしない旨を伝えるのが妥当だと考えます。細かい部分をしっかりとできない業者に対して、果たしてあなたは自分の住宅を託すことができますでしょうか。

また、もう1つ重要なことを伝えるとすれば、住宅ローンの審査申込前に「不動産売買契約」や「建設工事請負契約」を取り交わさないことを強くおすすめします。

これは、仮に住宅ローンを申し込んだ金融機関から融資を断られた場合、「不動産売買契約書」や「建設工事請負契約書」に貼付した収入印紙代を負担しなければならなくなる可能性があるためです。

そのため、不動産業者から出された「見積書」や「建設予定案」などで金融機関へ住宅ローンの申し込みの対応をしてもらえるかを確認することが大切です。

実際に、国税庁の回答では、印紙税の還付について「契約書を作成した後にその契約が解除・取消されたものや、既に交付された領収書などは印紙税の還付の対象となりません」としています。

つまり、住宅ローンの申し込み前より先に、不動産業者と「不動産売買契約書」や「建設工事請負契約書」を取り交わした後に住宅ローンを申し込んだ金融機関から融資を断られたとしても、すでに契約書に貼付した印紙相当額が還付されないといったことになるわけです。

これこそまさに「無駄なお金」であることがわかります。

このようなリスクを防ぐためにも、確実にお金を借りることができることを確認したうえで契約を勧めるようにしましょう。

2.印紙税は売主と買主、どちらが納めるのか

住宅購入のために必要な「不動産売買契約書」「建設工事請負契約書」「金銭消費貸借契約書」などの重要書類は、自分の契約書と取引する相手のものを合わせて「2部」作成し、お互いに「1部ずつ保有」するのが一般的です。

この時、契約書に貼付する収入印紙の代金は、双方で負担するのが一般的であり、税法上でも「お互いに連帯して納めなければならない」と定められています。

3.住宅購入において収入印紙はいつ必要になるのか

住宅購入において収入印紙が必要になる時は、不動産業者などと取引契約が成立した時です。つまり、後述する3つの重要書類に売主と買主の双方が署名・押印した時に合わせて収入印紙が必要になります。

3-1.住宅購入における収入印紙が必要な書類とは

住宅購入において、収入印紙が必要な重要書類には以下の3つがあります。

重要書類内容
不動産売買契約書土地や建売住宅など不動産の売買契約を
確立するために作成する契約書。
売主が不動産業者の場合は
業者の方で用意している。
建設工事請負契約書注文住宅の場合、不動産業者や建設業者に
建物の建築工事を依頼する際に
取り交わす契約書。
業者が契約書を用意している。
金銭消費貸借契約書金融機関と住宅ローンの契約をする際に
取り交わす契約書。
金融機関の方で契約書を用意している。

上記3つの契約書名は、それぞれ作成した際に名称が異なっている可能性がありますが、契約内容に違いはありません。

4.収入印紙を貼らないとどうなるのか

契約書や領収書など、本来、収入印紙を貼らなければならないものに対して貼付しなかった場合、「印紙不貼付加算税」といった罰金にあたる税金(過怠税)を納めなければなりません。

また、収入印紙は契約書や領収書などに「貼付して」「消印」することで始めて印紙税を納税したとされることから、「消印」し忘れた場合も「印紙不消印加算税」といった罰金にあたる税金(過怠税)を納めなければならないことになっています。

なお、過怠税の金額は、本来貼付しなければならない収入印紙代にプラスして2倍の加算税が追加されることになるため、結果として3倍の過怠税を納めなければなりません。

しかしながら、住宅購入においては、不動産業者が契約書や収入印紙を用意していることが一般的です。そのため、収入印紙を貼付し忘れたり、消印し忘れたりするといったことはまずないといっても決して過言ではありません。

たとえ収入印紙を貼付し忘れたり、消印し忘れたりした場合においても「契約自体は有効」であるため、これが原因で住宅購入契約が白紙撤回になるといったことはありません。これについても、合わせて知っておきたいポイントといえるでしょう。

まとめ

本記事では、これから住宅購入を検討している方を対象に「印紙税」について詳しく解説しました。具体例を交えて印紙税について解説しましたが、契約書に貼付する印紙税は、さほどお金がかからないと感じられた方も多かったのではないでしょうか。

お金を支払って契約書へ収入印紙を貼付することに対して、納得できない方も少なからずいると思われますが、これがあくまでも住宅購入にかかるルールと割り切って考える必要があります。

また、住宅購入に必要な住宅諸費用に関しては、印紙税よりももっと負担が大きいものがたくさんあります。これらに関しても、事前に確認をしておき、無理のない資金計画をするようにしましょう。

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