住宅ローン控除を受ける条件と初年度の確定申告について

多くの方にとって、マイホームは人生で一番高い買い物です。そのため、少しでも買い物を得にできる制度があったら、使ってみたいと考えるのは当たり前のことです。

実は、国は国民に住宅の購入をしてほしいと考えています。たくさんの人が数千万円単位の買い物をすることで、経済が大きく回るからです。実際に、住宅購入を少しでもしやすくするために、住宅ローン控除(減税)というものがあります。

ただ、大半の方はこの制度について聞いたことがある程度であり、その内容を細かく知っている人は少ないです。

そこでこのページでは、住宅ローン減税について、制度の概要から、活用のためのコツまで、得をするための知識を徹底解説していきます。これを読み終えることで、あなたの生活が少しでも豊かになることに繋がれば幸いです。

1.住宅ローン減税とは

最初に、住宅ローン減税に関する基本的な知識を押さえていただきたいと思います。

1-1.住宅ローン減税の概要

まず、そもそもこの住宅ローン減税は何のために設けられた制度かについて、説明します。一言で言えば、「住宅ローンを使って住宅を取得した場合に、取得者の金利負担を減らす」ための制度です。

住宅ローンは、数千万円といったように、借入額が高額になる場合が多く、金利の負担も相当なものになります。そこで、一定の金額を「所得税」と「住民税」の額から控除することで、少しでも金利の負担を軽減するのがこの制度の狙いといっていいでしょう。

1-2.住宅ローン減税の期限

この制度はいわゆる「時限立法(じげんりっぽう)」です。つまり、いつまでもこの制度が続くわけではないということです。平成28年4月の段階では、平成31年6月までと期限が決まっています。そのため、この期限を過ぎてしまうと、制度の恩恵を受けることは(現段階では)できなくなってしまうため、注意してください。

2.住宅ローン減税制度の具体的な内容

それでは、ここからは住宅ローン減税制度の具体的な内容に話を移します。

2-1.住宅ローン減税で受けられる控除額

住宅ローン減税で最も気になるのは、、「一体いくら安くなるのか≒控除が受けられるのか」は気になるポイントでしょう。平成26年4月~平成31年3月までの規定では、控除額は次のようになっています。

一般の住宅長期優良住宅、低炭素住宅
最大400万円(=40万円×10年)最大500万円(=50万円×10年)

まずはこの金額を頭に入れてください。

2-2.住宅ローン減税が受けられる条件

具体的に、「どのような条件を満たせば、住宅ローン減税の対象となるのか」気になるところです。詳しく見てみましょう。

2-2-1.ローンの条件

基本的には、次の条件を満たさなければいけないことに注意してください。

  • ローン期間が10年以上である。
  • 制度の適用を受けようとする年の年末において、ローン残高がある。
  • 分割して返済を行う。

また、以下ような場合、住宅ローン減税の恩恵は受けられません。重要なことであるため、併せて覚えておきましょう。

  • 勤務先、親族、知人からの借入である。
  • 無利子または1%に満たない利率での借り入れである。

2-2-2.入居時期の条件

住宅ローン減税を受けるためには、入居時期にも気を付けなければいけません。「住宅ローンを使って建てた家にちゃんと住んでいること」が前提となっている制度だからです。次の条件を満たすよう、注意しましょう。

  • 取得、増築の日から6か月以内に入居している。
  • 住宅ローン減税の適用を受ける年の12月31日まで引き続き、その家に居住している。

2-2-3.所得の条件

住宅ローン減税の制度の趣旨は、「金利負担の軽減」です。そのためか、収入がそれなりにある=所得が高い人は、この制度から外れます。高い給料を取得している人に対しては、それなりに金利を負担してもらうべき、という背景があるのでしょう。

このことから分かるように、住宅ローン減税の適用には、所得制限が設けられていることも知っておいてください。具体的には、次の条件に該当する場合、住宅ローン減税の適用は受けられません。

  • 控除を受ける年度において、自分の合計所得が3,000万円(給与収入で約3,336.8万円)を超えている。

2-2-4.譲渡所得の課税の特例とは併用できない

住宅ローン減税を適用するには、以下のような条件もあるため、注意してください。

(2) 売った年の前年及び前々年にこの特例又はマイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

引用No.3302 マイホームを売ったときの特例|譲渡所得|国税庁

もし、この条件に当てはまるようでしたら、住宅ローン減税の恩恵は受けられません。

2-3.住宅ローン控除を受けられる住宅の条件(一般住宅の場合)

住宅ローン減税を受けるためには、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか。ここでは、重要なポイントをまとめてみました。

2-3-1.自分が住むためのものである

住宅ローン減税の前提は、「居住の用に供した」です。分かりやすく言うと、「自分で住まない住宅については適用されない」ということです。

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具体的には、工事の完了から6か月以内に、住宅ローン減税を受けようとする人が自分で住み始めないといけません。住民票の内容で実際に住んでいるかどうかをチェックするため、気を付けましょう。

2-3-2.床面積が50㎡以上である

なお、床面積の測定方法は不動産登記上の床面積と同じ数値となっています。測定方法は次の通りです。

戸建住宅の場合共同住宅の場合
壁心面積内法面積

壁芯面積(へきしんめんせき・かべしんめんせき)とは、部屋の実際の寸法ではありません。柱や壁の中心から計測するため、実際の部屋の面積よりも大きいです。

壁芯面積のイメージ

一方、内法面積(うちのりめんせき)の場合、壁の表面で計測するため、実際の部屋の面積であると考えてください。

内法面積のイメージ

なお、そもそも床面積についてよくわからない場合、「建物の大きさを決める容積率に密接に関係する延べ床面積とは」で図解を交えて詳しく述べているため、確認しておきましょう。

2-3-3.耐震性能に問題がないか

新築住宅の場合、建築基準法に基づき設計され、建築確認を受けているので問題はありません。

しかし、中古住宅の場合、一昔前の構造で建設されています。そのため、耐震性能に問題がある場合、住宅ローン控除が受けられません。

具体的には、次の条件を満たしていることが必要になります。

  • 築年数が一定年数以下であること
耐火建築物以外(木造など)耐火建築物
20年以内に建築された住宅であること25年以内に建築された住宅であること

次のいずれかにより、現行の耐震基準に適合していることが確認できること。

  • 耐震基準適合証明書
  • 既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)
  • 既存住宅瑕疵保険に加入

2-4.住宅ローン減税の注意点

最後に、住宅ローン減税を受けるにはどうすればいいか、という具体的な手続きについて解説します。

2-4-1.確定申告の流れ

大原則として、住宅ローン減税は確定申告をしないと受けることができません。確定申告は、毎年2月16日から3月15日までに行います。

なお、確定申告にあたっては、次の書類が必要となるので、もれなく揃えるようにしてください。

書類入手・依頼先確認事項
住民票の写し市区町村6か月以内に自分が居住していることになっているか
残高証明書金融機関等住宅のローン残高
登記事項証明書法務局取得年月日、住宅取得の対価の額、床面積(50㎡以上)
請負(売買)契約書等本人
給与等の源泉徴収票等会社等所得税額等
添付書類入手・依頼先確認事項
耐震基準適合証明書建築士等耐震性を有すること
既存住宅性能評価書登録住宅性能評価機関
既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書住宅瑕疵担保責任保険法人

ちなみに、給与所得者=サラリーマンの場合、2年目以降は職場の年末調整で対応できます。つまり、「改めて確定申告をする必要はない」という点も併せて押さえてください。

まとめ

ここまで、住宅ローン減税について解説しました。これのお得な制度を最大限に利用するために、もう一度、次の3点を復習しておきましょう。

  • 自分の取得する住宅が条件を満たすかチェックする
  • 住宅を取得したらなるべく早く住めるようにする
  • 書類を揃え、確定申告を忘れないようにする

このページで紹介した内容を忠実に行うことで、住宅ローン減税を確実に受けることができます。ただ、住宅ローン減税の期間は10年間しかないため、可能な限り、早めに手配を進めるようにしましょう。